近年、よく骨太の方針という言葉を聞くようになっている。2019年の骨太の方針が先週閣議決定されたことから、今日はその中の重要事項について説明しようと大熊は考えていた。


大熊社労士:
 おはようございます!
服部社長服部社長:
 大熊さん、おはようございます。最近はだいぶ蒸し暑くなってきましたな。こんな時季は顧客先を回るのも大変ですね。うちに来てもらっていて言うのもなんですが。
大熊社労士:
 いやいや、お客様があってこそですから。ただ、暑さには弱いので、正直参っています。ただここからまだ気温は上がっていきますから、熱中症対策なども重要になりますね。
宮田部長宮田部長:
 当社では熱中症対策はしっかり行うようにしていますよ。工場の中は機械の周りを中心にどうしても熱くなる場所があるものですから。
大熊社労士:
 そうですね。みなさん、本当に頑張っていらっしゃると思います。さてさて、新聞等でも報道されていましたが、2019年6月21日に「経済財政運営と改革の基本方針2019」が閣議されました。
宮田部長:
 経済財政運営と改革の基本方針2019?
大熊社労士:
 はい、いわゆる「骨太の方針」です。
宮田部長:
 なーんだ、正式名称はそうやって言うんですね。私もニュースで見ましたよ。
大熊社労士:
 はい、それです。人事労務関係ですと、「新たな外国人材の受入れ」であるとか、「最低賃金の引上げ」などの項目が掲げられていますが、なんといっても影響が大きいと思われるのが「70歳までの就業機会確保」という項目です。
服部社長:
 そうですよね。先日から国会で問題になっている老後資金2,000万円の問題もありますが、人生100年時代に向けては、働けるうちは働くことができる環境が必要ですし、それ以前に労働力人口減少で労働力の確保も重要ですからね。
大熊社労士:
 本当にそうですね。国民の中にはいろいろな意見もあると思いますが、生涯現役で働くことができる選択肢を社会として用意することは必要なのだと思います。さて、その内容を今日はお話したいと思いますが、70歳までの就業機会の確保は、早ければ2021年4月にもまずは努力義務化される見込みです。
福島照美福島さん:
 2021年4月ということは次の次の春ですか。思いのほか、すぐですね。努力義務化ということは、その後、措置義務になる予定ということなのですか?
大熊社労士:
 そうですね。時期は明示されていませんが、第二段階として、企業名公表による担保(いわゆる義務化)のための法改正を検討するとされています。以下は私見ですが、その時期は年金の支給開始年齢が65歳となる2025年あたりではないかと予想しています。
服部社長:
 なるほど。それで就業機会の確保の具体的な内容はどのようなものになるのですか?
大熊社労士:
 はい、このテーマについては以前から、多様な選択肢を用意するという方針が示されていましたが、今回の骨太の方針では、以下の選択肢が示されています。
(a)定年廃止
(b)70歳までの定年延長
(c)継続雇用制度導入(現行65歳までの制度と同様、子会社・関連会社での継続雇用を含む)
(d)他の企業(子会社・関連会社以外の企業)への再就職の実現
(e)個人とのフリーランス契約への資金提供
(f)個人の起業支援
(g)個人の社会貢献活動参加への資金提供
宮田部長:
 7つも選択肢があるのですか。これは迷っちゃうな。
大熊社労士大熊社労士:
 私も最初にこれを見たときには少し驚きました。なんといっても(e)から(g)までの3つは雇用ではありません。ここまで自由度の高い選択肢が用意されるとは予想していませんでした。
服部社長:
 だから「就業機会の確保」と呼んでいるのか。
大熊社労士:
 そうなんだと思います。それではこれらの対応については次回にでもお話したいと思います。
服部社長:
 よろしくお願いします。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]

大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。働き方改革に関しては、今春、年次有給休暇の取得義務化や労働時間の上限規制が行われ、来春に向けては同一労働同一賃金への対応が最大のテーマとなります。その次にやってくるのが、今回取り上げた70歳までの就業機会の確保への対応でしょう。現時点では情報が少なく、具体的な検討ができる段階ではありませんが、選択肢も多く、また働く側のニーズも多様であると想像されることから、実際の対応はなかなか大変なものになるのではないかと考えています。このテーマについては来週も取り上げますので、是非チェックしてみてください。

関連blog記事
2019年6月6日「未来投資会議が案を示した70歳までの就業機会確保努力義務化の方向性」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52172081.html
2019年5月16日「超重要】未来投資会議 70歳までの継続雇用制度の概要案を公表」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52171007.html

参考リンク
内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2019」
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2019/decision0621.html


(大津章敬)

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