2010年01月06日

ファンタスティックライト

新種牡馬辞典、第四弾は*ファンタスティックライトです。2年連続でワールドチャンピオンに輝いた名馬で、日本でもすでに*ジャリスコライトらが活躍しており、注目の1頭です。

*ファンタスティックライト Fantastic Light

米国産 1996年生 鹿毛 父系:Red GodRahy
RahyBlushing GroomRed God
Runaway Bridge
Glorious SongHalo
Ballade
JoodNijinsky IINorthern Dancer
Flaming Page
KamarKey to the Mint
Square Angel
牝系

 Square Angel 1970 加オークス(加)
  |Kamar 1976 加オークス(加)
  ||Key to the Moon 1981 ドミニオンデイH(米GIII)、ディスカヴァリーH(米GIII)
  ||Hiaam 1984 プリンセスマーガレットS(英GIII)
  |||*シアーリーズン 1994 (2着)2歳クリテリヨム(仏GII)
  ||Gorgeous 1986 ヴァニティH(米GI)、アシュランドS(米GI)
  |||Dreamboat 1992
  ||||Music Show 2007 ロックフェルS(英GII)
  |||Glasgow's Gold 1996
  ||||Swift Temper 2004 ラフィアンH(米GI)
  ||Seaside Attraction 1987 ケンタッキーオークス(米GI)
  |||Red Carnival 1992 チェリーヒントンS(英GIII)
  ||||Carnival Dancer 1998 ラクープ(仏GIII)、ゴントービロン賞(仏GIII)
  ||||Funfair 1999 ケルソH(米GII)
  ||||Desert Lord 2000 アベイドロンシャン賞(仏GI)
  |||Golden Attraction 1993 フリゼットS(米GI)、メイトロンS(米GI)
  |||Cape Town 1995 フロリダダービー(米GI)
  |||Cape Canaveral 1996 サンミゲルS(米GIII)
  ||Wilayif 1988
  |||Morning Pride 1997 ボワ賞(仏GIII)
  ||||Flashing 2006 テストS(米GI)
  ||Jood 1989
  |||*ファンタスティックライト 1996
  |Stellarette 1978 バーバラフリッチーH(米GIII)
  ||Graphited 1984
  |||*クロヴィスポイント 1991
  ||||Temple of Peace 1998
  |||||Whobegotyou 2005 コーフィールドS(豪GI)
  ||Nuryette 1986
  |||Northern Afleet 1993 サンフェルナンドS(米GII)、サンカルロスH(米GII)
  |||Tap to Music 1995 ガゼルH(米GI)
  ||||Bear's Kid 2003 サマーS(米GII)
  ||Cuddles 1988 ハリウッドスターレットS(米GI)
  |||Katz Me If You Can 1997 ジェニュインリスクH(米GII)
  |||Imaginary Cat 1995
  ||||Cause to Believe 2003 エルカミノレアルダービー(米GIII)
  |Augusta Springs 1990
  ||Buffythecenterfold 2000 ソレントS(米GII)、レイルバードS(米GIII)
  |Love Smitten 1981 アップルブラッサムH(米GI)
  ||Alamosa 1988
  |||Trafalger 1994 ラファイエットS(米GIII)
  ||Swain 1992 キングジョージ(英GI)(2回)、愛チャンピオンS(愛GI)
  ||Water Poet 1993 リュー賞(仏L) ヴェネズエラリーディング
  ||Thief of Hearts 1995 コンデ賞(仏GIII)
  |Dancing On a Cloud 1983 (2着)モデスティS(米GIII)
  ||Hearts and Clouds 1989
  |||Qualatative 1995
  ||||Rich in Spirit 2002 ローカストグローヴH(米GIII)、リグレットS(米GIII)
  ||Aerial Ballet 1997
  |||Life in Fiction 2000
  ||||Shadowless 2005 ケネディロードS(米GIII)

父 Rahy は米GIIベルエアHを勝っただけだが、種牡馬としては*ファンタスティックライトの他に米GI11勝の名牝 Serena's Song などを出し大成功を収めた。Rahy の半兄は*グランドオペラ、半弟は Singspiel と日本で実績のある種牡馬が並び、Rahy 自身も日本で*フライングアップルや*トキオパーフェクトなどの重賞勝ち馬を出している。母系はカナダ出身の牝系で、北米を中心に活躍馬を多数輩出しており、Swain や Northern Afleet など日本でも産駒が走っている種牡馬も多数出ている。

競走成績 25戦12勝 主な戦績:2001年カルティエ賞年度代表馬

日付競馬場レース名着順距離タイム
1998/8/2サンダウンノーヴィスS1/5T14201:33.3
8/22サンダウン条件S1/5T16201:44.2
9/11グッドウッドスターダムS(L)3/3T8F1:44.7
1999/4/24サンダウンクラシックトライアルS(GIII)1/7T20202:15.7
5/8リングフィールドダービートライアルS(GIII)4/5T23102:30.3
6/15アスコットプリンスオブウェールズS(GII)2/8T10F2:04.3
7/3サンダウンエクリプスS(GI)3/8T20202:06.4
8/17ヨークグレートヴォルティジュールS(GIII)1/7T23902:29.0
9/19ニューベリーアークトライアル(L)1/6T22172:21.5
10/3ロンシャン凱旋門賞(GI)11/14T24002:38.5
2000/3/25ナドアルシバドバイシーマクラシック(GIII)1/16T24002:27.7
6/9エプソムコロネーションC(GI)2/4T24242:41.6
7/8サンダウンエクリプスS(GI)5/8T20202:05.3
7/29アスコットキングジョージVI & QES(GI)2/7T12F2:29.9
9/9ベルモントマンノウォーS(GI)1/8T11F2:17.4
10/7ベルモントターフクラシック招待S(GI)4/12T12F2:28.5
11/4チャーチルDBCターフ(GI)5/13T12F2:26.9
11/26東京ジャパンC(GI)3/16T24002:26.1
12/17シャティン香港カップ(GI)1/13T20002:02.2
2001/3/24ナドアルシバドバイシーマクラシック(GII)2/16T24002:28.2
5/27カラータタソールズゴールドC(GI)1/6T10.5F2:13.4
6/20アスコットプリンスオヴウェイルズS(GI)1/9T10F2:04.4
7/28アスコットキングジョージVI & QES(GI)2/12T12F2:27.7
9/8レパーズタウン愛チャンピオンS(GI)1/7T10F2:01.8
10/27ベルモントBCターフ(GI)1/11T12F2:24.3

遅咲きでクラシック路線とは縁がなく、初GI制覇は4歳時のマンノウォーSだった。その年のジャパンCにも出走しテイエムオペラオー・*メイショウドトウの3着に入ると、暮れの香港CでGI2勝目をあげた。5歳になって本格化、タタソールズGC・プリンスオブウェールズSとGIを2連勝し、キングジョージ2着をはさんで愛チャンピオンS・BCターフと連勝。特にBCターフはレコードのおまけつきで、この年の欧州年度代表馬に選ばれた。WRCには4歳時・5歳時と2年連続で選ばれている。大きく敗れたのは凱旋門賞ただ1度だけで、中距離では抜群の安定感を誇っていた。

引退後はイギリスのダーレーグループ傘下であるダルハムホールスタッドにて種牡馬入り。同年の秋シーズンからはオーストラリアのダーレーオーストラリアでもシャトル供用され、この体制が2006年まで続いた。2007年にダーレージャパンスタリオンコンプレックスによって輸入され、受胎条件350万円で供用された。すでに初年度産駒が○外として重賞を制していたということもあり、日本での初年度は150頭とまずまずの牝馬に種付けされている。2年目は同条件で102頭に種付け、3年目は出生条件250万円で供用され108頭とやや盛り返したようだ。日本での産駒を見る前に、海外供用時代の代表産駒について少し触れてみたい。海外で残した産駒は以下のとおり。

馬名生年備考
Prince of Light2003サイレニアS(英GIII)T6F
Roshani2003ラスパルマスH(米GII)T8F
Turning Light2003ケルン秋季牝馬マイレ(独GIII)T1600
*ジャリスコライト2003京成杯(GIII)T2000、(3着)朝日杯FS(GI)T1600
ナイアガラ2003すみれS(OP)T2200
Mission Critical2004新インターナショナルS(新GI)T2000
Captain Fantastic2005WRCウェイクフィールドチャレンジS(新GII)T2000
Flamingo Fantasy2005ハンザ賞(独GII)T2400
Scintillo2005伊グランクリテリウム(伊GI)T1600
Middle Club2007オマール賞(仏GIII)T1600

*ファンタスティックライト自身は3歳以降は2000m以上のレースしか走っていないが、産駒に最も適性があるのはマイル〜2000mであろうという結果が出ている。ナイアガラが2200mをこなしたように、配合しだいで2400mまでは十分守備範囲となってくるだろうが、活躍馬は*ジャリスコライトのようなタイプに出ると思われる。中央では芝12勝(重賞・オープン含む)に対しダートはわずか2勝。それもナイアガラが下級条件であげたもので、基本的には芝向きだろう。Scintillo が伊GIのほかに欧州のオールウェザー重賞、ウィンターダービーを制しているが、さて。日本での注目の産駒は以下のとおり。

注目の産駒一覧 (種付:150頭 登録:107頭)

母名備考
*アサーティブプリンセスいとこにビワハヤヒデ、ナリタブライアン
*アナボタフォゴいとこに*グラスワンダー(有馬記念(2回)、宝塚記念)
*アンティーケリーいとこに*アンナモンダ(ヴィトリオディカプア賞(伊GI))
アンバーウェーおじにアブクマポーロ(帝王賞、東京大賞典などGI4勝)
イシノアパトゥーラおばにテイエムオーシャン(桜花賞、秋華賞などGI3勝)
インゴット母はOP紫苑Sの勝ち馬
*ヴァルホーリングおじに*エイシンプレストン(香港マイルなどGI4勝)
エイシンルーデンス母はチューリップ賞、中山牝馬Sの勝ち馬
オンワードノーブル母はフラワーCの勝ち馬
*キウィダンス母は園田フレンドリーC2連覇など地方重賞9勝
キタサンヒボタン母はファンタジーSの勝ち馬
グリンパサー半兄にハタノアドニス(東京盃)
*コーディングおじに*クリエイター(ガネー賞(仏GI)などGI2勝)
サニースイフト半兄にサニーブライアン(皐月賞・ダービー)
*サラトガデュー母はベルダムS(米GI)、ガゼルH(米GI)の勝ち馬
シルキーラグーン母はオーシャンSなどオープン3勝
ジブリールおじにアロンダイト(ジャパンCダート)
*ジラベルおじにSpend a Buck(ケンタッキーダービーなどGI3勝)
*タイキシャレードおじに*タイキフォーチュン、*タイキリオン
*タイキミルフィーユ母は*タイキシャトル(安田記念などGI5勝)の全妹
タニノクリスタル半兄にタニノギムレット(ダービー)
パレガルニエ母は東京2歳優駿牝馬など地方重賞2勝
ミスイースター半兄にマルブツイースター(小倉2歳S)
ヤマニンアルシオン母は阪神JF2着馬、祖母*ヤマニンパラダイス
ランフォザドリーム母は重賞2勝、半姉フィーユドゥレーヴ
リボンストライプ母はウイニングチケットの全妹、半兄エアセレソン
ロスマリヌス母はグレイトジャーニーの全姉、おじノーリーズン

なかなかのラインナップで、注目はなんと言ってもタニノギムレットの下となる母タニノクリスタルだろう。セレクトセールでダーレー・ジャパンが5000万円で落札しており、JRAの馬主資格が認められたモハメド殿下の持ち馬としてデビューしそうだ。そのほかにも二冠馬サニーブライアンの半弟や、エイシンルーデンス・キタサンヒボタン・ランフォザドリームといった活躍馬の仔もいてかなり期待が持てそうだ。個人的な注目は母ヤマニンアルシオン。母は2戦目で阪神JFを2着した早熟タイプで、母の全兄が今種牡馬として注目を浴びているヤマニンセラフィムである。

*ファンタスティックライトは父 Rahy 、父の母父 Halo 、母父 Nijinsky II と血統表がメジャー父系で占められており、ある意味「完成された血統」というイメージが強い。したがって大きな意外性というのは望めないかもしれないが、逆に言えばそれほど崩れることもなさそうだ。日本で成功した*ジャリスコライト・ナイアガラの母はそれぞれ Chancey Squaw (*アグネスデジタルの母)、*レーヴドスカー(仏GI勝ち馬)とともに実績のある牝馬で、産駒の勝ち上がり率も非常に高い。こうした牝馬の素質をうまく産駒に伝える種牡馬なのだろう。種付け数上位3頭が全て*サンデーサイレンス産駒のため、母父*サンデーサイレンスも味方につけたいところ。

*ファンタスティックライトは2年連続でワールドレーシングチャンピオンシップに選ばれたほどの名馬だが、日本ではテイエムオペラオーと*メイショウドトウとの名勝負の3着とやや影が薄い。代表産駒の*ジャリスコライトにしても、1番人気に支持された朝日杯FSで鞍上のデザーモの渾身の手ムチも3着どまりで、なかなか突き抜けられない印象が強かった。種牡馬としてもディープインパクトを脅かすほどの存在には思えないが、そこそこにはまとめてきそうで、「新種牡馬ダービー」の馬券があれば真っ先に2着候補にしたいのが同馬だろうか。

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

2009年度JRA賞発表、年度代表馬はウオッカ | News | 競馬実況web | ラジオNIKKEI ウオッカ2年連続2冠!年度代表馬に輝く - 競馬 - SANSPO.COM サプライズの特にない、順当なJRA賞となりました。 競馬ニュース - netkeiba.com | ウオッカが2年連続の年度代表馬に そ

この記事へのコメント

1. Posted by sakura-kituneo 2010年05月01日 11:26
5 こんにちは。
私のような血統音痴には、大変勉強になるというか、とても判りやすい話で全部読みきってしまいました。今年は、現役時代大好きだったハーツクライの仔に期待してます。
2. Posted by Organa 2010年05月01日 23:11
どうもありがとうございます。
そういっていただけると何よりうれしいです。

ロブロイ、ネオユニとA級SS産駒が次々と結果を残しているだけに
ハーツクライへの期待も高まりますね。

この記事にコメントする ※常識的なハンドルネームでお願いします。

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
記事検索
サラBLOOD!

サラBLOOD

サラBLOOD!
価格:1,680円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る

当ブログ「父系馬鹿」とのコラボ企画が掲載されています。

最新コメント
QRコード
QRコード