洋服屋、街を生きる。オーダーサロンタナカ店主blog

名古屋、錦3丁目のオーダースーツ、オーダージャケット、オーダーシャツのお店の店主です。名古屋のまんなかに生まれてずっとここ錦3丁目でくらしているオールドシティボーイです。オーダーメイドのこと、街の暮らしのなかで感じたことをつづっていきます。

ピッティウォモ報告2013夏

イタリアに行ったら美術館に行かなきゃ。(7/1)

ピッティイマジネウォモに出かけたのももう2週間前。今日は7月月初め。このまえ始まったばかりの2013年ですがもう後半に入りました。今朝は恒例の墓参である。自由が丘の我が家の墓地に母と行って先祖に今月の無事を祈って来た。

イタリアは景色もファッションもクルマも食べ物もいいが一番魅力的なのは美術、それも絵画だと思う。今回は中三日という短い旅だったので小旅行もできなかったしいつも時間を惜しんで行く美術館も行く事が出来ないかとおもっていた。
最後の日はミラノだったので昼食をとったあとドウオモ近くに買い物に出かけた。イタリアの商店はだいたい1時から4時まで休む場合がおおい。でもイタリア最大のデパートのリナシェンテ・ミラノ店ならずっと休まず営業している。 だからミラノで昼食の後はリナシェンテに行く場合が多いのでドウオモ近くに行く事にしたのだ。地下鉄黄線にのって中央駅から4つ目のドウオモに着いて地上に登るとミラノも暑い。日陰をさがしてガレリアの向かい側にある王宮近くを歩いていたら聞き慣れない美術館がありアンディウォーホールの企画展をやっていた。今回美術館に行く事ができなかったので迷わずそこにはいることにした。その名前はMUSEO DEL NOVECENTOといいミラノの20世紀の美術を展示するため2010年末に出来たばかりの美術館だった。螺旋状の階段を上り入って行くとデ・キリコやマリーノ・マリーニなど知っている作家から知らない作家まで現代絵画を楽しむ事ができた。最上階に行くと近年改修が完了して白亜の荘厳な聖堂としてよみがえったミラノのドウオモを最高の場所から見ることができる。エスカレータで階下におりるとお目当てのアンディウォーホールの企画展が開催していた。そんな大規模な量ではなかったが彼の有名なシルクスクリーンをいくつか見る事ができた。

これで今回も小さい美術館に行く事が出来た。今回は行かなかったがドウオモのすぐ近くにはアンブロジアーナ絵画館がある。ここはダビンチはあるしカラヴァッジョの有名な果物画があるのでミラノ旅行をすることがあったら最後の晩餐だけではなく行くと良いと思う。
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MUSEO 900の入り口
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螺旋階段をのぼると美術館が始まる。

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デ・キリコ

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ずっとこのかっこうではかわいそう。
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階上はガレリアを空調の効いた場所で眺められる。
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ドウオモをながめるには良い場所。
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アンディウォーホール展その一
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アンディウォーホール展その2
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有名なマリリンをバックにパチリ


おまけ ピッティウォモで合った美女達
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デジュガル名物 スパークリングワインを振る舞う娘達。イタリア男の人だかりでなかなか近づけません。
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イタリアの感じのいいおじょうさん
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健康的な美しさ。
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笑顔がすてきなお嬢さん
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タキシード系を着たお嬢さん
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タンクトップですね。
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ワオ!
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ワオ。その2
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暑いさなか、なにやらアートしているお嬢さん。

イタリアではずっと邪道な飲み物を飲んでいた。(6/29)

しかし今回のイタリアはほんと暑かった。昼は水分補給をしないと危険なのでこまめにペットボトルの水を買って飲んでいた。夜はフィレンツェで御幸毛織のスタッフとビステッカを喰った以外ずっとひとりで食事をしていた。ただひとりメシはキライじゃないので短い旅の間の楽しい時間。飲み物はガス入の水は必ず頼む。サンペルグリーノが有ると嬉しい。ワインは摂氏25度を越えると赤ワインがなんとなく飲みたくなくなり白ワインが欲しくなる。トラットリアでふとサンベルグリーノとカラフェで頼んだ白ワインを割って飲んでみた。おお、軽くさわやかなスパークリングのようにしゅわしゅわ泡を感じて旨いではないか!ノドが乾いてビールのようにぐびぐび飲めるのもいい。そんなちっちゃな発見をしてからイタリアにいる間じゅうずっと食事のときはこれを飲んでいた。もちろん本物のスパークリングよりは味わい薄いけど悪くない。割り方は白ワイン3にガスいりの水2の割合が良いということも発見。この飲み物なにか呼び方あるんだろうか?

住吉町JANCTIONの葛山さんにこの飲み物の名前はスプリッツアーだとおしえていただきました。(6/29)
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ミラノのアルトパッショでも
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フィレンツェ・トルナブオーニの名店、プロカッチでも。

ピッティウォモで見かけた「カノニコ」と「FIAT500」(6/28)

今回のピッティインマジネウォモではわたしどもでも取り扱いのある服地メーカーCANONICO(カノニコ)社が初出店していた。メイン会場近くに大きなパヴィリオンを設営し、カノニコ社服地で仕立てたスーツを着たバンドがロックンロールを演奏するという比較的ハデな展示だった。通常紳士服地メーカーのような素材製造業者はあまりピッティウォモには参加せずコモで行われるミラノウニカかパリで行われるプリミエールヴィジョンに出店する場合が多い。カノニコ社は良質な素材を比較的リーズナブルなプライスで提供するので有名なメーカーで、以前カノニコに働いていた方にどうしてカノニコ社がリーズナブルなプライスなのか理由を聞いた事がある。第一の理由はカノニコ社があまり多くの品質の種類をつくらないことで一種類当たりのロットを大きくしてでコストダウンしているということ。そしてカノニコ社はイタリア国内でなく輸出中心のビジネスをしている。けっして支払い状況のいいわけでないイタリアメーカーと比較して、銀行を通じての支払いが堅い輸出中心なのでは財務が堅調だということが第二の理由だそうだ。ピッティウォモのなかで大きなブースを出展するということは、ブランドイメージを高めるとともに今後イタリア国内マーケット、ヨーロッパマーケットを強化するつもりかなと思った。16年前、妻とはじめてエルメネジルドゼニアの工場を訪問した時案内してくれたブルーノランディ氏はゼニアからコロンボ社の代表になったと聞いたがカノニコのブースでお会いし、カノニコに移ったんだよとおっしゃっていた。
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メイン会場ヨコのカノニコノ大きなブース
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テーマはロックンロール。カノニコといえばわりとかっちりした柄のイメージだがそれから脱皮してすこしワイルドな感じをだそうとしているかもしれない。
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カノニコのスーツを着たバンドがロックンロールを演奏。
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ブース内の展示
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かってゼニア社でお世話になったブルーノランディさん

面白かったのはFIAT500を服地柄でラッピングする展示。イタリアでもこのクルマはおしゃれだと思われていてこれをクラシカルにエルメネジルドゼニア柄にコーティングするのはクラシック志向のピッティウォモならではの発想だと感心した。おしゃれなおじさまがご主人で楽しくお話しさせていただいた。
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うーん、いいなあこれ。
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これはエルメネジルドゼニアの柄なんだそうな。IMG_0915
ゼニアだぞうとの看板。なんか誇らしげ。
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ボディはグレンチェックにブルーのオーバープレイド、屋根はチョークストライプのフランネル調。
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意気投合したご主人とパチリ。 

ピッティの男達に見る「サイジング」について(6/26)

フィレンツェのこの時期は摂氏35度を軽く越える。猛暑の中のピッティインマジネウオモでは多くの人がパンツにシャツをうでまくりスタイルだったが、やはり洋服屋魂というかとにかくカッコいい服をきなけりゃという御連中のスタイルをウォッチングしていた。何を着ているかも重要だが「どんなサイズを着ているか」もとても重要だ。今のイタリアのサイジングを研究するのはオーダースーツ屋であるわたしの使命と考えている。

パンツについて
これは写真を見ると分ると思うが細いスタイルの流れがいまだ継続していて 裾巾19.5〜18.5だろう。これ以下だとストレッチ素材でないと無理なのでもう限界だと考えている。ほとんどノーブレイクともいえる短めの丈も変わらず継続している。これが靴がいちばんきれいに見えるわけなのでこの傾向はしばらく続くと考えている。美しいクラシックスタイルの実現にはスマートなパンツが必須だということだ。これにたいするアンチテーゼで太いパンツもそろそろ出てもいいかと思うが今はそれが主流になるほどの力はない。
ジャケットについて
ジャケットの丈は相変わらず短めだ。でもバストの設定は日本ほどアンダーサイズではない気がする。実際のバストに対して余裕を10cmくらいしかつけないアンダーサイズが現在スリムスタイルを好む日本の方に人気があるが、イタリアでは肩幅こそ少し小さめにするにしろバストの余裕はちゃんと12cm〜14cm入れていると感じている。ジャケットの写真をみるとあまりアンダーサイズを感じないことが分るはず。やはりサルト(ハンドメイドテーラー)文化があるのでサルトと相談して落としどころをその辺りにしているのではないか。またヨーロッパ人は日本人よりガタイがしっかりしているのでそのくらいないと可動域が確保できないかもしれない。ただダブルブレストジャケットについては余裕をつけるとかっこわるいのでアンダーサイズ気味になっている。

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麻とシルク混素材のチェックジャケット
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ピンクのストライプの麻ジャケット
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イタリアの伊達男ここにあり。
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ピンクのシアサッカージャケット
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前の写真の方とおなじだがブルーのシアサッカーのジャケット
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ブルーのなんの変哲も無いジャケットだがサイジングがいいとスタイル良く見える。

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おとうさん!この真夏に革ジャンはねーだろ@!@!
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シルク混かツヤのあるシルバーグレーのスーツを極めてクラシカルに着ている。
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サックスとデニムでグラデーションの組み合わせ。
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ジャケットはクラシカルにでもパンツはロールアップ。
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グレーに20mm巾のペンシルストライプ、ブルーのシャツに濃紺ソリッドタイ、チーフはリネンと優等生的コーディネイト。
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濃紺にワインレッドのウインドペンジャケット。赤バッグが素敵です!
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マッチョマン、Tシャツにジレってイーネ!
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有名なシモーネリーギさんお声をかけたら親切に道を教えていただいた上、お写真をとらせていただきました。チャコールの無地スーツ、グレー無地ネクタイ、ライトグレーのグラデーションがいいかんじ。この方のジャケットもそんなピチピチじゃなくクラシックにいいかんじのハンドメイドスーツです。

ピッティの男を見ながらクラシックを考える。その1(6/25)

地元名古屋にある良く通っている店に、たくさんのスタッフが働いている中ひとりミラノから来た青年がいる。彼を見かけるとイタリア語の練習も兼ねて声をかけるのだがいつも彼はぼくにいつもエレガントな服着てますねと褒めてくれる。洋服屋だからいい服を着るのはあたりまえなんだと答えるが、イタリアの街中でイタリア人と話すとたいていは服の話でもりあがるもの。それほど服について興味のある国民性なんだろう。日本人も京の着倒れという言葉も有るので衣服に対しての興味もあるのだろうがやはりイタリア人は服に特にクラシックな装いに興味や執着が強い気がする。クラシックな装いの条件4つとは
  1. 天然の純良な材料を使う。
  2. 伝統的な手法で仕立てる。
  3. 長く引き継がれたシェイプとディテールを選ぶ
  4. 季節にふさわしい素材を選ぶ。
ピッティインマジネウォモはメンズファッションの総合展示会でもありカジュアル、スポーツブランドも非常に多くブースを展開しているがベースになっているのはクラシックな装いの祭典だともいえる。ヨーロッパの人間にとってクラシックなスタイルが生活の基本であり、それをベースにしたうえでのカジュアルファッション、スポーツファッションとなる。カジュアルには突飛さも必要な要素だが、街で宇宙服を着るわけでもあるまいからクラシック、伝統的な装いをふまえその上でのアレンジ、反逆、改造、発想の転換、はずし、ひねりをくわえることが服装におけるイノベーションの一般的な流れとなっている。クラシックブランドがカジュアルを手がけたり、スポーツブランドがクラシックスーツをおもわせるコレクションを発表したりすることがピッティの現場では日常茶飯事的におこる事象。

上に長く引き継がれたシェイプ、ディテールと書いたが決してずっと同じではない。わたしが考えるところ5〜7年スパンでゆっくり地殻変動のように動いて行く。7年ほど前のピッティの写真をあらためて見るとやはり微妙な変化はまちがいなくある。ピッティで見かけたジャケット、スーツの男達のスタイルには2013年の旬のサイジングが表現されているはずだ。
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ピッティインマージネウォモの会場、バッソ要塞の入り口に近づくとこんな男達が多くなる。
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メイン会場前でいきなりエレガントな4人組
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 プリント柄のジャケット
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美しくも猛々しいジャケットスタイル。 
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テラコッタ色のジャケット、テラコッタはイタリア人好みの色。
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ハット、サングラス、短め丈のジャケット、そしてロールアップしたデニム
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シルク素材のジャケットに首には巻物。摂氏35度でこのスタイル。
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ピッティのジェリーガルシア、ジレの帝王か。
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洗いをかけたジャケットと迷彩のパンツ
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マンマに軽やかにキスする心やさしき若者。白パンツとロイヤルブルーのジャケットがすてき。
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靴はスタイルにとって最重要アイテム。スエードのモンクストラップで細いパンツをさらに引き立たせる。無難な合わせだがやはり達人だと思える。
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モスグリーンのスーツってなかなか無いがまったく違和感なく着こなす。ブルーのシャツがオールマイティなのがこの着こなしでもわかるはず。
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ジャケット、パンツともけっして細身ではないがパンツを短くして軽やかさを表現。 
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サックスジャケットを軽やかに着る方、サッシュベルトをしたどう考えてもプロの方。
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モールをあしらったジャケットにストライプパンツ。
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濃紺ジャケットにブルーシャツ、グレータイ、グレーパンツと極めて普通の着こなしだがパンツが細いとまとまる。
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細かいチェックのグレージャケット。ざっくり写真を撮ってもスキンヘッド系が何人か写る。でもかっこいい。
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炎天下にセーターを腕まくりして。
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ラテン、カンターレ!
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カンカン帽、シアサッカーのジャケットに白パン。ちゃんとジャケット丈は短め。
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プリントの半袖シャツをさらに腕まくり。ここが大事。
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