洋服屋、街を生きる。オーダーサロンタナカ店主blog

名古屋、錦3丁目のオーダースーツ、オーダージャケット、オーダーシャツのお店の店主です。名古屋のまんなかに生まれ、ずっとここで生活し六十年。オーダーメイドのこと、街の暮らしのなかで感じたことをつづっていきます。

わたしの読書

読んでいただけるから(2020/3/1)

3月、新しい月のはじめの日の朝はいつも墓参。母を連れて行くから青空がほんとうにありがたい。実は墓参の前にひとりで早朝6時にゴルフの練習に行く。落ち着きのない多動中年だなあと自分ながら思うが、そんな自分が嫌いではない。
2月は当店会計年度の初めの月であり、春夏素材スタートの月ということもあり、1日から29日まで営業日お休み問わず毎日ブログを書いていた。しんどくなってきたこともあったし、はやりやまいで床にふせったらどうしようなどと妄想にかられた日もあったが最終日までなんとか続けることが出来た。ほっとした朝を迎え、連続して書いていたことは言わないでそっと自分だけでしまっておこうと思っていたが、今朝ブログを読んでいただいている方からこんなコメントがあった。
2020年2月、毎日ご投稿達成ですね。
素晴らしい数々の生地のご紹介、いつも楽しみに拝見しております。コロナウイルスで世間は騒がしいですが、お身体どうぞご自愛くださいませ。

ともすると書くことに集中して読んでいただいていることは忘れることもあるが、我がブログにはこんなありがたい読者がいるんですね。今月は2月のようなわけにはいかないかもしれませんが、できるだけ書いていこうと思っています。
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朝の枕元にこんな本がありました。
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なにげなく開いたらこんな言葉がありました。

三人のシブサワさん(2019/11/27)

渋沢さんとは縁がある。
マエストロ西村の所属する御幸毛織の親会社は東洋紡東洋紡は近く2024年にお札になる澁澤栄一が作った会社の一つ。澁澤栄一は天保11年現在の埼玉県深谷市血洗島に生まれた。深谷はたまたま我が妹が住む街で一度遊びに行ったことがあり、街の規模に似合わず立派でクラシカルな駅舎で知られている。澁澤栄一翁の伝記を読んだことがある。幕末の志士から明治初期の大蔵官僚に転じ、その後民間に戻り第一銀行に始まり、現一橋大学設立、多種多様の会社設立に関わり、その数は500以上といわれている。朝、必ず来訪者の話を聞く時間を作っていて、起業の話をずっと聞き続けた。その中には胡散臭い話が山ほどある中で、銭儲けではなく日本の将来にとって必要な仕事を選び、力を貸していたそうだ。近代日本の礎は翁がいたからこそ築けたと言えるかもしれない。

ゼニアジャパンのシブサワさん
当店と25年の長きに渡り直接取り引きしているゼニアジャパンで現在担当してくれるのがシブサワさん。彼もじつは血洗島に元を発する澁澤一族の末裔。現在はないが紳士服地の輸入ではトップクラスだった商社に在籍したあとゼニアジャパンに入社。イタリア語も駆使して全国の営業に活躍している。先週も来社いただき、カシミアジャケット素材を買わせていただいた。
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カシミア100% イタリアから届いたら正式に紹介します。
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カシミア100%イタリアから届いたら正式に紹介します。
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15mil mil 15 イタリアから届いたら正式に紹介します。
あこがれのダンディ澁澤龍彦
博識、博学の人でフランス文学者にして作家、1987年に亡くなった澁澤龍彦の評伝を買ってこのところ読んでいる。この方も血洗島に源を発する澁澤家の末裔。幼児のころ澁澤栄一翁に抱かれオネショをしたと言う武勇伝?が伝えられている。三島由紀夫との親交、マルキ・ド・サドの翻訳「悪徳の栄え」裁判で知られているが、スタイリストでダンディズムに富んだ生涯を送った。サドや黒魔術、欧州の怪物など難解で不思議な世界をかたっても澄んで清らかな文章だった澁澤先生の評伝はどこまでも面白い。

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いま読んでいる「龍彦親王航海記」
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我が大切な蔵書

娘に伝える現代史(2019/10/21)

お知らせ
本年のロロ・ピアーナ カシミアフェア カシミアコースヘア特集、昨日10月20日(日)で終了いたしました。たくさんのオーダーありがとうございました。
娘に伝える現代史
今、日本人は本当に幸せだと思う。衣食住も満たされ、言論の不自由もないし知りたい情報はネットですぐわかる。びっくりするほど安く海外に行くこともできる。そんな時代はどう作られたのか知らなくても生きることは当然できる。
でも今後も今よりも良い「次の時代」を生きたいと思うなら、明日の日本を築くために知っておくべき現代史についての本、谷口智彦著「明日を拓く現代史」を友人のコダマくんから教えてもらった。著者、谷口智彦さんは私よりひとつ上の同時代人で東大を出た後、日経BP記者などを経て、現在安倍総理のスピーチライターをすべく内閣官房参与をしている方。今よく使われる言葉「ウィンウィン」もこの人の造語とも言われている。慶応大学の教授として大学院生への講義を本にしたもので中印戦争、日米同盟、スエズ危機、そしてニクソンショックなど表面的なタイトルくらいしかしらなかったこれらの事件の「大きな意味」を平易に解説していて目からウロコが落ちる思い。読み始めてすぐ、これは次の世代の人に読んでもらいたいという気持ちになった。
ちょうどこの週末、東京の大学に通っている娘が帰ってきたので、この本を紹介して、どう、読んでみる?と聞いたら読みたいとのこと。娘に譲るためにピッチを上げて280ページを読んだが、読むたびに最後まで新しい発見がある良書でした。子どもたちのため日本が良い国でありつづけてほしい。そんな思いでこの本を渡しました。
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題名を改めて文庫として今年あらためて出版されました。
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2013年に出た本ですが、今でも全く新鮮。
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参考までに目次。一講から四講、講義をもとにしているので章でなく講。
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五講から八講
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九講から十講

電子本でフィリップ・マーロウを(2019/7/30)

若い頃、友からレイモンド・チャンドラー長いお別れ」の文庫本をもらったがいつか読もうと思っていたが結局読まずにどこかに行ってしまった。数年前だったか尊敬する奥山敬造さんが来店されたおり、チャンドラーを読むといいとすすめていただいた。
昨年、村上春樹レイモンド・チャンドラー長編7作を翻訳したのでイタリア旅行の際に読んでみようとキンドル版を購入した。飛行機の中で読み始めたが、タフな私立探偵フィリップ・マーロウが面倒なことに巻き込まれて行く様子が文章をよみながらまるで映画でも見るようにイメージできる。レイモンド・チャンドラーの文体、語り口もs楽しい。まずはいちばん有名な「長いお別れ」そして「さよなら愛しい人」を読了。読みすすめるうちにまちがいなく名作、そして「男子たるもの」の読むべき名作だということはまちがいないことはわかった。
村上訳も長編7作あるからいくつかはキンドルでダウンロードして、いくつかは紙の本ですべて手に入れた。やっぱり紙の本が読みやすいが、キンドルも軽く小さく持ち運びはしやすいメリットはある。
この夏はフィリップ・マーロウを楽しめそうだ。彼のように少しはタフに生きることができるだろうか。
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さよなら愛しい人はキンドル版で読んだが、紙本でも買い直した。

読書の初夏(2019/5/13)

電子書籍の時代ですが活字中毒としてはやっぱり本が好き。夜ベッドに入る時は必ず本を読みながら。だいたい10ページほど読むと眠くなって寝付きます。昨日は読んだ本が面白くつい読み続けてしまいました。それは富山県魚津市の海岸から剱岳、立山、槍ヶ岳など北アルプス、木曽駒ケ岳の中央アルプス、赤石岳、聖岳など南アルプスを登って越え、静岡市の大岩海岸まで自力で走破するレース2018年行われた「トランスジャパンアルプスレース」のドキュメンタリー「激走!日本アルプス大縦断」。通常の人なら一ヶ月以上かかるルートをほぼ一週間で駆け抜ける超過酷なレースはご存知のかたも多いでしょう。2002年にはじまったころはプライベートで有志が少人数で行っていたレースだったのですがNHKがとりあげてから全国で有名になりました。山登りもかじっていますが参加するアスリートとは違いほぼ観光客の私ですがコースには富山、立山、大汝山、上高地、釜トンネル、藪原、木曽駒ケ岳、宝剣岳、駒ヶ根、静岡と旅で行ったことのある場所が多く、その景色やその空気感も知りアスリートたちの辛さもなんだか体感できる気がして読み続けるに従ってワクワクしてきてしまいちょっと興奮。午前一時半までかけて完読してしまいました。
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こんな過酷な日程は無理だけど、歩いて日本海から太平洋まで山を越えていくのはロマンを感じます。いつかいい季節にゆっくり歩きたい気もします。
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活字中毒のナイトキャップはブランデーでなく本。

本はだいたい栄、丸善で選びますが、書棚の中はほんとうに玉石混交。面白い本や、役に立つ言葉が散りばめた本もあるかと思えば、なんだこりゃ、内容ゼロだなと思い、売り飛ばすのも嫌でゴミ箱直行の本もあります。またわたしの読解力、記憶力がないため登場人物の名前を覚えられないので読むたび、こんがらがってしまい全く読み進めない本もあります。本の内容、コンテンツだけがエンターテイメントではなく本を探すのもまたエンターテイメントかなと思ったり。
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この一週間に読んだ本。
渋沢栄一がお札になるので、どういう人か知りたくて「渋沢栄一、日本の経営哲学を確立した男」を読んだら近年稀な散漫なダメ本でした。渋沢栄一のことはちょろっと触れただけで自説を自慢げに説く山本七平に辟易してゴミ箱直行。かわりに渋沢栄一が書いた「論語と算盤」の現代語訳を読んでいます。
ガリバルディ、ビットリオエマニエーレ二世が活躍したイタリアの統一が知りたくて手にとった「イタリアの統一」。話が込み入りすぎて一日数ページ読むのがやっと。いったいいつになったら統一するのか。「天才と発達障害」これは天才たちの数奇な人生は実は発達障害に関係していたかもというお話でとても興味深く2日で読破。

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