2004年03月31日

北海道警もWinnyで捜査書類流出

 Internet Watch の報道によると、京都府警の巡査がWinny経由で捜査関係書類を流出させたのに続き、北海道警でも同じパターンで捜査関係書類を流出させた模様。
 原因は特定されていないが、おそらく「キンタマ」ウイルスだろう。
 今回も流出させたのは交番勤務の巡査で、京都府警の時と同じく、自宅に持ち帰った私物のノートパソコンからの流出である。
 なお、北海道警では個人情報を含むデータの署外への持ち出しを禁止しており、ハードディスクへの記録も禁じていた。
 しかしながら、「巡査は業務時間中にできなかった仕事を、自宅に持ち帰っていたようだ。また、効率を上げるためハードディスクへも保存していた」といい、やはり現場レベルでは情報管理規定がまったく守られていなかった格好だ。
 本日、警察法が10年ぶりに改正され、テロ対策強化のほか、ハイテク犯罪の技術面における国の支援体制が拡充された。
 しかし、職員の末端までWinnyの使用が蔓延している現状では、ハイテク犯罪の取り締まりを強化しても虚しいだけだろう。




  

「もえたん」 例文募集

 またもや「アキバBlog」さんで発見したネタ。
 いつも素晴らしい情報をありがとうございます。

 伝説的な英単語集「もえたん」の続編に向けて、例文の募集が告知されている。
 合言葉は「クリックひとつで救える受験生がいます」。
 ここで笑えたあなたは、立派な2ちゃんねら〜だ。
 例文の登録はここのページから行う。基本的にランダムな英単語とその訳が提示されるので、それに対応する日本語例文を入力すればいい(英語の訳文は必要ない)。
 例文には、アニメや漫画のパロディを用いるのがお約束である。
 やはり、「萌え」はネットマニア好みの言葉らしい。


  

「新世紀エヴァンゲリオン2」 リプレイ 第16話 (後編)

 第16話 「羊は見上げる」 (後編)

 初号機を囲み、白い牙を剥き出したエヴァシリーズ9機が並ぶ。
 ジオフロントを舞台に、鬼気迫る戦いを繰り広げる初号機。

 マコト「8機目撃破! あと1機!」
 シゲル「エヴァシリーズ、全機沈黙しました!」
 マヤ「何これ!? 倒したはずのエヴァシリーズが! 活動再開…。」

 復活を遂げたエヴァシリーズに、なぶり殺しにされる初号機。

 シゲル「ターミナルドグマより高エネルギー体が上昇中!」
 マコト「分析パターン青! まさか、使徒!?」
 マコト「いや、違う。ヒト、人間です!!」

 その時、白く巨大な「人」のシルエットが発令所に姿をあらわした。それは、レイへと姿を変えたリリスであった。リリスは、ゆっくりと水をすくうように初号機を手の中に納めた。

 ゼーレ1「渚カヲル…、己が存在、魂はこの時のために…。」
 カヲル「リリンがリリスに還る時が。選ばれし民を除いて…。」

 マヤ「エヴァシリーズ、S2機関を解放しはじめました。」
 マヤ「セカンドインパクトの初期現象と同じ現象が起きています。」
 マヤ「アンチATフィールド、物質化します。」

 リリスは身体を大気圏外へ起こし、恍惚の表情を浮かべ、12枚の羽を広げはじめた。リリスを中心に、光が地球を覆いはじめる。

 マヤ「アンチATフィールド、臨界点を突破!」
 マヤ「このままでは、個体生命の形が維持できません!」

 人々はATフィールドを失い、生命誕生前のLCLと化していく。
 人々の魂だけが、頼りなく漂うように地表を流れゆく…。

 ゼーレ1「我々の導きにより、不要な身体を捨て、神と一つに。」

 かつてゼーレと呼ばれた者達の魂がカヲルの周りを漂う。カヲルの周りを漂う赤い光がリリスの手の中の初号機へ吸い込まれていった。

 カヲル「僕の役目も終わりだ…。人の心は人にしか開けない…。」

 カヲルは目を閉じ、リリスとの融合を始めた。リリスの身体がねじれ、大地に身体を沈めていく。あちこちから血しぶきを上げながら、やがて動かなくなり、その姿は石と化した…。

 ゼーレの教義は完成した。彼らは神への道を開き、神となった。
 アダムもリリスも人類も存在しないこの地球の中で…。

 終劇

※これはゲームのリプレイであり、現実の作品とは関係ありません。
  

「新世紀エヴァンゲリオン2」 リプレイ 第16話 (前編)

 第16話 「羊は見上げる」 (前編)

 加持さんの話だと、アスカの代わりのパイロットが来るらしい。アスカが死んでも、こうやって周りのみんなは普通に生活していくのか。たとえ、僕が死んでも?
 翌朝、突如警報が鳴る。

 マコト「第2東京が特務機関ネルフの法的保護を破棄しました。」
 コウゾウ「やはり人間の敵は、同じ人間だったか…。」

 ネルフ本部のあちこちから聞こえてくる銃撃音。

 シンジ「何の音…、さっきから一体、何が起こってるんだ?」
 自衛官「いたぞ、エヴァ搭乗パイロットだ。これより、排除する。」

 鳴り響く銃声。

 シンジ「…………あ、あれ、生きてる…?」
 ミサト「待たせたわね。」
 シンジ「ミサトさん…。」
 ミサト「戦略自衛隊がここを占拠するために侵攻してきたのよ。」
 マコト「エヴァ量産機、全部で9機。ただ今ネルフ直上を旋回中。」
 ミサト「エヴァ量産機は、あなたの手ですべて消滅させるのよ。」
 シンジ「9機…? そんな数を相手に…。」
 ミサト「でも、勝たなきゃいけないの。」
 自衛官「いたぞ、エヴァ搭乗パイロットだ。片づけろ。」
 ミサト「今よ、走りなさい!!」

 ミサトはシンジが走り去ると、フロアの爆破装置を爆破させた。

 シンジ「…血が。」
 ミサト「私なら大丈夫、このエレベーターで上に行けるから…。」
 シンジ「置いていくなんて出来ないよ!」
 ミサト「行きなさい、命令よ。急ぎなさい。」

 そう言うと、ミサトは糸の切れた操り人形のように崩れ落ちた。

 シンジ「必ず、勝つよ…。必ず…。行ってきます…。」

 つづく

※これはゲームのリプレイであり、現実の作品とは関係ありません。
  

2004年03月30日

ネットマニア好みの言葉

 読売新聞の記事によると、「眼鏡っ娘」「萌え」はネットマニア好みの言葉らしい。
 この記事は、巷で流行っているアフィリエイトを記者が体験してみる企画なのだが、客寄せのために記者が使用した言葉が上の2つ。
 なんでも、「検索エンジンに引っかかりやすいよう、恥ずかしながら『眼鏡っ娘』『萌え』などのネットマニア好みの言葉も加えた」そうで、ネットマニアは相当恥ずかしい存在だと認識されているようだ。


  

外部記憶の存在と安心

 「番組を録り溜めたくなる本能」へのトラックバック。

 わたしはまだDVDレコーダを所有していないが、DVDレコーダを入手したら、おそらく観る時間のない番組まで撮りためるだろう。
 というのも、VHSビデオを使っている今現在でも、観る余裕のない番組を撮りためているのだから。
 トラックバック元で紹介している ITmedia のコラムでは、この現象を「多くのコンテンツを予約し、録画することで、情報を脳外のストレージに蓄積したことに対する喜びを、その代償として得る」と表現し、さらにそれを「デジタル狩猟」なる一種の本能的行為であると主張している。
 日頃から、進化論や遺伝子論が濫用されていると感じている著者としては、これが「本能的行為」であるという点について、大いに異論があるが、情報を脳外のストレージに蓄積することで喜びを得るという点には素直に賛同する。
 この記事では、この「脳外のストレージ」を、仮に「外部記憶」と呼ぶことにしよう。
 この現象は、映像メディアの録画にとどまるものではない。読まずに積み上げられている書籍・雑誌・漫画、全部観るはずのないDVD全巻セット、完全にプレイする余裕などないのに買ってしまうゲーム、すべてが同じ現象の延長線上にあるように思われる。
 単なる「コレクション」だと言ってしまえばそれまでかもしれないが、これらの現象には、いわゆるコレクションとは異なる「なにか」があるように思える。
 なぜなら、コレクションというほどに完全性を求めていないからだ。自分が獲得しておきたいと欲する範囲の情報を、「外部記憶」として手元に確保した時点で収集の欲求は満たされる。コレクションなのであれば、ある分野のすべての物品を収集しなければ、気がすまないだろう。これらは本質的に異なる現象である。
 究極の「外部記憶」は、ネットである。ネット上では、ありとあらゆる情報が蓄積され、あるいは共有されている。
 あなたは、面白いウェブサイトを発見して、アドレスをブックマークしたのはいいが、二度と見に行かなかった経験はないだろうか。ある種のデータを発見し、手元にダウンロードしておきながら、そのままハードディスクの肥やしにしてしまった経験はないだろうか。
 これらもすべて情報を「外部記憶」に蓄積することで、満足感または安心感がもたらされる現象の一例である。
 しかし、本当にネットを究極の「外部記憶」と捉えるなら、これらの行為は無意味になる。なぜならネット上の任意の情報を好きなときに入手することができれば、ネットそのものが巨大な「外部記憶」となり手元に「外部記憶」を持つ必要がなくなるからである。
 話をまとめよう。現時点で、我々が鑑賞するあてのないメディアを収集してしまうのは、それらを「外部記憶」とすることで安心感を得るためである。
 しかし、近い将来、すべての情報がネットから得られるようになった暁には、この現象はネットという「外部記憶」への依存という形に変化するだろう。
 その状態では、ネットに接続できることこそが安心感の源であり、ネットからの隔絶は不安をもたらす。実際にわたしがすでにそうなりかけている。
 これを「ネット中毒」と考えるか、それとも新たな情報蓄積段階への移行と考えるかは、読者の判断にお任せしよう。




  

イーバンクの脅迫電話は本物

 ITmedia の報道によると、イーバンクの松尾社長が、ライブドアの宮内取締役に、脅迫めいた電話をかけたとされる件(本サイトの記事ITmedia の関連記事)で、ライブドア側が録音した電話の内容を音声鑑定に出したところ、松尾社長本人のものと判明したそうだ。
 ライブドアは記者会見を開き、声紋鑑定の専門機関・日本音響研究所に音声の鑑定を依頼した結果、「音声に編集された形跡は見当たらず、松尾社長のものだと推定する」との鑑定書を得たとして、そのコピーを報道機関に配布した。
 今回の音声鑑定の結果を踏まえて、ライブドアの堀江社長は「イーバンク側が嘘を言っていることがはっきりした。誠意ある対応を求めたい」と繰り返した。
 この件に関して、イーバンクは、「録音音声についての見解は、2月18日に発表した通り、偽造の可能性が極めて高いとの認識。ライブドアへの対応はこれから検討する」と、真っ向から対決する構え。
 なお、livedoor 社長日記には、現在のところ本件に関する新たな記述は見当たらない。
 子供のような大人の喧嘩がどこまで続くか、見物である。
  

2004年03月29日

京都府警の捜査書類がWinny経由で流出

 朝日新聞の報道及び産経新聞の報道によれば、京都府警の巡査が作成した捜査関係書類が、インターネット上に流出した。
 警察庁によれば、警察の捜査記録がネットに流出するのは全国で初めてとのこと(本当か?)。
 京都府警は流出先を明らかにしていないが、この書類は、ファイル共有ソフト「Winny」上に流出していた。また、京都府警は、ファイル共有ソフトの利用者が感染するウイルスによる流出とみている。
 このウイルスとは WORM_ANTINNY.G(通称「キンタマ」)のことだろう。
 Winnyを媒介して利用者に感染し、感染すると、画面のスクリーンショットや感染者の個人情報、デスクトップのファイルなどを収集し、それをWinnyに流出させる(この時のファイル名に「キンタマ」という名前が使われる)、タチの悪いウイルス(厳密にはワーム)である。
 京都府警といえば、コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)と親密で、インターネット上の著作権侵害の取り締まりに熱心なことで知られており、昨年の11月には、不可能と言われていたWinnyの利用者を逮捕するなど意気盛んだっただけに、今回の不祥事は誠に皮肉としか言いようがない。
 報道によれば、捜査書類を流出させた巡査は、交番勤務ということなので、ハイテク捜査の過程で事故により感染したとは考えにくい。恐らく、Winnyの常習的な利用者だったのであろう。
 Winnyそれ自体は中立的なファイル共有ソフトであるが、著作権法違反の温床になっているとの指摘もあり、近年、社会問題化している矢先の不祥事であった。
 なお、Winny上に一度流出した情報は、原理的に二度と回収することが出来ない。当然、削除することも不可能である。
 また、報道によれば、京都府警の内規では、情報流出を防ぐため、個人情報などの記録は、ハードディスクに保存することが禁止され、フロッピーディスクに保存するよう定められていたという。
 今時、フロッピーディスクで個人情報を管理しようというのが、そもそも時代錯誤なのであるが、今回はハードディスクに保存されていた記録が流出した可能性が高いことから、時代遅れの規則が、実際の現場において、いかに実効性がないかを浮き彫りにしたとも言える。
 なお、報道によると、今回の流出元は巡査の私物パソコンである。京都府警の内規では、私物パソコンを公務で使う場合は、署長など所属長に申請し、登録すれば良いことになっていた。
 慢性的な備品不足によって、警察職員が私物のパソコンを公務で使用せざるを得ないケースは多く、今回発覚したのは氷山の一角に過ぎない。
 共同通信の報道によれば、副署長が自ら「個人のパソコンを公用で使っているケースは多い。すべてをチェックするのは不可能だ。」と、発言している。これもまた、警察の情報管理体制が抱える構造的な欠陥だと言えよう。




  

2004年03月28日

「ハーツ・オブ・アイアン」 リプレイ(22)

 1940年8月2日、大戦の混乱の中、スターリンとの権力闘争に敗れてメキシコに亡命中であったトロツキーが暗殺された。享年60歳。
 7日、イギリス軍の特殊部隊1個師団がハンブルクに上陸。上陸を阻止せんと急遽配備されたウクライナ・コサック義勇兵との間で混戦になった。
 9日、ロンメルの奇襲作戦も虚しく、西方軍集団の約半数は完全にポーランド軍の包囲下に置かれた。残りの半数はフランス国境に張り付いており、救援に向かうことは不可能であった。
 11日、第10軍がポーランド軍によるラドム包囲網から脱出を図ったものの、失敗。14日、全面降伏した。
 15日、2個師団に増強されたイギリス軍がハンブルクに橋頭堡を確保。さらなる輸送船の上陸を阻止しようとしたドイツ海軍と連合国海軍の間に、ヘルゴラント沖海戦が発生した。
 ドイツ海軍は、レーダー提督が指揮する戦艦グナイゼナウ、シャルンホルスト以下の主力艦隊13隻。一方、連合軍は軽巡洋艦以下の小型艦艇のみなれど、総数は70隻に達した。
 5日間に渡り、負ければ後がない絶望的な激闘が行われた末、連合軍は半数以上の艦艇を失い、ヘルゴラント沖海戦はドイツ海軍の勝利に終わった。
 20日、第1機甲集団と第2機甲集団がスターリングラード北西のドン川東岸でチューコフ率いる防衛隊と激戦を繰り広げる中、西方からドン川を渡河したルントシュテットが、チューコフの隙を突いてスターリングラードを無血占領した。

 続く

※これはゲームのリプレイであり、現実の歴史とは関係ありません。
  

2004年03月27日

本屋の中のブッシュ

 このサイトの広告欄を一新してみて面白いことに気がついた。
 インターネット書店「アマゾン」で「ブッシュ」を検索すると、上位にはブッシュ大統領に批判的な本しか出てこないのだ。
 第19位にして、ようやく「米国大統領(ジョージ・ブッシュ)が世界の盟主になる―国家連合時代の幕開け」などという物騒な本が現れる。
 ブッシュ大統領は、テロリストと反戦活動家と民主党の他に、言論界も敵に回して戦っているのか。大変だな。
 なかなか面白いので、この記事には特大の広告をつけておこう。