以前の訪問時に特定適用事業所の「算定基礎届」の話をしたが、その後、服部印刷の「算定基礎届」の作成進捗を気にしながら、会社の門をくぐった。
前回のブログ記事はこちら
2017年6月12日「今年の社会保険算定基礎届での変更点はありますか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65779154.html


大熊社労士:
 こんにちは、福島さん。算定基礎届の作成は順調に進んでいますか?
福島さん:
 はい、順調と言えば順調です。毎年のこととはいえ、年に1回のことなので、去年の書類を見て思い出しながらやってます(笑)。
大熊社労士:
 そうですね。労働保険の年度更新もそうですが、年1回の手続きだと、忘れてしまいますよね。
福島さん:
 そうなんです。でも、うちの会社は特定適用事業所ではないし、パートさんも少ないから、算定基礎届の作成は楽な方なんですよね、先生?以前の話だと、特定適用事業所のパートさんは、4分の3以上か4分の3未満で基礎日数の取り扱いが違うので、慎重に対象月を見なくてはいけないのですよね。
宮田部長宮田部長:
 (痛めた腰をさすりながら…)そうそう。将来的に適用拡大となると、頭が痛い…と先生に愚痴をこぼした内容だったね。
大熊社労士:
 あはは、そうでしたね。適用拡大となったときには、フォローしますので大丈夫ですよ。そのパートさんのことですが、特定適用事業所の場合、更にややこしいケースがあるのですよ。
福島さん:
 何ですか、先生、更にややこしいケースって…。
大熊社労士:
 4月〜6月の3ヶ月の間に、正社員から4分の3未満のパートに切り変わるということもありますよね。その場合の取り扱いですが、月の途中で変更になった場合は、給与計算期間の末日の被保険者区分で判断することになります。例えば、20日締、当月末払の会社の場合で、5月1日に正社員から4分の3未満の短時間労働者に変更となった場合は、5月20日時点は短時間労働者となりますので、5月は、短時間労働者として基礎日数が11日以上あるかを確認します。そして、算定基礎届の備考欄には、「5月 短時間」と記載します。
福島さん:
 確かに、月の途中で切り変わることもありますね。ややこしいですね。
宮田部長:
 そこまでチェックが必要となるのか…。うーん。
大熊社労士大熊社労士:
 そうですね。チェックは必要です。給与締切日に、どの被保険者区分になっているかがポイントとなります。各月について、正社員か4分の3以上のパート、4分の3未満のパートという区分を把握した上で、算定基礎届の備考欄には、「パート」、「短時間」と記載することが必要となります。3ヶ月の間に変更があった場合は、特に注意が必要となりますね。
宮田部長:
 ふぇ〜。パートさんが多い会社は大変ですね。
大熊社労士:
 そうなんです。担当者泣かせのルールですよね。また、変更があった場合は、「被保険者区分変更届」の用紙を年金事務所へ提出する必要があります。
福島さん:
 区分変更の届出も必要となるのですか?
大熊社労士:
 そうなんです。社会保険の被保険者の種類は一般被保険者と短時間労働者の2種類となります。この2つの間の区分で変更があった場合には、年金事務所へ区分変更届を提出します。
福島さん:
 パートさんは、全員が短時間労働者ではないから…。4分の3以上のパートさんはどこ行ったのですか?
大熊社労士:
 さすが福島さん、するどい質問ですね。短時間労働者は去年10月から新しくできた種類ですので、それ以前は、被保険者の種類は1つだけでした。ただし、その中でも、正社員と4分の3以上のパートに分かれていたということになります。
宮田部長:
 ふむふむ…
大熊社労士:
 区分変更の届出が必要なのは、以下の4つのパターンに該当するときです。正社員から4分の3未満のパート、4分の3以上のパートから4分の3未満のパート、4分の3未満のパートから正社員、4分の3未満のパートから4分の3以上のパートです。
福島照美福島さん:
 となると、正社員から4分の3以上のパートになった場合や、4分の3以上のパートから正社員になった場合は、届出しなくてもよいのですね。
大熊社労士:
 正社員と4分の3以上のパートの間の変更は、これまでも届出していませんよね?
福島さん:
 あっ、そうでした…(照笑)
宮田部長:
 算定基礎届の4月〜6月の間は、勤務時間の変更をしない方がよさそうだ…。
大熊社労士:
 いえいえ、区分変更の届出は、4月〜6月以外でも必要ですし、区分変更があった後の随時改定における基礎日数も同じ考え方になるので、変更があったときは、常に注意が必要です。
宮田部長:
 ううっ、随時改定があった。
福島さん:
 将来、当社にも適用拡大されたときは、心して取り組まなければいけませんね。
大熊社労士:
 そうですね。御社の場合は去年と変わりありませんが、今回の算定基礎届も正社員とパートに切り変わった人がいないか、注意して作成してください。
福島さん:
 はい、変更者はいないことは確認済みです。正社員とパートのリストも作成してありますので、大丈夫です!
宮田部長:
 頼んだよ、福島さん。
大熊社労士:
 分からないことが出てきたら、いつでも連絡ください。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。特定適用事業所では、一般被保険者と短時間労働者の区分に注意して「算定基礎届」の作成を進める必要があります。対象期間の途中で区分変更が行われた場合は、対象期間の末日における被保険者区分に応じた支払基礎日数でその期間を判断することになります。変更があった場合は、「被保険者区分変更届」の提出も忘れないようにしましょう。


関連blog記事
2017年6月12日「今年の社会保険算定基礎届での変更点はありますか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65779154.html


参考リンク
日本年金機構「定時決定のため、4月〜6月の報酬月額の届出を行うとき」
http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/kenpo-todoke/hoshu/20141225.html
日本年金機構「算定基礎届の記入・提出ガイドブック」
http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/kenpo-todoke/hoshu/20141225.files/santeiguideH29.pdf
日本年金機構 各種届出様式「健康保険・厚生年金保険 被保険者区分変更届」
http://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2016/0516.html


(小浜ますみ)

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