以前、男性の育児休業について質問があった従業員が退職するとの連絡があり、大熊は服部印刷へ向かった。


福島さん:
 先生、こんにちは。お待ちしていました。
大熊社労士:
 こんにちは、福島さん。育児休業の取得を考えていた男性の方、退職されるのですか?
宮田部長:
 はい、奥さんのお父さんが倒れたということで、その会社の手伝いをしなければならなくなったということなのです。
大熊社労士:
 それは急展開な話ですね。奥さんのお父さんの具合はあまりよくないのでしょうか?
福島さん:
 倒れて3ヵ月、ずっと入院されているそうです。退院できたとしても、以前のように働くことは難しいようなのです。
宮田部長宮田部長:
 以前から将来的にはその会社の跡を継ぐという話はあったようなので、その時期が早まったということですね。具体的な退職時期は3ヵ月後となりました。
福島さん:
 一方、奥さんの出産予定日は2ヵ月後ですので、退職の少し前には出産されることになります。その場合、退職前に育児休業を取得することもできるのかなと、ふと思ったのですが…。
大熊社労士:
 今回については育児休業は取得できませんね。労使協定において、「申出があった日から1年以内に退職する者」を育児休業を取得できない者としている場合には、育児休業を取得することはできません。御社ではその労使協定を締結されていますので、今回は取得できないということになります。
宮田部長:
 彼は周りからの信頼もあって、よくやってくれている人だから、なんだか最後に育児休業も認めてあげたい感じなのですが。
大熊社労士大熊社労士:
 それは、育児休業中は雇用保険の育児休業給付金が支給されるからでしょうか?あらかじめ退職が分かっている場合には、育児休業を取得しても雇用保険の育児休業給付金を受給することはできませんよ。
宮田部長:
 ええっ、そうなんですか?
大熊社労士:
 育児休業給付金は、職場復帰を前提とした給付金です。最初から退職が決まっている場合や、育児休業の途中で退職することが決まった場合でも、退職が決まった以降は給付金をもらうことができません。本当は給付金をもらうことができないのに、給付金がもらえるような対応をしてしまうと、不正受給になり、不正受給した金額の3倍の金額を納めることになりますので、注意してください。会社も連帯として処分を受けることなります。
宮田部長:
 考えが安易でした…。
福島照美福島さん:
 今後、育児休業者が発生したときはそのことを気を付けます。また、労使協定で締結されている育児休業が取得できない人もよく確認しておきます。
大熊社労士:
 そうしてくださいね。分からないことがあったらいつでも連絡をください。しかし、期待していた従業員が退職となるのは残念ですね。
宮田部長:
 はい、彼にはもっと働いてもらいたかったのですが、非常に残念です。また募集をかけます。
大熊社労士:
 いい人が採用できること願っています!

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。育児休業に関しては、労使協定の締結により、/十个あった日から1年以内(延長、再延長の場合は6ヵ月以内)に退職する者は取得することができません。他に、育児休業が取得できない者として、雇用された期間が1年未満の者、週の所定労働日数が2日以下の者も対象となります。特に、に該当する週1〜2日勤務の女性パート従業員が妊娠した場合は、産前産後休業は取得できても、育児休業を取得することはできませんので、注意が必要です。は、労使協定の締結がない会社は育児休業を認めることになりますので、自社で労使協定が締結されているかどうか確認しておきましょう。

関連blog記事
2017年9月4日「男性の育児休業はいつから取得できますか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65784233.html

参考リンク
厚生労働省「育児・介護休業法について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

(小浜ますみ)

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