2014年09月15日

系統別種牡馬辞典 - ノーザンダンサー系その5

順番で言えば「名種牡馬プレイバック」の番なのですが、このままだと「系統別種牡馬辞典」のほうがちっとも終わらないので、こちらのほうのペースを上げていきます。

ということで「系統別種牡馬辞典」シリーズ第九弾はノーザンダンサー系の続き。*ファルブラヴはまだまだ現役バリバリの種牡馬で、毎年のように重賞ウイナーを送り出しており、母父としてもハープスターを出すなどポテンシャルはかなり高そうなのですが、如何せん活躍馬の大半が牝馬に偏るフィリーサイアーで父系の存続は微妙なところです。*ロドリゴデトリアーノもつい最近まで種牡馬として現役で、晩年は九州で過ごし、九州産馬のレベルアップに寄与しました。
<ノーザングループ> (291位:1995年) ★☆☆☆☆ (大失敗)

Northern Dancer (CAN) 1961
 Northern Mystic (USA) 1975
  *ノーザングループ (CAN) 1985 不出走
    ・ノーザンダンサーの2×3のクロスあり
   ワンマンキング 1991 24戦3勝
    ・羊ケ丘特別(500)

父は重賞未勝利ながら米GI馬 Dancers Countess の全弟という血統で種牡馬入りした Northern Mystic で、外として連れてこられたが、不出走のまま種牡馬入りした。生涯で残した産駒は20頭あまりで、種牡馬としては全く結果を残せなかったが、唯一産駒を残した牝馬が地方の重賞を勝ったトーホウカイザーを出している。


<ラストタイクーン> (19位:2002年) ★★★☆☆ (並) 参考

Northern Dancer (CAN) 1961
 *トライマイベスト Try My Best (USA) 1975
  *ラストタイクーン Last Tycoon (IRE) 1983 13戦8勝
    ・BCマイル(USA-I) ・キングズスタンドS(GB-I) ・スプリントチャンピオンシップ(GB-I)
   *オースミタイクーン (IRE) 1991 31戦10勝 Sire
    ・マイラーズC(GII) ・セントウルS(GIII)
   オースミブライト 1996 47戦4勝
    ・神戸新聞杯(GII) ・京成杯(GIII)
   アローキャリー 1999 16戦3勝
    ・桜花賞(GI)

外*オースミタイクーンなどの活躍もあり、一時は140頭を超える牝馬を集め、桜花賞馬アローキャリーなどを出したが、あたりはずれが大きく、晩年は一桁の牝馬しか集まらなかった。母父としてキングカメハメハを出しており、母系での影響力は非常に大きい。


<ワージブ> (146位:2000年) ★☆☆☆☆ (大失敗)

Northern Dancer (CAN) 1961
 *トライマイベスト Try My Best (USA) 1975
  *ワージブ Waajib (IRE) 1983 20戦7勝
    ・クイーンアンS(GB-II) ・ダイオメドS(GB-III) ・ロンポワン賞(FR-III)
   *プレストシンボリ (IRE) 1992 33戦6勝
    ・ラジオたんぱ賞(GIII)

外として*プレストシンボリがラジオたんぱ賞を制したことから種牡馬として輸入され、最大で100頭の牝馬に種付けを行ったが、日本で生まれた産駒は全くといっていいほど走らなかった。


<メイショウドトウ> (78位:2008年) ★★☆☆☆ (失敗)

Northern Dancer (CAN) 1961
 *トライマイベスト Try My Best (USA) 1975
  *ラストタイクーン Last Tycoon (IRE) 1983
   Bigstone (IRE) 1990
    *メイショウドトウ (IRE) 1996 27戦10勝 現役
      ・宝塚記念(GI) ・金鯱賞(GII) ・日経賞(GII) ・オールカマー(GII)
     ライジングウェーブ 2003 34戦12勝
      ・大井記念(大井)
     シャイン 2007 27戦2勝
      ・中京2歳S(OP) (2着) ・シンザン記念(GIII)

ご存知テイエムオペラオーのライバルで、種牡馬として当初は80頭近い牝馬を集めていたが、今のところはこれといった産駒は出てきておらず、テイエムオペラオーともどもその実績からは程遠い種牡馬成績に終わっている。残念ながら両者とも父系の存続は厳しいだろう。


<スリルショー> (15位:1995年) ★★★★☆ (成功)

Northern Dancer (CAN) 1961
 Northern Baby (CAN) 1976
  *スリルショー Thrill Show (USA) 1983 11戦5勝
    ・ハリウッドダービー(USA-I) ・アルカディアH(USA-II) ・ダフニス賞(FR-III)
   ナイキゴージャス 1989 13戦6勝 Sire
    ・グランドチャンピオン2000(大井) ・東京盃(大井) ・青雲賞(大井)
   マイスタージンガー 1989 23戦6勝
    ・京王杯オータムH(GIII) ・関屋記念(GIII)
   マキシムシャレード 1992 13戦3勝
    ・デイリー杯3歳S(GII)

英チャンピオンSを勝った Northern Baby の産駒で、自身は米芝GIハリウッドダービーの勝ち馬。種牡馬としてデイリー杯3歳Sのマキシムシャレード、京王杯オータムHのマイスタージンガーなど、マイル路線に強い産駒を多数送り出した。晩年は中国に輸出されたが、その後は行方不明となっている。


<ドラムタップス> (280位:2000年) ★☆☆☆☆ (大失敗)

Northern Dancer (CAN) 1961
 Dixieland Band (USA) 1980
  *ドラムタップス Drum Taps (USA) 1986 32戦15勝
    ・アスコットGC(GB-I)(2回) ・ジェフリーフリアS(GB-II) ミラノ金杯(ITY-III)(2回)
   アサカタップス 1995 30戦4勝
    ・荒川峡特別(500)

「キョウワ」や「アサカ」でおなじみ浅川吉男氏の持ち馬として走り、20ハロンの超長距離戦アスコットGC2連覇をはじめ、数々の長距離戦を制したドのつくステイヤーだった。ただ、残念ながらこの実績では日本で人気が出るはずもなく、わずか20頭ほどしかいない産駒からは活躍馬は現れなかった。


<サクラヴィクトリー> (798位:1995年) ★☆☆☆☆ (大失敗)

Northern Dancer (CAN) 1961
 Lomond (USA) 1980
  *サクラヴィクトリー Sakura Victory (GB) 1986 3戦0勝
    ・重賞実績なし
   メイクレージュ 1992 131戦7勝
    ・地方で7勝

フランスで3戦して未勝利という三流馬だったが、Al Nasr の半弟で*リィフォーのいとこという血統もあって日本で種牡馬入り。1年間だけ供用され、5頭の産駒を残したが、そのうち勝ち星をあげたのはメイクレージュただ1頭で、その血は残らなかった。


<ロドリゴデトリアーノ> (20位:1999年) ★★★★☆ (成功)

Northern Dancer (CAN) 1961
 El Gran Senor (USA) 1981
  *ロドリゴデトリアーノ Rodrigo de Triano (USA) 1989 13戦9勝
    ・英2000ギニー(GB-I) ・愛2000ギニー(IRE-I) ・英チャンピオンS(GB-I)
   ミヤギロドリゴ 1994 67戦7勝
    ・福島記念(GIII)
   エリモエクセル 1995 17戦6勝
    ・オークス(GI) ・府中牝馬S(GIII) ・中京記念(GIII) ・マーメイドS(GIII)
   スーパーホーネット 2003 31戦10勝 Sire
    ・マイラーズC(GII) ・毎日王冠(GII) ・京王杯SC(GII) ・スワンS(GII)

英・愛2000ギニーなどGI5勝をあげた名馬で、引退後は日本で種牡馬入りし、オークス馬エリモエクセル、GII大将スーパーホーネットなどを出した。実績からするとやや物足りないかもしれないが、晩年は九州に渡って多くの牝馬を集めており、24歳で引退するまで20年以上に渡って種牡馬として日本の馬産に貢献した。


<シンコウキング> (146位:2004年) ★★☆☆☆ (失敗)

Northern Dancer (CAN) 1961
 Fairy King (USA) 1982
  *シンコウキング (IRE) 1991 27戦8勝
    ・高松宮杯(GI)
   ロードダルメシアン 1999 34戦6勝
    ・福島民報杯(OP)

*ドクターデヴィアスの半弟という良血馬だったが、日本ではさほど種付け数は伸びず、オープン勝ちのロードダルメシアンが目立つ程度だった。なお、シャトル先のニュージーランドでの人気が非常に高かったため、4年目以降は現地のみで種付けを行っており、多数のクラシックホースや香港の活躍馬サムザップなどを出して成功している。


<エリシオ> (22位:2004年) ★★★☆☆ (並)

Northern Dancer (CAN) 1961
 Fairy King (USA) 1982
  *エリシオ Helissio (FR) 1993 13戦8勝
    ・凱旋門賞(FR-I) ・サンクルー大賞(FR-I)(2回) ・ガネー賞(FR-I)
   ヘルスウォール 1999 14戦3勝
    ・チューリップ賞(GIII)
   ポップロック 2001 40戦8勝 Sire
    ・目黒記念(GII)(2回) (2着) ・ジャパンC(GI) ・メルボルンC(AUS-I)

凱旋門賞などGIを5勝した名馬で、引退後は日本で種牡馬入り。最大で180頭に種付けされるなど大いに期待されたが、GI2着3回のポップロック、チューリップ賞のヘルスウォールが目立つ程度とさほど結果を残せず再輸出された。ポップロックがチェコで種牡馬入りしており、何とか父系をつないでほしい。


<オース> (53位:2007年) ★★☆☆☆ (失敗)

Northern Dancer (CAN) 1961
 Fairy King (USA) 1982
  *オース Oath (IRE) 1996 7戦3勝
    ・英ダービー(GB-I)
   キョウワハピネス 2001 25戦3勝
    ・ファルコンS(GIII)
   ラブカーナ 2004 18戦2勝
    (3着) ・オークス(GI)

産駒がデビューした輸入種牡馬の中では最後の英ダービー馬となる馬で、年間80頭以上の牝馬を集めたが、やはりファルコンSの勝ち馬キョウワハピネスが目立つ程度と結果を残せず、祖国アイルランドに再輸出された。


<ファルブラヴ> (29位:2010年) ★★★☆☆ (並)

Northern Dancer (CAN) 1961
 Fairy King (USA) 1982
  *ファルブラヴ Falbrav (IRE) 1998 26戦13勝 現役
    ・ジャパンC(GI) ・エクリプスS(GB-I) ・イスパーン賞(FR-I)
   ワンカラット 2006 26戦5勝
    ・フィリーズレビュー(GII) ・オーシャンS(GIII) ・函館スプリントS(GIII)
   エーシンヴァーゴウ 2007 24戦7勝
    ・セントウルS(GII) ・アイビスサマーダッシュ(GIII)
   アイムユアーズ 2009 15戦5勝
    ・フィリーズレビュー(GII) ・クイーンS(GIII)(2回) ・ファンタジーS(GIII)

中山で行われたジャパンCをはじめGIを8勝した名馬で、種牡馬としてもワンカラットやアイムユアーズなど多数の重賞勝ち馬を送り出しているが、獲得賞金上位20頭のうち15頭が牝馬で、さらに残る5頭はすべてセン馬となっており、実績のわりに父系の存続は非常に怪しい。母父としてはハープスターを送り出している。

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この記事へのコメント

1. Posted by Unnamed 2014年09月15日 23:19
ファルブラヴはよほど産駒の気性が悪いんでしょうね。だから自身よりも短距離で走る産駒が出る。自身は精神力と頭の良さで激しい気性を抑えこんでいたルドルフパターンでしょうか。そういう意味では母父としてはまた別の距離適性が見込めそうですけど。

シンコウキングは数は多くないですが重賞や準重賞で母父に名前が出てくるので、オセアニアの母系で生き残るかもしれませんね。ヤマニンバイタルはほとんど母父に出てこないなあ。
2. Posted by ゼロウィン 2014年09月16日 16:59
ファルブラヴみたいなのはむしろ生産地では喜ばれるんですけどね。

ここ数年は牝馬の大当たりが出ているので今は少しマシでしょうが、少し前までは産まれて来たのが牝馬だと値が下がってしまうことからガッカリすることが多かったのですが、ファルブラヴやメジロマックイーンのような牝馬ばかり走るような馬だと父は牝馬の成績が良いですよとセールストークになるので牝馬でも値が下がりにくく売れやすいんです。
3. Posted by elfte 2014年09月16日 19:15
ものの見事に父系では失敗が多いようで。
シンコウキングは向こうで成功してくれれば良いやって感じです。
(そもそも現役時代のイメージ薄いしなぁ)
ポップロックはチェコで頼むからは一花咲かせて欲しい。
(日本馬の1&2ぶちかましたメルボルンカップはある意味凱旋門賞より衝撃的でした)
4. Posted by Organa 2014年09月16日 21:50
父系としては見事に失敗ですね。ラストタイクーンやファルブラヴが母系に残るのは確実として、エリシオも社台の名牝系に付けられているので可能性は高いでしょう。後はスリルショーやロドリゴデトリアーノがどこまで牝系で生き残っていけるかというところでしょうか。
5. Posted by 馬産地 2014年10月09日 13:50
ファルブラヴは今シーズン早々に受胎率の低下により、種付けを中止して治療するとのことでしたが…恐らく種牡馬復帰は厳しいかもしれません。

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