2008年08月15日
ベガスの恋に勝つルール
ラスベガスの狂喜乱舞。相変わらずキャメロン・ディアスははじけた演技!?素?が凄まじい。どちらかというとそのクルクルする表情では、アシュトン・カッチャーも負けじと応戦するコメディっぷりは、堂に入っている。
タイミングの悪い相手に振られたジョイ(キャメロン・ディアス)と、父の経営する工場を解雇されビールの勢いも手伝って憂さ晴らししたいジャック(アシュトン・カッチャー)は、それぞれに一路ラスベガスを目指す。
きらびやかな街に降り立った二人はほんのささいな事から、飲み始め、はじけ出し、大バカ騒ぎの極致へと繰り広げる。どこでいったい結んだのか、翌朝目覚めるとジョイの指にはエンゲージリングが。
一夜の酔いの勢いで結婚なんて、記憶にありません。で済ませられれば良いけど、ついそこにあったスロットマシンにコインを入れたジョイ。そして昨夜の事は無しという事で話の決着をつけたジャックがスロットを回すと・・・
大当たり300万ドル。なんて夢物語のようだけど、どちらが大金の持ち主かささやかなバトルが始まる。裁判沙汰も、同居生活も何のその。
この物語のメインは、たとえありえなさそうな話でもキャラクター立ちしているキャメロン・ディアスとアシュトン・カッチャーのコミカルで、節操のないあらゆる手を尽くそうとする恋愛バトルなのだから。
あっち向けばこっちという単純さが明快でよい。一度結婚した二人はそれぞれに離婚を画策したり、裏技を繰り出したりする。バスルームの使用を巡る攻防戦を見ているとこの二人ちっちゃいなと思ったりもするが、300万ドルの行方は次第に彼らのの健闘ぶりに上手い具合にぼやけてくる。
ジャックの友人・弁護士ことヘイター(ロブ・ゴードリー)とジョイの友人ティッパー(レイク・ベル)の凸凹コンビぶりも二人のメインキャラクターの引き立ちになって良い。それぞれにアドバイスをするが、それが思わぬ方向に働くロマンス風味も中々。背景でどつき合っている様がエンドロール後のコントに上手く収束する。
300万ドルをメインターゲットとしたラブコメディの要素を取り持つゆえに、自ずとこの二人がどうくっつくのか?というちょっとした楽しみもあるだろう。これまでケンカばかり、小さな小競り合いをやり尽くした二人が落ち着くところ。
結局の所、ケンカするほど仲が良いという単純さを売りにしつつも、ドタバタコメディをここまで嬉しそうに、楽しそうに演じた二人の功労もあるだろう。
汚さあまって可愛さ100倍とはいかないが、ジャックの生活ぶりのだらしなさは秀逸。ジョイが同居に当たってどれほど苦労した事だろう・・・その上を、その上を行こうとするうちに互いに気付いた感情はさらりと風がなでるように後半を盛り立てていく。
ちなみに、エンドロールで流れる、ジョイとジャックが酔っ払った挙句に記憶がほぼ無さそうな中で結婚式を挙げているシーンのダメダメっぷりが素晴らしい。参列席で何事かをしているヘイターとティッパーの構図もお見事。
出来れば小細工をもっと施して、ベタな笑いよりか細かい笑いを散々振りまいてほしかったかも。まあそれはそれぞれ好みなのだが。
監督 トム・ヴォーン
出演 キャメロン・ディアス
アシュトン・カッチャー
ロブ・コードリー
レイク・ベル
トリート・ウィリアムズ
8月15日 吉祥寺バウスシアターにて鑑賞
『ベガスの恋に勝つルール』 (原題 What Happens In Vegas)