2017年03月31日

奉仕ってさー

IMG_4858奉仕ってなんだろう?と思う事があります。

私の場合は、クラウンはいち表現体であってあくまで芸術(創作活動)のひとつですから、クラウン=ケアリングとはなりません。

ただ、21才でロシアに渡ってクラウンを学び始めた頃に、かの地の指導者に「芸術家は人民に奉仕する」のだと言われたものです。

それは、作品によって人の心を癒し明日を生きる力を引き上げることで、その為にアーティストは自分の才能をフルに発揮させる厳しいトレーニングを耐えなくてはなりません。あくまで作品を創ることに焦点をあてられます。(グリーティングはしないのです。)

なので、その後のアメリカやヨーロッパの「奉仕するクラウンたち」との交流は、私にとって、まったく異なるクラウンの世界を広げるきっかけとなったわけです。

現在はさまざまなスタイルでクラウン活動される方がいらっしゃいます。
それぞれの現場でクラウン文化が花開くのは素晴らしい事です。
「表現するクラウン」を続けてき私にとっても、その根底には変わらず奉仕の精神が流れています。

ただ、奉仕ってーどういう事だろう?と時折立ち止まっていました。
海外では言わずもがな、「神さま」への奉仕であるわけですがー私は、宗教のバックボーンを持たないよくある日本人のひとりですから、この手の「美しい」言葉には何か胡散臭いものすら感じてしまうわけです。

そんなある日、ふと、思い当りました。

それは、母の介護を振りかえった折りでした。
常に時間に追われている私は、実家で介護にあたる際も仕事を持ちこんでいて、介護の合間にメールや資料の整理をしていたのでした。

一つの事に集中すると、なかなか切り替えることができない不器用な私は、直ぐに、母の突然の予定変更や体調の変化にストレスを感じ始めます。
「なんで私がこんな目に。」と思う気持ちと「なんて優しくないこどもだろう」という罪悪感の板挟みで3日間眠れない夜の介護が続いた日に、とうとう爆発します。

「もう無理!!」
真夜中にコンビニで熱いコーヒーを買い、車の中ですすりながら、ひとしきり大泣きしー。
そしたらばかばかしくなって笑いが込み上げましたー。
「ムリなことはやめようー。」
自己実現と奉仕は両立できない(私の場合は)…。物事には順番があるんだよね~。

大事なのは、頑張り抜くことじゃない。
何を優先するか選ぶことだー。
その最優先することは、(せめて実家に来た時は)「母の介護」なんだーとー。

そう思い当った瞬間、どどっと身体の力が抜け、すぐにすべての仕事の道具を鞄に詰めて車の後部座席にしまいました。

そこから、実家へは仕事を持ち込まずー母との語らいの時間を優先とし、家事をおこないました。
すると、驚くほど介護の苦痛がやわらぎー同時に母の笑顔が増えていったのです。
今では、実家往復は(信じられない事に)安らぎともなっています。

私にとっての「奉仕」とは最優先できる無私の行為です。
それがもたらすものは、相手と周囲と自分自身の癒しです。
いつか創作するクラウンの世界も、そこにたどりつけたらいいー
(おお、これは自己実現と奉仕が両立するじゃないか!)

芸術家は人民に奉仕するー
それにしても…これはなかなかハードル高いなぁ~


 

clown_gigi at 23:30│Comments(0)TrackBack(0)おしゃべり 

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