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ファウスト: Marcello Giordani
マルグリート: Susan Graham
メフィストフェレス: John Relyea

指揮:James Levine
演出:Robert Lepage

ベルリオーズの「ファウストの劫罰」は自分は聴くのも観るのも初めて。自分がベルリオーズの曲で知ってるのは幻想交響曲だけ。この曲は嫌いな曲ではないので予習なしで観ても平気でしょうとは思ってましたが、このオペラをここまで気に入るとは全く期待してませんでした。悔いが残るのは自分もカミさんも風邪気味で余り集中して観れなかった事でしょう。自分の頭はオペラの3分の1位はボーってしてましたから。

オペラを通して美しい旋律が沢山あるし、それらの音楽を素晴らしく引き立てたレヴァインの指揮、全てにおいてハイレベルだった歌手達、そして自分が今回一番興味があったRobert Lepageのハイテク演出などの効果もあり、このオペラが好きになりました。レヴァインはこのオペラをオペラとして指揮するのは初めてと言ってましたが(「ファウストの劫罰」は演奏会形式として作曲された)演奏会形式では何度も指揮してます。慣れてる為か歌手とオケのバランスもよく音楽の良さが感じられました。

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以前から名前は知っていたファウスト役のMarcello Giordaniを聴くのは今回が初めてですが人生に嫌気をさした老ファウストと夢をもった若いファウストの感情をどちらもよく表現してたと思います。Susan Grahamは6月に生で聴いて以来大好きな歌手の一人になりました。彼女のマルグリート、表情も歌い方も自然で説得感があります。John Relyeaのメフィストフェレスは適役でしょう。彼のルックス、体格、声、表情など以自分は以前から彼は人を誘惑するタイプの悪役にピッタリと思ってました。今回のメフィストフェレスで更に自分の信念が確信されました。

Robert Lepageの舞台は4段階6列で合計24の升目に区切られていてスクリーンに映像が映されるのです。この舞台はMETが初めてではなく2001年にパリ、1999年にはサイトウ・キネン・フェスティバルで使われてるので知ってる方もいるのでは?映像をスクリーンに映して背景を操作する演出は最新技術という訳ではないのですが今回使われた新しい技術?は背景が人の声量、動作、体温などによって変化する事です。例えばバレーダンサーの動きに反応して背景のカーテンの動きが変わったり、そして4場でSusan Grahamの顔がクロースアップされて周りの炎の動きは彼女の声量やオケの音量が大きくなるにつれ動きが激しくなります。マルグリートの感情が視覚で分かるというわけです。自分が言葉で説明するよりこちらのリンク(英語ですが)で見て下さい。

Robert Lepageは2012年MET「ニーベルングの指輪」の演出をするので多分今回のような技術が使われるでしょう。「魔の炎の音楽」(ワルキューレ3幕最後)やヴァルハラ炎上の場面などでは最新の演出効果が期待できるのでは?

余談:30分前に映画館に着いたのだがいい席は全て取られていた。やはり年配の方は朝が強いみたいなので次回からは1時間前には映画館に到着しておこう。

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