働き方改革では、過重労働対策や同一労働同一賃金がよく話題になるが、それら以外でも様々な動きが見られている。本日はそんな内容を取り上げる。


服部社長:
 大熊先生、こんにちは。
大熊社労士:
 こんにちは。今日は社長がいらっしゃいますね。あれ?福島さんの姿が見えないようですが…?
宮田部長:
 はい。今日は、お子さんが高熱を出したということで、急遽お休みです。
大熊社労士:
 そうですか。お子さんの熱がすぐに下がるといいですね。
宮田部長:
 そうですね。特に明日は給与計算もあるので、福島さんがいないと回すのが大変です。
大熊社労士:
 福島さんがお休みとなると、宮田部長も頼れる人がいなくて、困りますね。
服部社長服部社長:
 子どもの病気だけでなく、自分も病気になる可能性があるし…。今後は、誰が休んでも仕事が回る仕組みづくりをしていかなればいけないな。
大熊社労士:
 本当にそうですね。子どもの看護と言えば、今月(2017年10月)から子の看護休暇および介護休暇について、入社間もない人でも取得できるようにすることが望ましいと指針が改正されました。
宮田部長:
 確か、子の看護休暇は労使協定を締結することで入社6ヵ月未満の人は取得できないことになっていますね。入社半年以内の人でも、子の看護休暇を取ることができるってことですか?
大熊社労士:
 その通りです。しかし、これは措置義務ではありませんので、必ず認めなければいけないということではありません。
服部社長:
 仕事と家庭の両立支援の観点で改正になったのですか?
大熊社労士大熊社労士:
 もちろん両立支援という意味もありますが、転職して不利にならないような仕組みづくりという観点で改正されたようです。子の看護休暇、介護休暇の他に、年次有給休暇の付与も、入社6ヵ月後ではなく6ヵ月の期間を早めることや、最大付与日数20日になるまでの勤続年数を早めることも盛り込まれています。
宮田部長:
 年次有給休暇も前倒しで付与するってことですね。
大熊社労士:
 はい、そうです。改正の背景をお話しすると、政府は、単線型の日本のキャリアパスを変え、再チャレンジが可能な社会としていくために、転職・再就職など新卒以外の多様な採用機会の拡大が課題と考えています。要は、転職が不利にならない柔軟な制度を企業も実施することで、更に必要な人材が採用、確保できるということです。
宮田部長宮田部長:
 考えてみれば、転職者は年次有給休暇も転職するたびにリセットされ、半年間は付与されないですね。それを考え直していこうということですね。
服部社長:
 確かに、中途採用者で優秀な人材を採用するには、ある程度は既存の社員と同様の仕組みを認めてもいいと思いますね。
大熊社労士:
 更に政府は、転職先がより見つけやすくなる仕組みづくりとして、職務や勤務地が限定されるジョブ型正社員の雇用ルールの必要な措置を講ずる、また特別の職業紹介事業者には提出書類を簡素化するなど、働き手が自分にあった働き方が選択でき、能力を最大限発揮できるような環境を整備し、日本経済全体の生産性向上を図ろうとしています。
服部社長:
 うーん、転職先がより見つけやすくなる、そして転職して不利にならない仕組みづくりが促進されると、増々優秀な人材の奪い合いになりますね。
宮田部長:
 何か我が社で取り組めるものを考えていかないといけませんね。
服部社長:
 ぜひ、提案してください。
宮田部長:
 はい、分かりました。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。2017年6月9日に閣議決定された「規制改革実施計画」には、転職して不利にならない仕組みづくりとして、法定休暇付与の早期化が盛り込まれました。前述以外にも、公民権行使や公の職務執行するための休暇制度を設けることも盛り込まれています。規制改革の大きな柱は次の3つです。
転職先がよりみつけやすくなる仕組みづくり
転職して不利にならない仕組みづくり
安心して転職できる仕組みづくり

 今後は雇用の流動化も進んでいくでしょう。既存の従業員が自社で働き続けられる職場環境づくりと、いかに優秀な人材を採用するか、増々検討が必要となりそうです。


関連blog記事
2017年9月28日「年休や看護休暇等の法定休暇の前倒し付与等を求める指針の整備」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52137666.html

参考リンク
内閣府「規制改革実施計画」平成29年6月9日閣議決定
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/publication/170609/item1.pdf


(小浜ますみ)

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