OPAC理事より

2007年05月05日

東ティモールの大統領選挙

89a0082a.JPG皆さん、お久しぶりです。沖縄平和協力センター副理事長の上杉勇司です。

約一ヵ月前になりますが、4月9日(月)に東ティモールで第二回目となる大統領選挙が実施されました。
ちょうど約一年前に東ティモールでは解雇された国軍兵士の抗議運動から騒擾事件へと発展したことを覚えているかたもいらっしゃるでしょう。そのため、オーストラリア軍などが治安維持のために再度派遣されるなど、東ティモールは前途多難な国家建設の道を歩んでいます。今回は、オーストラリア軍や世界各国から派遣された国際警察部隊が警戒する中、大統領選挙が実施されました。

私はジャパンプラットフォームやピースウィンズ・ジャパンなどのNGO職員らとともに、日本政府を代表して内閣府国際平和協力本部より国際平和協力隊員として東ティモールの選挙監視のために派遣されました。前回の選挙では、どの候補者も過半数を上回る得票を得られなかったので決着がつかず、5月9日(水)に上位の2候補による決選投票が行われます。この決選投票の監視員としても選ばれ、6日から東ティモールに再度でかけます。

JICA沖縄国際センターの青年招聘事業を通じてOPACは、これまで東ティモールの青年たちを約60名あまり受け入れてきました。今回も、東ティモールでテレビを見ていたら、2002年に受入をした東ティモール青年団の団長がインタビューに答えていたり、投票所で監視をしている地元NGOスタッフもJICA青年招聘事業で沖縄を訪れていたり、昨年沖縄を訪問した青年とJICAの地方事務所で再開したりと、うれしい再開をすることができました。

私は地方に派遣されていたので、チャンスがなかったのですが、首都ディリを監視する団員たちは、グスマン大統領と面談する機会がありました。その際に、大統領の方から「沖縄から来ている人はいないのか」といった質問があったようです。グスマン大統領は確実に「沖縄」を覚えているだけでなく、沖縄に親しみを感じているようでした。沖縄平和賞関連事業の調査で、前回お会いした時は、稲嶺知事から授かった泡盛を贈りましたが、心から喜んでいらっしゃいました。

選挙のお話しは決選投票を終えてからまとめてしたいと思います。沖縄ではニュースになるか分かりませんが、5月9日−10日あたりに、もしかすると選挙結果が報道されるかもしれません。ちょっと注意していてください。それではまた帰国したら寄稿します。写真はバウカウ県の小学校のこともたちと一緒に撮影したものです。

上杉

2006年08月28日

お待たせしました。増刷です。

50aa799f.gifOPAC副理事長の上杉勇司です。在庫切れとなっていた拙著『変わりゆく国連PKOと紛争解決ー平和創造と平和構築をつなぐ』がオンデマンド版として増刷されました。なお、本書は平成16年度国際安全保障学会最優秀出版奨励賞を受賞しています。ご注文は明石書店のホームページ(www.akashi.co.jp)から、図書検索をしていただき、そこから注文画面へ進むか、以下のアドレスでお願いいたします。

http://www.akashi.co.jp/Asp/details.asp?isbnFLD=4-7503-9025-9

◆著・訳者名 上杉 勇司
◆本体価格 4000円
◆体  裁 A5判 / 横組 / 並製 / カバー
◆頁  数 368頁
◆刊行年月 2004.06
◆I S B N 4-7503-9025-9

◆キャプション
なぜ平和活動を目的とした国連PKOが、ときに紛争解決を妨げてしまうのか。いかなる条件下で国連は紛争解決の一翼を担うことができるのか。選挙監視員として東ティモールやカンボジアで活躍する著者の、キプロスとカンボジアを事例にした最前線の紛争研究書。著者は第二回秋野豊賞受賞者。
◆内容構成
はしがき──紛争解決の現場から考える
序 論──平和創造と平和構築をつなぐ
 本書の主題──国連PKOと紛争解決の関係
 本書の主要な論点
 本書の独創性と重要性
 本書の構成と概要
第1章 国連平和維持活動の理論的分析
 1. はじめに
 2. 国連PKOを定義づける
 3. 国連PKOの分類型
 4. 国連PKOとは何か
第2章 紛争研究における理論アプローチの考察
 1. はじめに
 2. 紛争分析における主要な概念
 3. 基本的な論争「紛争は処理するべきか、それとも解決するべきか」
 4. 紛争分析アプローチと国連PKOのかかわり
第3章 概念枠組みの構築
 1. はじめに
 2. 紛争分析の2つのアプローチをつなぐ
 3. 本書の概念枠組み
第4章 紛争解決への障害──国連キプロス平和維持隊(UNFICYP)
 1. はじめに
 2. キプロス紛争の概説
 3. 紛争成熟度
 4. キプロスにおける国連PKOの検証
 5. 仲介活動の相乗効果
 6. 事例研究のまとめと結論
第5章 紛争解決の踏み台──国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)
 1. はじめに
 2. カンボジア紛争の概説
 3. 紛争成熟度
 4. カンボジアにおける国連PKOの検証
 5. 仲介活動の相乗効果
 6. 事例研究のまとめと結論
結論──紛争処理と紛争解決の結節点をめざして
 1. 本書のまとめ
 2. 理論的な貢献
 3. まとめ
 4. 結語
付録
 (付録1)関連地域略図
 (付録2)略語表
 (付録3)国連平和維持活動一覧表

あとがき
索引

2006年06月16日

平和の構築に向けた我が国の取り組みの評価

8b6b76dd.JPGOPAC副理事長の上杉勇司です。

このたび平成17年度外務省第三者評価「平和の構築に向けた我が国の取り組みの評価〜アフガニスタンを事例として〜報告書」が外務省ODAホームページに掲載されました。OPAC副理事長でもある上杉勇司が広島大学大学院国際協力研究科平和構築連携融合事業研究員としてこの第三者評価にかかわりました。

報告書は次のリンクから入手できます。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/
gai/afghanistan/jk05_01_index.html

写真はアフガニスタンのマザリシャリフの絨毯を売る店

2006年06月14日

変わりゆく国連PKOと紛争解決、増刷します

7b721c50.jpgOPAC副理事長・上杉勇司からのお知らせ。

上杉勇司著、『変わりゆく国連PKOと紛争解決:平和創造と平和構築とつなぐ』(明石書店、2004年)が増刷されます。国際安全保障学会2004年度最優秀出版奨励賞(加藤陽三賞)を受賞しています。初版から約2年で在庫が底をついたようです。AMAZONでも中古(8390円と定価の倍以上の価格がついています!)でないと入手できない状態がしばらく続きご迷惑をおかけしております。このほど、明石書店と増刷に関する契約を交わしましたので、7月には注文できるはずです。内容面での大幅な改定はないのですが、ソフトカバーになって定価が200円アップします(本体4000円+税)。まだ、ご覧になっていない方はぜひ手に取ってください。

2006年06月13日

東ティモール問題に対する日本政府の対応

OPAC副理事長・上杉勇司より

日本は現在の国連安全保障理事会における東ティモールに関する議題リード国である。よって国連を中心とした国際社会による東ティモールの平和構築支援について、関係国に対して働きかけを行う重要な役割を担っている。しっかしとしたビジョンに基づいた日本政府の活躍に期待したい。以下に引用したように国連から出された緊急アピールに対し、日本政府は緊急無償資金協力の供与を既に決定している。平和構築に関心を寄せるOPACとしても、東ティモールの平和構築に対してぜひとも有意義な提案や行動を示していきたい。

以下、外務省のHPより転載
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/18/rls_0613c.html

平成18年6月13日

1. わが国政府は、6月13日(火曜日)、国連より発出された緊急アピールを受けて4月末以降急激に治安情勢が悪化した東ティモールにおける国内避難民への支援(緊急シェルター、保健・衛生、水、輸送等)として、国連・国際機関経由で500万ドルの緊急無償資金協力を行うことを決定した。

2. 東ティモールにおいては、首都ディリを中心に、同市人口18万人の約60%に相当する約10万人の国内避難民が発生している。その内、約6万5,000人がディリ市内の30箇所のキャンプに、また、約3万5,000人が9箇所のキャンプを含む地方に避難し、劣悪な環境のもとでの生活を強いられている。こうした中で、今次支援は、国内避難民への支援のため、現地のニーズを踏まえ、決定したものである。

3. わが国は、東ティモールにおける法と秩序の早期回復を期待しつつ、引き続き同国の平和の定着と国造りに積極的に貢献すべく、最大限の協力を行っていく考えである。この考えについては、今月8日に麻生太郎外務大臣からグスマン東ティモール大統領に対して電話会談にて伝えている。同電話会談においては、グスマン大統領はわが国からの支援を強く期待する旨表明しており、今回の国内避難民支援は、このような期待に目に見える形で応えるものである。
 なお、今日の決定は、国連における東ティモール支援の議題リード国として、安保理での議論を主導するわが国の立場をふまえ、各国に先駆けて表明したものであり、わが国の支援は、緊急アピールに対する各国の支援の中でも最大の支援となる見込みである。


NHKの番組「日本の、これから」の感想

OPAC副理事長・上杉勇司です。

6/10(土)のNHKの番組「日本の、これから」を観て次のような感想をもった。

番組は、とても「日本の、これから」を考えるまでには至らず、まずは知ること、考えることが大事、といった結論で終わった。

「〜を言うためにここにきた」
「他にも言いたいことがたくさんある」

こんな発言が聞かれた。実際に発言を争っている場面もあった。問題解決の糸口を見つけるためには、自分の主張を伝えることが目的となってはいけない。自分とは立場や考え方の違う人たちの主張を聞くことが大切になる。紛争解決の理論ではActive Listeningと言われている。相手がなぜそのような主張や結論に至ったのかを真剣に理解することことが、議論に先立って求められる。相手の意見に同意する必要はないが、相手がなぜそう考えるのかを理解することは必要。

もちろん自分の意見を持つことも大切。しかし、話し合いの場とは、それを見直す機会なのだ。自分とは異なった視点からの議論を聞くことにより、自分の視野を広げるチャンスでもある。だから、出演者たちには自分が問題解決のためにどのような創造的な役割を果たすことができるかを模索して欲しかった。番組では問題解決を目指した未来志向の発言がほとんど聞かれなかった。また、他の人が発言している最中にヤジをとばしたりして、最低限のルールさえ守れない出演者がいた。これでは、相手の発言を真摯に理解しようとする姿勢が感じられない。(話し合いによる問題解決の最も基本的なルールを守れていない)

既に自分が導き出した結論ありきで、それを他の人に同意してもらうように説得するというアプローチでは、今まで問題が解決しなかった。だから「日本の、これから」のために、新しい(今まで発見されていない)解決策を皆で知恵を絞って考える必要がある。これが番組の趣旨ではなかったのか。

蕃組が浮き彫りにした事実は、在日米軍の存在に対してさまざまな意見があるということ。また、脅威の認識を含めた私たちを取り巻く現状認識についても異なる見解があることが明らかになった。これは当然といえば当然。問題なのは、このような基本認識のズレ、そのズレが及ぼす対策の違いについて整理することなく議論が始まったことだ。そのため、議論はたびたび堂々巡りをしてしまった。紛争解決の理論では感情的な議論や声(態度)の大きい人の議論に流されないようにするために、客観的な分析を行うことが不可欠であるとされている。

端的にいえば、今回の番組には分析プロセスがなかった。そして問題解決を促すファシリテータがいなかったことが致命的だった。ファシリテータは単なる司会進行とは違う。問題解決を支援するさまざまな手法やツールが開発されている(例えば堀公俊『問題解決ファシリテータ』東洋経済新報社、2003年を参照)。ビジネスシーンでは既におなじみだ。今後はこのような手法をテレビ番組に取り入れていくことも視野に入れてもいいだろう。

今度は「沖縄の、これから」と題してぜひ問題解決を目指した話し合いを設けてみたい。「軍事力に頼らない話し合いによる紛争の解決を」と主張するのであれば、話し合いによる問題の解決方法を熟知していなくてはいけないはず。当事者意識を持たずに、ただ政府の「外交努力」に頼るといった姿勢からはそろそろ卒業すべきだ。平和的な紛争解決に必要な能力を養う努力を惜しんではいけない。

2006年06月09日

安全保障研究奨学プログラム応募締め切り迫る(6/16締め切り)

OPAC副理事長・上杉勇司からお知らせです。

 私も現在の奨学生となっています安全保障研究奨学プログラムでは次期奨学生を募集中です。このプログラムは、安全保障分野でグローバルな視野を持ち、学術的な面だけではなく政策立案の面においても優れた知識および能力を持つ若手研究者の育成を目的とする奨学プログラムであり、財団法人 平和・安全保障研究所(会長 増田信行)と独立行政法人 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)日米センター(所長 紿田英哉)が共同事業として実施しています。本プログラムは、山本吉宣(財団法人 平和・安全保障研究所 常務理事)と土山實男(財団法人 平和・安全保障研究所 理事)が、ディレクターとして指導します。
 プログラムでは、この分野に関心を持つ比較的若い研究者に対し、研究費の支給および研究セミナーの開催を通じて、専門的研究を支援し、将来にわたって国内外で活躍する人材の育成を目指しています。同時に、国際安全保障、軍備管理、戦略論、日本の安全保障問題等の分野に対する学術的関心を高めることも目的としています。
 本プログラムは1984年より実施してきていますが、プログラムの修了生に中には既に第一線で活躍している方々が多数おられます。これまで戦略・安全保障の研究に取り組んだことがない方でも、今後この方面に進む希望を持ち、この分野の研究活動に関心のある方は男女を問わず歓迎いたします。沖縄からも沖縄タイムスの屋良朝博氏がプログラム修了生としております。日本の安全保障、アメリカのアジア太平洋戦略の要石となっている沖縄からもぜひ日本の安全保障研究の第一人者を輩出したいものです。

なお詳細は次でご確認ください。

http://www.rips.or.jp/


2006年06月08日

東ティモールの情勢分析と今後の展望

OPAC副理事長・上杉勇司より、最近の東ティモール情勢を受けて色々と考えたことを以下に書き記します。

東ティモール情勢(現状と今までの支援の評価)

4月末に端を発した一連の騒擾の要因ともなった東ティモール国軍内部の対立、部族間の東西対立、政権内部での権力闘争の危険性は専門家から指摘されて久しい。また、首都ディリに大量の国際援助が流入する中で地方の開発が遅れた。このため都市部と農村の格差が拡大し、各地の農村から青年層が首都ディリに大量に流入してきた。このようにして都市に徘徊する無職の青年層の社会的不満が鬱積していた。青年問題や雇用問題への無策、国軍や警察などの治安部門改革の失敗も一般市民による略奪行為の遠因となった。オーストラリア軍による介入によって組織的な武力闘争は終息した。とはいえ、暴徒化した一般市民におる略奪や放火は続いており、ディリでは10万人近くが郊外に避難している。しかし、今のところ暴動は首都ディリに限定されたものであり、今後全国に飛び火していくとは思われない。首都において収奪・強奪する「戦利品」がなくなれば、事態は自ずと終息に向かうだろう。しかしながら、今回の事態を沈静化する過程で、アルカティリ首相とグスマン大統領の対立が顕在化しており、東ティモールの政治情勢は予断を許さない。とりわけ、来年の5月に予定されている議会選挙や大統領選挙を前に両勢力の確執が表面化して権力闘争が暴力化する恐れもある。

東ティモール国軍内部の対立、部族間の東西対立、政権内部での権力闘争、開発の地域格差の顕在化、青年の失業問題など今回の騒擾につながった懸念事項は、以前から指摘されている。国連を中心とする国際社会は、これらの東ティモールの不安定化要素に対して効果的に対応してきたのか疑問が残る。日本を含む国際社会が平和構築支援として、東ティモールにもたらしたものは、果たして東ティモール社会に根強く残る対立構造の解消にどのように寄与したのか。逆に地域間格差を広げ、青年問題や雇用問題を誘発させなかっただろうか。もちろん従来通りの緊急援助や開発援助も必要である。しかし、東ティモールの平和構築を支援するという観点からは、対立構造を解消し、和解と協力の仕組みを促していく取り組みが十分なされなければいけなかったのかもしれない。

東ティモールの人々は、表面上は平穏な日々を送っていたかに見えた。しかし、政権内部での対立構造は解消されておらず、伝統的な地域間対立も潜在的な不安定化要素として存在していた。平和的な紛争解決の制度や、それを公正かつ効果的に運用していく人材や社会的能力も十分に育成されてきたとは言い難い。受容真実和解委員会などにより、表面的には和解・融和が取りもたれたことになっている。しかし、独立を果たして共通の敵(インドネシア)がいなくなった今、逆に東ティモール内の各勢力間の対立が顕在化している。国民統合や和解の問題は国際社会が押しつけて実現できるものではない。東ティモール内部の機運が高まったところで東ティモール人自身のイニシアティブで和解は進めていかなくてはならない。国際社会の存在や支援は、東ティモール人による和解に向けた自発的な取り組みをどのように促してきたのだろうか。

東ティモール支援の今後の展望

政治的な対立構造の非暴力化が最優先事項である。軍隊や警察、あるいは非合法の民兵組織などの武装勢力が政争の具として使われないようにしなくてはならない。政治権力と軍・警察機構の癒着を断つ治安部門改革が必要だ。と同時に政争の具として扇動されやすい、都市部に徘徊する青年層に対する働きかけも重要であろう。短期的には、来年の5月の選挙が平和裡に行われるような支援も必要であろう。青年たちが政治的な操作によって扇動されないように、青年指導者たちのリーダーシップ向上のための支援が効果的かもしれない。しかし、青年の失業問題を解決する特効薬は東ティモールではなかなか見出せない。中長期的には貧困対策や産業育成(殖産興業)といった分野の支援が今後一層求められるだろう。平和構築とは、現地の人々がみずからの力で平和な社会をつくりだすことが最も重要。だから、東ティモールの人々が自らのイニシアティブで改革を実行できる人材育成が遠回りのようで実は最も堅実な道であろう。


2006年06月06日

混乱続く東ティモール

cb9e12fe.jpgOPAC副理事長・上杉勇司より
本日の視点・論点で「混乱続く東ティモール」が放映されます。
OPACが現地調査に訪れた際に、東ティモールの真実和解委員会で重大犯罪についての資料収集支援をされていた松野明久・大阪外国語大学教授が出演されます。

時間 22:50 - 23:00
NHK教育

☆関連ニュース
騒乱以降初の国会招集 東ティモール

2006年 6月 5日 (月) 19:47

【ディリ5日共同】国防軍と反政府派元兵士らとの衝突を機に混乱が続く東ティモールの国会が5日、騒乱発生以降初めて招集され、グスマン大統領による国防・治安権限掌握の決定を承認した。

住民の多くは、アルカティリ首相が事態を悪化させたとして辞任を要求しているが、与党の東ティモール独立革命戦線(フレティリン)代表であるルオロ国会議長は「デモによって国会を解散することはできない。そんなことをすれば、この国にとって悪例となるだろう」と語った。

厚木飛行場の騒音

36e97ac5.jpgOPAC副理事長の上杉勇司です。

神奈川県にある慶応大学藤沢キャンパスを訪問した。講義中に何度も航空機の排気音が講義を遮った。
キャンパスを歩いていても、頻繁に航空機の排気音がした。道案内をしてくれた学生が、「これはP3Cの音です」とか「この音はF-18」といったように説明してくれた。米軍の厚木飛行場が近くにある。騒音の主は厚木飛行場に離発着しているらしい。

私が琉球大学で教えていた学生も慶応大学の修士課程に
進学していて、講義を聴きにきてくれた。彼女によれば
琉球大のときよりも航空機の騒音はひどいということだった。
沖縄との違いは、そのことで学生が基地の反対を唱えていないこと。

実際に琉球大で教えていたときに、教室の窓が開いていると
何度か航空機の排気音で講義を中断したことがあった。
「うるさいな」と感じたこともあった。慶応大の藤沢キャンパス
のほうが確かにうるさかった。しかし、基地反対の運動は
このキャンパスでは静かだ。(なんで?)

添付した厚木飛行場の航空写真を見てください。
普天間飛行場と同じ。住宅地の真ん中に飛行場があります。
ここで、騒音が激しいとされるF-18などの空母艦載機の
離発着訓練が行われている。だから、今回の在日米軍再編協議で
第5空母航空団の岩国飛行場への移駐が合意されたのだろう。
岩国飛行場は、そもそも住宅密集地ではなく、沿岸に位置している。さらに滑走路を沖合に増設中です。厚木飛行場よりは、騒音問題も危険性の問題も格段に削減されるはず。でも、岩国では反対運動が巻き起こった。

基地の移設は難しい。受け入れ先が、必ず反対するからだ。
だから、いままで本土から沖縄に米軍基地が集められてきたのかもしれない。沖縄の基地負担を全国レベルで分かち合う。当初、期待したほどではないが今回の在日米軍再編の最終報告では、普天間飛行場や嘉手納飛行場の米軍機やその訓練が本土に分散化されたことは、方向性としては正しいのではないか。

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