洋服屋、街を生きる。オーダーサロンタナカ店主blog

名古屋、錦3丁目のオーダースーツ、オーダージャケット、オーダーシャツのお店の店主です。名古屋のまんなかに生まれ、ずっとここで生活し六十年。オーダーメイドのこと、街の暮らしのなかで感じたことをつづっていきます。

やまのぼり

秋を探しに立山雄山(2019/10/9)

一度は涼しくなったのにいつまでも暑さが残り、秋が来ないから、こちらから迎えに行きました。天気予報が晴れだったから朝5時に自宅から車で高速をひた走り立山へ。ケーブルカー、バスを乗り継ぎ標高2300m室堂に着いたのは午前10時10分。今まで登ったのは7月だったから残雪のある景色。そして季節の深まった10月はもっと雪があると誤解していました。下の町には雲もありましたが雲海の上は雲一つない快晴。
目の前に広がる景色はベージュとグリーンと少し赤が混じるなんともまるでツイード秋の色。これで4度目の立山の主峰、雄山登山。この夏8時間以上苦しい行程の登山を3回こなしてきたから楽に一の越に着いて、雄山へのチャレンジももう苦ではない。日ごろ錦三丁目というゴミゴミして空気の悪い都会に住んでいるのでおやすみには爽やかな空気をあじわいたい。美味しい空気をいっぱい吸いながら南の方を見ると槍ヶ岳や穂高、八ヶ岳に加え富士山もくっきり見える。ここ立山は日本海に面した山。富士山は駿河湾、太平洋に面している。富士山が見えるということは日本列島、本州の幅を実感できるということ。うーむジオグラフィック!雄山頂上はもう摂氏5度を切ってすごい風。ウインドブレーカーのフードがありがたかったな。
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快晴の中出発!
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秋の色の中で
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槍が見える。富士も見える。
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雄山頂上から
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剱岳
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雄山三角点
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富山総曲輪のほそかわ
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富山総曲輪、東京亭の中華そば




ターフ&クライム(2019/9/12)

今週の定休日は久しぶりの連休。そして久しぶりのお天気。妻とアウトドアに出かけた。まず初日は長野県の高原でゴルフ。着いたのは最近お会いすることのない尊敬する先輩と何度かプレーした懐かしいコース。先輩とこんな話をしながらラウンドしたなあと懐かしくもセンチメンタルな気分になった。暑くなかったからつい1.5ラウンドして終了間際に雷雨。濡れた身体を暖めたのは近くの山あいの温泉旅館「華菱」。家庭的な囲炉裏料理でほっこりしました。
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高原のフェアウェイ脇には小川が流れている。

温泉に入ってゆっくりしながら次の日の予定は朝起きて決める。くもりの予報のはずが快晴で、駒ヶ岳に登ることに。バスとロープウェイを乗り継いでそれから1時間急坂を登れば山頂周辺区域である乗越浄土。とはいえ登山用の靴を履き、雨の用意と緊急食糧を持った上登山計画書を提出。なんちゃって登山ではあるが登山は登山である。なれているので汗もかかず乗越浄土に着くと3000m近い標高なので空気は澄みきっている。いつもここから主峰駒ヶ岳の頂上を目指すが今日は主峰と反対側の尾根道を選んでみた。左が木曽谷、そして右は切り立った千畳敷カールの尾根道を歩くと猿の群れにであう。そうですここはもともと人間ではなく猿やくまや鹿や鳥、野生生物の住む場所。サルの家族が人を恐れもせず木の実などを食べる姿が可愛く、ずっとここが彼らの土地であることを祈る。足も快調で伊那前岳までほどなく到着。そこで喰う握り飯の上手いことったら。まさかこれがセブンで買ったものとは自分でも信じられない。
そこから千畳敷カールを眺めると雄蜂宝剣岳の西のむこうにロープウェイ駅までの小道が伸びている。行ったことのない道だから行ってみようと、通る人に尋ねると宝剣岳を越えなければいけないけど一般道だからなんとかいけるよとのこと。
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乗り越え浄土から伊那前岳までの尾根道。尾根道を歩くのは登山の醍醐味でもある。
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まさにこのあたりは猿の惑星である。
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伊那前岳から宝剣岳を望む。
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この素晴らしい空と伊那の町
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千畳敷カールの左には赤いロープウェイ駅までの小道が伸びるのが見える。
そうだここに行こうと決める。

年前宝剣岳に登る際、妻が怖がっていたいたので心配したが思い切って宝剣岳へ。岩に記された丸印を頼りに宝剣岳を登るとあっけないほどかんたんに着いてしまった。そして前回はビビって岩の上に立てなかった妻も余裕で立ち上がっている。それじゃあ先に進もうと空木岳の方向に岩を下る。間隔が狭く丸印がついていると思ったら想像以上の難所。頻繁に鎖場があったり、丸印がないと思ったら巨石をくぐった先にあったり。すごい景色なので写真を撮ろうとすると妻が立ち止まると恐怖心が湧くので止まらないでと懇願する。だんだんガスも湧いてくると同時にほんとうに着けるのか不安が頭をもたげる。目の前の岩山はほぼ垂直に向かっていてそこに鎖が垂れている。ここをほんとに登るのか自信がだんだん不安に変わっていく。でも登山はアドベンチャーではなく安全を考えて登山道が整備されていると信じ、前に向かって岩を越えていくと向こうのなだらかな尾根に人の姿が見えてきた。岩山を越えるとそこはウソのようになだらかな尾根道。しばらく行くと千畳敷カールをロープウェイ乗り場に降りる道の分岐点に出た。
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今日は登山上級者向けの宝剣岳でも余裕のよっちゃん。
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うぉお。ここからが厳しい。厳しすぎるので画像はこれしか撮れなかった。
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だんだんガスって来た。
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なんとかロープウェイへの分岐点に着いたときはほっとしました。

ああこれで帰れると思ったと同時にずっと仰ぎ見ていた千畳敷カールを端から端までずっと歩いた達成感で幸せな気分になりました。でも山というのはまだ私の理解の先にある。宝剣岳のような恐ろしい岩場があればなだらかな尾根道、そして主峰駒ケ岳も穏やかな丘のようでもある。地形の面白さを歩いて改めて知った。
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本日の行程。

飛騨はドローミティにも似て(2019/8/8)

西穂山歩きのあとは奥飛騨温泉郷のひとつ中尾温泉で泊まる。ネットで見つけたペンションだが夕食も美味しくお風呂も掛け流温泉なかなか快適。そして気になるお値段もリーズナブル。
朝早起きして付近を散歩して気がついた。6月に行ったイタリアのドローミティ、コルティナダンベッツオに似てることを。朝食はお庭で。至福の休日。
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ペンションはまるでコルティナ。 穂のみ亭
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外での朝食 穂のみ亭

欲張りな私たちは今日も焼岳に向けて山歩き。中尾温泉が焼岳の登山口になっている。
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焼岳登山口
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登山路から見える滝
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登山道にある神社
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飛騨側の美峰に心奪われる。
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焼岳だ!
午前8:15出発、人の往来のほとんどない樹林帯をひたすら、ひたすらそしてひたすら登る。上の方が明るくなって、おっ峠に出たと思うと幻影。そんな幻影を5度ほど見てかかった時間は3時間半。中尾峠という飛騨と信濃の間に差し掛かると目の前に活火山焼岳の威容が視界いっぱいに広がる。ドローミティのトファーナ山にも似ている。
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焼岳の偉大な姿
下には上高地、そしてすぐ向こうに昨日登った西穂山荘から西穂高連峰が見える。峠を吹き抜ける風の爽やかさは足を棒にして登った人にしかわからない。焼岳すそ野の樹林帯まで登ったが峻険なガレ場を目にして登頂する気が失せた。やはり登山用ヘルメットなしでは焼岳登頂は無理。あと焼岳北岳頂上400m手前で断念。そのかわり焼岳手前の中尾峠展望台で昼食を取ることに。その付近の石に座ろうとしたらなんかあったかい。近くに穴二つ発見。そこから硫黄臭のする熱い水蒸気が吹き上がる。水蒸気爆発した御岳を思うと焼岳は軽い気持ちで登ってはいけないことを再確認。
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ふと座った横から熱い水蒸気吹き出す。焼岳おそるべし。
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穂高連峰が望め、そして上高地も眼下に
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昨日登った場所を望む。昨日はロープウェイという禁じ手を使ったので今日は登山口から。
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山はいいなあと思う。
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焼岳小屋に立ち寄り下山
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焼岳小屋から巨石越しに焼岳。いつか登ろう。

どっぴょう越えて(2019/8/7)

今朝早起きして西穂高を目指す。新穂高ロープウェイ鍋平高原駅についたのは午前8時。午前8時半にはまず西穂山荘目指し森林帯を登る。先々週天狗岳で苦労したのでこのルートは快調に1時間で到着。
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西穂山荘。ここの飯はウマイ。
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天気がよく槍もくっきり

ガソリン(生ビール)を二人で一杯いただき丸山経由して西穂独標を目指す。気持ちのいい晴天の中丸山からガレ場も越して西穂独標には午前11時過ぎに着く。
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これを登れば独標
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余裕のよっちゃん

初心者は西穂独標で登山は終わり。まず7割の人はここで引き返す。さて妻は登山に向いているらしく頂上で余裕のよっちゃんである。それなら日本の山岳でも上級者コース、西穂高岳頂上も目指すのもアリかなと思い始める。岩の殿堂穂高連峰でも天気のいい日に岩についた白いマークを伝って行くなら行けますよと頂上で会った登山者に言われ、おっちょこちょいに独標を越えることにする。独標から岩を伝って一歩一歩降りていく。降りたところは左は飛騨、右は信州の細い尾根。それから小さな峰を超えると上に10と書いてある。これは第十峰ということらしい。ワクワク感で疲れも忘れる。
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左は飛騨、右は信州の薄っぺらい尾根道
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このピラミッドピークを目指すが。
独標を越え第十峰そして第十一峰に差し掛かるころ、まず登山者が途切れ周りに誰もいなくなった。そして雲がまじかに近づいてガスってきた。
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人もいなくなった。
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ガスが近ずいてきた。

お盆を過ぎるとすぐ秋冬のオーダーも始まる。昨日ロロピアーナから素材がガッツリ届いた。ここで無理をすると多くのお客様に迷惑がかかる。ピラミッドピークまではあと10分くらいで登れると思ったがここで我々は勇気ある撤退を選んだ。帰り道、雷鳴が轟き、森林帯の下山道では雨模様に。選択は正しかったことを知る。残念だがまたここにはいつか戻ろう。いつの日か西穂高の頂に。
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いつかきっと登りますよ。
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憧れの西穂
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カッコいい山だと思う。西穂高。

ピッティの後は山登り。その3(2019/6/25)

ラガッツオーイの山歩きは楽しく終わった。ホテルに帰っても疲れもなくちょっと気持ちが高ぶっていたかもしれない。サンドイッチをつまみながらレモンジュース入りビールを飲み直し次の日のことを考える。明日は午後3時半のヴェネチアメストレ行きのバスでコルティナ・ダンペッツォを発つ予定となっている。それまでどこか歩くことができないか可能性を考えてみた。幸い、雨の予報がだんだんいい方向に変わりつつあることをウェブで知った。ジャコモくんが感じ良かったので同じガイド会社に頼んでみようと住所をたよりにオフィスに行ってみた。午後4時40分に着いたら午後5時からの営業と看板に書いてあったので外のベンチでぼーっと待つことに。5時になっても誰も来なくてご縁がなかったかなあと思った10分後、シニョーラがひとり車に乗ってやってきた。事情を話すとなんとか明日空いているガイドを手配してみると何人かに電話してマウロくんが見つかった。明日も歩くことができるとハッピーな気分にひたる。その夜、行ったトラットリアではじめは誰もいなかったが一皿目あたりでヨーロッパの自転車野郎が30人くらいどかどかと入っきてビールを飲み始め、つぎのパスタがでるまで一時間半かかったことはコルチナの空気の綺麗さに免じて忘れることにしよう。ちなみにこのあたりはマウンテンバイクのメッカでもあるそうだ。
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コルチナの街で見かけた忠犬
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レモンジュース入りビールとサンドイッチ

夜半に雨がぱらついたものの、次の朝は雲の間から青空がみえる。山の朝食の旨さをあじわい、ホテル前で細身長身の若者ガイド、マウロくんに会う。

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マウロくん
彼の小さいクルマ、スペイン製のイビザに乗り、今日の目的地ファーネの滝まで走る。20分ほどで駐車場に着き、森林の中を歩き始める。のどかな森林の中を歩いているとマウロくんが三つ葉のクローバーのような草をみつけ、口に運びこれはサラダにするんだといっていた。アチェトザリ?と呼んでいた。試しに食べてみたら爽やかな酸味があり、オリーブオイルと塩でいただくきっと美味しいだろう。日本でしらべたらどうやらカタバミらしい。マウロくんと話していたら、この周辺は渓谷つづきで耕作地はほとんど無いそうだ。そうなると林業、牧畜業になるはず。ただ自然の恵みも豊富でマウロくんのおばあちゃんはカタツムリもアーリオ・オーリオで上手に料理するらしい。道に鹿が歩いていると思ったら、それは首にカウベルをつけた牛だった。このあたりでは一家に数頭牛を飼っているそうで、それを放し飼いにしているようだった。夜になると集めに来て家に帰るのかな?そんな暮らしも街で暮らす我々には想像もつかない。森林の間から昨日とはちがった岩山が見える。森を空気を味わいながら歩きましょう。そんなことを言っていた。マウロくんにドロミティ山塊の有名なトレチーメ(3つの頂き)について聞いてみた。トレチーメに行く道は今は雪で閉ざされているしそしてそこにはたくさんの登山客、観光客がいて騒がしいと言っていた。一度ピサの斜塔に行ったことがあるがその有名な美しいと言われる広場には世界中からバスできた観光客ぎっしりで辟易したのを覚えている。
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ファーネの滝の案内板
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鹿だと思ったら
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牛でした。
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ここは牛が主人公
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キツツキの空けた穴
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アチェトザリ?カタバミ?
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こんな道を登る
この名も知らない森ではそんなことはない。シニョール田中、もっとゆっくり歩こう、マウロくんは詩人のようにそういった。誰も通らない、動物や植物が主人公の静寂の中をゆっくり歩くのもこれもまた贅沢な時間だと感じる。昨日の失敗を糧にして今日は水もばっちり携帯した。でもここには湧き水がある。飲んだ分を湧き水で補給しながら1時間半ほど歩いただろうか、森から急に谷が見えるところに出て谷の向こう側に滝が見えてきた。そこがファーネの滝。雪解けの季節だから流量も豊富で雄大。険しく落ちる滝をよくみるとそこからなんと人がでてくる。滝の中に歩ける道があるようだ。マウロくんにあそこに行けないかと聞いてみたらやはり軽装備では無理でヘルメット、ハーネスも必要だとのこと。
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ファーネの滝
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深い谷に落ちる雪解け水
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滝はくぐることもできるようだ。
時間に余裕があったので川の向こう側を歩いて行くことにする。途中、昨日トラットリアで隣り合わせた英国のジェントルマンとすれ違う。彼もパスタの出るのを待たされたひとり。しばらく登るとPONTEALTO と書いた木の橋を渡る。ずっと下に川があるのが見え深い谷だということがわかる。さっき滝を眺めた場所が望める。ここは何万年前もこんな状態だったのだろう。売店もない、自動販売機もないが自然は最高に豊か。こんなイタリアの過ごし方をしたのははじめて。
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PONTE ALTO 高橋
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谷は深い
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豊かな時間を過ごす
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U字谷は氷河が削ってできた谷
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トラットリアであった英国から来たジェントルマン
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コルチナの街に戻る。
コルチナの街に戻りドイツからビールを直送しているパブでランチをとって、帰途についた。
ミラノに着いたのは午後9時。この旅最後の夕食をガレッリア近くのトラットリアでいただいた。
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ミラノにて
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ミラノにて
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ガレリア近くのここでいただきました。
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ミラノ夜11時
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ordersalon

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