
九州場所 4日目

目次
- ◆ 大関琴欧洲が初黒星 大相撲九州場所4日目
- ◆ 両横綱が4連勝、平幕の嘉風も 琴欧洲ら3大関敗れる
- ◆ 琴欧洲、安美錦に押し倒される
- ◆ 両横綱が4連勝 琴欧洲ら3大関敗れる
- ◆ 日馬富士、五分に戻すも肩をぶつけて土俵下に落とす
- ◆ 連敗千代大海、行司を押し倒す
- ◆ 敗れた琴欧洲は無表情を貫く
- ◆ 巨体に吸い込まれ、苦手・把瑠都に5連敗…稀勢の里
- ◆ 嘉風が高見盛との全勝対決制す
- ◆ 豊ノ島、反則負けに首かしげる
- ≪ 力士の一言 ≫高見盛「ちょっとイラっとした」
- ◎ 貴乃花親方夫妻報道で講談社に715万賠償命令
◆ 大関琴欧洲が初黒星 大相撲九州場所4日目
時天空(右)を押し出しで下した朝青龍
安美錦(右)は琴欧洲を押し倒しで破る
大相撲九州場所4日目は福岡国際センターであり、横綱の朝青龍、白鵬はともに全勝を守った。大関琴欧洲が安美錦に押し出しで敗れて初黒星を喫した。地元の大関魁皇は豪風に送り出しで敗れ2敗目。カド番大関の千代大海は豪栄道に敗れて2連敗。
◇
中入り後の勝敗は次の通り(左側が勝った力士)
玉飛鳥 おしだし 春日王
木村山 おしだし 土佐豊
猛虎浪 おくりだし 山本山
豊 響 したてなげ 霜 鳳
翔天狼 はたきこみ 朝赤龍
嘉 風 よりきり 高見盛 (負けたでナモシ!)
雅 山 はたきこみ 玉 鷲
黒 海 よりきり 阿 覧
栃ノ心 反則勝ち 豊ノ島
垣 添 よりきり 玉乃島
北勝力 はたきこみ 豊真将
岩木山 そとがけ 旭天鵬
武州山 よりきり 若の里
把瑠都 すくいなげ 稀勢里
日馬富 おしだし 鶴 竜
琴光喜 よりきり 栃煌山
安美錦 おしたおし 琴欧洲
豪栄道 おくりだし 千代大
豪 風 おくりだし 魁 皇
朝青龍 おしだし 時天空
白 鵬 うわてなげ 琴奨菊
◆ 両横綱が4連勝、平幕の嘉風も 琴欧洲ら3大関敗れる
白鵬が上手投げで琴奨菊を下す
大相撲九州場所4日目は18日、両横綱が危なげなく初日から4連勝とした。朝青龍は時天空を押し出し、白鵬は琴奨菊を上手投げで下した。大関陣は3人が敗れた。琴欧洲は安美錦に押し倒されて初黒星。千代大海は豪栄道に、魁皇は豪風にそれぞれ送り出されて2勝2敗となった。琴光喜は栃煌山を寄り切り3勝1敗。日馬富士は関脇鶴竜を退けて星を五分に戻した。平幕では嘉風がただ一人4連勝とした。
◆ 琴欧洲、安美錦に押し倒される
安美錦(右)に押し倒しで敗れた琴欧洲
九州場所(福岡国際センター)は4日目の18日、両横綱はそろって安泰。朝青龍は一方的に時天空を押し出し、白鵬も琴奨菊を上手投げで仕留めた。大関陣は日馬富士、琴光喜が危なげなく勝ったが、無敗の琴欧洲が安美錦に押し倒されて土。千代大海、魁皇も力なく土俵を割り、これで勝ちっ放しは両横綱と平幕の嘉風だけとなった。
◇琴欧洲、土俵下に転げ落ちる…苦手の安美錦に初黒星献上
土俵際で粘ることさえできなかった。尻餅をついた後、土俵下に転げ落ちた琴欧洲。4日目にして早くも大関に土つかずがいなくなった。
相手は過去8勝11敗の安美錦。綱取りが懸かった昨年の名古屋場所初日に出はなをくじかれるなど合口が悪い。苦手意識が抜けないのか、立ち合いで後手に回り、頭から当たってきた安美錦に上体を起こされ、なすすべなく後退した。またも繰り返した失態に、支度部屋ではうつろな表情で「今日のことは忘れて、あしたから頑張ります」。小声で絞り出すのがやっとだった。
今年5場所で10勝以上が3回あり、大関陣で安定感は頭一つ抜けている。場所前に痛めた右ひざに不安はあったが、3連勝スタートに佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)は「あれだけいい相撲を取っているのに、痛いことはないだろう」と回復ぶりに太鼓判を押していた。それだけに、早々と喫した黒星は場所の盛り上がりに水を差す。武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)は「何とか(無敗で)優勝争いについていってほしかった」と話した。
3日目に続いて3大関が敗れた。琴欧洲をはじめ、盛り返す余地はまだあるとはいえ、両横綱に並走する大関が序盤に消えた事実は、やはり寂しい。【大村健一】
【ポイント】
○…モンゴル出身同士の2番、日馬富士−鶴竜戦と朝青龍−時天空戦がダメ押しの連発に。
鶴竜の突っ張りを顔に受け、いなしに泳ぎながら何とか押し出した日馬富士は勝負がついた後に関脇の後輩を右肩でドン。支度部屋で一風呂浴びると冷静さを取り戻し、「相手は前に出るならいいけど引いてばかり。ちょっとアツくなりすぎた」。一方、朝青龍は、動き回る時天空を俵の外へ押し出した後、追撃の突きで土俵下へ落とした。支度部屋では「知らんよ」。
武蔵川理事長は「(日馬富士は)良くないね。審判長が注意するでしょ」。過去にも例がある朝青龍については「勢いが余ったんだろうね」と言いつつも、看板力士たちが乱す土俵に頭が痛そうだった。
○…再入幕を果たした体重258キロの巨漢・山本山が猛虎浪に背後に回られ、あきらめて最後は自ら歩を進めるように土俵を割った。無気力ともとられかねない振る舞いに、本人は「(骨折から回復途中の)ひじが痛かった。痛くて『やべえ』と思った」と釈明。だが、下で見ていた放駒審判部長は「今のところ監察(委員会)には言わないが、帰ったら師匠に怒られるだろう」と渋い顔。武蔵川理事長も「土俵を割るまでは力を抜いてはいけない。お客さんも見ているわけだから」と苦言を呈した。
◆ 両横綱が4連勝 琴欧洲ら3大関敗れる
白鵬が上手投げで琴奨菊を下す
大相撲九州場所4日目(18日・福岡国際センター)両横綱が危なげなく初日から4連勝とした。朝青龍は時天空を押し出し、白鵬は琴奨菊を上手投げで下した。
大関陣は3人が敗れた。琴欧洲は安美錦に押し倒されて初黒星。千代大海は豪栄道に、魁皇は豪風にそれぞれ送り出されて2勝2敗となった。琴光喜は栃煌山を寄り切り3勝1敗。日馬富士は関脇鶴竜を退けて星を五分に戻した。平幕では嘉風がただ一人4連勝とした。
十両は普天王が4連勝で単独トップに立った。
◆ 日馬富士、五分に戻すも肩をぶつけて土俵下に落とす
勝ちが決まってから肩をぶつけて鶴竜を土俵下に落とす日馬富士
大相撲九州場所4日目(18日、福岡国際センター)なんとか星を五分に戻した日馬富士だが、後味の悪さも残した。押し出して土俵の外にいる鶴竜に歩み寄って右肩をぶつけた。勝負は完全に決着した後の出来事で、あってはならない見苦しい行為だった。
立ち合いに頭で当たると、同じモンゴル出身で年下の鶴竜に腕を手繰られたり、いなされたりしてペースを乱された。日馬富士は「引いてばかりで、失礼じゃないかなと思う。相手が大関なんだから、勝ち負けに関係なく前に出てくればいいのに。最後は勢いでやっちゃった」と弁解した。
土俵下で見守った高砂審判長(元大関朝潮)は「流れだろ。勝負しているんだから流れの中であり得ること」と問題視しない姿勢だが、武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「よくないね。(必要なら)審判部長が注意するでしょう」と苦い表情を浮かべる。
昨年、大関昇進を決めた思い出深い地で、今年は序盤で早くも2敗を喫している。小気味いい相撲で人気を得てきた大関が見せてしまった品位を欠いた行為。それは波に乗れないもどかしさの表れのようでもあった。
◆ 連敗千代大海、行司を押し倒す
連敗千代大海、行司を押し出し
九州場所4日目。豪栄道(右)に送り出しで敗れた千代大海。土俵際で回り込んで残そうとしたが…。「行司さんを押し出したんだから1勝くれ」。最後は気晴らしのように軽口をたたいた
◆ 敗れた琴欧洲は無表情を貫く
琴欧洲は押し倒しで安美錦に敗れ
大相撲九州場所4日目(18日、福岡国際センター)横綱を追う立場の大関陣で唯一、全勝だった琴欧洲に土がついた。
相手はこれまでの対戦成績で8勝11敗と苦手にしている安美錦。立ち合いは腰高で、低く攻めてくる相手を呼び込んだ。あっさりと後退し、最後は押し倒されて尻もちをついた。
支度部屋に戻ると、口を真一文字に結び、無表情を貫いた。最後に「きょうのことは忘れて、あしたまた頑張る」と言葉を絞り出した。
◆ 巨体に吸い込まれ、苦手・把瑠都に5連敗…稀勢の里

把瑠都(左)にすくいなげで破れた稀勢の里
「だから、がっぷりは駄目だって!」。
稀勢の里ファンの嘆きが聞こえてきそうな敗北だった。
立ち合い、把瑠都の巨体に吸い込まれるように左四つ。自分の型とはいえ、上位や大型力士と胸を合わせては苦しい。それは、初日の白鵬戦でも学んだのではなかったか。相手の上手を切る技巧も見せた23歳だが結局、腰が伸びた自分も上手が切れて体勢を崩し、すくい投げに屈した。最初からまわしを許さない相撲を取れば良いのに。徒労が目立った一番でもあった。
「相手の思う通りじゃないですか、全部」と自虐的だが、出世を争う把瑠都にこれで5連敗。へそを曲げている場合ではない。日本人力士のホープは特定の人に強く、特定の人に弱いという傾向が強い。現在、白鵬には5連敗、琴欧洲と日馬富士に4連敗、琴奨菊にも3連敗と、黒星に歯止めがかからない。横綱はともかく、両大関はかつてのライバルだ。その一方、琴光喜や魁皇にはこの1年、一度も負けていない。
今年、三役には定着してきた。さらに上を目指すには、「勝てない相手」の克服を急ぎたい。突っ張りや押しは、ワキの甘さや腰高の修正にも有効だ。相撲の幅を広げ、ひと味違った自分を見いだしたい。
◆ 嘉風が高見盛との全勝対決制す
<大相撲九州場所>◇4日目◇18日◇福岡国際センター
東前頭9枚目の嘉風(27=尾車)が、平幕ただ1人の4連勝を飾った。3連勝同士の高見盛との一番で、引き技で不利な体勢になったが、うまく両差しになり、体勢を入れ替えて寄り切った。「やばいと思ったが、前みつを取られそうなときの引き技だったので。前に出る自分の相撲に集中できている。明日も勝ち負けよりも自分の流れで取りたい」と話した。
◆ 豊ノ島、反則負けに首かしげる

栃ノ心のまげをつかみ、反則負けを喫した豊ノ島
大相撲九州場所4日目(18日、福岡国際センター)土俵際で栃ノ心を引き落としたかに見えた豊ノ島だが、まげをつかんでいたとして反則負け。「まげを引っ張った感じはしなかったけど…」と首をかしげた。
流れの中でまげに触れてはいたが、指は入っていないようにも映った。「あれで相手が転んだわけではないと思う」と悔しがりながら、「引いた相撲を取った自分が悪い」と潔かった。
白星を拾った形の栃ノ心も苦笑い。「何で物言いがついたのか分からなかった。負けたと思った」と話した。
◆ ≪ 力士の一言 ≫高見盛「ちょっとイラっとした」
連勝がストップした高見盛は肩を落としひきあげる

●…高見盛(嘉風との全勝対決に敗れて洗髪)
「立ち合いで待ったをされて、ちょっとイラっとしたけど言い訳にならない。明日から切り替えるために髪を洗った」
●…鶴竜(日馬富士に善戦及ばず)
「全部が中途半端ですね。後は何もないです」
○…安美錦(得意の琴欧洲に快勝)
「相手が考えてくれればくれるほどいい。作戦も何も、こっちは普通に当たって前に出るだけだから」
○…豪栄道(連日の大関撃破)
「だんだん調子が良くなってきた。一日一番。まずは白星を先行させたい」
●…千代大海(行司とともに土俵下に落ち)
「きょうは行司さんを押し出したから1勝1敗だな」
●…魁皇(豪風の動きについていけず)
「もうちょっと我慢しないとね。相手を起こして相撲を取りたかった」
○…朝青龍(上位陣で全勝は白鵬と2人だけ)
「なんて答えればいいんだろうね。ちょっとドタバタしているけど、前に出られている」
◎ 貴乃花親方夫妻報道で講談社に715万賠償命令
大相撲の貴乃花親方夫妻が、遺産相続をめぐる写真週刊誌フライデーの報道で名誉を傷つけられたとして、発行元の講談社と同誌編集長に3750万円の損害賠償や謝罪広告掲載を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は18日、計440万円の支払いを命じた一審東京地裁判決を変更、賠償額を計715万円に増額した。
一審が認めた謝罪広告の掲載については「必要性があるとはいえない」と退けた。
大坪丘裁判長は5件の記事すべてを「真実とは認められない」と判断。写真も一審が1枚だけを賠償の対象としたのに対し「いずれも隠し撮りで、他人に知られたくない無防備な状態をことさら写した」として、プライベートの貴乃花親方の写真4枚と妻の写真2枚すべてに違法性があるとした。
判決によると、講談社は2005年、フライデー誌上で貴乃花親方の父二子山親方の遺産相続を取り上げ、「(夫妻が)勝手に財産の生前処分を図った」などと報じたほか、貴乃花親方夫妻の写真を載せた。
貴乃花親方「常日ごろから正当性を訴えてきたものが、裁判で認めていただけて、感無量です」

富士の裾野にて 2009年10月26日 撮影


[十両]
●琴禮(引き落とし)千代白鵬○、●白乃波(小手投げ)臥牙丸○、●星風(引き落とし)霧の若○、●大翔湖(はたき込み)春日綿○、○土佐ノ海(押し出し)若天狼●、●若荒雄(送り倒し)清瀬海○、○十文字(押し出し)光龍●、●琴春日(小手投げ)徳瀬川○、○境澤(押し出し)北太樹●、●隠岐の海(肩すかし)旭南海○、●磋牙司(引き落とし)栃乃洋○、○普天王(寄り切り)海鵬●、○豊桜(下手投げ)将司●、○白馬(下手投げ)安壮富士●
十両は、普天王がただ1人4連勝です。