今日は同一労働同一賃金に関する2回目の説明を行う予定をしている大熊。服部社長も大熊を待っていてくれた。


大熊社労士:
 今日も服部社長が同席いただけるのですね。
服部社長:
 同一労働同一賃金については特に関心があるので、お話を伺いますよ。
宮田部長:
 あ、でも、内容は社長レベルではなくて私レベルでお願いしますよ、先生。
大熊社労士大熊社労士:
 了解しました(笑)。さて、今日は、「同一労働同一賃金ガイドライン案」の内容を説明しようということでしたよね。このガイドライン案ですが、まずは先日お話したような前提がまとめられています。その上で、有期契約労働者とパートタイム労働者の、「基本給」、「手当」、「福利厚生」、「その他」について、基本的な考え方や、待遇差について問題とならない例や、問題となる例などが示されています。
福島さん:
 基本給と手当が分かれているのですね。基本給と手当は決め方が違ったりするからなのでしょうか。ん、あれ?大熊先生、先日もお話に出ていた賞与に関する記載はないのでしょうか。
大熊社労士:
 そうですよね、私も最初に項目を見たときそう思ったのですが、実は手当のひとつに賞与が含まれています。これが衝撃的な内容です。「賞与について、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする場合、無期雇用フルタイム労働者と同一の貢献である有期雇用労働者又はパートタイム労働者には、貢献に応じた部分につき、同一の支給をしなければならない。また、貢献に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた支給をしなければならない」とされています。
服部社長服部社長:
 弊社では、パートの方にも賞与を支給していますが、正社員が基本給の2ヶ月分というような支給額に比べ、パートさんには寸志としての3〜5万円程度を支給することが通例となっています。ただ、勤続年数が長いパートさんになると、正社員と近いような仕事ができるようになり、また、任せるようにもなるので、これだと問題になりやすいですね。
大熊社労士:
 そうですね。慎重に考えるべきところですが、同じような仕事をしていて、責任も同じようにあるのであれば、問題になると判断される可能性が高くなりますね。・・・まだガイドライン案なので、歯切れの悪い言い方ですみません。
服部社長:
 いえいえ。
福島照美福島さん:
 そういえば、確かに、賞与の時期になるとパートさんが「正社員だとたくさんボーナスをもらえていいわね」と言っていますね。もちろん「私たちも賞与をいただけるなんて幸せ!」と言っている方もいますが。
大熊社労士:
 そうですね。賞与も含めた年収で比べると正規と非正規の差はかなり大きいのではないでしょうか。さて、そのほかの手当としては、精皆勤手当や通勤手当、時間外労働手当などがあげられています。
宮田部長宮田部長:
 精皆勤手当や通勤手当は分かる気がしますが、時間外労働手当はどういうことですか?
大熊社労士:
 はい、時間外労働手当ですが、時間外手当の割増率のことを言っています。残業のときの割増率は、通常の労働時間の賃金の25%以上と労働基準法で決められていますが、この25%というのは最低基準なので、正社員については30%の割増率で支払います、としている企業もあります。
宮田部長:
 そっか、それなのにパートさんは25%という場合が問題になるのですね。
大熊社労士:
 そうですね、働く人からしたら、なぜ、同じ残業なのに、割増率が違うんだ!ということになりかねません。実情をきちんと踏まえた内容になっているなと感じますね。
服部社長:
 そうですね。大熊さんに聞いてから私もこのガイドライン案に目を通したのですが、少し不思議に思ったのが、家族手当や住宅手当について項目がなかったことです。
大熊社労士:
 さすが服部社長ですね。手当として導入している企業は多いものの、確かにガイドライン案にはありませんでした。待遇差が認められるということなのか、それとも今後、議論が尽くされるのかはっきりした理由は分かりません。プラスして、退職金に関する記載もありませんでしたので、今後、こちらにも注目していく必要があるのでしょうね。
服部社長:
 なるほど、まだ法的拘束力もないとのことでしたので、法制化されるときには細かな点まで確認が必要になりますね。
大熊社労士:
 そうですね。今日はこのあたりにして、次回は最終回ということで、基本給と福利厚生の部分について確認しておきたいと思います。
服部社長:
 よろしくお願いします。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。今回ご説明した手当に関しては、その他に役職手当や特殊作業手当、食事手当、地域手当等があります。各々解説がありますので、ぜひ、ガイドライン案そのものも確認してみてください。
関連blog記事
2017年1月16日「同一労働同一賃金(1)正社員とパートの給料を同じにしないといけないのですか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65766417.html

参考リンク
首相官邸「働き方改革の実現」
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/hatarakikata.html
首相官邸「同一労働同一賃金ガイドライン案」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai5/siryou3.pdf
厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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