2007年01月15日

怪鳥。。。

あ、あれれれ。
水栽培のヒヤシンスが咲いている。早いんじゃないか?
うつぼのように飛び出た葉が十分に伸びきらないままに、そのセンターから力強く、細いトウモロコシのような花心がこじあけてでてきた。花がほころび始めた。そうだ、そういや、ピンクだった。
部屋にゆっくりと、ヒヤシンスの匂いが広がりだした。地中海にオリジンを持つ超ネイチャー芳香剤。
でもさー、早ぇぇんじゃねーか? ヒヤシンス咲くのって。
驚きました。もっと先だと思っていた。開花時期は3月から5月だろ?
暖冬がゆえ。



驚いたといえば、、、



ワンチョペがFC東京に入ったなんてっ!
ブラッボーー!
http://fifaworldcup.yahoo.com/06/jp/w/player/154799_WANCHOPE%20Paulo.html
コスタリカ人の鳥人フォワード。
味の素スタジアムにゲームを見に行こう。
ますます平山くんの出番は減るが、ワンチョペをナマで見れるならいいかな。
長い手足と人間離れしたジャンプ力で怪鳥のように芝の上を舞うところは必見だ。


怪鳥といえば、、、


フェラーリF1ニューマシン発表!
http://image.blog.livedoor.jp/mkz/imgs/1/9/1979f146.jpg
全身真っ赤で燃える火の鳥みたい。奇声嬌声をあげてサーキットをぶっ飛ぶことでしょう。
飲むと即全裸のかっとびアイスマン、キミ・ライコネンと、
感情表現が子供のままなファイアーブラジリアン、フェリペ・マッサの激走に期待。
そういや映画「ブラックダリア」の刑事コンビもアイス&ファイアーだったが。
眺めているだけでドーパミンがダバダバでそうなレッドマシンだ。


ドーパミンといえば、、、


快感を感じるときに、脳内に出る快楽物質(神経伝達物質)。
こいつがA-10神経を活性化させて「喜び」や「気持ちよさ」を引き起こす。
これで思い出すのが、
大学のときに『快楽の海に浮かぶ島』というタイトルの台本を書いて、芝居を起こそうとしたこと。
タイムマシンみたいな装置に乗ったら、脳内にワープして、すったもんだが起こるという『ミクロの決死圏』のパクリみたいなホンだった。脳みそを島になぞらえた冒険奇譚だったんだ。体内に巻き込まれた探検隊は、島の女王に頼まれて、エイズウイルスを退治しにいくというストーリーだった。
結果、台本は未完で、先行して始まった練習中に、俺は大学のガラス戸を蹴破るけがをして、
救急車で運ばれて即オペ、即入院(笑)。公演は空中分解(あのときのみんな、ごめんね)。
このときのことをちょっと書くと、
後ろ回し蹴りみたいなフリをしたときに、空間把握がなってなくてさー、
「資本主義!」というセリフとともに、針金入りのガラス戸をスポ〜ンと見事に蹴ってしまった。
そしたら、ものすごく角度とスピードがよかったせいか、
右足は、ほぼ足裏の形に穴を開けてガラスを突き破り、太股のウラがざっくりと切れた。
は? はて。
俺は校舎の外にいて、俺の右足は校舎の中に入っている。
そのあいだにガラスの断面があるのだった。
あれ?
脚はとにかくビリビリとしびれていて、びっくりした俺を仲間が引っ張り出してくれて、
先輩役者のカジちゃんが「見るなよっ、いいか、絶対に見るなっ!」と活を入れるように大声で俺に怒鳴った。
傷口がぱっくり割れてグチャグチャしていて、自らその部分を目撃したら失神すると思ったらしい。
後輩役者の大井だったか山田だったか誰かが救急車を呼びに電話しに行ってくれて、
血が流れ出そうとしていたので、反射的にTシャツを脱いで、太股の付け根を縛った。
すごく暑い夏の日で、救急車が来るまでボーっと座っていた。
セミがさっきまで鳴いていたのに、いまは黙っているような気がした。
ポトッと俺の脂肪だかなにか灰色のかたまりがもものウラから地面に落ちた。
アリンコがざぁーっと寄ってきた。「あー、俺の肉を食おうとしてる、やめろ」と思った。
痛みは感じなかったが、とにかくビリビリにしびれていた。
救急車に乗ったら、段をガコンと超えるたびに、ジャリジャリッと痛くて、うめいた。
小さな病院についたら、盲腸の手術をする小学生の手術の時間で、その子は前夜から食事を抜いて、
陰毛の剃毛も終わって台の上に乗っていたのに、どいてもらった。
事情説明は、誰かがやってくれて、俺が最初に医者に言われたことは、
「えらい汚い患者だなぁ」だった。
芝居の練習で地面を転げ回っていたので、俺は汗だくだし泥だらけだった。
「太股にしばったTシャツを取らないと、右足の血が止まっているぞ」
パニックだったか、鬼のような力で結んでいたのだ。看護婦さんがTシャツをハサミで切ったのだが、
ハサミの刃が、Tシャツと皮膚のあいだになかなか入ろうとしなかった。
点滴をさされ、ストレッチャーに乗せられて手術室に入る時、両サイドに芝居のメンバーの顔がずらりと並んでいて、映画みたいだなぁと思った。みんな心配そうな顔だ。
オペ室に入ると、全身麻酔。「横向きで卵の形に丸くなって」と言われるやいなや、
骨盤と背骨のつながる場所あたりに激痛。脊髄注射の痛み。
そのまま、うつぶせでオペが始まった。
「おい、掃除機!」と医者がいう。「きれいだなぁ〜、ガラスの破片でキラキラしてるよ」。
掃除機のブイーンという音がして、傷口あたりがなでられていく。
そのあと、太股のなかに医者の指が入っていじられている妙な感覚がしていたが、
だんだんとそれが遠ざかっていき、麻酔のせいで眠ってしまった。
手術が終わって、オペ室で目が覚めると、
「よく眠っていたね〜。こんなにいびきが五月蝿い手術は初めてだったよ」と執刀医が緊張緩和トーク。
たしかに、夜は台本書き、昼間は練習であんまり眠っていなかった。
「神経は切れていなかったから、だいじょうぶだよ」
皮膚が切れて、脂肪が切れて、筋膜が切れて、筋肉が少し切れていた。手術は4時間だったらしい。
でも、俺は「えーっと、それで、……なんだっけ?」って感じだった。
ブドウ糖点滴のチューブをゆらゆらと揺らしながらストレッチャーがオペ室を出て行くと、
また映画のシーンだった。
順番に、仲間の顔が左右から覗き込む。ヤツらは4時間もどうすごしていたんだろう。
その晩は、大井が泊まり込んでくれて、尿瓶で尿を取ってくれた。ありがと。
次の日にオカンが来た。
盲腸の手術をするはずだった少年のところに謝りと感謝を告げに行った。
2日くらい高熱が続いて、しんどかった。
隣のベッドは、ヘソの下に人工肛門をつけたお爺さんだった。おへその横からポコッと小さな茶色いウンコが顔を出しているのを見た時はビックリした。
つきあっていた彼女はよく見舞いに来てくれた。一度、寝込んでいる俺の手を取って、自分の太股の下に敷いて、なにも言わずジーッと泣いていた時があった。
カジちゃんがやってきて、「芝居はどうするんだ?」と言った。
「おまえが入院中に台本をあげるなら、公演はやる」
でも、俺には書く気力が沸いてこなかった。『快楽の海に浮かぶ島』は頓挫した。自分にがっかりした。そのときに考えられる最強役者メンツが集まっていたのに。俺は、書くことから逃げた。弱かった。
2週間ばかし入院して、ヒゲが山羊のように伸びて、インターンで病院に来ている医大の女学生とよくおしゃべりして、松葉杖の使い方がうまくなって、白い壁を見飽きて、病院を抜け出して煙草を吹かしながら近所の駅で電車を見たりしながら過ごして、そして医者に「まだ早いよ」と言われながら退院した。
タクシーで原宿の家まで仲間たちと帰ったら、コクピットサイズの4畳半の部屋はオカンが掃除したのか、恐ろしいほど清潔で整頓されていた。
「とりあえず、乾杯」なんてやっていたら、階下の大家さんがやってきて、「昨日、旦那が亡くなったのに、、、こんなときくらい閑かにしてちょうだい」と涙目で怒られた。
そこから、どう復活して、どうやってまた走れるようになったかは覚えていない。
松葉杖ですごく早く移動できるようになったのと、右足が曲げられないので、大便のときに苦労したことは覚えている。脚が1mくらいのただの棒なので、便所の対角線を使わないと、個室に収まらない。ドアが閉まらない。
あ、そういや、ギプスにいろいろと落書きされた。幸いなことにオマンコマークを書くヤツはいなかったけど、書かれたい放題だった。病院で石膏ギプスを割る時に、看護婦さんに笑われた。
卵の殻が割れて出てきた数ヶ月ぶりの俺の右足は、青白くて細くて臭くて、ヒゲぼうぼうだった。
ちょっと触ると、消しゴムかすみたいに、垢がなめくじか蛭のように涌いて出た。
だから俺はいまでも右足が1センチほど短い。それは嘘(笑)。
けれど、太股のウラに線路のように、40針のあとがついているのはホント。チャックで開け閉めできて、かゆい時にはかける。
そのケガ以来、初めて舞台に立ったときは、ものすごい感慨があったはずだが、、、まるで覚えていない。
そして、書きかけのドーパミン戯曲はもう手元にない。


けがといえば、、、、


あの時は、救急車に乗る側だったけど、一度、乗せる側になったこともある。
大学の黄緑色の公衆電話から119のナンバーを押した。
ことの顛末は、、、
学祭の夜だった。俺らの芝居の集まりは、昼は芝居の上演2本、映画の上映2本という公演形式で、大教室に舞台を作って、「呼び込み」と称して客を拉致してぶち込んでいた。
精鋭たちで「呼び込み部隊」が結成される。
「呼び込み」は、丹念な打ち合わせと、完璧な人員配置およびフォーメーションで行われる。
テキトーなしゃべりが得意な俺と、顔面がジャニーズの超男前セクシー・セイジさんが前戦(校門付近)で女子ふたり組をキャッチする。どこに何を見に行こうかという意志薄弱な学祭客(とくに女子客)を引っ張って、階段下へ、そこで、セカンドラインのメンバーにパスして、半ば強引に5階の小屋まで連れて行く。拉致。
俺とセイジさんはセカンドラインに確保した身柄をパスした瞬間にまた前戦に戻る。こうすると効率がよい。
小屋本部から指令が「あと10人」とか伝達されて、前戦は燃えて励むわけだ。
そんなこんなで、客席が満杯になったら、オーケー。学祭の公演は見物料ただだから、いいじゃん。客をおもしろがらせるわけだし。
キャストは、舞台メイクを済ませてから「呼び込み」に出ることもあったし、途中で順番でメイクに行くこともあった。
セイジさんってのが、これが俺に輪を掛けたインチキガイで、芝居が終わって客出しに並ぶ時に、女子客から「よかったですぅ〜」と感謝感激の握手攻めだったり、次の日にその客が友達と花束をつれてもう一度、セイジさんを見に来たり、くっそ、おのれら中身を知らんから、そーなるんじゃー、といつも心の内で叫んで悔しがったものだ。ま、彼が俺らの芝居の集まりのエースだったというわけ。おまけに舎長だった。
彼がなぜインチキかというと、性格破綻系というか、とにかく自分が勝つとしか思っていない(いや、これは自体は、最高にすばらしい才能だ)人でパワーそこしれず。酒は底抜けに飲むし、あれやろうこれやろうと無茶なアイデアを出しては突っ走り、自分がまったく理解できないことや、失敗にでくわしたときには、ジャニスマイルでいつもニコニコしている、その無敵な微笑みに女はバタバタと倒れ、男は舌打ちしつつも、「さすがだ」と唸り、周りはなしくずしに騙されてしまうという塩梅。趣味・特技は野球。ふだんはメガネをかけていて、メガネをはずすと美少年みたいな少女漫画王子様フェイス。それを自分でよーく知っているから、おもしろいやらインチキやらで。
で、学祭の夜だ。
ブルーハーツや泉谷しげるや大江慎也や学生呼び屋が引っ張ってきたライブを見たり、映研のオールナイト上映会なんかに顔を出したあとは、そのまま大学に泊まって、料理&酒盛りだ。
いまは時効だが(←使い古された言い方)、「泥棒部隊」というのもあって、
キャベツ発見、とか、ビール発見、とか、そば玉ゲットとかやっていた。どこのサークルも学生も学祭の夜は、いろいろ持ち込んで騒いでいたんだな。俺らは照明設備を吊り込んで音響設備を持ち込んでいるもんだから、ガンガンキラキラ、フィーバートランス状態なのだった。
ゲロッゲロに酔っぱらって、踊り狂って、舞台の上で相撲トーナメントをやったり(一度、舞台セットを壊して、徹夜で修復したときもあった)、「なんでもあり!」と絶叫しながら、スパゲティのなかにメガネをくべたり、煙草20本同時吸いに挑戦やったり、ゲッラゲラ笑いながら、狂乱の夜を送っていた。
こうなると、人間は三手に分かれる。
ひとつは、あきれて、喧噪から出て、屋上にいって☆を見ながら語りを入れちゃう方向に行くヤツ。
もうひとつは、面白そうなことをやっている塊に顔を寄せてつるみ、面白さのお裾分けをもらうヤツ。
みっつめは、たったひとりで、ハイになって、端から見たら何やってるのかまるで不明だが、本人はドーパミンでまくって勝手にのぼりつめているヤツ。
セイジさんは三番目の人種だった。
「ウホー!」
「たのしーっ!」
「たのしーやろ? たのしーやろ?」
とひとり絶叫しながら、ビール瓶片手に、飛び跳ねているのだった。インキチガイだ。
「おー、セイジジジイキテルなー、わはははははぁ〜」
なんていってるうちに、机の上を大またぎでピョンピョンと飛び始めた。
因幡の白ウサギみたいな感じだ。大教室に舞台を作っているので、客席は、机と椅子がある。
30分くらいひとりで絶叫、絶唱しながらひとりでドーパミンでまくりながらピョンピョンやっていたのだろうか。もう誰も気にしない。
ドカン、と音がして、セイジが落ちた。ビールやスパゲッティでコーティングされた机の上で足を滑らせた。
セイジは床で止まった。仰向けで寝た。



つーと床に血の水路が出来ていく。出所は頭から。
キャーと女の叫びがあがって、「セイジさん、セイジさん」と呼びかけるが、反応がまるでない。
やばい。
「死んじゃった! 死んじゃった! ぎゃははははー」
と大歓声で、踊りが始まっちゃったりしてるのだが、これやばいよ。
ってんで、俺は5階から階段を一気に駆け下りて、公衆電話に辿り着いたというわけだ。
そのあと、大通りに出て煙草を一本つけてノロノロと坂を下ってくる救急車を誘導し、
上りのエレベータのなかで救急隊員に手短に事情を説明し、セイジさんは救急車の人となった。
カジちゃんと、前リーダーのカネやんと、俺と、もうひとり誰だっけ?が同乗した。
セイジさんは生体反応はあるのだが、動かない。ピーポーピーポーの音を車内から聞くのは、嫌なもんだ。
病院について、彼だった物体を4人で抱えて処置室に入る。
「頭から入れて! 足から入れるのは死体だけっ!」と救急隊員が叫んだ。
バタンと扉が閉じられると、俺ら4人は真っ暗な廊下に取り残された。こんなに静かなのかってくらい静か。
「煙草くれる?」
とカジチャンがいって、みんなベンチに腰を下ろすけど、別に話すこともない。カチッカチッとライターの音がして、4つのあかりがオレンジに灯る。シーーン。
そのとき
ウ”ギャオォアワガッッッッッッッァア〜!!
という、どんな巨鳥が啼いてんねんという聞いたこともない奇声が轟いた。
扉が開いて、「すぐみんな入ってっ」と呼ばれる。
入ると「手足を押さえるんだっ!」
瀕死の巨鳥がものすごい力でバタバタと暴れていた。4人で手足4本を押さえるんだが、なんだこの怪力は。おまえはヘラクレスかゴリアテかという巨力で自由を求める物体セイジ。
「患部が見えない」と医師がポツリ。
「麻酔が効かないんだよ、なんでだ?」
なんでだ?とかいうな、医者が。
流れた血で髪の毛がゴワゴワになり、そこを掻き分けて注射針を刺そうとしているのだが、
セイジが暴れて刺せない。針先がどこかにチクっと触れるたびに、グワグワグワっと動く。
「このままじゃ、針が折れる、危険だ」
そこで
「タイム、ターイム!」と大声。声の主は怪鳥だ。
ヤツの暴れの動きをよくよく見てみると、手で「T」の字を作ろうと暴れているのだった。
「ピッチャー交替っ!」
 は?
「ピッチャー交替っっっ!」
「いや、北別府、まだ投げられるでぇ〜」
「うぎょごあぁ〜!」
全部、怪鳥が叫んでいる。意識なく、死に体になった存在で、こいつは野球をやっとるのかっ!
それも、監督になりきって交替と告げながら、ヤジまで自分で投げている。独り何役?
「と、と、とにかく鎮静剤!」
医者が叫ぶ。
看護婦が腕に針をぶちこむと、やがて静かになった。まるで野生動物の捕り物の場面だ。
「君らは外で待っていて」
俺ら4人はまた廊下に放り出される。
「生きてたな」
「生きてた」
「野球?」
笑いがこみあげてくるんだけど、同時に、頭を打っておかしくなってしまったんじゃないかという絶大な不安もこみあげる。だって、セイジさん、一本切れたらそうなっても不思議じゃない。容易に想像がつく。
30分だか、いくらかして、看護婦が呼ぶ。
医者の白衣ってこんなに白かったっけ?と思う。彼のデスクの前にはレントゲン写真が並んでいる。おっとろしい感じで、セイジさんの頭部の。
「彼は……」
「彼は?」
身を乗り出す俺たち。
「頭蓋骨が薄いですね、一般人より。珍しい」
………。なんじゃそれ?
俺ら4人はもうがまんできなくて思わず笑う。なんか、やっぱりなというムードを共有する。
なんかへんだと思ってたんだよ。全然、文脈的につながるものではないが、腑に落ちる。
診断結果はよく覚えていない。覚えているのは「大丈夫でしょう」のひとこと。
極度のアルコール摂取と、打撲のショックによる意識混濁。外傷は、とくに深くなく、1cmほどの裂傷。
ようは、床にKOパンチを食らったボクサーのようになっているらしい。翌日、脳が腫れる可能性あり。
吐き気が止まらなかったら危ない。今夜は絶対安静。ただし……、病院には空きベッドがないから、連れて帰れという。
車いすに全体重を委ねてぐったりなったセイジさんが隣室から現れる。怖い。等身大藤井人形みたいだ。
捕獲された巨鳥の死骸のようだ。
頭はグルグル巻きの包帯にネットがかぶせてあって、できの悪い手編みの毛糸帽をかぶっているみたいだ。
この物体はそうとう劣悪に酒臭いのにふと気が付く。
たぶん、俺もほかの3人も酒臭い。
そのまま、ガラガラと車いすを押して、学校に戻る。11月の深夜の風は寒い。
小屋に戻ると、
「お葬式! お葬式!」と騒いでる。なんて夜だ。
みんなに報告する。
「セイジさん、生きてます」
「ゥオオオオオオーー! イェウェエエエエ! パチパチパチ」
「セイジさん、頭蓋骨が一般人より、薄いです」
「ゥオオオオオオーー! イェウェエエエエ! パチパチパチ」
この男は、ほんとに花があるんだな。スーパースターだ。
小屋の隅にホームレスの寝床のようなものを作って、そこに横たわらせる。
誰かがどこから取ってきたのか、巨人の野球帽をかぶせた。余計に怖い姿になった。
なんでこんなゴミみたいなところで、ゴミみたいに寝てるんだ、この人。
それでその夜は終わり。
そのあとどうなったのかも詳しく覚えていない。翌日どうだったかも覚えていない。
ただ、しばらく、セイジさんはずっと巨人の帽子をかぶっていた。
「なーんにも覚えてない。俺、どうなった? どうなった?」
という彼に、顛末を説明したら、「俺、タイムかけてた? 北別府? がははははは」と笑って、
「やっぱ、俺すごいわ。すごいパワーやね」と言っていた。

彼とはこののち、仲代達也率いるプロ劇団「無名塾」の入塾試験を受けに行く。
俺は落ちて、彼はたった3人受かったうちのひとりだった。

だが、それを蹴って、いまはサラリーマンをしている。
職場ではファンに囲まれてまるでハーレムのようなんだそうだ。



以上、怪鳥連想話。






インド古典パーカッション 超絶のリズム


↑超絶にかっこいいお囃子。人体が発するパルスに同調する。
タブラの音は鳥の羽ばたきの音にも聞こえてくる。
そんでもって、これをビルラズウェルがいじくると↓こうなる。

Live in San Francisco at Stern Grove


でかい音で聞くと、チョーーートランス状態になれます。タブラン・ベース。
いいな、お囃子ミュージック。
叩いているのはどちらもインドの超人タブラニスト、ザキール・フセイン。



あ、仕事の電話だ。
ロサンゼルスキングスのゴーリー、福藤の記事を明日まで。なるほど。
NHL史上初の日本人出場選手。出場は昨日。





oreten1 at 18:57│Comments(0)TrackBack(0)

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