まだまだ見ごろの桜を眺めながら、大熊は服部印刷に向かった。
大熊社労士:
 おはようございます。
福島さん:
 大熊先生、おはようございます。あらら、スーツの方のところに桜の花びらがついていますよ。当社の門のところの桜でしょうか。
大熊社労士:
 ありがとうございます。御社の桜は本当に見事ですよね。毎年、立ち止まって見てしまいます。今日も少し早く到着して、少し桜を眺めていました。そのときに花びらが落ちてきていたのかも知れませんね。宮田部長も昨日はお花見でしたか?
宮田部長宮田部長:
 はい、昨日は自宅近くの公園で地元の仲間と花見に行ってきました。20度を超える陽気だったので、気持ちよくて少し飲みすぎてしまいましたよ。
大熊社労士:
 それはずいぶんと楽しまれたようですね。さてさて、今日はなにかありましたでしょうか?
福島照美福島さん:
 はい、先週から働き方改革関連法が施行されていますが、その中の目玉の一つが労働時間の上限規制と36協定届の見直しかと思います。それを受けて、今後、労働基準監督署の36協定に関する指導が厳しくなるのではないかと予想しているのですが、具体的にはどのような点を見ているものなのでしょうか?
大熊社労士:
 確かに36協定の重要性が増しています。先日、厚生労働省より公表された「平成31年度地方労働行政運営方針」の中でも、「使用者、労働組合等の労使当事者が時間外・休日労働協定を適正に締結するよう、締結当事者に係る要件も含め、改正労働基準法、労働基準法施行規則及び「労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針」の周知を徹底するとともに、限度時間を超える延長時間を定めているなどの不適正な時間外・休日労働協定が届け出られた場合には、必要な指導を行う」との方針が示されています。当然に指導は強化されるでしょうね。ということで、どのような点を重点的に確認されるかということですが、今回の法改正に先駆け発出された通達「時間外・休日労働協定の適正化に係る指導について(基発0115第5号 平成31年1月15日)」から、その内容を見ていきたいと思います。
福島さん:
 よろしくお願いします。
大熊社労士:
 まずは形式上の要件の確認及び指導として、必要的記載事項の確認として、以下の,らイ泙任砲弔い董∋間数等が具体的に記載されているほか、時間外労働及び休日労働を合算した時間数が改正労基法第 36 条第6項第2号及び第3号に定める要件を満たすことについて当該協定届のチェックボックスにチェックがなされていることを確認するとしています。
時間外労動又は休日労働をさせることができることとされる労働者の範囲(業務の種類及び労働者数)
時間外労動又は休日労働をさせることができる場合(具体的事由)
対象期間における1日、1箇月及び1年のそれぞれの期間について労働時間を延長して労働させることができる時間又は労働させることができる休日の日数
当該時間外・休日労働協定の有効期間
1年について労働時間を延長して労働させることができる時間の起算日
福島さん:
 ここはそれほど変化はないようですね。例のチェックボックスが重要といったところでしょうか。
大熊社労士:
 そうですね。次に今回の改正の重要ポイントである特別条項に関する事項です。以下の7点に注意が必要です。
限度時間を超えて労働させることができる場合
限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置(以下「健康福祉確保措置」という。)
限度時間を超えた労働に係る割増賃金の率
限度時間を超えて労働させる場合における手続
1箇月について限度時間を超えて労働させる場合の延長時間及び休日に労働させることができる時間について、その合計が100時間未満であること
1年について限度時間を超えて労働させる場合の延長時間が720時間以内であること
1箇月について限度時間を超えることができる回数が1年について6回以内であること
福島さん:
 ここで例の720時間が出てきますね。
大熊社労士大熊社労士:
 そうですね。実務を考えるとの年6回の回数を超えないような労働時間管理を行うことが重要となりますね。そして、近年重要性を増している過半数代表者の選出についても、注意点があります。今回の通達では、過半数代表者の職制上の地位及び選出方法が改正規則第6条の2第1項に基づく実質上の要件に適合しているかどうかを確認し、適合していない場合は、その理由をリーフレットを活用して説明するとともに、当該協定届を受理せず返戻し、新指導文書に必要事項を記入の上これを交付して再提出を指導することとされています。
宮田部長:
 返戻とはなかなか厳しい対応ですね。
大熊社労士:
 そうですね。それだけ重要性が高いということでしょう。なお、過半数代表者については、今回の施行規則改正で「使用者の意向に基づき選出されたものでないこと」が新たに規定されていますので、そのような状態にならないようにすることも重要です。
福島さん:
 分かりました。ありがとうございます。
大熊社労士:
 本当はまだ指針に関する事項もあるのですが、今日は少し長くなってしまったので、それは次回に回しましょう。
福島さん:
 ありがとうございます。よろしくお願いします。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]

大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは 大熊です。4月となり、遂に労働時間の上限規制を含む、働き方改革関連法が施行されました。上限規制に関しては中小企業の施行が1年間猶予されていますので、今年度は大企業のみの対応となりますが、協定届の様式も変わり、注意すべき点もありますので、今週と来週でそのあたりを見ていきたいと思います。
参考リンク
厚生労働省「平成31年度地方労働行政運営方針の策定について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04277.html

(大津章敬)

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