2010年01月28日

タイムパラドックス

新種牡馬辞典、第十一弾はタイムパラドックス。GIクラスの大物ながらアンカツや武豊だけでなく、橋本美純や高田潤といった地味なジョッキーを乗せての重賞参戦も話題になりました。

タイムパラドックス

日本産 1998年生 栗毛 父系:Hail to ReasonBrian's Time
*ブライアンズタイムRobertoHail to Reason
Bramalea
Kelley's DayGraustark
Golden Trail
*ジョリーザザAlzaoLyphard
Lady Rebecca
Bold Lady*ボールドラッドUSA
Tredam
牝系

  Tredam 1966
   |Bold Lady 1974 (2着)セーヌ賞(仏LR)、ラロシェット賞(仏LR)
   ||Lavender Mist 1983 バリーマコールスタッドS(英LR)
   |||Steamer Duck 1988 伊グランクリテリウム(伊GI)
   ||*ローラローラ 1985 (3着)セーヌ賞(仏LR)
   |||サクラローレル 1991 天皇賞(春)(GI)、有馬記念(GI)、種牡馬
   ||*ジョリーザザ 1991 オクシタニー賞(仏LR)
   |||タイムパラドックス 1998

父*ブライアンズタイムはフロリダダービーなど米GI2勝で、元々*サンシャインフォーエヴァーを購入予定だったものが予算の都合で血統のよく似た馬として輸入されたものだが、特にクラシックに強い種牡馬として大成功を収めた。パワー豊富でダートにもめっぽう強く、*ブライアンズタイムの稼ぎ頭はナリタブライアンでもマヤノトップガンでもなく、ダート路線で長きに渡って活躍したタイムパラドックスである。種牡馬の父としては長らく不振だったが、タニノギムレットが2年連続で年度代表馬に輝いたウオッカを出して一応の面目を保った。母父 Alzao はディープインパクトのBMSでもある。

競走成績 50戦16勝 主な戦績:GI5勝、NAR特別表彰馬(2005)

日付競馬場レース名着順距離タイム
2001/3/18阪神3歳新馬1/9D18001:55.3
3/31阪神3歳500万下1/12D18001:54.5
4/28東京青葉賞(GII)11/16T24002:28.3
2002/1/5京都4歳上1000万下4/16D18001:52.9
1/19京都八坂特別(1000)2/16D18001:52.9
2/24中山鎌ケ谷特別(1000)7/16D18001:54.8
10/13京都3歳上500万下1/16D18001:53.8
11/17中山3歳上1000万下3/12D18001:54.9
12/8中京香嵐渓特別(1000)1/16D17001:44.8
12/22中京矢作川特別(1000)1/16D17001:44.2
2003/1/5京都雅S(1600)6/16D18001:51.5
2/16京都北山S(1600)1/16D18001:50.6
3/9阪神仁川S(OP)2/15D18001:51.9
4/27京都アンタレスS(GIII)5/16D18001:51.9
5/11東京サウジアラビアC(OP)2/16D16001:37.3
5/31東京欅S(OP)8/16D14001:25.1
10/18京都エニフS(OP)7/15D18001:53.4
11/22京都トパーズS(OP)1/11D18001:51.6
12/13阪神ギャラクシーS(OP)3/16D14001:22.9
12/28阪神ベテルギウスS(OP)8/14D18001:53.1
2004/1/25京都平安S(GIII)1/15D18001:51.3
2/22東京フェブラリーS(GI)6/16D16001:37.2
4/3阪神コーラルS(OP)4/16D14001:24.0
4/25京都アンタレスS(GIII)1/13D18001:51.5
5/23中京東海S(GII)2/16D23002:23.8
6/30大井帝王賞(GI)4/10D20002:04.9
8/12旭川ブリーダーズゴールドC(GII)1/9D23002:31.4
9/4札幌エルムS(GIII)3/13D17001:43.9
10/12金沢白山大賞典(GIII)1/12D21002:14.4
11/3大井JBCクラシック(GI)3/13D20002:03.1
11/28東京ジャパンCダート(GI)1/16D21002:08.7
12/29大井東京大賞典(GI)4/14D20002:03.5
2005/1/26川崎川崎記念(GI)1/12D21002:14.2
2/20東京フェブラリーS(GI)4/15D16001:35.1
3/16船橋ダイオライト記念(GII)2/11D24002:36.8
5/5船橋かしわ記念(GI)2/10D16001:38.1
5/22中京東海S(GII)3/16D23002:24.0
6/29大井帝王賞(GI)1/13D20002:03.5
8/17旭川ブリーダーズゴールドC(GII)2/14D23002:32.3
10/10盛岡南部杯(GI)3/14D16001:37.7
11/3名古屋JBCクラシック(GI)1/12D19002:00.9
11/26東京ジャパンCダート(GI)4/16D21002:08.2
12/29大井東京大賞典(GI)3/15D20002:04.1
2006/1/25川崎川崎記念(GI)3/10D21002:13.2
2/19東京フェブラリーS(GI)9/16D16001:36.4
3/15船橋ダイオライト記念(GII)4/10D24002:36.5
6/28大井帝王賞(GI)4/13D20002:04.1
8/17旭川ブリーダーズゴールドC(GII)除外D2300-:--.-
9/18札幌エルムS(GIII)113D17001:44.5
10/9盛岡南部杯(GI)5/14D16001:37.1
11/3川崎JBCクラシック(GI)1/14D21002:16.1

ダートで2連勝して臨んだ青葉賞を大敗し、以降はダート一筋50戦。幾度かの休養をはさみながらも8歳の暮れまで無事に走りぬき、中央地方を通じて重賞9勝を含む16勝をあげた。16勝すべてが1700m以上の距離で、特にGI5勝のうち4勝が2000m以上(残る1勝も1900m)と中〜長距離で抜群の安定感を示した。ベストレースは結果的に引退レースとなった50戦目のJBCクラシックで、*シーキングザダイヤが圧倒的支持を受ける中、早めに先頭に立ってそのまま粘りこみ、史上初の8歳馬による(平地)GI制覇を成し遂げた。

引退後はビッグレッドファームにて種牡馬入りし、受胎条件30万円、出生条件50万円で供用された。初年度は100頭に種付けされ、62頭の産駒が誕生した。2年目・3年目も93頭・87頭と減少傾向にはあるもののそれなりの頭数をキープしている。同じ8歳でGIを制したダートの名馬ブルーコンコルドが種牡馬になれず、ヴァーミリアンがまだまだ現役を続行している現状を考えると、かなり恵まれた環境にあると言え、さすがは元社台ブランドといったところである。注目の産駒は以下のとおり。

注目の産駒一覧 (種付:100頭 登録:62頭)

母名備考
*アイリッシュハニーいとこにReference Point(英ダービー)
イーストオブエデンおじにアズマイースト(スプリングS)
*エディーナ半兄にバグパイプウインド(大井金盃)
サンデーエイコーン半兄にワキノカイザー(BSN賞)
*サンデーズシス母は*サンデーサイレンスの全妹
シンコマンチランおじにマキハタサイボーグ(ステイヤーズS)
ジネブラルスキーおばにマジックリボン(全日本サラブレッドC)
スウィートデザイアおじにフサイチアソート(東京スポーツ杯2歳S)
トモエマーガレット母はクリスタルC3着馬、半姉ラヴフルーヴ
ナイキアクトレスおじにナイキアディライト(かしわ記念)
ニシノテンモンおばにニシノフラワー(GI3勝)
ブレーヴクイーンおじにマルタカタイソン(目黒記念)
ホワイトシルバー半兄にエドモンダンテス(KBC杯)
マイネリーベ半兄カラテチョップ、おじマイネルブライアン

父と同じ白老ファームの生産馬は2頭。注目馬はそのうちの1頭、母サンデーエイコーン。母は中央で3勝をあげた馬で、その父が*サンデーサイレンス。産駒の勝ち上がり率も高く、半兄に同じBT産駒であるマヤノトップガンを父に持つワキノカイザーがいるのも強みである。ビッグレッドファーム関連の牝馬も多数種付けしており、個人的な注目は母マイネリーベ。半兄が兵庫ダービーの勝ち馬カラテチョップで、おじにBT産駒でダート重賞3勝のマイネルブライアンがおり、いかにもダートは合いそうな感じだ。

BT産駒の種牡馬は総じてダートは得意で(例外はタニノギムレットくらい)、現役時代にこれだけダートで実績を残している以上、ダートが不得意であるわけはない。繁殖牝馬もそれを想定したラインナップとなっているはずで、ビッグレッドファームのバックアップも手伝って中央での勝ち上がり数はかなり多くなりそう。タイムパラドックス自身は芝は1戦して大敗しているが、その後骨折で休養しており、本調子でなかった可能性もある。いとこにダートで勝ちあがって後に芝で大成したサクラローレルがおり、実は芝も十分こなした可能性もあるだろう。

「ダート馬は息が長い」といわれることがある。たしかに高齢でGIを制する割合はダートが圧倒的に高いが、8歳にして芝GI連勝を飾ったカンパニーの登場でその風向きは変わりつつある。つまり、そもそも芝でGIを勝てるような馬はその後(繁殖入り)のために(まだ走れても)故障を恐れて早期に引退するが、ダート馬はそうではないというだけのことではないか、ということである。実際タイムパラドックスにしても骨折がなければ現役続行の予定であった。以前よりダート路線は格段に整備され、ダート馬にも段々と光が当たるようにはなっているが、それでもまだまだ隔たりは大きい。そうした境遇を跳ね返すような種牡馬になれるだろうか。

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1. [競馬]2010/01/28 競馬〜ボンネビルレコードが大井に再転厩  [ 昨日の風はどんなのだっけ? ]   2010年01月29日 09:24
ドバイ遠征ウオッカ&ディザイアの出国日程決定 - 競馬 - SANSPO.COM どちらも現地で前哨戦を使って、本番へ。 ボンネビルレコード再び大井へ | News | 競馬実況web | ラジオNIKKEI 的場騎手は、中央に行って坂路で追われることで、馬が変わったと言っていたけれど。あまり

この記事へのコメント

1. Posted by 狂犬芭蕉 2012年11月18日 21:03
5 タイムパラドックス、2歳世代が地方の重賞勝ちまくっていますね。距離の融通性もありそうなだけに今後に期待感が持てます、中央での活躍馬がさらに出ればもっと評価が上がると思います。
2. Posted by Organa 2012年11月18日 23:31
今日も勝ちましたね。中でもインサイドザパークはなかなか大物になりそうな印象です。タイムパラドックス自身はどちらかと言うと遅咲きタイプだったので、今後が非常に楽しみですね。

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