2010年01月03日

リンカーン

新種牡馬辞典、第二段はリンカーン。いまや日本を代表するトップジョッキーとなった横山典弘Jが半ばあきらめのつぶやきとして「時代が悪かった」と言ったのは非常に有名ですが、種牡馬として逆転はあるのでしょうか。

リンカーン

日本産 2000年生 鹿毛 父系:Hail to ReasonSunday Silence
*サンデーサイレンスHaloHail to Reason
Cosmah
Wishing WellUnderstanding
Mountain Flower
グレースアドマイヤ*トニービン*カンパラ
Severn Bridge
*バレークイーンSadler's Wells
Sun Princess
牝系

  Sun Princess 1980 英オークス(英GI)、英セントレジャー(英GI)
   |Prince of Dance 1986 デューハーストS(英GI)
   |*バレークイーン 1988
   ||フサイチコンコルド 1993 日本ダービー(GI)、種牡馬
   ||グレースアドマイヤ 1994 (2着)府中牝馬S(GIII)、(3着)4歳牝馬特別(GII)
   |||リンカーン 2000
   |||グローリアスデイズ 2001 (2着)フローラS(GII)、ローズS(GII)
   |||ヴィクトリー 2004 皐月賞(GI)、種牡馬
   ||ミラクルアドマイヤ 1995 種牡馬、カンパニーの父
   ||フサイチミニヨン 1996
   |||アンブロワーズ 2002 函館2歳S(GIII)
   ||ボーンキング 1998 京成杯(GIII)、種牡馬
   ||ボレロ 2000 韓国で種牡馬
   ||アンライバルド 2006 皐月賞(GI)
   |Stage Struck 1992
   ||Stage Gift 2003 ヨークS(英GII)
   |Princely Venture 1999 スコティッシュダービー(英GII)

3代母 Sun Princess は10戦3勝、勝ったレースは全てGI競走で、他にも凱旋門賞・コロネーションCなどで2着がある名牝。祖母*バレークイーンも不出走ながらその素質を多いに受け継ぎ、わずか3戦でダービーを制したフサイチコンコルド、「伝説の新馬戦」を制し、皐月賞馬に登りつめたアンライバルドなど活躍馬を多数出した。さらに半弟からも皐月賞馬ヴィクトリーが出ており、特にクラシックに強い一族として名高い。この父SS、母父TB、母母父ND系という配合からは他にハーツクライ、アドマイヤグルーヴ、アドマイヤベガが出ており、非常に強力なニックスといえよう。

競走成績 23戦6勝 主な戦績:阪神大賞典、京都大賞典、日経賞

日付競馬場レース名着順距離タイム
2002/10/13京都2歳新馬2/10T18001:50.7
11/9京都2歳未勝利2/17T18001:48.8
12/21阪神2歳未勝利1/16T20002:05.2
2003/1/25京都若駒S(OP)1/9T20002:02.3
3/2阪神すみれS(OP)1/10T22002:16.9
6/1東京東京優駿(GI)8/18T24002:29.7
9/28阪神神戸新聞杯(GII)4/13T20002:00.2
10/26京都菊花賞(GI)2/18T30003:04.9
12/28中山有馬記念(GI)2/12T25002:32.0
2004/3/21阪神阪神大賞典(GII)1/9T30003:08.4
5/2京都天皇賞(春)(GI)13/18T32003:20.6
6/27阪神宝塚記念(GI)3/15T22002:11.5
10/31東京天皇賞(秋)(GI)12/17T20002:00.7
2005/3/20阪神阪神大賞典(GII)3/10T30003:06.3
5/1京都天皇賞(春)(GI)6/18T32003:17.1
6/26阪神宝塚記念(GI)4/15T22002:11.8
10/9京都京都大賞典(GII)1/12T24002:25.4
10/30東京天皇賞(秋)(GI)15/18T20002:00.9
11/27東京ジャパンC(GI)4/18T24002:22.4
12/25中山有馬記念(GI)3/16T25002:32.2
2006/3/25中山日経賞(GII)1/13T25002:33.0
4/30京都天皇賞(春)(GI)2/17T32003:14.0
6/25京都宝塚記念(GI)9/13T22002:14.9

デビューから2戦2着が続いたあとに3連勝。おじと同じすみれSからのぶっつけとなったダービーはさすがに崩れたが、菊花賞・有馬記念で連続2着と力のあるところを見せた。古馬となって阪神大賞典・京都大賞典・日経賞と3つのGIIを制し、GIでも幾度となく健闘を重ねたが、何と言ってもリンカーンのベストパフォーマンスは6歳時の天皇賞(春)だろう。先に仕掛けたディープインパクトを見ながら4コーナーを回ると、「並の馬」相手なら直線半ばでアッサリ捕らえたであろう豪脚を見せ、ディープインパクトに「最後まで追わせた」。3着には5馬身差、自身もレコード更新という結果から鞍上をして「時代が悪かった」という言葉しか出なかったのも頷ける。

引退後は社台スタリオンステーションにて種牡馬入りし、初年度は受胎確認100万円の条件で供用された。*サンデーサイレンス産駒の良血実績馬としては安価な価格に設定されたこと、ちょうど繁殖シーズン中に半弟のヴィクトリーが皐月賞を制したことなどが重なって1年目から188頭の牝馬を集めた。2年目は80万円に下げられて153頭、3年目も80万円で133頭と減少傾向にあるが、3年目で3割減程度ならまずまず健闘しているほうだと言って良いだろう。血統的に注目の産駒は以下のとおり。

注目の産駒一覧 (種付:188頭 登録:112頭)

母名備考
アドマイヤアイリスおじにフサイチランハート(アメリカJCC)
*インテグレート母はトラヴィスS(新GII)など重賞3勝、GI2着7回
ヴァイタルトラック母は京成杯オータムH3着馬
*ウエスタンバスターいとこにディバインシルバー(交流重賞4勝)
キタサンミラージュおじにキタサンチャンネル、おばにキタサンヒボタン
キョウエイタイヨウ半兄にインタータイヨウ(兵庫チャンピオンシップ)
*サーティエイトゴーゴー母はガーデニアS(米GII)など重賞2勝
サイレーン半姉にアルコセニョーラ(福島記念、新潟記念)
タニノバーバラおじにタニノボレロ、タニノクリエイト
ダイヤモンドラップおじにギャロップダイナ(安田記念、天皇賞(秋))
ディーエスメイドン母は関東オークス2着馬
ドミナスクリスタル母は札幌スプリントS3着馬。おじフジノマッケンオー
パープルベンテンおじにトウカイポイント(マイルChS)
フレンドリーエース母はスイートピーSの勝ち馬
ブリリアントベリー半兄にカンパニー(天皇賞(秋)、マイルChS)
プリティーウーマンおじにクシロキング(天皇賞(春))
マックスドゥイットいとこにブライトサンディー(サファイヤS、函館記念)
マルカメイゲツおじにマルカセンリョウ(名古屋大賞典、かきつばた記念)
マルシンアモン半兄ゴウゴウキリシマ、レッツゴーキリシマ
ミストラルアゲン母は札幌3歳S2着馬
ユニオンプロップおじにヤエノムテキ(皐月賞、天皇賞(秋))
リストレーション母は牝馬東京タイムズ杯の勝ち馬
*リトルラフいとこにテイエムオペラオー(ジャパンCなどGI7勝)
レーヌヴェルトおばにケープリズバーン(TCK女王盃)

基準を下げたため注目馬はたくさんいるように見えるが、質としてはディープインパクトとは全く比べ物にならない。そんな中で異彩を放っているのが母ブリリアントベリーだろう。半兄カンパニーともども近藤英子×ノーザンファーム血統である。しかもカンパニーの父はリンカーンの母の全弟ミラクルアドマイヤであり、非常に相性はよさそう。そのほかに注目馬をあげるとすれば同じくノーザンファーム生産の母マックスドゥイット、母レーヌヴェルトあたりだろうか。そのほかにも比較的多くのノーザンファームの牝馬が交配されたが、大半が不受胎だったようだ。

種牡馬としてはどのようなタイプになるだろうか。血統面で最も近いのはアドマイヤベガだが、それでもリンカーンと比べればまだ繁殖牝馬にも恵まれていた。むしろGIIどまりでGIを勝ちきれなかった点を考えれば、その全弟であるアドマイヤボスと境遇がよく似ているといえる。代表産駒のアドマイヤスバルは2歳時からそこそこ活躍しながら古馬になってさらに力をつけてきた馬だが、リンカーン自身も6歳になってさらに充実したように、おそらく素質が開花するのは古馬になってから。一発大物が出るとすればカンパニーのようなタイプだろう。近親のフサイチコンコルドがダート王者を出しているが、基本的にダートは向かない気がする。

「時代が悪かった」との言葉どおり、競走馬時代はディープインパクトには完膚なきまでに叩きのめされたが、繁殖入りしてからも勝負が始まる前からすでに圧倒的な差をつけられてしまっている。とはいえ、さすがに新種牡馬リーディングは無理としても、何らかの形で一矢報いたいところである。実績的にはともかく、血統的な裏づけで言えばクラシックホースを多数輩出しているという点から見てもリンカーンのほうがはるかに上。期待したい。

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