洋服屋、街を生きる。オーダーサロンタナカ店主blog

名古屋、錦3丁目のオーダースーツ、オーダージャケット、オーダーシャツのお店の店主です。名古屋のまんなかに生まれ、ずっとここで生活し六十年。オーダーメイドのこと、街の暮らしのなかで感じたことをつづっていきます。

旅の思い出

ミラノから香港の人達のことを。(2019/5/16)

旅もそろそろ終わり。ヴェネツィアメストレ駅を発ち、ミラノ中央駅に夜9時に着く特急に乗ってこれを書き始める。

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フレッチャロッサの車窓から

犯罪者を中国に送ることに反対する香港の大規模なデモはイタリアでも毎日テレビのニュースや新聞で大きな注目を集め報道されている。一国二制度でかろうじて自由社会だった香港がこの制度が決まると中国共産党による統制社会になし崩し的に変わると香港人100万人は立ち上がった。大きなストリートに人が溢れる映像を見ると当局発表の12万人などではないのは明らか。中国共産党のやり方を知っている香港人は遺書を書いてこのデモに参加しているという。心配でイタリアでニュースなど情報を集めている。今日の時点で逃亡犯条例改正延期の発表があったようで一安心。まだまだ安心は出来ないが香港人にとって良い方向に向かうことを祈っている。

香港が英国の頃、紳士服地問屋がいくつかあってフィンテックス、モクソンなど高級服地を香港経由で買付けるため何度か香港に出かけた。ビルの間を抜けて航空機は啓徳空港に着陸していた。取引先のチャンさんと当時船で渡って海鮮料理を食べに行くレイユウムンに何度も行った。彼は香港が中国に返還後は自由が無くなるのでカナダに移住すると言っていた。今頃どうしているだろう。

いま大陸は経済発展を謳歌している。しかし21世紀になっても民主主義が実現せず共産党の一党支配。党に都合の悪いネット情報は遮断され、実際に見たわけではないが街には至る所に監視カメラがあるという。我々の住む日本は言論の自由が完全に保障されて、ネットで政府の悪口を書いてもどこかに連行されることもない。公正な選挙で議員を選び、行政立法司法の三権は分立している。これは先人達の努力のたまもの。日本のパスポートに守られながら日本から離れるとそれが当たり前ではないことが見えてくる。離れて自国のありがたみを知るのも旅の良さである。

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夜のミラノの街
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DUOMO 


ここまで書いてきて帰国のフライト時間も近づいて来た。また写真を整理してピッティの報告を続けます。

見知らぬ同士の一言が旅を彩る。(2019/6/14)

ピッティイマジネウォモ2日目の仕事をこなしたあと、別の街に向かっています。その街のことはまた帰国後書きます。
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さあ今日もピッティ会場へ
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会場に入る前に身嗜みをチェック。
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カメラウーマンがゲート前でオシャレ男を狙う。
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日本を代表するシューケアメーカーコロンブスさんのブースを訪れ、靴を磨いてもらいました。背後のモニターで磨く様子を大きく映しています。
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こんなに綺麗になりました!感謝です!

同じ人間だもの、良いところも悪いところもあるイタリア人ですが同じ乗り物に乗り合わせても普通におしゃべりできるところって良いなと思います。バスの中でも見知らぬはずのおばさんと運転手さんが長喋りしてたり、我々初めて会ったわれわれ東洋人に色々アドバイスをくれたり、素敵な旅の瞬間です。
でも長旅で着いた街で日本人老夫婦とすれ違った際ボナセーラとあいさつしたら堅く無表情で無視されました。旅先で変な人に声かられ怖がられたのかもしれません。
日本人はだからいけないなどと言う気持ちは微塵もありません。ボク自身がそうすればいいのです。見知らぬ者同士、エレベーターの中で能面のような表情をして短い時間をやり過ごすのではなく挨拶と洒落た一言を。朝のゴルフ場で初対面でおはようございますの一言で気分も和みます。自分ひとりの「あいさつ運動」、これからも続けます。良いスーツを着てにこやかに他人に接することができる人をジェントルマンと呼ぶのですから。
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途中の駅で。
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バスの窓からエメラルド色の湖が見えて感激。
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だんだん山に。

ローマに来たなら川を越えて(2019/6/12)

今ローマテルミニ駅近くのホテルに泊まっています。明日の朝はマエストロ西村氏とも落ち合いフィレンツェサンタマリアノヴェッラ駅までサードパーティーの超特急Itaroで向かいます。


ローマに18:30に着きホテルに20:10に入りました。

クルマの窓から古代からの偉大な遺跡が街中に見えます。ローマは何度来ても胸の高まりを覚えます。

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オスティエンセのピラミッド

ホテルのチェックイン後すぐにテヴェレ川向こうのトラステヴェレの本場のトラットリアに向かいます。

きんぼし大将に聞いたお目当てのCALRO MENTAは広場の片隅の繁盛店。予約をせずに行ったら店の外の席まで満員。安くて美味しい店はみんな知ってます。ラッキーにも隅っこに一席空いていました。

旅はエクスペリエンス。狭い席で美味しいものを食べた良い思い出が出来ました。

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中も外もお客でいっぱいの繁盛店。

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クリームがいい味。カルロメンタ風ペンネ

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なんとこれで7ユーロ!味も抜群の手打ち麺

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ローマ名物のアバッキオはかっておじいちゃんの店で食べた味に近い。アバッキオは煮てなくてカリッと焼いてあるのが本物。

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いつものヴィーノロッソデラカーザウンリットロ。繁盛店のハウスワインは本場の旨さ。
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帰りは腹ごなしでローマの街を散歩。テヴェレ川に架かるセスト橋。ここは歩道橋で川の風が心地よい。
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夜のアルジェンティーナ広場

旅のガジェット(2019/6/11)

本日から6月17日(月)までイタリア出張のためオーダーサロンタナカは臨時休業します。

名古屋から陸路 成田空港から直接ローマフィウミチーノがいつものルート。マエストロ西村氏はセントレア/ヘルシンキ/ローマでほぼ同時に着く予定。

昨日のブログのパッキングのお話の続きだが、かってはノートパソコン、分厚い日伊中辞書、ガイドブック、目覚まし時計、時間をつぶす文藝春秋などずっしり重い旅のパーツが必要だった。今こういう旅のガジェットは日進月歩。ピッティの入場券はiPhoneのアプリ、イタリア語辞書ももちろん、目覚ましも全てiPhone。重い本は全てアマゾンのキンドル。今回見つけスゴイアプリはグーグル翻訳アプリ。英語、イタリア語はもちろん、多くの言語をiPhoneのマイクで日本語をしゃべると翻訳してくれる。看板などを写真に撮っても翻訳してくれる。なんと無料。
予約もブッキングドットコム、エクスペディアでサクサク。近くでオススメのトラットリアはトリップアドバイザーで見つけてくれる。つまり全部スマホひとつでオッケー。

個人旅行の環境は日進月歩良くなっています。せっかくイタリアに行くならどうか日本語のオブラートに包まれながら行く団体旅行ではなくダイレクトにイタリア文化に触れる個人旅行をオススメします。25倍楽しいはず。

さあこれを書いていたらAZ785成田ローマ便のボーディングタイムが近づきました。それでは行ってきます。
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いつものアリタリア。
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グーグル翻訳の画面。音声入力でこのクオリティ。ネットに繋がってなくても使えます。
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アマゾンキンドル 。私はリアル本派ですが、旅行にはこれです。とにかく軽いのが魅力。
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PROTREK 8000
8000mの登山でも使えるように作られています。チタンで軽いし電波時計で正確。視認性は良いし世界時計、高度計、コンパスも装備。クオーツなんか死んだよpうな機械というスイス機械時計派の意見もわかりますが8000mの寒冷地ではロイヤルオークもノーチラスも足元にも及びません。
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ピッティに行く取り引き先と偶然搭乗口で。

ランスの美術館にて。(2019/2/12)

旅はほんとに良いなあと思います。準備で異郷の地を想像しながら愉しめて、そしてその旅の当日どきどきしながらときめきを味わいます。そして帰ってから思い出を反芻して人生の滋味を味わう。そんな3つの喜びがあります。
いま春素材のオーダーで忙しい日を過ごしながら、1月の旅を思い出しています。1月、ピッティ・ウオモの帰りにひさしぶりのフランス、パリを訪れました。当店のショーウインドウの改装を予定しており、その参考にするためパリの中でもステキなお店の多い通り、リュー・ド・バックを選びそこで泊まっていました。そして一日はランスに小旅行にでかけました。
ランスは大聖堂とシャンパンで知られパリからTGVで50分たらずで着く交通の便のいい都市。1/20のブログでもシャンパンのカーヴに訪問したことは書きました。
ランスではランチのあと、お目当てのこの地にゆかりの藤田嗣治の絵がある街の中心にほどちかいランス美術館にでかけました。ここはシャンパンメーカー、ポメリーの経営者アンリ・ヴァニエから寄贈のコレクションを元に集められているそうです。
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ランス美術館
ヨーロッパならずともほとんどの美術館というのは地元にゆかりのある人の絵がならべてあります。絵自体は有名作家のものでないにしろ、絵にその地方の風や光の色を感じるものです。自分の知らない人の絵でも絵は十分楽しめます。
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水門のある運河の絵。とても気に入りました。ランス美術館
そんな絵を眺め楽しんでいたら、急に見慣れた絵がありびっくり。ダヴィッドのショッキングな描写で知られた「マラーの死」でした。フランス革命の指導者の死を描いたもので、でこの絵のことを知っていました。オリジナルはウイーンにあり、この絵はダビッドとダビッドの工房作というということです。
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マラーの死、 ランス美術館
とても驚いたことに、ちいさな子供がランス美術館の名画のなかで、おままごとのように構図のおけいこしていました。見ていて小さい子が絵を汚さないか、ちょっと心配してしまいました。でも写真禁止、携帯電話が鳴っただけで怖い顔をして美術館員が注意しに来る堅苦しい日本の美術館とは大違い。フランスは芸術の国、小さいうちから本物の芸術のなかで学べばさすがに絵画のセンスは育つはずですよね。
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名画に囲まれて構図のおべんきょう。いいなこういうの。
藤田嗣治の絵はたくさんあり、この美術館のハイライトです。日本国内で批判があつまり、嫌気がさしてフランスに来て、レオナールフジタとしてランスの地で一生をおえた。そんなフジタの展示をフランス人たちも興味深そうに見ていました。日本人としてちょっと誇らしげな気分にもなりました。
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フジタの遺品を興味深そうに見るフランスのひとたち。
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藤田嗣治 ランス美術館
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藤田嗣治自画像 ランス美術館
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