洋服屋、街を生きる。オーダーサロンタナカ店主blog

名古屋、錦3丁目のオーダースーツ、オーダージャケット、オーダーシャツのお店の店主です。名古屋のまんなかに生まれ、ずっとここで生活し六十年。オーダーメイドのこと、街の暮らしのなかで感じたことをつづっていきます。

イタリア関係

かよい、かよって金になり嬉し(2018/9/4)

今日の名古屋は台風、風がすごくてゴーゴーゴーとすきま風がうなりを上げています。日本各地の被害が少ないことを祈っております。当店は店はやっていますがショーウインドーのガラスになにか飛んできてもいけないのでシャッターはおろして店内で仕事しています。こんな日でも福島から出張の途中で立ち寄っていただいたお客様やお電話、メールでオーダーをいただいて本当に感謝しております。

今日は我が娘の誕生日、21年前の今日、娘が授かった暑い日をなんとはなしに思い出しています。今、娘は留学でアジアの遠い国に行っていますが元気に過ごしているはず。親としてはちょっと、いや、だいぶ心配です、はい。

こんな日、私と妻に白い封筒が来ました。封をあけてみるとアリタリア航空からきた手紙で金色のカードが入っていました。以前はルフトハンザ航空、JAL、フィンエアなどを使っていましたがこのところアリタリア航空でピッティイマジネウォモに通い続けています。メンズファッション雑誌などからの二次的な情報ではなく、本当の洋服の本場を知り、オーダーメイドの品質をそこまで高めたいという思いでのフィレンツェ、ピッティイマジネウォモ通い。そんなわれわれにご褒美のようなアリタリア上級会員FLECCIA ALATA入り。以前このアリタリアの上級会員だったこともありましたが、アリタリアの基準が厳しくなり昨年から平民つまり普通会員に逆戻り。そして今日、夫婦で金のカードに返り咲きました。ちょっとうれしい台風の日、べつに上級会員だってすごいメリットがあるわけでなくどってことないんですが。我ながら単純にも航空会社にいいようにくすぐられています。
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シチリア、カラヴァッジョ紀行その2(2018/7/30)

その1からの続きです。タオルミーナのホテルではどうやら一週間単位でゆっくり時間を過ごすらしく、シニアエイジのヨーロッパの人々がプールサイドや散策やらのんびり滞在していました。そんな暮らしを我々もいつかはできるのだろうかと思いながら、一泊だけ滞在の我々はこの素晴らしい場所での極めて限られた時間を惜しみました。一泊後、家族経営のトラットリアで昼食をとった後、タクシーで一時間半かけて次の目的地、アルキメデスでも有名なシラクーザに。
タオルミーナは山と海のはざまに張り付くような場所でしたがシラクーザは起伏がない海沿いの街。街の先端の手前にある川のような水路に橋がかかり、その先がオルティージャ島と言われています。クルマでその橋を渡り、海岸を少し走り、午後3時過ぎにその日の宿、ヘンリーズハウスにつきました。宿から歩いて数分のところにオルティージャ島の中心にある美しいバロック様式のドウオモ広場の一角にサンタルチア・バディア教会があります。イタリアの教会は長い時代をかけて様々な装飾を施してあり、彫刻、壁画、建築、祭壇など、何が重要で何が見るべきものなのか混乱することがありますが、ここの教会は極めてシンプルで教会の中の主祭壇に飾られているのがカラヴァッジョの「聖ルチアの埋葬」。わかりやすく言うとこの教会の御本尊がこのカラヴァッジョの絵となります。「聖ルチアの埋葬」当時の権力者に嫌われて目をえぐられ首を切られて埋葬される聖女ルチアとそれを悲しむ人々や墓掘り人の群像図です。けっこう悲惨な状況ですがやはりカラヴァッジョの手になるとその人々は今を生きる人々の悲しみにも見えてきます。現存するシチリア島の3作はすべて教会に納めるための大作であり、画家晩年の傑作であることは間違いありません。我々はカラヴァッジョ巡礼者ですから、この絵の前で閉館時間までじっくり佇みながら偉大な芸術と同じ空間にいる喜びを噛みしめました。
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 カラヴァッジョのあるサンタルチアバディア教会
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聖ルチアの埋葬は本尊ゆえ撮影禁止。
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ドウオモ広場とサンタルチアバディア教会
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雨の広場
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ドウオモのファサード
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オルティージャ島の海
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パピルスが茂るアレトウザの泉
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夕暮れの海
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ここで食事
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ムール貝のゴルゴンゾーラ味

この時期いつもシチリア島はほとんど雨が降りません。でも今年はときおり積乱雲のせいで雨が降り、おかげで気温も摂氏25°C以下と快適です。昼からの雨も夕方には上がり、シラクーザ、オルティージャ島の街も美しい姿を見せてくれました。仕事をしばし忘れる時間を海岸の街ですごしました。夕食はちょっとモダンなシチリア料理で。
シチリア最後の日は朝の散歩のあとこの日もカラヴァッジョを見てからカラヴァッジョが名付けたというわれるディオニュソスの耳と言われるかって牢獄だった石切場とギリシャ劇場に。石切場と遺跡が同じ場所にありサクッと観光できる。ピッティイマジネウォモでは仕事モードでテンションを高めていますが、観光地をのんびり散歩しているとやはり開放された気分にひたることができます。
シチリアの残されたわずかな時間はオルティージャ島のメルカートでの昼食。市場好きにとってはほんとに楽しい時間です。シシリアオレンジのしぼりたてジュースは一杯1ユーロ!大きな網に入ったムール貝がキロ1.5ユーロで売られています。アサリがキロ1000円以上するのに比べて安いのできっとこのあたりの名産なのでしょう。牡蠣は屋台で白ワインと共に売られています。旅の前は治安が悪いとか心配していましたが、シチリアはイタリアの田舎。陽光の中にほのぼのとした時間が流れていました。
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朝食はシーサイドで
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この橋でシラクーザ市とオルティージャ島を分ける
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石切場はディオニュソスの耳とカラヴァッジョが名付けた
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シラクーザのギリシャ劇場
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市場のトマト売り
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市場の魚売り
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市場で昼から一杯
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リゾート感たっぷりのオルティージャ島
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シチリアの光
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美しいオルティージャの海の色

シチリア、カラヴァッジョ紀行その1(2018/7/29)

この暑さでご来店のお客様もすくなく今の当店はいつもの日常と違い静かな時間が流れています。そんな中、秋冬素材の準備をしています。

先月、フィレンツェで行われたピッティウォモの帰途のついでにシチリアに行きました。いつもイタリアでは仕事ばかりでしたのでシチリアに行くのは今回が初めて。旅の目的はやはりライフワークとも言えるカラヴァッジョです。
ピッティイマジネウォモに2日通った後ミラノに戻り、朝のリナーテ空港からシチリア最大のカターニャ空港へ1時間半のフライト。はじめてシチリアに降り立ち、どこか沖縄の那覇に似ているかなという印象。計画ではフィアット500でもレンタカーしてシチリア島をドライブとも思いましたがイタリアで運転などリスキーな行為はやめようとタクシーをチャーターしまず目的の港町メッシーナへ。曇り空の中一時間海岸線を走る高速道路を走り、カラヴァッジョが二枚あるメッシーナ州立美術館に向かいます。メッシーナの街はすぐ3000m対岸がイタリア半島のつま先レッジョ・カラブリア。列車がフェリー船に乗って行き来するのでも有名。街に入ると雲行きが怪しくなりタクシーの窓を雨が叩く。カラヴァッジョを見に行ったのは良いが美術館が臨時休館ということはないかと最悪の状況がアタマをよぎります。そんな不安な思いを胸にメッシーナ州立美術館のドアを開きました。ついにここに着きました!と係員さんに言ったら、カラヴァッジョが目的でしょと。そうです、ここはカラヴァッジョ巡礼に欠かせない聖地。
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深く雲が垂れ込めるメッシーナ。対岸はイタリア半島、メッシーナの灯台が見える。
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着いた!メッシーナ州立美術館
美術館の中で地元の画家や彫刻家の作品を眺めながらカラヴァッジョはどこかなと探すとそれらしき作品群が展示してある部屋を見つけました。カラヴァッジョかなと思われる絵はカラヴァッジョに似た絵でしたがカラヴァッジョではありません。そこでふと脇の小さな階段を見つけそ登るとコンクリート打ちっぱなしの空間についにありました。カラヴァッジョの偉大な絵が二枚。「ラザロの復活」「羊飼いの礼拝」カラヴァッジョの画家としての円熟期に書かれたこの絵はどちらも教会の依頼で祭壇画として書かれているので大きなものです。教会が改修や荒廃してこの美術館に来たそうです。

「ラザロの復活」は以下の死者の復活の瞬間を描いた作品です。絵の上の方は何も書かれていなく下の方にはカラヴァッジョの作品のいつもの登場人物も書かれています。さっと描きながらリアルに見えるまさに画家の円熟期を感じました。カラヴァッジョはこの絵を書いた数年後に死にましたが、人は滅んでも芸術の命は長い、われわれの他に客はなくじっくりコピーや複製でない本物の芸術を鑑賞できる幸せにどっぷりひたりました。
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ラザロはユダヤ人の男性で、イエスの友人。エルサレム郊外のベタニアに暮らし、マリアとマルタの弟で共にイエスと親しかった。イエスは彼らの家を訪れている(『ルカによる福音書』10:38-42)。また『ヨハネによる福音書』11章によれば、イエスによっていったん死より甦らされた。ラザロが病気と聞いてベタニアにやってきたイエスと一行は、ラザロが葬られてすでに4日経っていることを知る。イエスは、ラザロの死を悲しんで涙を流す。イエスが墓の前に立ち、「ラザロ、出てきなさい」というと、死んだはずのラザロが布にまかれて出てきた。このラザロの蘇生を見た人々はイエスを信じ、ユダヤ人の指導者たちはいかにしてイエスを殺すか計画しはじめた。カイアファと他の大祭司はラザロも殺そうと相談した。wikipediaより転載

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もう一枚「羊飼いの礼拝」。羊飼い前の天使が現れ「今日ダビデの町で、救世主が生まれた。布にくるまってかいば葉桶の中に寝ている赤ん坊を見つけるであろう。」と告げた。羊飼いたちは、急いでベツレヘムに向かい、そこで、マリアとヨセフ、飼い葉桶に寝ている赤ん坊を探し当てた。羊飼いたちは、天使の話した通りだったので、神を賛美しながら帰ったという故事を描いています。静かな絵の中に聖なる子の誕生を静かに喜ぶ感情が満ち溢れていました。

二枚の素晴らしい絵を見た感激を胸に、タクシーは雨の中40分走り、この日泊まるタオルミーナ着。曲がりくねった坂道にあるホテルに着いたときまだ雨でまわりは見えませんでした。どんなところに着いたのだろうとよくわからないまま低テンションで部屋に入ってしばらくして窓の外を眺めていたら空が晴れて、空と海と山がせめぎ合う絶景が目に飛び込んできました。こ、ここは一体??私が過去見た絶景の中でも最高かもしれません。タオルミーナを多くの人が讃える理由が一瞬でわかりました。当然テンションはピンと高くなり、石段を降りたところにあるタオルミーナの街に駆けて行きました。
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雲が晴れて飛び込んできた景色。
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マドンナの岩から
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エトナ火山を望む。
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宿から階段を降り、街に向かう
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ウンベルト通りは門が幾つも有る。
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可愛いタオルミーナのドウオモ
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美しい広場
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ギリシャ劇場と海
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タオルミーナの夜景

アンジェロフスコのネクタイ入りました。(2018/6/19)

当店のお客様、お取引様も多い6月18日大阪での地震の被害に遭われた方お見舞い申し上げます。わたしもイタリアから成田経由で昨日帰国しました。地震の影響で新幹線は2時間半ほど遅れましたが、無事帰ってくることができ本当に感謝です。

イタリア、ミラノからアンジェロフスコセッテピエゲネクタイが本日入荷いたしました。整形外科医アンジェロフスコ氏が趣味の延長としてモードの聖地ミラノ・モンテナポレオーネにセッテピエゲネクタイ専門店を開いています。シルクの味わいを最大限に得られるアンジェロフスコのセッテピエゲ(七つ折り)は締め心地のいいネクタイとして評価の高いネクタイです。
6/27完売いたしました。

アンジェロフスコ セッテピエゲネクタイ 
スペシャルプライス 一本19800
(税込)すべて完売、感謝。

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シルク素材を贅沢に使い7回織って作られるセッテピエゲはシルクの味わいを最大限に感じるネクタイとしてクラシカルなみだしなみを好むヨーロッパのジェントルマンに愛好されています。

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ミラノ、モンテナポレオーネにあるセッテピエゲ専門店アンジェロフスコ

グラッツェを1000回(2018/6/17)

今日ミラノで仕事関係を回った後帰途につきます。このイタリア出張、店を休んで来られたのもお客様、縫製工場、お取引先のご理解の賜物と本当に感謝しています。私事で恐縮ですが旅の間の一番の心配ごとは母を一人残して来たこと。今回は東京で学ぶ娘が何日か家に帰って母と居てくれた。普段がさつな娘だがそんな優しさに感謝です。
イタリアの旅は挨拶で始まる。出会った見知らぬ人たちの目を避けても楽しくない。朝はボンジョルノ、昼過ぎからはボナセーラ。いい一日をはボナジョルナータ、あなたもねーはアンケレイ。そんな挨拶のやりとりだけでも人は優しくなれる。間違いなんて罪じゃない、無言、シャイは旅の敵。ちょっと角を回って見知らぬ場所を覗いて、出会ったおじさんにチャオの一言でそこに新しい世界が広がります。そんなワンダフルワールドにグラッツェを1000回。

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シラクサさかな市場の牡蠣売り
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なんと牡蠣を買うと白ワインが無料で付いてくる。わかってるね!

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シラクサの市場
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