現在、勤務間インターバル制度の設計を行っている大熊。今回は引き続き制度設計を行うこととした。
これまでのブログ記事はこちら
2018年10月15日「勤務間インターバル制度設計(2)インターバルの時間数は何時間にしましょうか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65802766.html
2018年10月8日「勤務間インターバル制度設計(1)勤務間インターバル制度の導入を検討してみようと思うのです」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65802550.html
大熊社労士:
 前回は勤務間インターバル制度を設計するに当たっての検討ポイントの1つ目である時間数について議論しました。今日はそれに引き続き、2番目の論点である休息時間が翌日の始業時刻に及んだ場合の取り扱いについて考えたいと思います。
服部社長服部社長:
 よろしくお願いします。具体例で考えていきましょうか。当社の場合、始業時刻は午前9時、そして終業時刻は午後6時となっています。そしてインターバルを前回の議論のとおり、9時間で設定すると仮定します。
大熊社労士:
 わかりました。その前提で行けば、例えば深夜1時まで仕事をしていたような場合、9時間のインターバルを取ると、翌日の勤務開始可能時刻は午前10時となり、始業時刻から1時間食い込むことになります。
宮田部長:
 なるほど、そういうことですね。まぁ、現実的にそこまでの状況になるということはほぼ想定しにくいですけどね。私の場合だと、翌朝一番で使う役員会の資料の数字を間違えて、急遽全部作り直すとか。
福島さん:
 部長ならまあまあ、ありそうな話ですけどね、それ(笑)
宮田部長宮田部長:
 そうそう。全部列が1つズレてた〜!更にファイルの保存を忘れてたからイチから全部作り直しだ〜!みたいなね...。こらーっ!なんていうことを!
大熊社労士:
 (笑)ありそうか、なさそうかはコメントを避けますが、仮にそういう状況になったとした場合、その1時間をどう扱うかを決めておく必要があるということです。
服部社長:
 その場合の選択肢にはどのようなものが考えられますか?
大熊社労士:
 はい、通常考えられるのは以下の3つでしょう。
時差出勤
勤務みなし
フレックスタイム制
福島照美福島さん:
 まずの時差出勤ですが、始業が1時間遅れる訳ですから、終業時刻も1時間遅らせるということですよね。当社の場合だと、午前10時から午後7時までの勤務にするという訳ですね。
大熊社労士:
 はい、そのとおりです。これが一番シンプルな対応ですね。
福島さん:
 でも、その翌日はどうしても定時である午後6時に帰らなければならないというようなときはどうしたらよいのでしょうか?
大熊社労士:
 時間単位の年次有給休暇の制度が導入されていれば、1時間、年休を取得することになるでしょうね。もしその制度がないと確かに面倒ではあります。
宮田部長:
 あと、こんなこともないですか?時差によって、更に帰宅する時間が遅くなって、どんどん時差の勤務時間が遅くなっていって、例えば午後6時から深夜3時までの勤務になっちゃうとか。昼夜逆転ですね。
大熊社労士:
 それ、よく言われるのですが、毎週1回は休日がありますよね。そこでリセットされるので、そんなことは起こらないと思います(笑)。次の選択肢が、勤務みなしです。つまり、先ほどからの例で言えば、午前9時から10時までは勤務したとみなして、賃金を支給し、終業時刻は午後6時のままにするということです。
福島さん:
 この方が社員にとっては良さそうですね。
大熊社労士大熊社労士:
 確かに。ただ、会社としての負担は大きくなります。そして最後の選択肢がフレックスタイム制です。フレックスタイム制であれば、その日でどうこうという話はなく、あくまでも月の総労働時間で管理する訳ですから、先ほどの例で言えば、単純に勤務開始可能時刻が午前10時になるだけで、それ以外の影響は特にありません。
服部社長:
 なるほど、よく分かりました。当社では工場は生産計画に基づいて人員を配置していますから、フレックスは馴染みません。よって、まずその選択肢はないと思います。
福島さん:
 そうですね。工場以外の職種についてはあり得るかも知れませんが、確かに全社でフレックスは難しいと思います。
服部社長:
 となると、時差出勤か、勤務みなしかということになりそうです。基本はノーワークノーペイであることを考えれば、まずは時差出勤がよいのかなぁと思います。
大熊社労士:
 ありがとうございます。それでは時差出勤の線で考えてみましょうか。私も基本的にはそれでよいと思います。それでは次回は最後の論点である例外の取り扱いについて考えたいと思います。次回はいろいろなパターンがあると思いますので、お楽しみに。
服部社長:
 分かりました。次回もよろしくお願いします。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]

大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は勤務間インターバル制度の設計における、休息時間が翌日の始業時刻に及んだ場合の対応について取り上げました。ちなみに前回取り上げた情報労連のインターバルの活動方針を見ると、「休息時間が通常の勤務時間に及ぶ場合の扱いは、基本的に、勤務を免除し、賃金は有給とします」という方針が書かれていますので、労働組合からの要望としてはその線で出てくることが予想されます。しかし、勤務をしたとみなさなければならないということではありませんので、ここは労使でしっかり議論しておきたいところです。

関連blog記事
2018年10月15日「勤務間インターバル制度設計(2)インターバルの時間数は何時間にしましょうか?」
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2018年9月18日「名南経営 2018年10月1日から勤務間インターバル制度を導入」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/52460164.html
2017年3月20日「勤務間インターバルってなんですか?」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65773216.html
2017年4月12日「勤務間インターバル制度導入事例集」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51469144.html

参考リンク
厚生労働省「勤務間インターバル」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/interval/
厚生労働省「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000150891.html
厚生労働省「過労死等の防止のための対策に関する大綱」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000101654_00003.html
情報労連「「勤務間インターバル制度」の導入に向けて(第2版)」
https://www.joho.or.jp/download/wpdmpro-400

(大津章敬)

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