洋服屋、街を生きる。オーダーサロンタナカ店主blog

名古屋、錦3丁目のオーダースーツ、オーダージャケット、オーダーシャツのお店の店主です。名古屋のまんなかに生まれ、ずっとここで生活し六十年。オーダーメイドのこと、街の暮らしのなかで感じたことをつづっていきます。

洋服のメンテナンス

クリーニング屋さんに愛されて(2018/5/8)

25才の頃のお話。うちはクリーニング屋だけどAさんちのスーツはオタクで作っていますよね、お客さまのAさんに電話番号聞いてたずねたんです。はいそうですと答えると、それなら息子のスーツを作ってくださいと依頼いただきました。その息子さんずっと30年近く当店で続けてオーダーいただいて今年から企業の役員になりました。毎日来る日もスーツを洗ったりプレスをかけているクリーニング屋さん、スーツの良し悪しを実は知ると言われています。

愛知県尾張瀬戸市に本社工場をかまえ、尾張旭市、春日井市でクリーング業「アイックス」をいとなむお客さま、安藤様が当店製のチャコールグレー無地のダブルのスーツを端正に着てご来店いただきました。このたび、お客さまのとっておきのスーツ、ジャケットを預かり、安藤社長みずからが、品物の状態に合わせた一着洗い、ハンドアイロンにて仕上げる「オーダークリーニング」を受け付けるとのこと。サイズの合ったいい素材のスーツ、ジャケットのクリーニングでお悩みの方も多いようです。もしご興味が有りましたらいちどお電話、メールなどでご相談でもしてみたらいかがでしょうか?

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ダークスーツの着こなしも完璧。アイックス安藤社長。
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通常のクリーニングに比べ、より丹精込めた「オーダークリーニング」はこんな内容です。興味のあるかたは瀬戸市アイックスにお問い合わせくださいませ。

ハイシャイン記(2017/11/18)

雨降りの土曜日は靴磨きでもしましょうか。

パンツの丈がこのところ短くなってきたので靴選びの重要性が増しました。いい靴を履けばスーツ・ジャケットが間違いなくステキに見えます。そして靴はちゃんとお手入れすれば10年以上、それこそ人生のおしゃれの伴侶となります。だからお手入れが肝心。
以前名古屋のオーダー靴屋さんに靴に顔が映るくらい鏡面のように磨き上げる「ハイシャイン」のやり方を教えてもらいました。そのときはうまくいってよくハイシャインをしていました。ただその後いろいろ磨き方、クリームを試したが、やり方を忘れてしまったのかあまりうまく磨けなくなってしまいました。

昨日テレビ塔近くの東急ハンズに買い物に出かけたら靴クリームメーカー「コロンブス」さんのデモをしていたので、そこでもう一度ハイシャインの仕方、そして使うクリーム、ブラシ、布などをご教授いただいてコロンブス社東急ハンズオリジナルクリーム2点。仕上げ用馬毛ブラシを購入。
家に帰ってすぐ今年ロンドンで買ったチャーチのストレートチップ靴「CONSUL」を磨いてみました。

1.まず馬毛ブラシでホコリや細かいごみを除去

2.クリームを薄くブラシで塗る。今回は東急ハンズ用にコロンブスが作ったSHOE CREAMのミディアムブラウンを使った。

3.半乾きの状態でコロンブスの馬毛ブラシで磨きツヤを出す。

4.つま先の部分に東急ハンズ用無色SHOE POLISHと水を交互に付けてコロンブスのコットンクロスで磨く。何度も何度も繰り返し磨くこと10分。段々ツヤが出てきて鏡面のようになりました。成功です。うまく行ったのであと4足磨きました。
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ハイシャインがうまくいくのは革の状態もあるし、磨くグッズもあるようです。いままでサフィール、モーブレーをつかっていましたが、教えて頂いて上手にできたのでこれからはコロンブス/ブートブラックにしよかなと思います。

しかし靴の磨き方はひとによってほんとにいろいろ有るようです。名人に教えていただいたり、磨き方の本を買ったりしましたがみなさんそれぞれ違います。どれがベストか自分なりの方法を編み出すしかないかもしれません、またいい方法が見つかった時それが独り悦に入る時間なのでしょう。いずれにしてもお手入れは楽し。

靴を飼い慣らす。(2017/9/10)

すべての身の回りのモノを良いモノで揃えたいというのは無理だとしても、せめて靴と家具だけは良い物にしたいと思う。なぜ靴と家具かというとずっと生活の中で長く使うから。家具はもちろんのこと靴も洋服に比べると寿命が長い。10年は軽く履けて使いようによっては一生の友となる。時計ほどメンテナンスにお金がかからないし自分でもできるので可愛がる甲斐があるというものだ。 

今年の1月倫敦で二足革靴を買った。一足はジャーミンストリートのクロケット&ジョーンズで買ったスエード。もう一足はニューボンドストリートのチャーチで買ったブラウンのコンスル。クロケット&ジョーンズのスエードはすっきりした細身の靴で見ていい感じなのだが日本に帰って履いてみるとすこし窮屈な気がした。でもこれはそのうち履き慣れてくると信じて、足が痛いと思いながらも10日に一度ほどずっと履いていた。最近底のコルク層が沈んできて底を触ってみると足の形になっていることがわかった。こうなればだんだん履きやすくなってくる。ときどきスエード用のブラシで手入れをしたり防水スプレーをかけたりしてお手入れも怠らない。やっとこの頃この靴を飼い慣らした感じがする。そろそろ私の「部下」として慣れて、この秋の装いにも使えるなといまから楽しみにしている。
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靴はかわいい相棒かもしれない。クロケット&ジョーンズのスエード 

夏へ衣更え。とっておきの服のお手入れ(4/15)

昨日は雨が上がった後は快晴で気温がどんどんあがり、クルマの中にいたらもう汗が吹き出て、夏が来たと勘違いするほど。こんな季節だから夏のおしゃれの準備にご来店の方も増えてまいりました。

夏の装いの準備の頃は、昨年10月から着てきた秋冬素材のジャケット、スーツ、コートを片付ける準備をしなくてはいけません。良いウールをつかった洋服はシーズン中頻繁にクリーニングに出すのは避けて、着用後のブラッシングで清潔に保ってくださいとアドバイスをしています。くりかえしのクリーニングは溶剤でウールに含まれる油脂分を取り去ってしまうおそれがあり、風合いが変わることがあるからです。ただ着る季節がおわり、タンスの中にしまう際には基本的にクリーニングをしてからの保管をおすすめいたします。その際クリーニングは、なるべくチェーン店でなく個人で営まれている、街で評判のいいクリーニング店にお出しになることをおすすめいたします。もしチェーン店しかない場合はなるべくグレードの高いランクをお選びになるといいでしょう。

スーパー170など細番手ウールのスーツや、カシミア100%のコートなど、とっておきのレアな素材のクリーニングができるハイグレードな素材専門のクリーニング店もあるようです。越前市(旧武生市)のクリーニング・ヤギ、店主八木徹さんはおしゃれに強いこだわりがあるため、洋服と素材をとてもたいせつにするクリーニングを行っています。「テキスタイルケア」と呼ばれるこの店のクリーニングはまるでハンドメイドテーラーであるかのように手が込んでいます。店主八木さん自ら行う工程はこんな感じ。

1.まずお客様から預かった洋服のホコリ取りから。上着ポケットの内側、パンツのダブルの折り返しなど丁寧にスポンジを使ってホコリ取りをおこないます。こうすることにより洗濯の際、ホコリが原因の再汚染がおこりにくくなります。
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ホコリ取り
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パンツの内側の縫い目も丁寧にホコリ取り

2.水洗い、アイロン後にもサイズ通りに仕上がるよう事前に丁寧に採寸をしていきます。
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3.洗った際の型崩れを防止するためしつけ針を打ちます。
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4.洋服が傷まぬよう、PH5の弱酸性の洗剤と仕上げ剤を使い、やさしく手で水洗いします。ドライクリーニングでは油汚れは落ちますがどうしても汗などは落ちないため水洗いが効果的となります。
5.その後、特製ハンガーにかけて、夏は丸1日、冬は2日とゆっくり時間をかけて自然乾燥させます。
6.スチームアイロンを使わず、電気アイロン(焼アイロン)を使い、店主自ら、手作業でアイロンをかけていきます。この際、作業前に採寸したデータを参照してその通りに仕上げていきます。
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これが焼きアイロン
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上着一着に一時間以上かけてていねいにアイロンをかけていきます。

「テキスタイルケア」クリーニング スーツ、コート共8000円(税別)
クリーニング・ヤギ
 越前市本町7-5 電話0778-22-1411 
ウェブサイトはこちら
営業時間午前8時〜午後8時(祝日午前10時〜午後6時)日曜休み
もしご興味がありましたらお電話で八木店主にご相談くださいませ。

八木さんと相談して、オーダーサロンタナカでお仕立てした洋服に限り、クリーニング・ヤギさんにお送りいただいて「テキスタイルケア」を施した場場合、帰りの送料は無料となります。わたし自身も6年前仕立てたロロ・ピアーナのウールカシミアのコートをクリーニングしていただきましたがツヤが全く損なわれない理想的な仕上がりでした。
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八木店主

上の工程からドライクリーニングでスチームアイロンを使う工程にするお値打ちライン「オリジナル・ケア」ならスーツ、コート共3000円(税別)です。お値打ちラインでも八木店主のハンド仕上げです。この場合は「テキスタイルケア」とは違い。送料はご負担ください。なお着数がまとまれば送料は相談にのるとのことで一度八木店主にご相談ください。
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テキスタイル・ケアを施した六年前仕立てたロロ・ピアーナのウールカシミアコート。つくった当初のツヤと柔らかさを八木店主の技術で再現。
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娘の中学卒業式のために誂えたロロ・ピアーナトップラインのダブルブレストも三年が経過しすこし色褪せ、くたびれてきたが八木さんによってもともとあったエレガントさをとりもどした。 

ブラッシングはたのし(11/8)

昨年あつらえたウインタータスマニアン150のダブルブレストを今朝着ようと思ったら表面になにか食べ物でも落としたのかシミが固着していた。ああまた宴席ででも粗相したんだなあ、クリーニングに出さなければと落胆した。ウインタータスマニアンなど細番手の高級ウールのスーツはクリーニングをなんども施すとツヤとか柔らかさなどの風合いが失われてくるのでひんぱんなクリーニングは避けたい。もしかしたらブラッシングでなんとかなるかもと思い、店で使っている豚毛の大型洋服ブラシでブラッシングをしてみた。しばらくブラシをかけていたらだんだんシミの跡がうすれ、続けて行ったら完全に消えた。やはり道具は道具である。カシミアのコートは柔らかいカシミアブラシに限るがスーツなら豚毛でいいし時間も短縮できる。目立った汚れがついていなくてもスーツ全体にブラッシングを施すとホコリが取り除かれ清潔感がでてこころなしかスッキリしてくる。靴磨きも楽しいが洋服のブラッシングも楽しい。モノを手入れできれいにするのは気持ちがいい。
ちなみに日本国内の職人さんが手で植えたすこぶる使いやすいこの豚毛ブラシは当店で3900円(税込)で販売しています。

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うわ!どこで汚しちゃったんだろ。いやだなあ。
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でもこのように丁寧にブラッシングをすると・・・
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跡形もなく汚れがとれホッとしました。

 
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