2012年01月06日

ブラックタイド

新種牡馬辞典、第二弾はブラックタイド。ご存知ディープインパクトの全兄に当たります。デビュー当初は同馬のほうが評価が高かったのですが、屈腱炎で休養中に弟ディープインパクトがあれよあれよの間にクラシック三冠を達成。いつの間にか愚兄賢弟の関係になってしまいましたが、その馬体の良さは生産地でも依然高く評価されているようです。

ブラックタイド

ノーザンファーム産 2001年生 黒鹿毛 父系:サンデーサイレンス系
*サンデーサイレンスHaloHail to Reason
Cosmah
Wishing WellUnderstanding
Mountain Flower
*ウインドインハーヘアAlzaoLyphard
Lady Rebecca
BurghclereBusted
Highclere

牝系

Highclere 1971 英2000ギニー(GB-I)仏オークス(FR-I)
 |*ミルフォード 1976 プリンセスオブウェールズS(GB-II)、Sire
 |Burghclere 1977
 ||Capo di Monte 1982 ヴァインランドH(USA-III)
 |||Dream Ticket 1992
 ||||Magic Mission 1998 ロイヤルヒロインS(USA-III)
 ||*インヴァイト 1986
 |||リザーブシート 1995
 ||||ソリッドプラチナム 2003 マーメイドS(GIII)
 |||シンコーユタカ 1997 Sire
 |||ウインクリューガー 2000 NHKマイルC(GI)、Sire
 ||*ドレスデン 1988
 |||ペトラ 1994
 ||||ミッキーペトラ (2着)弥生賞(GII)
 ||*ウインドインハーヘア 1991 アラルポカル(GER-I)
 |||*グリントインハーアイ 1996
 ||||Jeremy 2003 サンダウンマイル(GB-II)ジャージーS(GB-III)
 |||*ヴェイルオブアヴァロン 1997 デラローズH(USA-III)
 ||||リルダヴァル 2007 (3着)NHKマイルC(GI)
 |||*レディブロンド 1998 (4着)スプリンターズS(GI)
 ||||ゴルトブリッツ 2007 アンタレスS(GIII)マーキュリーC(GIII)
 |||*スターズインハーアイズ 1999
 ||||ダノンパッション 2007 (3着)デイリー杯2歳S(GII)
 |||ブラックタイド 2001
 |||ディープインパクト 2002 クラシック三冠有馬記念(GI)、etc. Sire
 |||オンファイア 2003 (3着)東京スポーツ杯2歳S(GIII)、Sire
 |||ニュービギニング 2004 (3着)毎日杯(GIII)
 |Height of Fashion 1979 プリンセスオブウェールズS(GB-II)
 ||Alwasmi 1984 ジョンポーターS(GB-III)
 ||Unfwain 1985 プリンセスオブウェールズS(GB-II)
 ||Nashwan 1986 英2000ギニー(GB-I)英ダービー(GB-I)エクリプスS(GB-I)
 ||Bashayer 1990
 |||Rahayeb 1996
 ||||Lahudood 2003 BCF&Mターフ(USA-I)フラワーボウルS(USA-I)
 ||Sarayir 1994 オーソーシャープS(GB-LR)
 |||Ghanaati 2006 英1000ギニー(GB-I)コロネーションS(GB-I)
 ||Nayef 1998 ドバイシーマクラシック(UAE-I)英チャンピオンS(GB-I)
 |Wily Trick 1988
 ||Elegant Fashion 1998 香港ダービー(HK-I)

今でこそ「ディープインパクトの全兄」という立場に甘んじているが、元々の期待値としては同馬の方が上。幼少時から好馬体で、セリでは1億円を超える値がついた。対するディープインパクトは馬体で見劣りし、セリで7000万円とサンデー産駒としては手頃とも言える価格で落札されており、デビュー当初も「全兄ブラックタイドくらい走れば上出来」程度のものであった。そのディープインパクトが当初の評判どおりに終わっていれば、ブラックタイドも種牡馬としてもてはやされることはなかっただろう。しかし、そのディープインパクトが競走馬としても種牡馬としてもそれまでの常識を覆す成績を残している今、それ以上に期待されていたブラックタイドに種牡馬として注目が集まるのは当然のことだといえる。

競走成績 22戦3勝 (中央:22戦3勝)

日付競馬場レース名着順距離タイム
2003/12/07阪神2歳新馬1/9T20002:02.5
2003/12/27阪神ラジオたんぱ杯2歳S(GIII)4/13T20002:02.2
2004/01/24京都若駒S(OP)1/10T20002:02.5
2004/02/15京都きさらぎ賞(GIII)2/14T18001:48.0
2004/03/21中山スプリングS(GII)1/16T18001:48.3
2004/04/18中山皐月賞(GI)16/18T20002:00.1
2006/07/23新潟関越S(OP)7/15D18001:51.6
2006/08/20小倉小倉日経オープン(OP)3/7T18001:48.1
2006/09/09中京朝日チャレンジC(GIII)6/12T20001:57.9
2006/11/26京都アンドロメダS(OP)2/12T20002:00.6
2006/12/16中山ディセンバーS(OP)3/11T18001:48.7
2007/01/06中山中山金杯(GIII)3/16T20002:03.7
2007/02/25中山中山記念(GII)10/16T18001:48.1
2007/03/10阪神大阪城S(OP)7/12T18001:47.3
2007/03/24中山日経賞(GII)12/14T25002:33.8
2007/04/21京都オーストラリアT(OP)2/12T18001:46.3
2007/12/15中山ディセンバーS(OP)13/16T18001:49.3
2008/01/05中山中山金杯(GIII)10/16T20002:01.4
2008/03/15阪神大阪城S(OP)8/16T18001:46.8
2008/03/29中山日経賞(GII)5/13T25002:33.8
2008/05/11京都都大路S(OP)2/18T16001:35.1
2008/06/01東京目黒記念(GII)8/18T25002:32.6

主な戦績スプリングS(GII)

デビュー戦は武豊Jを背に後の重賞馬スウィフトカレントを全く相手にせず圧勝。続くラジオたんぱ杯2歳Sでも圧倒的支持を受けたが、コスモバルクやハイアーゲームといった素質馬の前に4着に敗れた。若駒Sを完勝して臨んだきさらぎ賞でもやはり人気で2着と重賞では勝ち切れないレースが続いたが、横山典Jに乗り替わりとなったスプリングSでは後の皐月賞馬ダイワメジャーに先着して重賞初勝利を飾った。しかし再び武豊Jを背に迎えた皐月賞で16着と大敗した後に屈腱炎を発症。2年にも渡る休養の間、全弟は無敗でクラシックを制し、凱旋門賞をも視野に入れるほどの名馬に成長したが、復帰後はオープンクラスで2着が精一杯という状況で、7歳まで現役を続けてついに勝ち星をあげることはできなかった。

日本での供用実績 ブリーダーズスタリオンステーション:2009年〜

引退後はブリーダーズスタリオンステーションにて種牡馬入り。受胎条件50万円、出生条件80万円で供用されたが、GIIを1勝しただけにもかかわらず、初年度から150頭の牝馬に種付けを行った。もちろんこれは一足先にスタッドインしていたディープインパクト効果に他ならないが、2年目は143頭、3年目はそのディープインパクトの初年度産駒の成績を受けて166頭と増加。まさにディープインパクト様様といったところだが、同じくディープインパクトの全弟にあたるオンファイアが初年度153頭から2011年は91頭にまで減らしていることを考えると、やはりブラックタイド自身の馬体の良さも一定評価されていると見ていいだろう。注目の初年度産駒は以下のとおり。

産駒一覧 (種付:150頭 生産:79頭 登録:78頭)

母名備考
*アクワレラいとこに*マンボツイスト(平安Sなど重賞3勝)
イシノグレイス母はOP駿風Sの勝ち馬
イシノラピドおじにイシノサンデー(皐月賞)
ウェンブリーおじにハンソデバンド(共同通信杯)
*カタリストおじに Second Empire (仏グランクリテリウム(FR-I))
カメリアローズ半兄にダローネガ(デイリー杯2歳S2着)
コパノマルコリーニおじにプライドキム(全日本2歳優駿)
シアトルスズランいとこにカルストンライトオ(スプリンターズS)
シェアエレガンス半兄にヒルノダムール(天皇賞(春))
シャバダバダおじにバンブーユベントス(日経新春杯)
ニホンピロアブミおじにニホンピロジュピタ、ニホンピロプリンス
ノーブルサンライズおじにサンライズアトラス(京成杯オータムH)
*ビーモル半兄にツルマルヨカニセ、エクスペディション
フラワーブリーズ半姉にカシマフラワー(エーデルワイス賞)
プレアデス半兄にシゲルキョクチョウ(小倉2歳S2着)
マルカサファイヤ祖母はマルカコマチ(京都牝馬特別)
ムーンシンフォニーおばにトレンドハンター(フラワーC)
メインキャスター母は阪神牝馬特別の勝ち馬

この中では何と言ってもヒルノダムールの半弟にあたるシェアエレガンスの2010ははずせないだろう。兄が天皇賞(春)の勝ち馬、母父*ラムタラとくれば長い所で活躍しそうだ。あるいはノーザンファーム生産馬であるカタリストの2010、カメリアローズの2010あたりも注目。特にカタリストの2010はセレクトセールで1500万円と種付け料を考えれば上々の値段が付けられており、デビューが楽しみだ。また、半兄にオンファイア産駒のシゲルキョクチョウがいるプレアデスの2010も面白そう。シゲルキョクチョウはディープインパクトに先駆けてOPフェニックス賞を制した早熟馬で、早い時期から走ってくるかも。

同系種牡馬 (サンデーサイレンス系×リファール系)

種牡馬名代表産駒
ディープインパクトマルセリーナ(桜花賞(GI))
リアルインパクト(安田記念(GI))
ジョワドヴィーヴル(阪神JF(GI))
バブルガムフェローアッパレアッパレ(名古屋グランプリ(GII))
アーリーロブスト(京成杯(GIII))
オンファイアシゲルキョクチョウ(小倉2歳S(GIII)2着)

注目は当然全弟ディープインパクトと比べてどうかというところだが、やはり大きな違いは馬格。450キロに満たなかったディープインパクトに比べ、ブラックタイドは500キロを超える馬体の持ち主だったので、産駒のタイプも変わってきそうだ。初年度産駒を見るかぎり、ディープの仔の多くがキレで勝負し、2000mを超えるとパフォーマンスが落ちるように見えるのに対し、ブラックタイドはどちらかと言うとしぶとさで勝負するタイプに思える。ボレアスなどの例外はいるものの、大半が芝向きのタイプなのに対し、ダートもあまり苦にしなさそう。適性だけで言えばディープインパクトよりもクラシック向きの種牡馬かもしれない。あとは能力がどこまでついてくるか。

目指せ、日本のフェアリーキング?

これまで内国産馬で名馬・名種牡馬の全兄弟というパターンで種牡馬入りし、大成功を収めた馬はいない。アドマイヤグルーヴの全弟サムライハート、ダンスインザダークの全弟トーセンダンス、そしてディープインパクトの全弟オンファイアも含めて、これまで多数の超良血種牡馬がデビューしたものの、今のところは下級条件の勝ち馬を出すにとどまっている。もちろんブラックタイド自身はGIIの勝ち馬だし、馬体の良さも十分認められているので、未勝利馬の Fairy King と比べるのはブラックタイドに失礼かもしれないが、Sadler's Wells という偉大な全兄を持つ種牡馬としてその名に恥じぬ活躍をする Fairy King のように、弟に負けず劣らずの結果を残してもらいたいものだ。


この記事へのトラックバック

1. ウインクリューガー  [ マイニングタイムメインレースの秘密2010 村中秀行 ]   2012年01月09日 03:11
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この記事へのコメント

1. Posted by 大統領 2012年01月08日 17:36
ブラックタイドは故障さえなければクラシック候補でしたから、かなり期待できそうですね。ただ、キンカメにはかなわなかったと思いますが。          しかしニュービギニングはどうなるのやら・・・
2. Posted by 魚 2012年01月09日 14:56
レースレベルの違いが大きいけど京都コースは100%連対してますね。マルカサファイヤ2010は血が濃いなぁ
3. Posted by Organa 2012年01月09日 20:10
>大統領さん
無事だったらどこまでやれたんでしょうかね。
ニュービギニングは登録を抹消されて、乗馬になったと聞きます。
>魚さん
ということは、菊花賞に出ていれば…。
いや、案外マイルチャンピオンシップあたりで好走してたかもしれませんね。
4. Posted by うめにゃんこ 2012年01月12日 12:28
ウインドインハーヘアの子供たちは、馬格があったブラックタイド・オンファイアが脚部不安で大成できなかったのに対し、馬格がさほどでなかったディープインパクト・ニュービギニングが"無事是名馬"でしたね。
ブラックタイド産駒、脚が丈夫であればいいのですが。
5. Posted by Organa 2012年01月13日 23:52
ディープ産駒は本当に故障が少ないですよね。
無事に育って、クラシックの借りを返してほしいところです。
6. Posted by ノエルザブレイヴ 2015年10月25日 16:02
ついに全弟を出し抜いて菊花賞馬の父にまで上り詰めてしまいましたね。
(なぜ母父サクラバクシンオーで菊花賞を取れたのか未だに疑問でしょうがないですけど、北村騎手は今お世話になっている職場の先輩の知り合いでもあるのでここは素直に喜んでおきたいところですね)
キタサンブラックは血統と実績の乖離ぶりからしてもこれをもって有力後継候補とは言えないでしょうが、これでブラックタイドは全弟の代わりではない一一流種牡馬としての道を歩んでいくのでしょう。
7. Posted by Organa 2015年10月25日 21:41
明らかに弟とは違うタイプの種牡馬ですよね。ダービー3着馬もいますし、中長距離向け種牡馬として結果を残していきそうです。

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