ゴールデンウィークも明け、いよいよ労働保険の年度更新時期となるため、大熊は服部印刷を訪れた。


福島さん:
 こんにちは、先生。
大熊社労士:
 こんにちは、福島さん。連休中はリフレッシュされましたか?
福島照美福島さん:
 はい、近場ですが家族でハイキングに行ってきました。子どもは喜んで走りまわっていましたし、私も森林浴でばっちりリフレッシュできました!
大熊社労士:
 それはよかったですね。
宮田部長:
 私は連休中、家族の買い物に付き合い、ぐったりです。私以外の家族は元気ハツラツでしたがね。
大熊社労士:
 あはは、それはお疲れ様でした。でもご家族で過ごすことができてよかったですね。連休が明けて、日常に戻りましたが、そろそろ労働保険の年度更新の手続きを進める時期になりました。
宮田部長:
 はぁ、もうそんな時期ですか、年度更新に算定基礎届と、何かと忙しくなりますね。
福島さん:
 年度更新の手続きについて、今年は何か変更点がありますか?
大熊社労士:
 はい、今年は、労災保険について3年に1度の保険率改定の年となっています。多くの業種は据え置きでしたが、引き下がった業種が20業種、引き上がった業種が3業種ありました。
宮田部長:
 我が社の業種は、引き下がっていますか?
大熊社労士:
 残念ながら、印刷業は、1,000分の3.5のままで据え置きです。
宮田部長宮田部長:
 そうですか。まぁ、アップしなかったのでよしとしますか。労災保険率が上がる、下がるって、事故の発生状況で決まるのでしたよね?
大熊社労士:
 はい、そうです。労災保険率については、業種全体を54業種に分けて、各業種ごとに過去3年間に起きた災害発生状況等を考慮して原則3年ごとに改定することになっています。その3年ごとのタイミングが今年にあたる訳です。
宮田部長:
 印刷業は、災害発生率が変わらなかったということか…。
大熊社労士:
 ちなみに、全業種の平均労災保険率は1,000分の4.5ですが、従前は1,000分の4.7でしから、全体としては引き下がったことになります。この平均労働保険率ですが、平成元年からの推移を見てみると、平成4年が一番高く1,000分の11.2だったんです。平成4年から徐々に下がってきていて、現在は1,000分の4.5となりました。
宮田部長:
 へぇ〜、そうなんですね。随分下がっていますね。
大熊社労士:
 危険な作業を伴う建設業や製造業では、近年、職場の潜在的な危険性等を見つけ出して除去する「リスクアセスメント」の取組みが定着浸透してきており、重大事故を起こさない対応が進んだことが、要因の一つとされています。
福島さん:
 労働災害自体が減っているということはいいことですね。
宮田部長:
 このまま事故も減って、労災保険率もどんどん下がっていって欲しいものですね。
大熊社労士:
 本当にそうですね。そしてもう一つの雇用保険率についてですが、こちらは失業給付の受給状況や積立金の状況等によって決定され、原則毎年4月1日に改定されることになっています。
福島さん:
 今年は変更なしですね。
大熊社労士:
 はい、そうです。ですので、御社の場合、今年の年度更新については、保険料率は変更ありませんので、確定保険料、概算保険料ともに同じ料率で算出することになります。申告書が届いたら、記載してある保険料率も確認してくださいね。
福島さん:
 わかりました。他に注意することはありますか?
大熊社労士大熊社労士:
 そうですね、今年の新たな注意点ではありませんが、昨年(平成29年)1月1日から、65歳以上で採用され週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある人は雇用保険の被保険者になることになりましたから、雇用保険の免除対象高年齢労働者として取扱うことも忘れないようにしてくださいね。
福島さん:
 そういえば、免除対象高年齢労働者の雇用保険料が免除される期限は、まだ先でしたよね?
大熊社労士:
 はい、平成31年度までです。
福島さん:
 平成31年度ということは、平成32年3月までということですね。平成32年4月以降は雇用保険料の天引きが必要になること、忘れないようにしなきゃ!
大熊社労士:
 はい、そのときには私からもご案内しますが、給与計算のチェックシートにも記載しておいてくださいね。
宮田部長:
 高年齢者からも雇用保険料を天引きする世の中になるのですね。世知辛いな〜。
大熊社労士:
 宮田部長のお気持ちもわかりますが、まずは今年の年度更新について、しっかりチェックをお願いしますね!
宮田部長:
 はい、了解しました。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。労働保険の年度更新の時期となりました。5月下旬から6月上旬にかけて労働局より申告書が送付されます。今年は、労災保険率において3年に1度の改定の年となっていますので、自社での保険率の改定がないか確認が必要です。また、EXCELで使える年度更新申告書計算支援ツールが厚生労働省のホームページでダウンロードできるようになっていますので、活用して計算を進めましょう。
年度更新申告書計算支援ツールのダウンロードはこちらから
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/yousiki.html


関連blog記事
2018年4月6日「厚生労働省 今年もEXCELで使える年度更新申告書計算支援ツールのダウンロードを開始」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52148443.html

参考リンク
厚生労働省「労働保険年度更新に係るお知らせ」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/roudouhoken21/index.html
厚生労働省「労働保険徴収関係リーフレット一覧」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/gyousei/index.html
厚生労働省 第68回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料「労災保険料率等について」
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000188414.pdf
法令等データベース「労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令の施行について(平成30年2月8日基発0208第1号)」
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T180209K0020.pdf


(小浜ますみ)

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