先週は出張が多く、少し疲れ気味の大熊であった。
大熊社労士:
 おはようございます!
服部社長服部社長:
 大熊さん、おはようございます。あれ、なんか顔が結構日に焼けていませんか?この週末にどこか遊びにでも行ったのですか?
大熊社労士:
 いえいえ、この週末は映画に行ったくらいでゆっくりしていましたよ。でも、先週は外出が多く、外を歩く機会も多かったので、日焼けをしてしまったのかも知れませんね。体質的にすぐに黒くなってしまうものですから。
福島照美福島さん:
 大熊先生、しみには気を付けてくださいね!さて、早速本題に入るのですが、賃金請求権事項見直しの問題はその後、どうなったのですか?先日、新聞でも少し記事を見かけたのですが。
大熊社労士:
 福島さん、新聞をきちんとチェックされていますね。そうなんです。2019年7月1日に「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」が「賃金等請求権の消滅時効の在り方について(論点の整理)」という資料をとりまとめ、公表しました。
宮田部長宮田部長:
 私もその記事は見ましたよ。なんでも労使の意見にかなりの相違があり、なかなか話がまとまらずに、今後、労働政策審議会で検討するとかなんとかという記事でしたよね?
大熊社労士:
 その通りです。やはりこの問題は一筋縄ではいきませんね。ただ今回の資料で概ね見えてきたことがあります。まだ決定ではありませんが、賃金請求権の消滅時効は現在の2年から延長される可能性が高いように思います。というのも今回の資料の中に「仮に消滅時効期間が延長されれば、労務管理等の企業実務も変わらざるを得ず、紛争の抑制に資するため、指揮命令や労働時間管理の方法について望ましい企業行動を促す可能性があることなどを踏まえると、現行の労基法上の賃金請求権の消滅時効期間を将来にわたり2年のまま維持する合理性は乏しく、労働者の権利を拡充する方向で一定の見直しが必要ではないかと考えられる」という記述がみられるのです。
服部社長:
 なるほど。確かにそうですね。ということは5年に延びるのですか?
大熊社労士:
 いえいえ、そこは分かりません。ただ資料のニュアンスから推測すると、5年はないのではないかと考えています。3年くらいが落としどころなのではないかと個人的には予測していますが。まあ、この点はいずれにしても今後、労働政策審議会で方向性が出されることになるでしょう。
服部社長:
 なるほど、そのような状態なのですね。以前、大熊さんからこの事項の問題は年次有給休暇の繰越年数にも影響するという話もあったと思いますが、こちらも伸びるのでしょうか?
大熊社労士大熊社労士:
 年休に関しては、たぶん現状のまま、つまり翌年に限り繰り越すという運用が続けられるのではないかと予想しています。今回の資料の中でも、「そもそも年休権が発生した年の中で取得することが想定されている仕組み」とされており、仮に賃金請求権の消滅時効期間と合わせてこの年休の消滅時効期間も現行よりも長くした場合、年次有給休暇の取得率の向上という政策の方向性に逆行するおそれもあるとされています。その上で「この検討会での議論やヒアリング等においては、以上を踏まえると必ずしも賃金請求権と同様の取扱いを行う必要性がないとの考え方で概ね意見の一致がみられるところである」と記載されているのです。
服部社長:
 なるほど、よく分かりました。いずれにしてもこの問題は引き続き議論が続くということでしょうか?
大熊社労士:
 そうですね。民法の施行が来春ですから急ぐ必要がありますが、これから労働政策審議会を行うということですから、もう少し時間が必要になりますね。また情報が出てきましたらお伝えします。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]

大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは、大熊です。今回は民放改正に伴う、労基法115条における賃金証明津事項の実務について取り上げました。この他にも災害補償請求権に関しては労災保険法との関係をどうするかであるとか、移行措置をどうするかなどの技術的論点も多く残っています。このテーマについては、重要性も高いことから、引き続きお伝えしていきます。
参考リンク
厚生労働省「「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」がとりまとめた「論点の整理」を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05555.html

(大津章敬)

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