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久し振りに・・・本当に面白い舞台を観ましたー

巻き髪的には2010年のストプレで今の所ベスト1です


新国立 エネミイ



新国立劇場 小劇場 『エネミイ』

作 蓬莱竜太   演出 鈴木裕美

高橋一生 高橋由美子 梅沢昌代 粕谷吉洋
高橋長英 林 隆三 瑳川哲朗


首都圏への通勤圏内である千葉県内の大きな一戸建て

父(高橋長英) 母(梅沢昌代) 長女(高橋由美子) 長男(高橋一生)の4人が暮らすこの家に

ある日、「お父さんと40年来の約束を果たす為に岐阜から来た」・・・と

瀬川(林隆三)と成本(嵯川哲郎)と名乗る、2人の男がやって来て、泊り込む

2人はどうやら、父が40年前に学生運動をやっていた時の先輩らしいのだが・・・


(ここから先、ネタバレあります


最初、この作品のあらすじ・・・のようなモノをざっと読んだ時に「・・・ん? 安部公房の’友達’?」と

何となく、不条理劇の香りを感じつつ、客席に座ったのですが

もうもう とんでもなーい 素晴らしく良く出来た現代劇でした


1970年代生まれの蓬莱竜太さんが

敢えて、学生運動について・・・や、未だに農業をやりながらコミューンで生活する2人の心情については

登場人物たちに多くを語らせず (←それをやってたら・・・多分、浅く&臭くなっちゃってたかと)

あくまで、2人の来客×家族達との化学反応にフォーカスを置いて

その部分を丁寧に描いていたのも良かったし


何より・・・鈴木裕美さんの演出が凄い 凄いよーー



新国立 エネミイ (2)


家族達が、いつの間にか、瀬川(林隆三)をすっかり頼りにし

完全に居場所も立場もなくなっている父親・幸一郎(高橋長英)が

ゴキブリの登場で家族が大騒ぎする中、ほぼ命がけの形相で、黒い物体を仕留める


瀬川が、幸一郎が大事にしている、ヨーロッパの旅行雑誌を丸めて走り出し

幸一郎は、息子・礼司(高橋一生)の、アイデンティティにもなっている

コンビニのシフト表ファイルを丸め、ゴキブリを追いかけ、瀬川を突き飛ばして思いを果たす


・・・え、もしかして1番の「エネミイ」って、実はゴキなの?・・・と・・・大笑い

このシーンの緩急と、シリアス→笑い・・・への持って行き方は最高でしたっ


新国立 エネミイ (3)


登場人物のキャラクターも生き生きしてて・・・見応え感が満載

特に秀逸だったのが、お母さん役の梅沢昌代さんと成本役の嵯川哲郎さん


お母さんの、1000%のマイペースぶりや底抜けの明るさ、いい意味でのKYモードには

めちゃめちゃ笑わせて貰ったし(フラメンコが大オチじゃなくて良かった・・・)


成本(嵯川哲郎)という役が、演じる俳優さんによっては

図々しくて押しが強いだけの嫌な人になってしまう可能性もある中

心から愛すべきキャラクターに創られていて、紗江(高橋由美子)とのシーンは

いつまでも観ていたい衝動に駆られました


嵯川哲郎さん、「コースト・オブ・ユートピア」の時に観た、ロシアの領主とも

革命家達の師とも違って・・・暖かい土のにおいがしたなあ

高橋由美子さんも、今まで観た彼女の作品の中で、今回のお芝居が1番好きかも

・・・ディズニー・シーから2人が帰ってきて、成本が紗江の理想の相手について話をするシーン

笑いながら・・・ちょっと泣きそうになっちゃいました


新国立 エネミイ (1)


31歳、コンビニでアルバイトをしつつ、オンラインゲームで小銭を稼ぐ礼司(高橋一生

ゴキブリを叩く為に使われた、コンビニのシフト表を握り締めながら

自分でもそれが、「今、本当にやるべき事ではない」と、重々承知しつつ

でも、ソコにしか、自分の熱を注げない現在を切々と語るシーン 痛かったです


そしてまた

その痛さをカッツーーンと砕く、お母さんの底抜けの明るさと天然発言

明けてやってくるであろう、変わらぬ日常

・・・何だか物凄く・・・リアルでした・・・うん、そうそう人の人生や考え方なんて変わらないのです



鈴木裕美さんの演出は、登場人物たちの関係性やその時々の感情を明確に表していて

いい意味で、とても分かりやすかったです

テレビの画面をくりぬいて、照明と音響だけで情景を表現していたのも良かったなあ



この作品を新国立劇場で上演するに当たり

企画段階でテーマとして提示された「人はなぜ戦うのか」という命題に対して

実はこの舞台で、明確にその答えは出されていないように思いました

上にも書きましたが、30代の作家は、敢えてそこの部分を深追いしなかったのだと思います。


でも・・・そんな事は・・・いいんです

人が他者の存在によって、瞬時に化学反応を起こしていく様子が本当に丁寧に描かれていた分

・・・客席に居て・・・心がぐるんぐるん動かされました


1つだけ難を言えば

瀬川(林隆三)のキャラクターは、もっと底知れないものをたたえていた方が・・・良かったかも


なーんて事を思いつつ

このお芝居は、日程の後半になると、また違うテンションになると思うので

時間があれば、もう1度客席に座ってみたいと・・・強く思う巻き髪なのでした


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・・・もう1度・・・繋がりで ←えっ

1個前の自分の日記を読み返して、どうしてもまたすぐ行きたくなり

ランチで頂いたローストビーフ@スモークハウスTERA

大変、大変・・・美味しゅうございました



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