当店のマエストロ西村が1月に書いたピッティ・ウォモ訪問記「伊英(イェイ)日記」はお客様から好評をいただきました。今回はその夏編です。

今回の出張について
前回は約10日間の旅程のうち最初の2日間だけオーダーサロンタナカ・田中夫妻に帯同して旅の基本を教わり、その後はすべて単独行動であった。もともと海外などほとんど経験がなく、初めての欧州出張でもあった。無事行程をこなし再び日本に戻ることができるか不安の塊だった前回に比べると様子が違い、今回は当社(御幸毛織)の社長と役員Bを案内するというミッションが前提にある出張である。ただ両役員はともに海外赴任経験のある国際派であり、未熟者の自分が案内役というのはおこがましいかも。ただ緊張感はあるものの、不安要素が少ないのは心強い。
準備編
前回(2019年1月)は自分にとって初めての欧州出張であり、非常に緊張し準備にあたふたしていた。以下のようなの物品を家族にひんしゅくを買いつつ購入した。
・ブックオフで買った中古のイタリアとロンドンのガイドブック
・防犯を主目的にしたポケットの多い実用的なナイロンの中古アウター
・コンパクトでハイスペックなキャノンデジカメG7Xmark2(これは新品で購入。ほぼすべてオート設定だったがとても役に立った)
またイタリア語入門の書籍に目を通したり、そして何より英語に自信がなかったため、知り合いが携わっている英会話教室の見学をしたり、さらにはその頃よくCMが放映されていた携帯型翻訳機ポケトークを調達するなど(これは現地では全く役に立たなかった)、まさに戦々恐々とした出発前の日々を過ごした。
今回、少しは慣れたためバタバタすることはなかったが、ちょっとのんびり構えすぎた。英語については前回なんとなく通じたと思えたので油断し何もしなかった(これが後にいくつかの悲劇をもたらす)。外貨両替についても2週間ほどあたかもトレーダーの如く値動きを観察していて、1銭でも安いタイミングで動こうと考えたが優柔不断さ故に決断できず、タイミングを誤り結局出発前日に最高値になってしまったユーロとポンドを入手。欲張るとロクな結果にならないことを学習。
6月11日(火)中部国際空港/ヘルシンキ空港/ローマ
前回の成田/ミラノ、アリタリア直行便ではなく、名古屋組である社長と自分は中部国際空港からフィンエアーでヘルシンキ経由ローマへ向かう。JALの上級会員であり当然ビジネスクラスに搭乗する社長と同伴なので「サクララウンジ」に入場する。エコノミーの分際だが、ココ壱番屋のキーマカレーなどをつまみながら出発までの優雅なひとときを過ごした。
9時間ほどのフライトでヘルシンキ空港に着くが、さすがにフィンランドの会社だけあり内装も北欧モダンを感じさせる明るくて洗練されたものだった。ペーパーナプキンもマリメッコのデザイン。エコノミークラスの座席は横の並びで見ると3列‐3列‐3列になっており自分は中央のブロックの右端だった。景色を見ることはできなかったものの隣は空いていたのでリラックスでき、映画「アクアマン」「ミスター・ガラス」を鑑賞。途中2回の機内食はおいしくいただき(パスタはなぜかアリタリアよりも美味しく感じた)おもいのほかすぐにヘルシンキに着いてしまった。
初めてのヘルシンキ空港は広大で新しく、さらに拡張工事を行っている最中だった。トナカイの毛皮が当たり前のように売店の店先に並んでいたり、ムーミンショップなどもあったり、北欧ならではの独特な雰囲気だった。到着した第一ターミナルからパスポートコントロールを通りつつ乗り換え便が待つ第2ターミナルへ向かうが、「動く歩道」も設置されていらず結構な距離がある。
もう一人の参加者・役員Bは東京からの出発なので、ここヘルシンキで落ち合う。似たような時刻に成田発の機体も到着し無事役員Bと合流、3名で混み合ったラウンジで僅かな時間を過ごした。
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ヘルシンキ空港

 小ぶりな機体に乗り換えローマ・フィウミチーノ空港へ。隣が空席だったので安心していると離陸寸前に大柄な北欧系男性が息を切らせて駆け込んできた。彼の席は不運にも隣。圧迫感のなかで3時間を過ごすが機内は肌寒く、また極度に乾燥していたので喉にダメージを受けることに。

窮屈ではあったが快晴のローマ・フィウミチーノ空港まで無事に到着し、タクシーで中心地に向かう。車窓から「カラカラ浴場」や「コロッセオ」などを眺めつつ30分ほどでテルミニ駅至近のUNAホテルに到着。ボッタくりが心配だったが規定料金の48ユーロできっちり送り届けてもらえた。20時30分の到着だが、まだまだ明るいヨーロッパである。
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夕暮れのローマ、コロッセオ

因みにこのホテルは前回2泊し、周辺は散々歩き回ったので位置関係はだいたい把握できている。下調べしエクスペディアで予約しておいた高評価のイタリアンレストラン「NERONE」へと向かう。カジュアルな店であるが満席で我々の前に入ろうとした客は断られていた。予約しておいてよかった。
赤ワイン2リットルとパスタ3種(ローマ名物のカルボナーラ、アマトリチャーナに加えAの定番であるアーリオ・オーリオ)、ピザ1枚(カプリチョーザ)をオーダーする。いずれも美味であった。店員も陽気でスティービー・ワンダーのBGMに合わせ口ずさんでいた。全体的にリラックスした雰囲気で高評価にも納得して店をあとにする。
サマータイムのため日本との時差は7時間。行路で蓄積したワインの影響で酔いが回り、ホテルに戻りすぐに就寝する。
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ローマはじめての食事はブルスケッタから
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ローマならカルボナーラでしょ。

6月12日(水)ローマ/フィレンツェ
前回同様、睡眠がしっかりとれず夜中の2時に目覚める。頑張って再度寝てみるが4時に目が覚める。これが時差ボケなのだろうか。睡眠を諦め荷物の整理やレポートの準備をしつつ明るくなるのを待つ。今朝も快晴のローマ。サンタマリア・マッジョーレ教会など周辺を散策し7時の朝食までの時間を過ごす。朝食後ロビーに田中夫妻を合わせた5名で集合しテルミニ駅まで歩き8時45分発の高速鉄道「ITALO」でフィレンツェへ移動開始。
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テルミニ駅近くで。
ローマの属するラツィオ州からフィレンツェのあるトスカーナ州に近づくにつれて風景も次第に牧歌的になる。PRIMA(一等席)のためドリンクとナッツのサービスが嬉しい。約1時間半でフィレンツェ・サンタマリア・ノヴェッラ駅に到着。とりあえず荷物を預かってもらおうとホテル、アドラー・カヴァリエリに行くとチェックインOKとのこと。まだ11時なのに融通が利いて有り難い。今回唯一の未知のホテルだが中庭もあり古典的で落ち着く佇まいだった。
身軽になり今回のメイン目的のPITTI IMMAGINE UOMO会場のバッソ要塞に向かう。
駅周辺からPITTI目的の「それ系の人」をちょくちょく見かけるが会場に近づくにつれどんどん増えていく。個性的なファッションで主張するピッティピーポーで溢れている。
バッソ要塞に到着し、エントランスで事前に入手していたチケットのバーコードを読み取り入場する。
その2に続く。
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ピッティ会場に着く
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ピッティ視察開始。