2023年12月07日
サイアーラインで辿るタマツバキ記念史
「サイアーラインで辿る世界大レース史」シリーズ第四十弾はアラブ競馬代表としてタマツバキ記念。アラブと言いますが日本競馬の場合はサラブレッドとの混血であるアングロアラブを指すことがほとんどで、サラブレッドに比べて従順で頑強と言われており、少ない馬資源で開催を回す必要のある地方競馬で特に重宝され、一時はサラブレッドをしのぐ生産頭数を誇っていました。その一方でスピードではサラブレッドに劣り、競馬人気の上昇に反比例するようにスピード感に欠けるアラブ競馬の人気は低迷し、ついには競走用にアラブが生産されることはなくなりました。実際には宮内庁などで今でも乗用馬向けに年間数頭ほど生産されてはいますが、この先アラブが公式な競馬の場に姿を現すことはないと思われるので、ここにそのアラブの歩んだ歴史を記しておくことにします。
タマツバキ記念はセイユウ記念とともに1995年にJRAでアラブ競馬が廃止されるまで開催されていた数少ないアラブ系重賞のひとつで、1980年までは春秋年2回、それ以降は年1回行われており、またJRA廃止後も地方各地持ち回りで既存重賞に冠される形で2007年まで行われていました。今回は1970年からの春秋時代を含むJRAでの勝ち馬、および地方に移行されて廃止されるまでの勝ち馬をすべてまとめてみました。サラブレッドとしてはとうの昔に途絶えた父系から勝ち馬が出ていたり、サラブレッドではありえない純血アラブを祖とする系統が生き残っていたりと、これはこれでなかなか興味深いですね。
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タマツバキ記念はセイユウ記念とともに1995年にJRAでアラブ競馬が廃止されるまで開催されていた数少ないアラブ系重賞のひとつで、1980年までは春秋年2回、それ以降は年1回行われており、またJRA廃止後も地方各地持ち回りで既存重賞に冠される形で2007年まで行われていました。今回は1970年からの春秋時代を含むJRAでの勝ち馬、および地方に移行されて廃止されるまでの勝ち馬をすべてまとめてみました。サラブレッドとしてはとうの昔に途絶えた父系から勝ち馬が出ていたり、サラブレッドではありえない純血アラブを祖とする系統が生き残っていたりと、これはこれでなかなか興味深いですね。
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2023年12月06日
シーロ - 輸入名馬列伝
仏米でGI3勝をあげるも後に種牡馬としてロシアに輸出
輸入名馬列伝シリーズ第百十一弾は*シーロ。2歳GI仏グランクリテリウム、仏ダービーに向けた重要な1戦だったリュパン賞、そして米国のセクレタリアトSとフランス・アメリカでGIを3勝した活躍馬でした。父は日本でも大人気だった Woodman で、*ティンバーカントリーや*ヘクタープロテクターに続く後継種牡馬として輸入されましたが、仏グランクリテリウムは繰り上がり優勝、本番の仏ダービーは完敗、セクレタリアトSも米国では一段下がる芝GIとどちらかというと地味な存在で、7年間の供用で100頭足らずの産駒しか残すことができず、ロシアに種牡馬として再輸出されていきました。それでも一応は浦和記念のブルーラッドなどを出している分、ほかの大失敗種牡馬よりは幾分マシでしょうか。気になるロシアでの成績ですが、一応は複数のGI馬を出しているようで、ひとまず輸出は成功と言えるでしょう。
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輸入名馬列伝シリーズ第百十一弾は*シーロ。2歳GI仏グランクリテリウム、仏ダービーに向けた重要な1戦だったリュパン賞、そして米国のセクレタリアトSとフランス・アメリカでGIを3勝した活躍馬でした。父は日本でも大人気だった Woodman で、*ティンバーカントリーや*ヘクタープロテクターに続く後継種牡馬として輸入されましたが、仏グランクリテリウムは繰り上がり優勝、本番の仏ダービーは完敗、セクレタリアトSも米国では一段下がる芝GIとどちらかというと地味な存在で、7年間の供用で100頭足らずの産駒しか残すことができず、ロシアに種牡馬として再輸出されていきました。それでも一応は浦和記念のブルーラッドなどを出している分、ほかの大失敗種牡馬よりは幾分マシでしょうか。気になるロシアでの成績ですが、一応は複数のGI馬を出しているようで、ひとまず輸出は成功と言えるでしょう。
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2023年12月05日
キャプテンスティーヴ - 輸入名馬列伝
ドバイワールドCなどダートGI4勝をあげた北米の活躍馬
輸入名馬列伝シリーズ第百十弾は*キャプテンスティーヴ。2歳時にはハリウッドフューチュリティを制し、3歳時はクラシックでは善戦止まりもスワップスSで Tiznow を下し、古馬になってからはドバイワールドCで世界の頂点に輝くなど、まさに当時の北米を代表する名馬の1頭といって差し支えない同馬でしたが、父系がすでに斜陽にあったダマスカス系で、さらに種牡馬として冴えなかった Fly So Free の仔という点が敬遠されたのか、引退後はすぐに日本で種牡馬入りすることに成功しました。ただ種牡馬としては何頭かのオープン勝ち馬を出した程度で、大失敗とは言えないまでも期待に応えることはできず、最後は九州の地で生涯を終えました。とはいえ10年以上に渡って供用されただけあって繁殖入りした牝馬はそれなりにおり、ここから父の名をさらに広めるような産駒を出すことができるでしょうか。
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輸入名馬列伝シリーズ第百十弾は*キャプテンスティーヴ。2歳時にはハリウッドフューチュリティを制し、3歳時はクラシックでは善戦止まりもスワップスSで Tiznow を下し、古馬になってからはドバイワールドCで世界の頂点に輝くなど、まさに当時の北米を代表する名馬の1頭といって差し支えない同馬でしたが、父系がすでに斜陽にあったダマスカス系で、さらに種牡馬として冴えなかった Fly So Free の仔という点が敬遠されたのか、引退後はすぐに日本で種牡馬入りすることに成功しました。ただ種牡馬としては何頭かのオープン勝ち馬を出した程度で、大失敗とは言えないまでも期待に応えることはできず、最後は九州の地で生涯を終えました。とはいえ10年以上に渡って供用されただけあって繁殖入りした牝馬はそれなりにおり、ここから父の名をさらに広めるような産駒を出すことができるでしょうか。
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2023年12月04日
サイアーラインで辿るステイヤーズステークス史
「サイアーラインで辿る世界大レース史」シリーズ第三十九弾は先日行われたばかりのステイヤーズステークス。日本が誇る最長距離の平地競走ですね。同じく長距離にカテゴライズされる菊花賞や天皇賞(春)は王道路線の中に完全に組み込まれており、ステイヤーのためのレースというよりはどちらかというと中距離をメインとする路線の中でスタミナ寄りに位置するレースというイメージで、まず第一にスピードがなければ勝ち負けは難しくなっています。その点ステイヤーズSはそうしたGI級の馬が出走することはめったになく、その名の通り真のステイヤー決定戦であるといえそうです。さほど入れ替わりが激しくないカテゴリであるためか連覇する馬や同一種牡馬が連続して勝ち馬を出すことも珍しくはなく、トウカイトリックが10歳で制し平地重賞最高齢記録を更新したのもこのレースでした。なお、かつてはこのステイヤーズステークスをも上回る4000mの「日本最長距離ステークス」という特別競走もありましたが、出走馬が集まらずわずか8年で廃止されました。今回はついでにこのレースの勝ち馬もまとめておきます。
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2023年12月03日
週刊種牡馬ニュース 11/27 - 12/3
チャンピオンズCは1番人気*レモンポップがまんまと逃げ切り、フェブラリーS、南部杯に続き国内ダートGI3連勝を達成しました。フェブラリーSの時点ではマイルがやや長いのではないかと心配もされた同馬でしたが、ドバイゴールデンシャヒーンの惨敗といい、逆にマイル以上に適性のあるタイプでしたか。ドバイワールドCでの快挙から今年のJRA最優秀ダート馬はウシュバテソーロで決まりかと思っていましたが、このパフォーマンスを見せられると最優秀ダート馬はこちら、ウシュバは特別賞というところに収まるでしょうか。この先の種牡馬入りも含めて、無事に現役生活を終えてほしいと思います。ステイヤーズSではオルフェーヴル産駒のアイアンバローズが人気薄ながら逃げ切り、重賞初勝利をあげました。とにかくこのレースとオルフェーヴル産駒との相性が抜群で、この4年で3勝、出走機会連対率100%。ここに産駒が出てきたらどれだけ人気がなくても買いの一手ですね。
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2023年12月02日
タバスコキャット - 輸入名馬列伝
米クラシック二冠を制した Storm Cat 直仔
輸入名馬列伝シリーズ第百九弾は*タバスコキャット。ケンタッキーダービーこそ6着でしたが、プリークネスSとベルモントSの二冠を制し、暮れにはBCクラシックでも2着に入った強豪でした。日本に輸入されたストームキャット系種牡馬の中でもかなりの実績馬でしたが、日本では3世代の産駒を残しただけで早世してしまい、これといった産駒を出すことはできませんでした。そもそもかつてのストームキャット系のイメージが「率こそ悪くないが大物産駒に欠ける」というもので、この*タバスコキャットの種牡馬成績もそうしたイメージ形成に一役買っていたと思われますが、それが今や母系に入って数々の名馬を送り出し、日本競馬になくてはならない血統になるとは思いませんでしたね。
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輸入名馬列伝シリーズ第百九弾は*タバスコキャット。ケンタッキーダービーこそ6着でしたが、プリークネスSとベルモントSの二冠を制し、暮れにはBCクラシックでも2着に入った強豪でした。日本に輸入されたストームキャット系種牡馬の中でもかなりの実績馬でしたが、日本では3世代の産駒を残しただけで早世してしまい、これといった産駒を出すことはできませんでした。そもそもかつてのストームキャット系のイメージが「率こそ悪くないが大物産駒に欠ける」というもので、この*タバスコキャットの種牡馬成績もそうしたイメージ形成に一役買っていたと思われますが、それが今や母系に入って数々の名馬を送り出し、日本競馬になくてはならない血統になるとは思いませんでしたね。
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2023年12月01日
2024年度新種牡馬リスト・海外編
海外で来年度産駒がデビューする新種牡馬についてもまとめておきたいと思います。紹介する基準はアメリカ、イギリス、アイルランド、フランス、ドイツ、オーストラリア、アルゼンチンの各国で初年度に100頭以上(オーストラリアは150頭以上)の種付けを行った種牡馬と、競走馬時代にGIを勝った新種牡馬、および日本馬関連で海外で種牡馬入りした新種牡馬をピックアップしました。
米国での目玉は Into Mischief 産駒で、ケンタッキーダービーやBCクラシックを制し年度代表馬にも選ばれた Authentic でしょうか。リーディングをひた走るも超大物産駒には恵まれていなかった Into Mischief の正統後継ともいえる存在で、初年度から200頭を大きく超える牝馬を集めました。欧州では競走馬としての格はなんだかんだで凱旋門賞などGI3勝をあげた Sottsass ということになるでしょうか。2000m以上がメインの馬なので今の欧州ではそこまで高い評価を受けているわけではなさそうですが、つい先日日本で全弟の*シンエンペラーが重賞を制していますし、産駒も多く日本に輸入されていますから、初年度から存在感を見せてくれるかもしれませんね。
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米国での目玉は Into Mischief 産駒で、ケンタッキーダービーやBCクラシックを制し年度代表馬にも選ばれた Authentic でしょうか。リーディングをひた走るも超大物産駒には恵まれていなかった Into Mischief の正統後継ともいえる存在で、初年度から200頭を大きく超える牝馬を集めました。欧州では競走馬としての格はなんだかんだで凱旋門賞などGI3勝をあげた Sottsass ということになるでしょうか。2000m以上がメインの馬なので今の欧州ではそこまで高い評価を受けているわけではなさそうですが、つい先日日本で全弟の*シンエンペラーが重賞を制していますし、産駒も多く日本に輸入されていますから、初年度から存在感を見せてくれるかもしれませんね。
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2023年11月30日
2024年度新種牡馬リスト
毎年恒例の来年度の新種牡馬リストです。来年の2歳世代が初産駒となる種牡馬は全部で37頭で、これはここ数年では平均的な頭数ということになります。初年度の種付け数が200頭を超えた種牡馬が3頭もおり、これは2017年の新種牡馬であるロードカナロア・オルフェーヴル・エイシンフラッシュ以来7年ぶりですね。この年最多種付けとなったのはルヴァンスレーヴで、ダートを主戦場にしていた内国産馬が新種牡馬として種付け数のトップに輝くのは21世紀以降では初、1980年代には地方出身のホスピタリティが最多だった例がありますが、これも後に中央入りしてからの実績が評価されてのものだと思われますし、純粋な内国産ダート馬としては今年が史上初といってもいいのではないでしょうか。それだけダート馬に対する評価も変わってきているということでしょうね。
種付け数上位にはほかにゴールドドリームや*モズアスコット、*ミスターメロディなどダート馬や短距離馬が名を連ねる一方、日本のメインストリームであるクラシック、あるいは芝王道路線での超大物種牡馬は多くなく、ホープフルSや皐月賞を制したサートゥルナーリアが200頭の牝馬を集めたのが目立つ程度で、菊花賞、天皇賞(春)2勝と長距離GI3勝をあげたフィエールマンや香港でGI2勝をあげたウインブライトらは100頭程の牝馬を集めるのが精一杯でした。海外勢でも Frankel の全弟で芝中距離GIを3勝した*ノーブルミッションこそいますが、あとはアーカンソーダービーの*ナダル、BCジュヴェナイルターフスプリントの*フォーウィールドライブ、種付け時にトラブルのあった*シスキンというラインナップで、海外GI馬が6頭もいた昨年と比べると若干見劣りするでしょうか。
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種付け数上位にはほかにゴールドドリームや*モズアスコット、*ミスターメロディなどダート馬や短距離馬が名を連ねる一方、日本のメインストリームであるクラシック、あるいは芝王道路線での超大物種牡馬は多くなく、ホープフルSや皐月賞を制したサートゥルナーリアが200頭の牝馬を集めたのが目立つ程度で、菊花賞、天皇賞(春)2勝と長距離GI3勝をあげたフィエールマンや香港でGI2勝をあげたウインブライトらは100頭程の牝馬を集めるのが精一杯でした。海外勢でも Frankel の全弟で芝中距離GIを3勝した*ノーブルミッションこそいますが、あとはアーカンソーダービーの*ナダル、BCジュヴェナイルターフスプリントの*フォーウィールドライブ、種付け時にトラブルのあった*シスキンというラインナップで、海外GI馬が6頭もいた昨年と比べると若干見劣りするでしょうか。
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2023年11月29日
ハンセル - 輸入名馬列伝
プリークネスS、ベルモントSの米クラシック二冠馬
輸入名馬列伝シリーズ第百八弾は*ハンセル。プリークネスS、ベルモントSの米クラシック二冠を達成した活躍馬で、日本でもおなじみの Woodman 産駒らしい早熟性とパワー、スピードを兼ね備えた馬でした。Woodman といえばこれまでも*ヘクタープロテクターや*ティンバーカントリーらが種牡馬として輸入され、それなりに結果を残していましたが、3歳時の成績に限って言えばこちらのほうが上であり、*ハンセルにも相当な期待が寄せられたことは想像に難くありません。しかしふたを開けてみれば全く持って産駒が走らず、わずか6シーズンの供用で再輸出されていきました。*ヘクタープロテクターにしても*ティンバーカントリーにしても現役時に2歳GI勝ちがあり、きょうだいから複数のGI馬が出ている超良血馬ということで、全体的に見ればそのあたりにポテンシャルの差があったということになるでしょうか。
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輸入名馬列伝シリーズ第百八弾は*ハンセル。プリークネスS、ベルモントSの米クラシック二冠を達成した活躍馬で、日本でもおなじみの Woodman 産駒らしい早熟性とパワー、スピードを兼ね備えた馬でした。Woodman といえばこれまでも*ヘクタープロテクターや*ティンバーカントリーらが種牡馬として輸入され、それなりに結果を残していましたが、3歳時の成績に限って言えばこちらのほうが上であり、*ハンセルにも相当な期待が寄せられたことは想像に難くありません。しかしふたを開けてみれば全く持って産駒が走らず、わずか6シーズンの供用で再輸出されていきました。*ヘクタープロテクターにしても*ティンバーカントリーにしても現役時に2歳GI勝ちがあり、きょうだいから複数のGI馬が出ている超良血馬ということで、全体的に見ればそのあたりにポテンシャルの差があったということになるでしょうか。
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2023年11月28日
サイアーラインで辿るミラノ大賞史
「サイアーラインで辿る世界大レース史」シリーズ第三十八弾はリクエストのあったミラノ大賞。伊ダービーと並び、130年以上の歴史を誇るイタリアの由緒あるレースで、イタリアの長距離王者決定戦として多くの名馬がしのぎを削ったレースになりますが、イタリアの競馬国としての地位低下によって2016年にはGIIに、さらに今年からはGIIIにまで格下げされてしまっており、距離も2000mに短縮されたということでもはやGI馬どころか英愛仏独のGIIIクラスの馬たちが集うレースに成り下がってしまいました。かつては*ファルブラヴ、Lando 、*トニービン、さらに古くは*ソルティンゴといった日本に縁のある馬たちが制していましたが、もはやこのレースを勝った馬が日本の地を踏むことなどないのでしょうね。さらにそれ以前には Nearco や Ribot といった後に種牡馬としても超一流の成績を残す名馬たちが制しているレースでもありますが、これはこのレースが種牡馬選定競走として優秀であったというよりは、イタリアの名伯楽フェデリコ・テシオ氏がいかに偉大であったかということを示しているに過ぎないと言えるでしょうか。
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2023年11月27日
ドリームウェル - 輸入名馬列伝
仏愛ダービーを制したサドラーズウェルズ産駒
輸入名馬列伝シリーズ第百七弾は*ドリームウェル。仏ダービーと愛ダービーを連勝した活躍馬で、この年の欧州年度代表馬にも輝きました。父 Sadler's Wells 、母父 Alleged ということで今にして考えればあまりに重い配合なのですが、ちょうど*オペラハウス産駒のテイエムオペラオーがクラシックで活躍しており、ここがサドラーズウェルズ系種牡馬導入のタイミングとばかりに社台スタリオンステーションにて種牡馬入りしました。ただ結果はご存知の通りで、芝の平均勝利距離が何と2300m、1割台の勝ち馬率、代表産駒が7歳にして日経新春杯とダイヤモンドSを制したアドマイヤモナークという絵にかいたような遅咲きステイヤー血統でした。とはいえそこは社台、初年度産駒の出来だけでそれを見切ってわずか供用4年で再輸出するあたりはさすがで、そのスタミナが欧州の障害用種牡馬として花開き、今年も産駒が障害GIを制すなど大活躍しています。
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輸入名馬列伝シリーズ第百七弾は*ドリームウェル。仏ダービーと愛ダービーを連勝した活躍馬で、この年の欧州年度代表馬にも輝きました。父 Sadler's Wells 、母父 Alleged ということで今にして考えればあまりに重い配合なのですが、ちょうど*オペラハウス産駒のテイエムオペラオーがクラシックで活躍しており、ここがサドラーズウェルズ系種牡馬導入のタイミングとばかりに社台スタリオンステーションにて種牡馬入りしました。ただ結果はご存知の通りで、芝の平均勝利距離が何と2300m、1割台の勝ち馬率、代表産駒が7歳にして日経新春杯とダイヤモンドSを制したアドマイヤモナークという絵にかいたような遅咲きステイヤー血統でした。とはいえそこは社台、初年度産駒の出来だけでそれを見切ってわずか供用4年で再輸出するあたりはさすがで、そのスタミナが欧州の障害用種牡馬として花開き、今年も産駒が障害GIを制すなど大活躍しています。
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2023年11月26日
週刊種牡馬ニュース 11/20 - 11/26
ジャパンCはイクイノックスが圧倒的な走りを見せ、怒涛のGI6連勝を達成しました。さすがに王道3連戦はないだろうとここでラストランかと思っていましたが、あのパフォーマンスでもあまり馬体に負荷がかかっていないように見える大楽勝で、状態次第では有馬記念に向かうプランもありそうな気がしてきました。ただ、おそらくほぼ確実に手に入れられるであろう5億円及び古馬三冠ボーナスとわずかに残る故障の可能性を天秤にかけた場合、その先に控える種牡馬としての価値を考えると果たして釣り合うかどうか。今回の勝利で改めて世界にもその存在をアピールできたことですし、最後まで慎重に判断してほしいところですね。京都2歳Sは Sottsass 全弟*シンエンペラーが抜け出し、重賞初勝利をあげました。もちろん藤田オーナーはこの馬でクラシックを取るつもりで購入したと思いますが、この馬に欧州に挑戦してもらい、早く日本人を凱旋門賞の呪縛から解き放ってほしいとも思います。
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2023年11月25日
コロニアルアッフェアー - 輸入名馬列伝
ベルモントSなど米GI3勝をあげたリボー系の名馬
輸入名馬列伝シリーズ第百六弾は*コロニアルアッフェアー。女性騎手であるクローンJを背に初めてのクラシック勝利となるベルモントSを制したほか、ほかにホイットニーH、ジョッキークラブゴールドCと中距離GI3勝をあげた活躍馬でしたが、馬産地としてはマイナーなヴァージニア州の生産で、もともとデビュー時から12ハロンのベルモントS一本に照準を合わせていたというスタミナタイプ、さらに惨敗も多いタイプで種牡馬としては人気が出ず、日本に輸入されました。しかし日本でもあまり牝馬を集めることができず、すぐにアルゼンチンへと再輸出されていきました。ただこの直後に*タップダンスシチーがジャパンCや宝塚記念を制し、その後英チャンピオンSなどを制した*デビッドジュニアも導入されるなど、日本でにわかにリボー系ブームが起こりましたが、そろいもそろって種牡馬として大コケするとは誰が予想…できましたね。
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輸入名馬列伝シリーズ第百六弾は*コロニアルアッフェアー。女性騎手であるクローンJを背に初めてのクラシック勝利となるベルモントSを制したほか、ほかにホイットニーH、ジョッキークラブゴールドCと中距離GI3勝をあげた活躍馬でしたが、馬産地としてはマイナーなヴァージニア州の生産で、もともとデビュー時から12ハロンのベルモントS一本に照準を合わせていたというスタミナタイプ、さらに惨敗も多いタイプで種牡馬としては人気が出ず、日本に輸入されました。しかし日本でもあまり牝馬を集めることができず、すぐにアルゼンチンへと再輸出されていきました。ただこの直後に*タップダンスシチーがジャパンCや宝塚記念を制し、その後英チャンピオンSなどを制した*デビッドジュニアも導入されるなど、日本でにわかにリボー系ブームが起こりましたが、そろいもそろって種牡馬として大コケするとは誰が予想…できましたね。
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2023年11月23日
サイアーラインで辿るザワウィカップ史
「サイアーラインで辿る世界大レース史」シリーズ第三十七弾はちょっとマイナーなところで北欧代表としてザワウィカップ。スウェーデンはイェゲスロー競馬場で行われるこのレースは欧州としては非常に珍しくダート1200mでの実施となっていますが、なぜこのレースをチョイスしたかというと、北欧も馬産が行われているとはいえ非常に規模が小さく、近くに優秀な馬産地があるために芝の大レースは欧州の二軍たちの草刈り場になりがちです。その中でダート短距離であるこのレースは欧州ではほかにまず見かけない条件だけに比較的独自性が保たれており、なかなか面白いラインナップだったので紹介しました。もちろん欧州馬も勝っているのですが、それだけではなくブラジルやチリ、アルゼンチンといった南米出身馬も幅を利かせていて、非常に興味深いですね。日本から輸入された*エイシンダンカーク産駒や、欧州で生まれたフジキセキ産駒なんかも勝っていて、いろんな意味で国際色豊かなレースですね。
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2023年11月22日
ハウスバスター - 輸入名馬列伝
2年連続米チャンピオンスプリンターに選ばれた快速馬
輸入名馬列伝シリーズ第百五弾は*ハウスバスター。BCスプリントを勝つことはできませんでしたが、ジェロームH、カーターH、ヴォスバーグSとGI3勝を含む8ハロン以下の重賞11勝をあげる快速っぷりを見せ、2年連続で北米チャンピオンスプリンターに選出されました。そのまま米国で種牡馬入りしましたが、マル外*ミッドナイトベットが京都記念や金鯱賞などに加え、香港国際Cを制して海外重賞勝ち馬になったほか、持込馬のリザーブユアハートが函館3歳Sを勝つ活躍を見せたため、12歳のときに日本に輸入されました。日本ではさほど人気が出ず、さらに海外に残してきた産駒から活躍馬が出たこともあってわずか3シーズンの種付けで再輸出されましたが、その中から関東オークスのテンセイフジ、橘S2着のサンキンバスターなどが出たことを考えると、腰を据えて種牡馬生活を送っていればもっと多くの活躍馬を出していたポテンシャルはあったと思われます。
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輸入名馬列伝シリーズ第百五弾は*ハウスバスター。BCスプリントを勝つことはできませんでしたが、ジェロームH、カーターH、ヴォスバーグSとGI3勝を含む8ハロン以下の重賞11勝をあげる快速っぷりを見せ、2年連続で北米チャンピオンスプリンターに選出されました。そのまま米国で種牡馬入りしましたが、マル外*ミッドナイトベットが京都記念や金鯱賞などに加え、香港国際Cを制して海外重賞勝ち馬になったほか、持込馬のリザーブユアハートが函館3歳Sを勝つ活躍を見せたため、12歳のときに日本に輸入されました。日本ではさほど人気が出ず、さらに海外に残してきた産駒から活躍馬が出たこともあってわずか3シーズンの種付けで再輸出されましたが、その中から関東オークスのテンセイフジ、橘S2着のサンキンバスターなどが出たことを考えると、腰を据えて種牡馬生活を送っていればもっと多くの活躍馬を出していたポテンシャルはあったと思われます。
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