昨年から働き方改革の波が協力に押し寄せているが、いよいよ2019年4月の法改正に向けた具体的な動きが出始めている。そこで今回、大熊はその最新情報を提供しようと服部印刷を門をくぐった。


大熊社労士:
 おはようございます!
服部社長:
 おぉ、大熊さん、おはようございます。お待ちしていましたよ、さぁ、会議室の方へどうぞ。
大熊社労士:
 ありがとうございます。さて、今日は重要な法改正に関する情報をお持ちしました。
宮田部長宮田部長:
 育児介護休業法の改正の対応の目処がやっとついたばかりなのにまた法改正ですか。なんだか最近は毎年、法改正だらけですね。
大熊社労士:
 本当にそうですね。ここ10年くらい、本当に多くの法改正が行われています。労働契約法に安全衛生法、女性活躍推進法、育児休業法などなど。しかし、今回は大物です。働き方改革で労働基準法を中心とした様々な法律が一気に改正される予定となっています。
服部社長:
 例の労働時間の上限規制や同一労働同一賃金などに関する法改正ですね。
大熊社労士大熊社労士:
 はい、そのとおりです。実は先日(2017年9月15日)、労働政策審議会から厚生労働省に対し、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」についての答申が行われました。厚生労働省では、この答申を踏まえて法律案を作成し、次期国会への提出の準備を進めています。
宮田部長:
 そうなのですね。その場合、法改正はいつ頃行われる予定なのですか?
大熊社労士:
 はい、法律が予定通りに成立すればという前提ではありますが、多くは2019年4月1日に施行されます。つまり、あと1年半後ですね。
宮田部長:
 1年半後ですか。まだまだ先のような、それほどでもないような感じですね。
大熊社労士:
 そうですね。私の実感としては、就業規則などを見直す実務はまだかなり先の話ですが、その前提となる職場環境の整備にはかなりの時間がかかりますので、法改正の内容を理解した上で、いまから準備を進める必要があります。そのように考えるとあまり時間はないのかも知れません。
福島照美福島さん:
 働き方改革に関してはこれまでいろいろ報道されていますが、結局、なにが変わって、実務としてどのような対応が必要になるのでしょうか?
大熊社労士:
 はい。やはり目玉は先ほど社長がおっしゃられていた長時間労働対策と同一労働同一賃金です。時間外労働の上限については、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)が限度として設定されます。
服部社長:
 これはよく報道された内容ですね。中小企業への割増賃金率の件はどうなりそうですか?
大熊社労士:
 はい。月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置が廃止されます。ただこの施行時期はさらに3年後の2022年4月1日とされています。
服部社長服部社長:
 なるほど。これはかなり影響が大きいでしょうね。当社では60時間を超える残業は本当の繁忙期以外、そうそうありませんが、企業によってはそうではありませんですからね。年次有給休暇の件はいかがでしょうか?
大熊社労士:
 これも影響が大きい事項ですね。以前からの話のとおり、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者については、5日は毎年、確実に取得させなければならないということになりそうです。またそれを管理するための年次有給休暇管理簿の作成も義務付けられます。
福島さん:
 管理簿を作らないといけないのですね。現在でも当然管理はしていますが、また具体的な実務については教えてください。
大熊社労士:
 わかりました。一方、同一労働同一賃金については、以下のような事項が示されています。
個々の待遇ごとに、当該待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべき旨を明確化。
有期雇用労働者の均等待遇規定を整備。
派遣労働者について、(a)派遣先の労働者との均等・均衡待遇、(b)一定の要件を満たす労使協定による待遇のいずれかを確保することを義務化。
これらの事項に関するガイドラインの根拠規定を整備。
短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者について、正規雇用労働者との待遇差の内容・理由等に関する説明を義務化。
服部社長:
 これは大変そうですね。
大熊社労士:
 同一労働同一賃金に関しては現在、様々な裁判の判決が出始めています。今後はそうした裁判と法改正の両方を睨みながらの対応が必要となりそうです。いずれにしてもこれらの法改正に関する情報は今後も定期的にお伝えしていきますので、徐々に準備を開始していきましょう。
服部社長:
 わかりました。引き続きよろしくお願いします

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。ここ数年議論されてきた働き方改革ですが、いよいよ法改正に向けた議論が本格化してきました。今日は「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」が答申されたということをお伝えしましたが、この要綱の詳細を見ていくと、かなり大きな実務への影響があることがわかります。あまり報道されていない内容としては、派遣法などはかなり大きな改正となっており、今後の人材調達にも影響を与えることが予想されます。そうした詳細については今後、取り上げていきたいと思います。まずは以下の参考リンクにある法律案要綱に目を通していただくとよいでしょう。

参考リンク
厚生労働省「「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」の答申」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177380.html
厚生労働省「第141回労働政策審議会労働条件分科会」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000177737.html


(大津章敬)

当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

facebook最新情報の速報は「労務ドットコムfacebookページ」にて提供しています。いますぐ「いいね!」」をクリック。
http://www.facebook.com/roumu