image


前回までのあらすじ



どういうわけか、犬の姿になってしまった末原恭子(犬原)は愛宕家で飼われることとなった……!

くそっ!うらやましい……!











2日目
 


洋榎「よっしゃメゲル! さんぽいくで!」


犬原(はい! 主将!)キャンキャン!






4日目



絹恵「ほーらメゲルー。いっしょにお風呂はいろなー」


犬原(はーい、絹ちゃん)デヘヘヘー






6日目
 


雅枝「んー? メゲル、ここが気持ちええんかー?」ナデナデ


犬原(おほぅ……雅枝さんかなりのテクニシャンや……)ビビクーン!









犬原(あ、アカーン! あまりにも愛宕家の居心地が良すぎて犬なったまま一週間もたってもうた!)ワオーン!


犬原(ええ加減、もとにもどる方法探さんと……とはいえどうすれば……)

 



絹恵「ほな学校行ってくるなメゲルー。ええこにしてるんやでー?」ナデナデ


犬原(おほー! 絹ちゃんスカート短すぎて丸見えやー! アカンやろー!)ハッハッハッ♡
 


犬原(……って、興奮しとる場合ちゃう!)


犬原(そ、そや! 学校や!)


犬原(学校ならうちのこと知っとる人たくさんおるし、そもそもうちが突然いなくなって騒ぎになっとるんやないやろか……)


犬原(いずれにせよ行ってみる価値はある! そうと決まったら出撃や!)





こうして愛宕家を脱走したうちは姫松高校にやってきた。

この犬の小さな身体では家の窓から飛び出したり塀を乗り越えるのにやたらと苦労した。






洋榎「それでなー、メゲルがホンマにかわええねん」


由子「洋榎ちゃん最近メゲルの話ばかりなのよー」


絹恵「でもホンマにかわええんですよ。ちっちゃくて」


漫「へー、いいなー。今度見に行ってええですか?」

 



犬原(なんとか部室にたどり着いたで……つまみ出されないように忍んで来たから疲れたわ……)

 


由子「! 部室に犬が入ってきてるのよー」


漫「え? あ、ホンマですね」
 


犬原(うわ! バレてもうた!)
 


洋榎「おぉ!? メゲルやんか! なんでこないなとこに」


絹恵「うちらの匂い辿ってきたんやろか」


洋榎「ひゃー、かしこいなーメゲルー」ナデナデ



犬原(そらもとは人間やからな……)



洋榎「みんな見てみい! これがうちのメゲルやで。かわええやろー」


由子「ホントかわいいのよー。抱かせてー」ヒョイ
 
 

犬原(うわわ、ゆーこ……)
 


由子「大人しくてええこやねー」モフモフ
 


犬原(……犬の鼻やとよくわかるけど、ゆーこてむっちゃええ匂いやー……)
 


漫「かわいー! うちにも抱かせてくださいー」ヒョイギュー



犬原(ぐえぇー!? す、漫ちゃん!強く抱きすぎや!く、くるし……)
 


?「こらこら漫ちゃん。強く抱きすぎやで。苦しがっとるやん」
 


犬原(そうやで……強すぎや……って、ん? この声は? どっかで聞いたことあるような……?)
 


漫「あ! す、すんません。末原先輩」
 


犬原(いや、わかればええんや……え? 末原先輩……?)
 


末原(?)「それがうわさのメゲルかいな。言うほどうちに似てませんやん」



犬原(ええー!? うちの身体、ふつうに学校に登校しとる! しかも喋っとる!?)
 


洋榎「んなこったないやろ。恭子にそっくりやで。な? 絹?」


絹恵「そうですよ。ちっちゃくてかわいいとことかそっくりですよ」


末原(?)「……ま、まあ絹ちゃんにそう言われるのは悪い気せえへんな」テレ


洋榎「なにニヤけとんねん。やらしいで恭子」




犬原(いやいやいやいや! なにふつうに主将達と仲良く話しとんねん!)


犬原(それはうちの身体やで! 返さんかい!)キャンキャン!

 


洋榎「ほら、恭子も触ってみ。かわええで」


末原(?)「そうですか? それじゃあ……」
 


犬原(気安く触んなや! このニセモノが!)ガブ!



洋榎「あっ!」


末原(?)「痛っ!」


絹恵「だ、大丈夫ですか末原先輩!?」


洋榎「こらメゲル! 恭子になんてことすんねん!」
 


犬原(だ、だって主将……そいつはニセモノで……)クゥーン
 


洋榎「すまん恭子……大丈夫か?」


末原(?)「ええ、大丈夫ですよ主将」


洋榎「うわっ、血が出とるやん……うちのハンカチ使いや……」


末原(?)「でも主将のハンカチが汚れてまう」


洋榎「そんなんええわ。ホンマごめんな……」


末原(?)「ええですってばこのくらい」



犬原(洋榎……)








〜その夜、洋榎の部屋〜




洋榎「今日は怒ってごめんなメゲル……」
 


犬原(……)クゥーン
 


洋榎「でも恭子に噛み付いたりしたらアカンで」
 


洋榎「確かにあいつは目つき悪いし無愛想やし、ぱっと見怪しいかもしれへんけど……」
 


犬原(な、なんやとぉ〜……?)
 


洋榎「でも頭もええし強くて優しいうちの大事な相棒なんや」
 


犬原(え……)
 


洋榎「やから優しゅうしたってや」
 


犬原(洋榎……)
 


洋榎「さ、ほんじゃ今日はもう寝よか。今日は学校まで来て疲れたやろ?」
 

洋榎「おやすみー」



犬原(おやすみ……)
 


洋榎「……あ、そうや。メゲル」



犬原(……?)
 


洋榎「お前も大事なうちの相棒やで、ええな?」
 


犬原(……はい!)ワウ
 


洋榎「へへ。おやすみ」







〜1時間後〜
 


洋榎「ZZZ……」


犬原(……洋榎がうちのことそんなふうに思うてくれてたやなんて……)


犬原(でも洋榎がうちやと思ってるのは本物のうちやない……)


犬原(でも昼間見る限りはあのニセモノのうちは本物のうちとまったく変わらんみたいや……)


犬原(あれじゃ洋榎もまったく気づかんやろな……)


犬原(もしかして、うち一生このまんまなんやろか……)





洋榎「うぅ〜ん……メゲル……むにゃむにゃ……」



犬原(……)


犬原(……それでも……ええかもしれへんな…… )


犬原(洋榎は犬になったうちのこともずっと大事にしてくれそやし……)


犬原(このメゲルの身体のまま……ずっと洋榎のそばにいるのも幸せかもしれへん……)


犬原(洋榎の相棒として……ずっとそばに……)ムニャ……

 


?「おや、そんなことでいいんですか末原さん」
 


犬原(!? だ、だれや!)
 


?「弱気になって、イージーな方向に考えてしまうなんてらしくないですね」



犬原(あなたは……戒能プロ!?)
 


戒能「イエス。グッドイブニングです末原さん」






つづく