以前、「女性の活躍」に関連して女性役員の話題があがったが、本日は「子育て支援」に関する他の法改正について伝えようと思い、大熊は服部印刷に向かった。
以前の記事はこちら
2017年6月19日「女性役員が出産する際の産前産後休業、育児休業の取り扱いはどうなりますか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65779684.html


福島照美福島さん:
 先生!以前、女性役員の友達のことで教えていただいたこと、その後、友達に伝えたんです。産前産後休業中は役員報酬が支払われていても保険料免除になることを、彼女も知らなくて喜んでいました。本当にありがとうございました。
大熊社労士:
 いえいえ、当然のことをお伝えしたまでです。でも、産前産後休業の届出を忘れていたら、会社もお友達も制度の恩恵を受けることができなかったので、よかったです。偶然ですが、女性の活躍に関連する話題として、子育て支援の一環として失業手当の改正も行われているので、今日はそれをお伝えしようと思っていました。
宮田部長:
 失業手当の法改正ですか?
福島さん:
 子育て支援と失業手当?何か繋がりがはないように思いますが…?
大熊社労士:
 確かに、そのキーワードだけ聞くと繋がりがないように思いますが、対象者にとってはありがたい変更がありました。失業手当は、退職後1年以内に受け終わらなければ受給権が消滅してしまいます。しかし、妊娠、出産、育児のために退職した場合、すぐに求職活動ができないので、受給期間の延長の申請をすることによって、1年延長できる制度があります。
福島さん:
 そういえば、そうでした。妊娠や出産で退職した場合は、受給期間を延ばすことができたのですよね。うーん、子どもが3歳まででしたっけ?
大熊社労士大熊社労士:
 その通りです。妊娠、出産、育児が理由の場合は子どもが3歳になるまでですが、子育て以外にも病気やケガで求職活動ができない場合も延長することができ、退職してから最長4年まで受給期間の延長が認められるんです。
宮田部長:
 思い出した!失業手当を受ける期間を延長できる制度ですね。
福島さん:
 その失業手当を受給できる延長期間がもっと長くなったとかですか?
大熊社労士:
 いいえ、失業手当を延長できる受給期間は最長4年で変更はないのですが、延長したい場合には、延長申請できる期限が設けられていて、その期限内に申請しないと延長はできませんでした。子育てや病気・ケガの場合は、「引き続き30日以上職業に就くことができなくなった日の翌日から1か月以内」となっていて、おおまかに言うと30日以上働けなくなってから1か月以内に申請が必要でした。
宮田部長:
 それが、どうなったのですか?
大熊社労士:
 本当に働けない状態か確認する期間でもある、30日以上働けない期間は変わりありませんが、その後1か月以内の申請期限が、最長4年以内までと大幅に延長されました。
福島さん:
 1か月が4年になるなんて、すごい延長ですね。
大熊社労士:
 大幅に延長された背景には、子育て支援の一環として考えられたからです。延長の申請は、ハローワークから書類を取り寄せ郵送で申請をするか、代理人を立てない限り、本人がハローワークへ手続きに出向かなければならないことから、30日以上働けなくなってから1か月以内の期限では、子育て中の人にはかなり制約があるということで、失業手当を受給延長できる期間である最長の4年以内と、大幅な変更となった訳です。
福島さん:
 では、退職しても、数年は延長申請していなくても安心ということですね。
大熊社労士:
 確かにそうですが、この最長4年以内というのは、失業手当の受給が終了する期間のことも指していますので、例えば、延長申請を退職後3年8か月後に行った場合、失業手当の受給期間は2か月しかありませんから、失業手当の給付日数が90日あった場合、90日分のすべてを受給できないこととなります。
宮田部長:
 それはもったいない。
大熊社労士:
 そうですね。最長4年といっても、本来受給できる給付日数分をすべて受け終わる期間を考えて、できるだけ早く申請手続きを行ったほうがよいでしょう。
宮田部長宮田部長:
 とすると、定年退職の場合も、確か受給期間を延長できたと思うのですが、辞めてから2年だったかな…?
大熊社労士:
 するどいですね、宮田部長。定年退職の場合は、延長したい場合、退職日の翌日から2か月以内に申請しなければならないのですが、こちらは従来通りで変更はないのですよ。
宮田部長:
 定年退職の場合は、変更ない?なんだか不公平だな。
大熊社労士:
 定年退職者からみれば、そう思うでしょうね。今回の改正は、先ほども言った子育て支援の一環として改正が考えられており、雇用保険上、失業手当の受給延長できる理由としては、子育てと同じく病気・ケガの場合も認められているので、病気・ケガの場合も同様に最長4年に変更となっています。しかし、定年退職の場合は、永年の勤労を報いる意味で失業手当受給の手続きは少しのんびりしてもいいですよという趣旨で認められていますから、子育て、病気・ケガの場合とは理由も異なることから、延長の申請期限の変更はありません。
宮田部長:
 確かに、延長する理由は違いますね。
福島さん:
 最近は、子育てで退職する社員は出ていませんが、今後、子育てや病気・ケガで退職となった場合は、今回の改正は退職者にとっては朗報ですから、伝えるようにします。
大熊社労士:
 ぜひ、そうしてあげてください。
宮田部長:
 ん?でも、私が腰痛をぶり返して退職とならないように気を付けなければ…!?

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。平成29年4月から失業手当の受給期間延長の申請期限の改正が行われています。妊娠、出産、育児、病気・ケガの理由の場合で、失業手当の受給期限を延長したい場合は、引き続き30日以上職業に就くことができなくなった日の翌日から1か月以内に延長の申請が必要でしたが、失業手当の受給期限である最長4年以内に延長申請をすればよいことになりました。ただし、最長である4年以内に失業手当の給付日数全てを受給できなけば、残った給付日数は消滅してしまいますので、全ての給付日数を受給できるよう、早めに延長申請を行いましょう。また、定年退職の場合も失業手当の受給期限を最長2年まで延長することができますが、こちらの延長の申請期限は変更ありません。従来通り、退職日の翌日から2か月以内に延長申請をしなければならないことに注意しましょう。
関連blog記事
2017年6月19日「女性役員が出産する際の産前産後休業、育児休業の取り扱いはどうなりますか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65779684.html


(小浜ますみ)

当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

facebook最新情報の速報は「労務ドットコムfacebookページ」にて提供しています。いますぐ「いいね!」」をクリック。
http://www.facebook.com/roumu