2020年07月07日

ハリーオン系 - サイアーラインで辿る日本競馬

続いてはハリーオン系。マンノウォー系と並んで現代にマッチェム系の血を伝える系統ですが、どちらかというと長距離を得意とする血統だったということもあり、今では絶滅の危機に瀕しています。日本にも多くの種牡馬が導入されましたが、成功と呼べるのはマル外*ヤサカくらいのものでしょうか。ただ、歴史的にかなり重要な繁殖牝馬がこの系統から誕生していて、サクラユタカオーやサクラスターオーの母方祖先となったスターハイネス、サンシャイン牧場の礎を築いた*ソーダストリーム、「華麗なる一族」の牝祖*マイリーなどがこの系統の出身となっています。

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2020年07月06日

マッチェム系 - サイアーラインで辿る日本競馬

それではここからマッチェム系に移りたいと思います。まずは現代にマッチェム系の流れを伝えるマンノウォーとハリーオン以前の系統をまとめました。この系統では何といっても*チャペルブラムプトンでしょう。帝室御賞典の勝ち馬だけで計17頭送り出しており、リーディングサイアーにも輝いた名種牡馬でした。父系を発展させることはありませんでしたが、今でも母系でホエールキャプチャを送り出すなど日高地区の最高レベルの競走馬の血統表中にその名を残すことに成功しています。

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2020年07月05日

週刊種牡馬ニュース 6/29 - 7/5

ラブカンプーには驚きましたね。かつて3歳牝馬ながらスプリンターズSで2着に入り、将来を嘱望されていましたが、それ以降全く走らなくなったことから完全に早枯れ馬と見られていました。ただ今回スプリンターズSと同じ稍重の舞台だったこと、さらにきっちりハナを奪ったのが3歳時以来ということで、条件さえそろえばまだまだ大勝負できるでしょう。ラジオNIKKEI賞のバビットもなかなか鮮やかな逃げっぷりで、ナカヤマフェスタ産駒らしからぬスピードも持っている馬ですね。今後どこまで成長するか非常に楽しみな存在です。

新種牡馬ではラブリーデイ産駒、ミッキーアイル産駒、リオンディーズ産駒が新たに勝ち名乗りをあげました。実績馬たちが次々と勝ち上がる中で、今週もモーリス産駒は未勝利。ドゥラメンテ産駒は辛うじて1勝をあげているとはいえ、今週は1億8000万円のスワーヴエルメも勝ち星をあげることはできませんでした。もちろん新馬戦が始まってまだ1か月、年末には複数の重賞馬を送り出している可能性も十分ありますが、この時期についたイメージを払拭するには相当なインパクトが必要になるのではと思います。

※エクリプスSのレース結果を追記しました。

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2020年07月04日

パーソロン系 - サイアーラインで辿る日本競馬

続いてはパーソロン系。これにてあっという間に日本のヘロド系はコンプリートです。*パーソロンの代表産駒といえば天皇賞(秋)を制したメジロアサマと無敗でクラシック三冠を達成したシンボリルドルフですが、前者は受胎率が極端に低く、それでも陣営の血のにじむ努力によって天皇賞三代制覇を成し遂げた苦労人、後者は初年度からいきなりクラシック二冠のトウカイテイオーを出した超エリートという両極端なイメージです。今ではどちらも父系としては風前の灯ですが、それでも有志の手によって何とかラインが維持されており、何とか奇跡が起こることを祈りたいところです。

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2020年07月03日

マイバブー系 - サイアーラインで辿る日本競馬

続いてはマイバブー系。日本でヘロド系といえばこの系統になります。この系統で日本に初めて輸入されたのが名種牡馬*パーソロンだったということもあり、*パーソロンと同じ Milesian 産駒、さらにはその父 My Babu 産駒が大量に輸入されましたが、結局*パーソロンを超える存在はおろか、成功と呼べるレベルの種牡馬すら引き当てることはできませんでした。*パーソロンは何代にもわたって父系を繋ぐことに成功、今でも辛うじて父系が生き残っていますが、まずは*パーソロン以外の種牡馬についてまとめておきます。

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2020年07月01日

リュティエ系 - サイアーラインで辿る日本競馬

続いてはリュティエ系。スピード系のクラリオン系の中ではどちらかというとスタミナタイプの系統で、長距離戦や障害戦で真価を発揮しました。日本ではトウショウ牧場が導入した*ダンディルートが大成功をおさめ、NHK杯のビゼンニシキ、マイルChSのダイタクヘリオス、スプリンターズSのダイタクヤマトと3代にわたって父系を継承することに成功しました。母系に入って優秀なのもこの系統の特徴で、平凡な競走馬だった*シャレーがミホノブルボンの母父となったり、一介のオープン馬だったトウショウフリートがシーイズトウショウの母父となったりしています。

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2020年06月29日

クラリオン系 - サイアーラインで辿る日本競馬

続いてはクラリオン系。世界的にはヘロド系の中心となる系統ですが、日本では後に紹介するリュティエ系種牡馬が一定の成功を収めたものの、この系統では名馬タニノチカラを出した*ブランブルー、ロンドンブリッジを出した*ドクターデヴィアスが輸入された程度でした。ただヘロド系の主流とはいってもいま世界で残っているのは大半が Indian Ridge 産駒・孫の一流半のスプリンターで、相当先細りになっている感は否めません。日本で出走後に覚醒したシリュスデゼーグルがセン馬でなければもうひと踏ん張りあったかもしれませんが。

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2020年06月28日

週刊種牡馬ニュース 6/22 - 6/28

何という強さ。もちろん馬場による補正もあったのでしょうが、*シンボリクリスエスやオルフェーヴル、ディープインパクトといった超一流どころを彷彿とさせるような圧巻の走りでした。さらに驚異的なのは*バゴからこれほどの馬が誕生したというところ。いや、むしろ*バゴの血統や競走成績を考えればこういう馬こそが真骨頂といえるのかもしれませんね。帝王賞はサウジ挑戦で少し株が下がったクリソベリルが本来の走りを見せ、国内での無敗記録を7に伸ばしました。やはりサウジCはドバイと同じく日本のダート馬ではやや厳しいレースだったということでしょうか。

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2020年06月27日

トウルビヨン系 - サイアーラインで辿る日本競馬

続いてはトウルビヨン系。トウルビヨンはフランスで競走馬・種牡馬として大成功を収めた名馬でしたが、血統表中の全馬が英スタッドブックに遡れない馬をサラブレッドとしては認めない、いわゆる「ジャージー規則」によって同馬の産駒は英国では「サラブレッド系種」扱いでした。後にジェベルらの活躍によってこの規則は撤廃され、晴れてこの系統が正真正銘サラブレッドと認められるに至りましたが、それが今にヘロド系の血を伝えるほぼ唯一の存在となりました。

日本でも多くの種牡馬が輸入された系統で、特にそれが顕著だったマイバブー系は後述するとして、それ以外にも英ダービー馬*ガルカドール、愛ダービー馬*ターナボス、ベルモントSの*アンバロイドといった活躍馬が導入されましたが、父系を発展させるには至りませんでした。ただ社台の牝系に入って言い働きをした*ヒッティングアウェーなど、母系で持ち味を発揮した馬は多いです。

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2020年06月25日

ザテトラーク系 - サイアーラインで辿る日本競馬

続いてはザテトラーク系。ザテトラークはヘロド系復興を目的に生産された馬で、その通り類まれなるスピードを誇り、種牡馬としても大成功を収めました。直系はすでに滅んでしまいましたが、何といっても快速牝馬ムムタズマハルが孫の代にナスルーラ、ひ孫の代にロイヤルチャージャーを出したことにより、現代の日本においてザテトラークの血を引く馬は相当数に上るのではないかと思います。

この系統といえば何といっても*セフトでしょう。トキノミノル、ボストニアンの牡馬クラシック二冠馬2頭に牝馬クラシック二冠のスウヰイスー、天皇賞馬のタカクラヤマやシーマーなど数々の活躍馬を送り出し、1947年から1951年にかけて5年連続でリーディングサイアーに輝きました。直系は長くは続きませんでしたが、シンザンやメジロマックイーンなど母系で影響を与えた馬も多く、日本競馬を支えた名種牡馬の1頭と言えるでしょう。

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2020年06月24日

バザード系 - サイアーラインで辿る日本競馬

続いてはバザード系。当初はヘロド系の主流であるハイフライヤー系の陰に隠れていたような存在でしたが、同系統の衰退とともに台頭し、後にヘロド系復興の祖となったザテトラーク、さらに現代にヘロドの血を伝えることとなったトウルビヨンを出すことに成功しました。そのザテトラークと父が同じ*ロイヂュールがかつての日本に輸入され、1920年代後半ごろから複数の帝室御賞典の勝ち馬を送り出し、中堅級の成功を収めたようです。ただ、同時期に活躍していた*イボアや*ガロンらのように後世に大きな影響を与えることはありませんでした。

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2020年06月23日

ヘロド系 - サイアーラインで辿る日本競馬

ということで記念すべき「サイアーラインで辿る日本競馬」シリーズ第一弾はヘロド系。日本のサラブレッド生産の歴史はこの系統から始まりました。日本に初めて輸入されたとされるサラブレッドはレキシントンの孫にあたる*ダブリンなる種牡馬で、いろいろな資料によれば同馬は米国のクラシック路線が形成されるまで3歳牡馬の主要レースとして位置づけられていたウィザーズSの記念すべき第1回勝ち馬であるようです。当時このレースにどれだけの価値があったのかわかりませんが、当時の日本にしてみれば随分贅沢な話ですね。

この系統に限らずですが、競馬黎明期の日本ではほとんどサラブレッドという概念がなく、例えば今の天皇賞に繋がる帝室御賞典ですら平気でトロッターや半血種が勝ち馬に名を連ねていたりします。そんな時代よりさらに遡る1800年代に輸入されたサラブレッドが、直系ではないにしろまだ辛うじて血統表の片隅で見つけることができるとは、本当にすごいことなんだと実感しています。

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2020年06月22日

サイアーラインで辿る日本競馬

新シリーズです。過去にサイアーラインの記事を掲載してから10年以上がたち、そろそろデータを最新版にしなくては…と思い続けてなかなか更新できずにいましたが、ひとまず日本で競馬が始まったとされる19世紀後半から、日本馬関連のデータだけ系統ごとに更新していくことにしました。で、せっかくなので種牡馬入りした馬だけでなく、重賞勝ち馬や牝系の情報などを詰め込んでみようというのがこの企画となります。具体的には、通常の「サイアーライン」に以下の情報を付け加えたものを系統ごとにまとめていこうということです。

<全馬掲載>
 ・中央重賞、交流重賞の勝ち馬(アラブ重賞除く)
 ・海外重賞を制した日本馬
 ・日本で種牡馬入りした馬
 ・海外で種牡馬入りした日本馬
 ・マル外、持込馬の父
 ・カク外として日本で出走した外国馬およびその父


<一部のみ掲載>
 ・オープン特別、地方重賞勝ち馬および中央重賞、交流重賞の入着馬
 ・海外で種牡馬入りした日本馬の産駒
 ・サラブレッド重賞に挑戦したアラブ
 ・著名な繁殖牝馬、牝系が現存する繁殖牝馬
 ・偉大な競走馬・種牡馬の母父
 ・その他、日本競馬史上重要な馬 など


日本馬関連に限定するといってもざっとカウントしただけで150系統以上あり、相当な長丁場になると思いますが、気長にお付き合いください。なお、青字で示した馬が日本で種牡馬入りした馬、あるいは日本で産駒が走った種牡馬ということになります。また牝馬は赤字、その他の牡馬は黒字、セン馬は紫字、アングロアラブなどサラブレッド系種以外の馬は緑字で表記してあります。

なお、このサイアーライン制作にあたって多くのサイトを参考にさせていただきましたが、そのうちの主な個人サイトを以下に挙げさせていただきます。いずれも日本競馬の歴史を知る上で非常に有用なサイトです。特に競馬黎明期の勝ち馬や血統などについてはほとんどこうしたサイトの受け売りであり、これらのサイトがないとどうにもなりませんでした。この場でお礼を申し上げます。

 主禁 …………………………… 明治大正昭和初期の輸入馬について
 血統表検索 …………………… 重賞・オープン特別勝ち馬、産駒情報など
 レーシング・アーカイヴ ……… 重賞・オープン特別勝ち馬など
 凪的電脳賽馬 ………………… 重賞勝ち馬、牝系情報など(更新終了)
 優駿達の蹄跡 ………………… 重賞勝ち馬、競走実績など

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2020年06月21日

週刊種牡馬ニュース 6/15 - 6/21

*カフェファラオが圧巻の競馬で重賞ウイナーに上り詰めました。デビュー戦で下したバーナードループはその後3連勝で兵庫チャンピオンシップを制しており、もうこの時点で3歳ダート路線のトップに立ったことは疑いようがないでしょう。勝ち時計もレースレコードを更新して初の1分34秒台をマークしており、3年連続で3歳馬から最優秀ダートホースが誕生するのか、今後の走りが非常に楽しみになりました。

ところで今週もモーリス産駒は未勝利。入着数が多いので現時点で中央の新種牡馬リーディングではトップに立っているようですが、なかなかもどかしい日が続きますね。モーリスとドゥラメンテに関しては産駒数と中央入厩率が他と比べて段違いなので、このまま低空飛行が続いてもどちらかが新種牡馬リーディングを獲得することは間違いないと思いますが、それでも早くさすがと思わせる走りを見せてもらいたいものです。

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2020年06月20日

日本の地区別種付け数+新種牡馬リスト

ついでに日本でも地区別でどれだけの種付けがあるか調べてみました。北海道は振興局ごとに、それ以外は県ごとに集計しましたが、大方の予想通り北海道だけで全体の98%以上を占めており、そのうち日高地区で63%、胆振地区(いわゆる社台)で35%という内訳となっています。北海道以外では青森の81頭が最多で、以下鹿児島の57頭、熊本の12頭、千葉の5頭、宮崎の2頭と続きますが、これらをすべて合わせても社台SSにいる1頭の種牡馬の種付け数にすら及ばず、寡占度はケンタッキー州どころの話ではないですね。

さらに2020年度より供用される新種牡馬もおまけでリストアップしました。気になる社台SSの新種牡馬はスワーヴリチャード、*ニューイヤーズデイ、*ブリックスアンドモルタル、そしてレイデオロの4頭。いずれも多くの牝馬を集めることでしょう。それ以外の種牡馬もすべて北海道での種牡馬入りとなっており、道外での新メンバー加入はありませんでした。今年は特に外国馬勢が近年まれにみる好メンバーで、3年後の産駒デビューが待ち遠しいです。

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