27歳からの視線入力への挑戦―その1―
<はじめにー伝えたいことを知りたい>

  2016年2月に雅也さんのお母さんよりメールをいただいた。
「私は、小さい頃から、どんなに障害が重くても自分の感情や意思を表現できる人に育ってほしいという思いで子育てをしてきました。
  息子は自分の感情を表出できるようになっただけでなく、27歳の今になってようやく、してほしいこと、やりたいことなどを訴えてくるようになりました。しかし、発語できないために自分の思いを伝えきれていないのだと思います。ストレスをためている様子が伺えます。そこで情報をたぐって、OAK pro やTobii EyeX Controller(後継機はTobii Eye Tracker 4C)を知り、購入してみました。

  私は、
「息子さんが、最近、自分の要求を伝えられるようになったとのこと、とてもうれしいことですね。でも、伝えられるようになったら、今度は、もっと正確に伝えたいし、理解してほしいという気持ちも強まり、ストレスが生じてしまっている状態と考えてよろしいでしょうか。」
と、返信した。

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   雅也さんの場合、毎日の通所ができていたので訪問大学への入学は遠慮していただいたが、2016年3月より不定期(2~3か月に1回)で訪問させていただき、主に視線入力の取り組みについてお手伝いをしようと考えた。

   しかしながら、お母さんのほうで、すぐ日常的に取り組める視線入力環境を整備していかれたので、以後は、私のほうが、雅也さんの取り組みから学ばせてもらったことのほうが大きかったという思いがある。

 出会ってから4年目に入り、感謝の気持ちを込めて雅也さんとの取り組みから学んできたことを整理していきたいと思う。   (つづく)
           ★ 今後、不定期になりますが、連載していきます。

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*上はマイトビーC15Eye(後継機は、マイトビーI-15)でトラックステータスを表示しているところ。
左目が外斜視のため、映っている瞳孔は右目一つになることが多かった。
(トラックステータスでは、視線入力装置が発する赤外線で瞳孔を捉え画面に映し出し、それを見ながら本人の位置や距離を調整する。)
注意が必要なのは、本人が見えている、見えていないにかかわらず瞳孔はここに映ることである。)

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                                     (相澤純一)