服部印刷で、男性従業員から介護休業を取りたいという相談があったとの連絡を受けて、大熊は会社へ向かった。


福島さん:
 大熊先生、こんにちは。お待ちしていました。
大熊社労士:
 こんにちは。男性従業員から介護休業取得の相談があったそうで…。
福島照美福島さん:
 そうなんです。介護休業の申出は初めてなので、どのように対応すればよいのか、先生に確認したかったのです。
宮田部長:
 今後、介護休業の申出は増えてくるでしょうから、しっかり確認をしておかないと…。
福島さん:
 今回の介護が必要となる家族は、その社員のお兄さんなのですが、お兄さんも介護休業の対象家族でよかったですよね?
大熊社労士:
 はい、お兄さんは対象家族ということで問題ありません。平成29年1月の介護休業法改正前までは、兄弟姉妹の場合は、同居かつ扶養していることが要件となっていましたが、現在は、別居していても、扶養していなくても介護休業が取れるようになりました。
福島さん:
 それでは、今回の男性従業員は無事介護休業を取得できそうですね。
大熊社労士大熊社労士:
 そのお兄さんはどのような状況ですか?介護休業が取得できる要件として、「2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」という基準を満たす必要があります。
宮田部長:
 それはどのように判断するのですか?
大熊社労士:
 はい、「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」というものが厚生労働省から出ていて、この判断基準も平成29年1月より改正されています。従来の判断基準では介護保険法の要介護状態とリンクしていなかったので、分かりづらいという意見が多く寄せられていました。
福島さん:
 改正後は、介護保険でいう「要介護2以上」で判断するのですよね。そして、介護保険を利用していない人は、判断基準の表に基づいて、該当する項目がいくつあるかで見ていくのですよね。
大熊社労士:
 その通りです。要介護状態も分かりやすくなりましたし、介護休業も分割取得が認められるようになりました。従来は例えば認知症という同じ事案では、分割取得は認めらていませんでしたから、本当に利用しやすくなったと思います。
宮田部長:
 そうですね。ここは朗報です。
大熊社労士:
 なお、近年は介護離職者のうち、男性の割合が増えており、平成24年には男性の比率が約2割となっています。
宮田部長宮田部長:
 介護離職者の2割が男性ですか…。今回、申出があった男性従業員が退職とならないように、フォローしなければいけませんね。
大熊社労士:
 そうですね。介護休業の他にも、短時間勤務制度、所定外労働の制限、介護休暇等々、様々なものがありますので、ここも説明しておきたいところです。
福島さん:
 はい、分かりました。介護休業制度全体を説明して、休業以外にも選択もできることをお伝えします。あっ、休業した場合の給付金の話も忘れないようにしなきゃ。
大熊社労士:
 不明点でてきたら、いつでも連絡してください。
宮田部長:
 頼みましたよ、福島さん!

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。介護休業取得者も徐々に増えてきています。育児休業と同様に介護休業も様々な制度があります。従業員から相談があった場合は、包括的に説明を行いたいものです。65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、三世代世帯は、平成7年では33.3%だったものが、平成25年度は13.2%と減少しています。反面、単独世帯は17.3%から25.6%増えており、いわゆる老老介護問題が深刻になっています。介護休業制度を周知し、利用しやすい職場環境づくりを進めていくようにしましょう。
関連blog記事
2016年10月24日「育児休業・介護休業(2)介護休業が3回に分割して取得できるようになります」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65756970.html
2016年10月17日「育児休業・介護休業(1)育児休業を取得できる有期契約の従業員の範囲が変更になります」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65756109.html

参考リンク
厚生労働省「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/otoiawase_jigyousya.html


(小浜ますみ)

当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

facebook最新情報の速報は「労務ドットコムfacebookページ」にて提供しています。いますぐ「いいね!」」をクリック。
http://www.facebook.com/roumu