世間が史上初の10連休と大騒ぎする中、大熊は服部印刷に向かった。
大熊社労士:
 おはようございます!
服部社長:
 おはようございます、大熊さん。連休なのにご苦労様です。
大熊社労士大熊社労士:
 いえいえ、社労士はいま労働保険年度更新ですので、当社もさすがに10連休ではありませんよ。それにこんなときの方が社長とゆっくりお話しできそうですしね。
服部社長:
 それはありがとうございます。実は今日は当社のことではないのですが、相談があります。
大熊社労士:
 はい、どのようなことでしょうか?
服部社長:
 経営者団体でいつもお世話になっている企業の経営者から、社労士さんに確認して欲しいと相談を受けたことなのですが、就業規則の作成に関する話になります。具体的に言うと、その会社の従業員数は7名と小規模なのですが、それでも就業規則を作る必要があるのだろうかという質問でして。
大熊社労士:
 なるほど。結論的には、作成した方がよいということにはなりますが、法律上の義務はありません。まずは法律を確認しておきましょう。労働基準法89条は以下のように就業規則の作成義務を定めています。
労働基準法89条(作成及び届出の義務)
 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。(以下、省略)
服部社長服部社長:
 常時10人以上の労働者を使用する使用者について、就業規則の作成と労働基準監督署への届出を義務付けている訳ですね。ということはこの従業員数7名の会社はその対象外となる。そういうことですね。
大熊社労士:
 はい、その通りです。法的に作成義務はありません。しかし、現実的に就業規則がなくてよいかというと話は違います。例えば、服務規律。社員に行ってはいけないこと、行って欲しいことを伝え、それに違反した場合には懲戒処分を行う場合があることを明示する訳です。10人未満の場合、これも必要ないと言えるでしょうか?
服部社長:
 いや、人数の問題ではなく、どのような組織でもそれは必要ですね。
大熊社労士:
 私もそう思います。就業規則というと、休日や休暇、割増賃金など従業員に有利なことばかり書かれているという経営者の方がいらっしゃいますが、その理解は間違っています。いま挙げたような事項は就業規則がなくとも、そもそも労働基準法に定めがあり、それが優先されます。企業にとって重要なのは、法律に書いていない様々な労働条件です。例えば試用期間であるとか、私傷病休職などは自社のルールとして定める必要がありますし、また各種社内手続きについても就業規則で定めるとよいでしょう。例えば、年休取得の際の手続き、退職の際の手続きなどもありますね。
服部社長:
 はるほど。そのように考えると、従業員規模に関わらず、就業規則が必要であることが分かりますね。知り合いの経営者にもそのように伝えておきます。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]

大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は小規模企業での就業規則作成にちいて取り上げました。本分の中でも触れたように、就業規則のような働く上でのルールはやはり何らかの形で定めることが不可欠です。10人未満の会社であれば、あまり形式にこだわる必要はないかも知れませんが、社員に安心して仕事をしてもらうために必要な事項については、何らかのルールとして明示しておくことが重要です。
参考リンク
厚生労働省「確かめよう労働条件:就業規則は必ず作成しなければならないのですか」
https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/zigyonushi/syuugyoukisoku/q1.html

(大津章敬)

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