2007年11月04日

ALWAYS 続・三丁目の夕日4

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 昔の東京とはどのような場所だったのだろう。ふと会社のビルから臨む夕日は意外と綺麗で仕事が一段落した時に見てしまう。

 昭和34年という時代は、自分にとって見たことのない空気である。前作の『ALWAYS 三丁目の夕日』でCGを使って繰り広げられたその当時の東京は見たことがない故に、映画の技術という点を使って素晴らしい風景を見せてくれた。

 もちろんそこ住まうキャラクターの造詣がじわりじわりと心に響いてきたからでもあるのだが。

 完成間近とも思われた東京タワーは完成し、高度経済成長時代の駆け足に乗った東京もまたあれからさほどは変わってはいないが、相も変わらず淳之介(須賀健太)を父の元に返したくない茶川(吉岡秀隆)は生活の為にも改めて芥川賞に挑戦しようとする。

 向かいの鈴木オートでは成長の影で事業に失敗した親戚の娘・美加(小池彩夢)を引き取る事になるが、鈴木(堤真一)とトモエ(薬師丸ひろ子)は一平(小清水一輝)と美加の仲違いに手を焼いていた。

 そんなに大きな変化が無さそうな東京の一風景にもほのかな波風は立つ。

 おそらく家族よりも強い絆を求めた茶川が今でも忘れられない女性を思う気持ちがあるように、鈴木の心に再訪した昔の悲しみやトモエの母親としての平坦ながらも分け隔てなく人々を大切に扱う心は顕在であり、誰かを思って止まない前作のキャラクターを見事に踏襲していく。

 またまさにうちの母親の少し上にあたる世代であろう六子(堀北真希)の若々しさやほのかなおてんばぶりも朗らかで素敵な雰囲気を振りまく。
 
 物語は、茶川の今度こそ芥川賞受賞なるか?というメインプロットはあるものの、あくまでそこに住む人々の小さなエピソードを重ねて行く。

 しかし、誰かを礎にして儲けようと企む心が存在し、それに騙されてしまう純粋な気持ちを描いてしまうシーンもある。

 それにハッと気付いたある青年の一縷の改心は清々しく、それに呼応する家族の温かみもまた夕日に燦々と照らしだされて行くのではないか。

 古き良き昭和の時代をCGとセットで忠実に描こうとした精神がピックアップされがちだが、感心してしまうのは服装や雑然とした街並みを照らし出す照明・美術の力もまた賞賛したい。

 前作を観た方ならば、茶川や鈴木、六子や淳之介、一平がどのように立ち回るかという楽しみもあるだろう。特に薬師丸ひろ子演じトモエの一言が私の涙腺をことごとく破壊する。

 前作の怒涛のラストのような仕掛けは施されていないが、スッと現れるある人のシーン、誰かが誰かを想う気持ちの結晶がジーンと染み渡る感じは言葉にしがたい。

 そして夕日は今日も東京を淡く照らし出す。思わずラストシーンで昔、東京タワーに上った日の事をほのかに思い出した。

監督 山崎貴
出演 吉岡秀隆
   堤真一
   小雪
   堀北真希
   もたいまさこ
   三浦友和
   薬師丸ひろ子

11月4日 吉祥寺東亜にて鑑賞

『ALWAYS 続・三丁目の夕日』
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orange0802 at 23:34│Comments(0)TrackBack(2)映画 「あ行」 

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1. ALWAYS 続・三丁目の夕日  [ on a day like today ]   2007年12月16日 19:49
ご存知、一昨年大ヒットした作品の続編。 パート2というと、妙に力が入ってしまって作品の持ち味を損ねてしまうということがよくある。だが、今作品はあくまでも前作の「続編」だよ、というスタンスを保っていて、変な力みがないのが好ましい。その素っ気なさには、かえ....
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