服部印刷では、最近、臨時のアルバイトを雇うほど受注が急増したが、大熊は、残業が増えたことで従業員の体調面が気になっていた。そこで今回、健康経営の取り組みについて提案してみようと、会社の門をくぐった。


大熊社労士:
 こんにちは。今日は社長もいらっしゃいますね。丁度良かった、社長にも是非聞いていただきたいことがあります。
服部社長:
 それは何ですか?
大熊社労士:
 最近、受注も増えて会社としては喜ばしいことですが、残業などで体調崩している従業員が出ていないかと心配しています。いかがでしょうか?
宮田部長宮田部長:
 はい。残業は増えていますが、月45時間以内に収めるようにしていますし、いまのところ体調不良の従業員がいるとは聞いていません。
服部社長:
 そうか、それはよかった。
大熊社労士:
 残業もきちんと月45時間以内に収めているのであれば、残業時間数としては、問題ないところですね。ところで社長、「健康経営」という言葉を耳にされているかと思いますが、御社でも取り組まれてみてはいかがでしょうか?
服部社長服部社長:
 そうそう、健康経営については、最近気になっていたので、先生に聞いてみようと思っていたのですよ。知り合いの会社も取り組み始めたっと言っていましたから。
福島さん:
 健康経営って何ですか?
宮田部長:
 我が社が健康ビジネスに転換するって話ではないですよね?
大熊社労士:
 あはは、健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する経営手法です。従業員の健康を維持・増進を図ることで、従業員と企業の生産性や価値を高めようという取り組みです。
宮田部長:
 そういうことですか。私は、最近の健康診断でも、ちらほら数値がよくなくて…、ちょっとまずいなと思っていました。
服部社長:
 実は、私もBMI値が高くメタボ気味と判定されていて、最近、ウォーキングを始めたばかりなんです。
福島さん:
 社長、素晴らしいですね。即実践に移されていますね。
服部社長:
 いやいや、自分が不健康では、従業員のみなさんに示しもつかないし、健康体でないと、仕事も集中できないしね。
大熊社労士大熊社労士:
 本当に健康であるということは、重要なことですよね。社長、従業員のみなさんが、健康で生き生きと働いてもらうためにも、何か取り組まれてみてはいかがですか?
服部社長:
 たとえば、どんな取り組みがあるのですか?
大熊社労士:
 そうですね。朝礼の際にストレッチを全員で始めることから、社内運動会の開催、スポーツドクターの研修など、様々なものがあります。また、メタボの疑いのある幹部社員向けに、運動や生活習慣の見直しを徹底的にたたき込む合宿を実施している企業もあります。
服部社長:
 合宿ですか、それはすごいな。いきなり大掛かりなものを始めるのは、難しいから、従業員のみんなで取り組めるものを何か検討したいですね。
大熊社労士:
 それでは経済産業省が行っている「健康経営優良法人認定制度」も検討されてみてはいかがでしょうか。健康診断の受診率が100%であることなど、評価項目があり、いくつか要件をクリアしなければいけませんが、優良法人の認定を目指すことで、従業員のみなさんも健康への取り組む意識も更に高まるのではないでしょうか。
福島照美福島さん:
 それはいいですね!私、制度内容をみて、検討してみます!
服部社長:
 それは頼もしいな。福島さんはまだ若いから、宮田部長の世代の人もしっかり参加してもらわないといけないから、宮田部長も一緒に考えてくださいね。
宮田部長:
 は、はい!わかりました。
服部社長:
 従業員のみなさんが、健康で働き続けられるということは、会社の収益を上げ、結果、従業員のみなさんの幸せにつながることになりますからね。しっかり取り組みましょう。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。健康経営に取り組む企業は増えてきています。東京商工会議所の調査では、「現在実践している企業」は、20.8%にとどまっているが、「近い将来具体的な予定がある」、「いずれ実践したい」を合わせると92.5%と、9割以上の企業が健康経営の実践に関心を持っているという結果です。従業員が健康であることは、従業員の定着率の向上、作業効率の向上、業績の向上など、経営にプラスの効果をもたらすでしょう。この機会に健康経営への取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。
参考リンク
経済産業省「健康経営優良法人認定制度」
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin.html
東京商工会議所「健康経営に関する実態調査」
http://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=104650

(小浜ますみ)

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