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またまた間が空いてしまいました「巻き髪パンチ!!」

本日は3週間前に観た舞台についてのレビューですので

モロモロ、曖昧になっている点があるかも


また

いつもの事ではありますが、今回も個人的感想満載の内容になるかと思います

そう云うモードがお好きでない方はスルーして下さいませ

(怖いコメント等が入った場合は削除→IPアドレスを公開するやも)




下谷万年町物語ポスター



 『 下谷万年町物語 』   作 唐十郎  演出 蜷川幸雄


シアターコクーン  初日 4列目 上手通路側で観劇


出演

宮沢りえ  藤原竜也  西島隆弘

六平直政 金守珍 大門伍朗 原康義 井手らっきょ 
柳憂怜 大富士 沢竜二 石井愃一 唐十郎 他



シアターコクーン リニューアル後のオープニング作品

色々なご縁が重なって、初日の客席

それも池の水がガッツリ来る上手側の席で3時間半

出身大学の後輩@19歳女子と観劇して参りました



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実は巻き髪

唐十郎さんの戯曲を文字で読んだことはあっても

実際に演劇として体感するのは今回が初めて


開演前

「ビニールシートは予めお体にお掛けになった状態でご覧下さい」とのアナウンスがあり

気分は殆ど、スプラッシュマウンテン発車前の高校生です




下谷 (5)




あらすじ

今はなき浅草瓢箪池のほとりに、少年"文ちゃん"がやってきた。

かつて上野駅の近くにあった通称「下谷万年町」に住む文ちゃんは
ご近所さんであるオカマの"お春"に依頼されて
行方をくらました"洋一"を捜しに、浅草までやってきたのだ。

事の起こりは、八件長屋に復員兵や男娼が住みつく「万年町」と
そこで起きた警視総監暴行事件。
ある夜、上野一帯を視察に訪れた警視総監一行に腹を立てた
オカマの元締め"お市"は総監の帽子を奪ってしまう。

以来、権力の象徴であるその帽子は、お市から部下のお春へ
そして春のイロである洋一の手へと渡り歩いてゆく。

その洋一が、お春との痴情のもつれにより
帽子をもったまま姿をくらましてしまったのだ。

帽子を取り戻そうと躍起になるオカマたち。

一方、洋一が小道具係を務める劇団"軽喜座"の座長は
総監暴行事件を芝居仕立てにして一発当てようと、こちらも総監の帽子を狙っている。

オカマと軽喜座。再会を果たすも、二つの勢力の間に挟まれた文ちゃんと洋一。

二人は、ふとした偶然から瓢箪池の底から浮かび上がってきた
自殺志願の女優"キティ・瓢田"に出会うことで

昔キティが立ち上げを夢見ていた
劇団"サフラン座"を掲げ、第三の勢力として台頭しようとするが・・・。



・・・ってぶっちゃけ

上の「あらすじ」を読んでも、いまひとつどんな物語なのか分かりません

この作品を観劇した方たちのブログやレビューをいくつか拝見すると

「分からなかった」という感想がとても多いのですが

個人的には、これは分からなくていい・・・むしろ頭で理解しようとするとツマラナイ演劇

・・・じゃないかと思うのです




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唐十郎さんの戯曲は、元々理路整然とした内容のものではないし

起承転結が綺麗にまとまっている構成ではないので、左脳だけで観ると混乱します

六本指やサフランも多分、その言葉自体に大きな意味があるのではなく

あくまで何かのモチーフやイメージ想起のために使われているような・・・


じゃあ、この作品の何を観たら良いのか 何が見どころなのか・・・と云えば

それはもう、バスクリン入りの池の水・・・ぢゃなくて

セリフの後ろにある、ある種抒情的な感情の流れの立体化と

その台詞を語る俳優さんたちのエネルギー ・・・これに尽きるんじゃないかと思うのです


だからこの作品に「上手い」俳優さんは向かないのです、きっと

理屈や戯曲の解析からガッツリ入りたい俳優さんより

唐さんの書く言葉の後ろに流れるメロディを一瞬で

・・・ある種の勘で体現できるプレーヤーこそが

「下谷万年町物語」の世界の中で輝けるのではないかと・・・




下谷万年町 (1)




洋ちゃんを演じる藤原竜也さん

流石の安定感で、オカマさん達とは別の意味で、全体を引っ張っているのが分かります

ただ今回、洋ちゃんと云う役が、少し不完全燃焼のまま

舞台からいなくなってしまう設定なので、ちょっと勿体なかったかなあ

31年前、西武劇場(現・PARCO劇場)で上演された時は

まだ円の新人だった渡辺謙さん(現・世界のケン・ワタナベ)が演じているのですね


唐十郎さんがご自身を重ねた役、文ちゃんは

大人になった文ちゃんを唐十郎さんと石井愃一さんが日替わりで演じます

初日に登場したのは、勿論、唐十郎さん

オープニング後、池に入る際、目に一瞬「うわぁ」という文字が出ていたのがツボでした。




下谷万年町 (7)




少年時代の文ちゃんを演じるのは

紅白出場歌手 AAAのメインボーカル、西島隆弘さん


・・・なんて書くと「あー アイドル枠か」と思われちゃうかもしれないのですが

もうもうそんな事は全くなく

時に、えなりさん顔になりながら、立派に文ちゃんとして存在していたと思います


・・・って、巻き髪が初めて西島さんの舞台を観たのは


2008年 天王洲銀河劇場での「ハロルドとモード」

浅丘ルリ子さんとのほぼ二人芝居で、明るい自殺願望の青年ハロルドを演じていた彼を観て

藤原竜也さんを初めて舞台で観た時と同じくらいの衝撃を受けたのを覚えています


なんだろう

相手役に色々な事を信じさせられる力を持つ俳優さん・・・と言えばいいのでしょうか



下谷万年町 (4)




信じる、と云えば、キティ瓢田の宮沢りえさん


正直、しばらくは彼女の女性っぽさや、やけにしっとりした感じが

なかなか役の人物と結びつかず、違和感のようなものもあったのですが

歌を歌いだした辺りから、俄然応援モードになって観てしまいました


だって・・・その歌

音程とか声とか・・・かなり・・・ヤバイ・・・と云うか・・・酷い

でも、宮沢さんは、100%客席に向かって、開いた&信じた状態で歌ってるんですよね


いや普通、あそこまで微妙な歌だと

歌いながら俳優の「うわあ 無理」みたいな’素’も出てきてしまいそうなモノなのですが

宮沢さんは客席の観客全員を信じて、心を100%開いてあの歌を歌っている


そう思ったら・・・ちょこっと泣きそうになりましたよ



宮沢りえさん

実は声がとても個性的な女優さんだと思うので

高音のキンキンした響きではなく

少し低い音域でゆっくりと喋るモノローグに打たれます


それこそ

理屈やテクニックではない部分で役と向き合っているというか

役を自分の体の中にきちんと入れているというか


後は、無条件に、どの角度から見ても美しいって凄いパワーだなあ、と



下谷万年町 (11)





そしてそして

パワーと云えば、この方たちを忘れてはいけません

舞台上に、様々なキャラクターで登場するオカマさん達


前列に座っていると、お一人お一人じっくり見ることが出来るのですが

いやあ 濃ゆいです



下谷万年町 (2)




これまで

蜷川さんが、アンサンブル的に(蜷川さんにそういう意識があるのかは分かりませんが)

大勢の人達を舞台に上げるのはどうも好きではなかったのですが


「タンゴ 冬の終わりに」「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」

あれだけの人数を舞台に上げれば

そりゃあ凄いエネルギーが必然的に生まれるだろうよ、と)


今回の「下谷万年町物語」

素直に、俳優さんたちのパワーにガツンとヤラれてしまいました

皆さん、物凄く熱かったなあ・・・


中でも特に熱く、エラい事になっていたのが六平直政さんと

(ラスベガスのドラァグクイーンかと思った・・・あの睫毛


オカマさんチームではなかったものの

出てくるだけで場の空気を変えた金守珍さんのお二人


色んな意味で凄かった

お二人が出るそれぞれのシーンは息を飲んで見入ってしまいました。


このお二人のベテランが全体をビシっと締めていた印象



そしてやっぱり最後まで

物語の「意味」は良くわからなかったけれど

以前、寺山修司さんの「血は立ったまま眠っている」

蜷川幸雄さんの演出で、同じくシアターコクーンで観た時のような


「嘘っぽいアングラを安全な場所から観る変な不条理感覚」みたいなものは

今回一度も感じませんでした


3時間半

ほぼ一度もダレる事無く、あのエネルギー量が舞台上に渦巻いているのは

怖ろしく素晴らしい事だと思うのです



客席と舞台上との混濁した熱量の遣り取り

2012年の観劇初めとして楽しませて頂きました




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この日一緒に観劇したのは

巻き髪が卒業した大学で演劇を学ぶ19歳@現役1年生

彼女から聞く今の悩みや迷いは確かに自分も通って来た道で

でもその道のかき分け方は人それぞれに違っていて


技術があるから 綺麗だから 人脈があるから たまたま運が良かったから

その道で光が当たるファクターも本当に人ぞれぞれ


なーんて事をちょこっとセツナイモードで考えつつ

冬の夜空を眺め帰宅した寒い夜・・・だったのでした






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