前回から昇格制度についての相談を受けている大熊。今回は昇格の審査方法について説明することとした。
前回のブログ記事はこちら
2018年12月10日「昇格のルールを明確にしたいのです」
http://blog.livedoor.jp/ookumablog/archives/65805062.html
大熊社労士:
 昇格制度を設計する場合は(1)昇格エントリー条件と(2)昇格審査方法について検討することが通常ですが、前回は(1)昇格エントリー条件についてご説明しました。
宮田部長宮田部長:
 ということは今回は(2)昇格審査方法のご説明をいただくことになりますね。審査って言われると、なんかドキドキしますね。
福島さん:
 宮田部長、どうぜ水着審査とか想像しているんじゃないですか?まったく、もう!
宮田部長:
 ドキッ!いやぁ、ま、まさかそんな訳ないですよ...。
服部社長:
 宮田部長、当社で水着審査がなくてよかったですね。もし水着審査で昇格を行うとしたら、部長にはなっていなかったかも知れないですよ(笑)
宮田部長:
 しゃ、社長!なに言ってるんですか!
大熊社労士:
 まあまあ、もし昇格で水着審査なんて行ったら、間違いなくネットで大炎上ですからやめておきましょう(笑)。さて現実的な話ですが、昇格対象者についてはなんらかの昇格審査を行うことになります。具体的には以下のようなものが選択肢になるでしょう。
面接(社長、役員、部長など)
小論文
プレゼンテーション
試験(ペーパー、実技)
福島照美福島さん:
 いろいろな選択肢があるのですね。現実的にはこうした審査を行うことは、会社側の負担にもなりますので、それを考慮した上で実施内容を考える必要がありそうですね。
大熊社労士:
 それは間違いありませんね。基本的には昇格が難しいところや管理職になるような昇格についてはしっかりとした審査を手間をかけて行い、自動昇格に近いようなところは面接程度とするということになるでしょう。
服部社長:
 なるほど。大企業の昇格というと多くの人材がいる中で選抜をしていくというイメージがありますが、当社のような中小企業の場合、そんなに人材は揃っていないので、むしろ十分ではない人材を育成しながら昇格させていく必要があると感じるのですが、この点はどうでしょうか?
大熊社労士大熊社労士:
 まったくその通りかと思います。中小企業の昇格は人材育成と動機づけのためにあると言ってもよいのではないかと考えています。例えば、昇格の中でも重要な管理職への昇格を考えた場合、最初から管理職をできるような人材はなかなかいません。それだけに昇格のタイミングで様々な課題を課し、昇格を利用して人材育成を行う必要があります。
服部社長:
 例えばどのようなことが考えられますか?
大熊社労士:
 はい、私がおススメしているのは、管理職の昇格において「自社を取り巻く環境の分析とその中で当社に求められる取り組み」といったプレゼンをさせることです。
宮田部長:
 えーっ!そんな難しいテーマ、当社の管理職候補は絶対にプレゼンなんてできませんよ!
大熊社労士:
 そうですね。かなり難しいテーマだと思います。しかし、プレゼンの場でテーマを与えられ、即答が求められるということではありません。例えば1か月くらい前にテーマが与えられ、そこから準備をさせるのです。書籍やネットなどで調査をしてもいいですし、上司である先輩管理職や役員に相談してもいい。この機会にしっかり情報を集め、自分なりの考えをまとめることが重要だと思うのです。
服部社長服部社長:
 それは間違いないですね。管理職になるのに、意識は担当者の延長では話になりません。経営幹部の一員になるわけですから、自社を取り巻く経営環境くらいは理解しておかなければなりませんし、その中で自部門をどう運営していくかは考えてもらわなければ、その後の仕事もうまくいかないでしょう。
福島さん:
 そうですね。「当社は今後、どのような方向に進んでいくのですか?」と質問して、部長から「いやぁ、ぼくには分かんないなぁ」とか言われたら最低ですもんね。さすがにそこまで極端なことはないとは思いますが。ですよね、宮田部長?
宮田部長:
 そ、そ、そ、そんなことある訳ないよね。管理職であれば。
大熊社労士:
 そのように事前にテーマを提示して、役員会でプレゼンをしてもらってはいかがでしょうか?毎年、そんなに多くの対象者はいないと思いますので、3月の役員会の冒頭で行うなどと決めておけばよいと思います。
福島さん:
 それはみんな緊張するでしょうね。
大熊社労士:
 はい、そうだと思います。それだけにしっかり頑張らなければという気持ちになるでしょうし、またそれで昇格が認められたとすれば喜びも大きいでしょう。もちろん、役員のみなさんからすれば十分ではないプレゼンになる可能性は高いと思いますが、そこは人材育成という視点で進めていただければと思います。
服部社長:
 そうですね。是非実施してみようと思います。
大熊社労士:
 その他のレベルの昇格については、例えば現場系の若手であれば実技試験なども面白いでしょう。また簡単な小論文と面接などもよいと思います。いずれにしても本人の成長につながるものであり、また審査を乗り換え、昇格が認められることでその承認欲求が満たされるような工夫をしたいところです。
宮田部長:
 確かにそうですね。面接さえなく、「あ、そうだった。〇〇君、今年昇格したよ」なんて言うのではさみしいですものね。
大熊社労士:
 そうですね。また具体的な審査方法については社内で議論していただければと思います。
服部社長:
 わかりました。ありがとうございます。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]

大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は昇格の審査方法について取り上げました。昇格は賃金決定のためにある訳ではなく、それを活用し、人材育成と動機づけにつなげていくことが重要です。企業規模や職種などによっても最適な内容は変わりますので、来春に向け検討を行い、効果的な昇格の仕組みを構築されるとよいと思います。

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2018年12月10日「昇格のルールを明確にしたいのです」
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(大津章敬)

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