ここまで取り上げてきた労働時間適正把握ガイドラインの話も今日で終了。今回は基本的な内容である賃金台帳等の記録・保管について確認しておこうと決めていた大熊であった。
過去の関連記事はこちら
2017年2月20日「労働時間適正把握ガイドライン(3)36協定の上限時間がサービス残業の原因になっていませんか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65769950.html
2017年2月13日「労働時間適正把握ガイドライン(2)始業・終業時刻の把握はどのようにすればよいですか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65769247.html
2017年2月6日「労働時間適正把握ガイドライン(1)労働時間ってなんですか?
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65768508.html


大熊社労士:
 こんにちは。さて、今日はここ3回でお話をしてきた労働時間適正把握のガイドラインについて、最後のお話にしましょう。
宮田部長:
 よろしくお願いします。それで、今日はどのようなお話ですか?
大熊社労士:
 はい、賃金台帳をきちんと整備してくださいね、というお話です。
宮田部長:
 え!でも、それって当たり前の話じゃないですか〜!どうして今更、言うのですか?
大熊社労士大熊社労士:
 やはり、そのように感じますよね。今回のガイドラインは、労働時間管理がきちんとできている会社(いや、それなりにできている会社、という表現でも間違いないと私自身は思うのですが)にとっては、ほぼ当然のことが書かれているように感じました。今回の件もそう感じています。
宮田部長:
 でも、それじゃ、なぜガイドラインを出したのですか?
大熊社労士:
 はい、そう思いますよね。それは、これまで当然に行われてきたものをガイドラインで明らかにする、ガイドラインで明らかにしたもので、より広く周知し、労働基準監督署の監督指導でも根拠を持って示すことができるようになる、そのようなことを目指したのだと思います。
宮田部長宮田部長:
 なるほど。確かに、役所からいろいろ指導されると「それどこに書いてあるのですか?」という人も少なからずいるでしょうからね。
大熊社労士:
 そうですね。そして、今日のテーマ、賃金台帳も同じことだと考えています。
福島さん:
 賃金台帳の部分、あ、この部分ですね。
(4)賃金台帳の適正な調製
 使用者は、労働基準法第108条及び同法施行規則第54条により、労働者ごとに、労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数といった事項を適正に記入しなければならないこと。
 また、賃金台帳にこれらの事項を記入していない場合や、故意に賃金台帳に虚偽の労働時間数を記入した場合は、同法第120条に基づき、30万円以下の罰金に処されること。
大熊社労士:
 はい、そうですね。ここに記載のあるとおり、労働基準法および労働基準法施行規則では、以下の項目を労働者1人ずつ、賃金台帳に記入することを求めています。
氏名
性別
賃金計算期間
労働日数
労働時間数
時間外、休日労働時間数及び深夜労働の時間数
基本給、手当その他賃金の種類ごとにその額
賃金控除の額
宮田部長:
 へぇ、性別も記載するのですね。
大熊社労士:
 そう、そういう細かな部分も注意しなければなりません。月給者で欠勤がなかったからとして、労働日数を書いていないという事例を時折見ますが、正しい給与計算になったとしても、「出勤日数 0日」となっていれば、労働基準法が求める賃金台帳の項目をきちんと網羅していないということになるのです。
福島さん:
 確かに当社でも、欠勤控除がある人はほとんどいないので、給与計算で「21日」というような出勤日数を何度も入力するのは手間だと感じることがあります。
大熊社労士:
 そうですね。その結果、「出勤日数は記載しなくてもよいのではないか?」という話になるのでしょうね。さて、ガイドラインの書類の保管という点でももう1点、確認しておきたいところがあります。4の(5)の「労働時間の記録に関する書類の保存」という部分です。「労働者名簿、賃金台帳のみならず、出勤簿やタイムカード等の労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第109条に基づき、3年間保存しなければならないこと。」と書いてある部分です。
宮田部長:
 ん?「労働時間の記録に関する書類」ですか。
大熊社労士:
 はい。何か思いつきますか?これは、出勤簿、使用者が自ら始業・終業時刻を記録したもの、タイムカード等の労働時間の記録、残業命令書やその報告書、また、労働者が自ら労働時間を記録した報告書等が想定されているようです。
福島照美福島さん:
 残業は従業員からの申請により、会社が必要か判断して、残業命令を行う、というような会社があると聞きましたが、こういうときの残業申請書も該当しそうですね。
大熊社労士:
 そうですね、おっしゃるとおりです。残業申請書は保管義務がないと思っていたので、1年経ったときに破棄していました、というのは認められなくなりそうですね。
宮田部長:
 なるほど。書類はどうしても溜め込みやすいので、何でも長めに保管したくなりますが、必要なものとそうでないものを分けて、保存するときに保管期限を決めておくことが必要になりそうですね。
福島さん:
 そうですよね。ぜひ、宮田部長の机の上や机の中もそのようにしてくださいね!
大熊社労士:
 あはは、よろしくお願いしますね。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。今回で労働時間適正把握ガイドラインの説明は終了になります。このガイドラインについては、リーフレットが先日、厚生労働省から公開され、今後周知が強化されていきます。ぜひ、こちらのリーフレットにも目を通されることをお勧めします。
リーフレットのダウンロードはこちらから
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51460473.html

関連blog記事
2017年2月24日「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51460473.html
2017年2月20日「労働時間適正把握ガイドライン(3)36協定の上限時間がサービス残業の原因になっていませんか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65769950.html
2017年2月13日「労働時間適正把握ガイドライン(2)始業・終業時刻の把握はどのようにすればよいですか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65769247.html
2017年2月6日「労働時間適正把握ガイドライン(1)労働時間ってなんですか?
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65768508.html

参考リンク
厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/151106-04.pdf
厚生労働省「長時間労働削減に向けた取組」
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/151106.html


(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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