自分の力でできるよろこび、自分の力で表現するよろこび
(その4)

-電子キーボードで好きな曲を手指やスイッチで演奏する-
ritoキーボード

<CASIOの電子キーボードを改造しての演奏>
 電子キーボードの演奏については、1980年頃から玩具のキーボードやCASIOの光ナビゲ―ションキーボードを改造してスイッチで演奏する方法をマジカルトイボックスで教えてもらっていました。
 光ナビゲ―ションキーボードのレッスン機能は、キーボードのどの鍵盤を弾いても正しい旋律で演奏できることから、改造して1つの鍵盤からコードを引き出しジャックにつなぎ、1スイッチで演奏できるようにしています。
(以下で紹介するワリバッシャーを使えば、改造なしでも1スイッチで演奏できます)
 ブログの中では、この記事「コミュニケーションを豊かにする玩具」で触れています。

 レッスン機能を使うと、1スイッチの演奏にしっかり伴奏がつくので、リズムが合っていさえすれば、すてきな演奏になるので、たくさんのお子さんに試してもらっていました。
この方法は、一人で演奏する場合や支援者が合わせて演奏できるときに向いていました。キーボードに内蔵されている曲に限定されるのですが、CASIOのキーボードの場合、CASIOのインターネットソングバンクから好きな曲をダウンロードできるので、好きな曲を見付ければ、演奏可能でした。

* iPadのアプリですと、Tiny Pianoピアノあそびもっと!ピアノあそびでも似たようなことが可能ですね。

YAMAHAのSHS-500のジャム機能を生かした演奏>
 この方法は、訪問大学講師の熊谷修さんのアイデアになります。
 すでに、亜由未さんが校歌を演奏している様子をYouTubeで紹介しています。
 くわしくは、「新しい仲間が2名入学しました」をご覧ください。

 

 まず、お子さんや学生さんが演奏したいと思う好きな曲をiTunesに取り込むことから始めます(購入するか、CDから取り込みます)。PCのiTunesは、iPadのミュージックアプリと自動で同期することができます。(できれば、CDからの取り込みをお勧めします。また、解析できない場合があります。)

 YAMAHAのアプリ「Chord Tracker」(無料)は、iPad内の音楽ファイルをコード解析してくれます。YAMAHAの対応楽器をBluetoothで接続すると、好きな曲の再生に合わせて、キーボードの演奏を楽しめます。 *アンドロイド用もあります。
 このアプリのいいところは、仮に曲の途中で疲れて休んでも、再び演奏を開始すればコードがずれることはなく、いつでもぴったり合った和音を出すことができるところです。

(1)手指を使って演奏する
 熊谷さんが担当している利翔さんは、小学校4年生の時に脳腫瘍を受傷し、コミュニケーション能力や身体機能等、それまで獲得していた力を発揮できなくなりました。特別支援学校で残存している力を引き出す教育を受け、卒業後は通所しながら訪問大学おおきなきに入学し3年目を修了し、4年生になりました。受傷前に好きだった曲はファンキーモンキーベイビーズの曲で、いつもご家族と病室で聴いていると前向きの気持ちになれたそうです。
    昨年度から、授業で、この電子キーボードの演奏に取り組んでいます。

 不自由な目を片方ずつ使って鍵盤を真剣に見つめ、指先に力を込めて一生懸命押して演奏しようとしています。
 ファンモンの曲は、今でも利翔さんはじめご家族を勇気づけ励まし続けてくれる曲だそうです。記憶の底に眠っている感覚や感情がよみがえり、利翔さんの指先に魂がこもるのではないかと思っています。
 ちなみに好きな曲は「ヒーロー」をはじめとするアップテンポな雰囲気の曲が多いようでした。是非、以下から利翔さんの演奏の様子をご覧ください。



(2)ワリバッシャーを使い、スイッチで演奏する。
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 私の授業では、電子キーボードSHS-500の鍵盤にワリバッシャーを当て、学生の得意なスイッチを使って好きな曲を探して、演奏を試みています。この動画では、倫治さんがよく聞いて知っている「パプリカ」の演奏をご紹介します。
 この時に、抱っこスピーカーは体に密着させ、さらに右腕をちょうどいい具合に載せることができています。フィードバックしてくる心地よい音と振動でリラックスでき、指の動きもよくなるのではないかと思っています。真剣に演奏しているところをYouTubeでご覧ください。



*なお、ピエゾスイッチは、ワリバッシャーと直結せずにラッチ&タイマー(ここでは仙台高専開発のもの)を間に入れています。これは、ワリバッシャーのモーターに強い電流が流れてピエゾスイッチが壊れないようにするため、念のため直結させないようにしています。

*また、抱っこスピーカーは完成品ではなく、自作キットを購入し使用しています。製作方法は福島勇さんがYouTubeで紹介されています。完成品の方が音質が優れているそうです。


(相澤純一、熊谷修)