2018年05月

訪問大学「おおきなき」(4年制)から、初めての卒業生です! 
望さん

 体調を崩して入院してしまうこともありましたが、月1回の訪問大学の
授業の日は、望さんの思いも叶って、ほぼ皆勤賞でした。
 
 入学してしばらくは、OAK(キネクトというカメラのセンサーで、身体の
小さな動きをとらえて空間にスイッチをつくる装置)を使った授業をして
いました。キーボードの内蔵曲を、舌の動きをスイッチにして演奏して
きました。
 視線入力を始めてからは、センサリーアイFXの中の「色を塗る」という
ソフトで絵を描く授業を中心に行ってきています。最近の授業では、
満開の桜や新緑の桜を描きました。

 今、音楽の授業で、視線入力とスイッチを併用して、Sounosvalkaを
演奏するのが気に入っています。
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  望さんの「卒業生の言葉」は、講師の質問に答える形で発表しました。
 はじめに「音楽と絵を描く授業ではどっちが面白かった?」というような
聞き方を私がすると表情に変化がありませんでした。本人としては、
「音楽」と言われてもどういう音楽なのかイメージできなかったのでしょう。
以下のような聞き方に変えて、望さんは、自分の思いを生き生きと
伝えることができました。

講師 :音楽は、今やっているの(視線で演奏しているSounosvalka)が
     楽しいですか?
望さん:目を見開き「アー」という声
講師 :(視線入力で)これからも絵を描きますか?
望さん:「アー」という声とともに小さく2~3回うなづく
講師 :わかりました。これからもやりましょう!

卒業後は、生涯学習コースで学び続けます。
                           
                           (相澤純一)

訪問大学「おおきなき」(4年制)から、初めての卒業生です!
礼さん

 礼さんは、生まれた時から視覚と聴覚に障がいがある「盲ろう」のため、
ローマ字式指文字を使って指でお話をしたり、点字を読んだりしています。
 授業では、お父さんとお母さんのクリスマスプレゼントを買いに行ったり、
バスや電車に乗ったりしました。
 闇と沈黙の世界の中で、一つ一つ確かな体験を重ねていきました。
 
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 礼さんの卒業式は「おもちゃと絵本の部屋」で行ないました。
 当日はあいにくの雪になってしまいましたが、ご両親と一緒に元気に
来てくれました。

 入学式でお会いした時は、頭を垂れている時間が長く、記念に撮った
写真はつむじばかりが写っていたのですが、卒業式では、初めての
場所にもかかわらず、不安な様子もなく、晴れ晴れとした自信に満ちた
笑顔を何度も見せてくれました。4年間の礼さんの頑張りと成長を感じ
ました。
 式の最後には、礼さんがおもむろに講師の先生を抱きしめ、4年間で
築かれた信頼関係の深さを感じました。
 
 卒業式の中での、礼さんの「卒業生の言葉」を一部ご紹介します。
(ローマ字式指文字でのやりとりです)

講師 :電車に乗るときに、自動販売機で切符を買って、自動改札を通って、
     階段やエスカレーターを使って、礼さんが行きたいところに行くことが
     できましたね。がんばりましたか?
礼さん:はい
 
講師 :4年間、がんばりましたね。
礼さん:はい
 
卒業後は、生涯学習コースで学び続けます。

(事務局:竹内理恵、田中千加子)


訪問大学「おおきなき」(4年制)から、初めての卒業生です! 
有咲さん

 有咲さんの卒業式は、施設入所が決まったため、半年繰り上げて行いました。
訪問大学の「卒業」と住み慣れた家の生活からの「巣立ち」が同時期に重なって、
ご家族の方々は目に涙を浮かべられていました。

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  有咲さんは、週1回の療育施設に通所することができたのですが、通所すると
身体に負担がかかり、体調を崩してしまうということがありました。そのため、
通所を断念し、訪問大学に入学することになりました。
  音楽療法や表現(コミュニケーション)の授業を行ってきました。

  卒業式の「卒業生の言葉」は、授業の成果を発表する機会になりました。
直近の授業でトーキングエイドfor iPadを使い、頬(顎の関節の上)につけた
ピエゾスイッチで入力していきました。講師が、「そつぎょう」と「ほうもんだい
がくのべんきょうは」というキーワードを事前に入力し、始めにひらがなの
モードで、次に絵文字のモードで、自分の思いを入力していきました。
それを保存しておき、当日はそれをスイッチで再生して発表しました。
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  自ら表現した言葉は、力強いものでした。大人に成長した自立心やたくましさを
感じさせます。本人の発表は、離れて暮らすことになるご家族を確実に力づけて
いました。

  有咲さんは、卒業後も生涯学習コースに籍をおきます。

                             (相澤純一)

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