前回のわっくんのマイトビーの実践はこちらです。
マイトビー(視線入力型意思伝達装置)の実践
『視線でドラムをたたく』
わっくんは、午前中まで熟睡して午後に目覚めると、ベストの状態で
授業に臨むことができる。それが、この日は、朝のうちに起きてしまっ
て、もう一度寝直すことができなかった。そのため、睡魔と戦いながら
の授業になった。
キャリブレーション(センサーに個人の視線を合わせる調整)では、
キャリブレーション(センサーに個人の視線を合わせる調整)では、
はじめ刺激を追えず、特に左のほうに眼球を動かすのが難しかった。
それでも、声掛けしながらステップスルー(手動で刺激を動かしていく)
それでも、声掛けしながらステップスルー(手動で刺激を動かしていく)
でゆっくり行うと、3回目に成功する。
自分の意志で何とか目を開けて頑張ろうとしているのが表情から
読み取れる。目を何度もしばたたかせている。耐えきれずに時々
すっと眠りの世界に吸い込まれていく。お母さんは、わっくんの
まぶたが下りてしまっても、モニターの脈拍数を見て、
「大丈夫です。まだ寝ていません!」
と教えてくれる。
マイトビー用のソフト「LooktoLearn」の音楽関係の内容は充実していて、
わっくんの好きなギターの音が視線で出せるし、「Magic squares」(写真)
では、見たところにピアノの音と共に小さな色タイルが出てくる。1回見た
ところは「ド」の音で黄色のタイル、同じタイルを見ると今度は「レ」の音で
うすいオレンジ色に変わる。見るたびに色が変わっていき、2回、ドレミファ
ソラシドを繰り返すと黄色に戻る
前回は、ほとんど画面を埋められた、「Magic squares」だが、今回は左下
前回は、ほとんど画面を埋められた、「Magic squares」だが、今回は左下
を見るのが難しかった。

<LooktoLearn のMagic squares>
次にやった「センサリーアイFX」の「色を塗る」では、なかなか下の方の
パレットに視線が届かなくて、色が選べなかったものの、徐々に画面いっ
ぱい視線を動かすことができるようになった。

<センサリーアイFXの 色を塗る>
画面を塗りつぶすのが得意なわっくんにぴったりのソフトとしてLook to Learn
のスクラッチを試す。この日初めての笑顔に出会える。黒い画面をくまなく
見ていくのは得意で、見ることで隠れている絵が出てくる課題にも興味が
持てたようだ。疲れが見えていたので少しずつお手伝いをしながら、全部
の課題(5個)をクリアする。

<Look to Learnの Scratch card>
最後にゆずの「雨のち晴レルヤ」で、センサリーアイFXのドラムを視線で
たたいてもらおうとしたが、また眠気に襲われてまったく音が出ない。
今日はもう疲れもあるし力を出し切ったと思い、あきらめて授業の終わり
今日はもう疲れもあるし力を出し切ったと思い、あきらめて授業の終わり
の歌をiPadで流した。ゆずの「また会える日まで」だ。マイトビー以外の物の
片付けを始めていると、後ろで突然ドラムの音が重なって聞こえてきた。
最後にわっくんは眠気に打ち勝ち、目をぱっちり開けてドラムを視線で
たたき始めていた。

<Look to Learnの Drum kit> *自動演奏のアイコンがある。音量は小さめ。

<センサリーアイFXの Retro Kit>*音量が大きい。
わっくんの気概、底力は、すごいと思った。
曲のテンポに合っていたし、サビの部分に盛り上げてたたいていて、
とてもいい演奏だった。
わっくんの2016年の授業は、視線でのドラム演奏で幕を閉じた。
わっくんの2016年の授業は、視線でのドラム演奏で幕を閉じた。
(センサリーアイFXのドラムのソフトの音量を最大にすると本物のドラムの音に近い
雰囲気を味わえるのだが、スピーカーが持ちこたえられない場合もあるので
少し音量を下げて使用している)
執筆者:事務局A