2009年10月04日

ドゥームズデイ3

doomsday




 閉塞的な場所に再び訪れる恐怖と言えば、前作の『ディセント』とは違った恐怖感を飛び出させる。グラスゴーで突如発生したウイルスは瞬く間に感染し、人々を一網打尽にしてしまった。

 ゆえにイングランドとスコットランドとの間に設えられた大きな壁はウイルスの拡散を防ぐ為の方策ではあったが、やがてロンドンの地下を通じて密かに入り込んだウイルスは全世界へと飛び火しそうになる直前であった時に偶然、壁の北に生存反応を発見する。

 生存者の存在を確認した政府は、抗ウイルス薬があると思い、エデン(ローナ・ミトラ)を始めとしたチームを内部調査へと向かわせる。奥まった廃墟に人の気配を感じたとき、突然急襲され瞬く間にアクションの構図は残酷な暴徒の地獄絵図へと引き込まれる。

 アクションは外側に向かって強烈に展開されるが、色めき立つのは壁の北側の人の暴走ぶりか。まるで過去に立ち返ったかのように顔に明細を施し、自分の存在を消すかのごとく、また何かから生まれ変わろうとしているかのように、外見が心を凌駕するモンスターのような風貌でさらけ出す。

 それに対峙するエデンを始めとした調査隊は、なしのつぶて・・・一人ずつ闘いながらというわけではなく、一気にメンバーは激減し、暴徒達のコミュニティの素顔も見えてくる。
 
 そういうわけで、暴徒と対峙しながらも命からがらに逃亡劇を繰り広げる前半はまさに陳腐な表現だが、手に汗握る展開がめまぐるしく狂おしく席巻する。とにかく捕まったら最後といわぬばかりの狂騒的な彼らの性質を知ったら、それこそ逃げて体制を整えるしかないのだ。

 走りに走って列車に乗る過程のギリギリさ加減に酩酊し、暴徒の首吹っ飛ぶソードアクションもゴテゴテ感も収まったかと思いきや、幕は転換しどこかの中世を舞台とした様相を呈していく。

 抗ウイルス薬を作ったと目されるケイン博士(マルコム・マクダウェル)の元を訪れたが故に対抗する世界観はまるで前半と後半で時代が変わったかのよう。謁見を許されるものの、そこで待ち受けていたのはやはりこちらの都合で閉ざした社会を再びこじ開けるのは難しいという事。

 また常に戦い続けなければならないヒロインの強さをいう意味では押し出しが強く、色濃い作品であるが、抗ウイルス薬の起点となるラストの仕掛けはどのようなものか。

 それは抗ウイルス薬を持っているものから奪うという上からの視線では全く持って解決しない世界がそこに広がっているがゆえに、アクションの展開も妙な説得力を持って迫ってくるのが楽しいのだ。

 個人的には中世の舞台から一転して逃げ込んだ倉庫にてハイテク機器と過去の遺物による弱肉強食の闘いが思わず印象に残った。

 観終わった後は、あれほどまでにありえなさそうで強烈な世界観がふと現実に戻ったらどれほどおかしいことかと再考してみたら、もしかしたら人間は過去に立ち返ったり自分の顔をベールによって隠すことで何かしらの脅威から守る事もある。またはそのような威勢によって生きながらえてきたのかもとふと思ったのである。



監督・脚本 ニール・マーシャル
出演 ローナ・ミトラ
   ボブ・ホスキンス
   マルコム・マクダウェル
   アレクサンダー・シディグ
   エイドリアン・レスター

10月4日 新宿ミラノ座にて鑑賞

『ドゥームズデイ』 (原題 DOOMSDAY)
doomsday-t
orange0802 at 23:33│Comments(1)TrackBack(0)映画 「た行」 

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1. Posted by 日本インターネット映画大賞   2009年12月26日 09:03
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