2014年11月11日

系統別種牡馬辞典 - ミスタープロスペクター系その1

「系統別種牡馬辞典」シリーズ第三十八弾はミスタープロスペクター系。自身はレコード勝ちこそあったものの重賞では少し足りないという中級スプリンターでしたが、ご存知のとおり非常にスピード能力の遺伝力が強く、あっというまに世界の短距離界の血統図を塗り替える存在となりました。さらに代を経て距離克服能力を獲得しており、いまや世界のクラシック戦線で活躍しています。日本に輸入されたミスプロ系種牡馬は50頭を軽く超えますが、当初のミスプロ系種牡馬は底力のない短距離・ダート向けが大半を占め、クラシック路線では全く用無しの存在と見られていました。今回紹介する種牡馬を見ても、その評価は致し方なしというところでしょうか。
<ダミスター> (46位:2001年) ★★★☆☆ (並) 参考

Native Dancer (USA) 1950
 Raise a Native (USA) 1961
  Mr. Prospector (USA) 1970
   *ダミスター Damister (USA) 1982 16戦4勝
     ・グレイトヴォルティジュールS(GB-II) ・ダンテS(GB-II)
    サマーシャドウ 1996 44戦3勝
     (3着) ・ジャパンダートダービー(GI)
    トロットスター 1996 34戦8勝 Sire
     ・スプリンターズS(GI) ・高松宮記念(GI)
    ヒミツヘイキ 1999 10戦5勝
     ・ユニコーンS(GIII)

自身は中距離を得意としていたが、種牡馬として名スプリンターのトロットスターを出したことで人気が爆発し、2001年には120頭を超える牝馬を集めた。ただ、その大量種付け世代からは活躍馬は出てこず、トロットスター自身も種牡馬としてチャンスをもらえなかったため、父系はもはや絶滅あるのみ。


<モガンボ> (36位:2000年) ★★★☆☆ (並)

Native Dancer (USA) 1950
 Raise a Native (USA) 1961
  Mr. Prospector (USA) 1970
   *モガンボ Mogambo (USA) 1983 19戦4勝
     ・シャンペンS(USA-I) ・ゴーサムS(USA-II)
    グレイトチャーマー 1991 35戦8勝
     ・持込馬 ・オアシスS(OP)(2回) (2着) ・マーチS(GIII)
    メイショウワカシオ 1994 59戦7勝
     ・京都ジャンプS(JGIII)
    ベルモントアクター 1996 32戦18勝
     ・マイルグランプリ(大井) サンタアニタT(大井) (2着) ・浦和記念(GII)

米マイル路線で活躍した馬で、種牡馬として最大70頭あまりの牝馬を集めたが、障害重賞で活躍したメイショウワカシオ、地方ダートの活躍馬ベルモントアクターなどを出すにとどまった。母父としては福島記念や新潟記念を勝ったアルコセニョーラを出している。


<アフリート> (4位:2001年) ★★★★★ (大成功) 参考

Native Dancer (USA) 1950
 Raise a Native (USA) 1961
  Mr. Prospector (USA) 1970
   *アフリート Afleet (CAN) 1984 15戦7勝
     ・ジェロームH(USA-I) ・ペンシルヴァニアダービー(USA-II)
    プリモディーネ 1996 10戦3勝
     ・桜花賞(GI) ・ファンタジーS(GIII)
    スターリングローズ 1997 40戦14勝 Sire 現役
     ・JBCスプリント(GI) ・かしわ記念(GII) ・プロキオンS(GIII)
    サカラート 2000 51戦9勝
     ・東海S(GII) ・日本テレビ盃(GII) ・ブリーダーズGC(GII)

日本への輸入後に米国から何度も買戻しのオファーが届いた名種牡馬。非常に高い勝ち馬率が特徴で、特にダートでは無類の強さを発揮し、2000年から3年連続で中央ダートのリーディングに輝いている。一方で芝では桜花賞馬を出しているとはいえ、全体的には今ひとつで父系の存続は微妙だ。スターリングローズ産駒のアスカクリチャンが種牡馬になるとのことだが、果たして。


<ジェイドハンター> (162位:2001年) ★☆☆☆☆ (大失敗)

Native Dancer (USA) 1950
 Raise a Native (USA) 1961
  Mr. Prospector (USA) 1970
   *ジェイドハンター Jade Hunter (USA) 1984 14戦6勝
     ・ドンH(USA-I) ・ガルフストリームパークH(USA-I)
    *エーピーグランプリ (USA) 1990 24戦4勝
     ・ラジオたんぱ賞(GIII)
    フウモンジョー 1997 25戦5勝
     ・竜飛岬特別(1000) ・オホーツクH(1000)
    *ワールドハンター (USA) 2004 82戦9勝 ★現役
     (3着) ・ニュージーランドT(GII)

米国で多数のGI馬を輩出した名種牡馬で、日本では単年リース供用されたが、環境の変化によるものか70頭以上に種付けしながら30頭に満たない産駒しか出すことができなかった。重賞で活躍した2頭はいずれも外で、日本時代の産駒では中央で5勝をあげたフウモンジョーが稼ぎ頭と結果を残すことはできなかった。


<マイニング> (62位:2001年) ★★☆☆☆ (失敗)

Native Dancer (USA) 1950
 Raise a Native (USA) 1961
  Mr. Prospector (USA) 1970
   *マイニング Mining (USA) 1984 7戦6勝
     ・ヴォスバーグS(USA-I)
    スーパーライセンス 1990 31戦7勝 Sire
     ・持込馬 ・キャピタルS(OP)
    ゴールドマイニング 1997 44戦9勝
     ・大井記念(大井) (3着) ・ダイオライト記念(GII)
    マイニングレディ 1998 20戦3勝
     ・関東オークス(GIII)

持込馬のスーパーライセンスがまずまずの活躍をしたこともあって輸入され、最大で90頭近い牝馬を集めたが、関東オークスのマイニングレディ、南関東の活躍馬ゴールドマイニングなどが目立つ程度に終わった。*マイニング最大の功績はジャパンCなど王道レース三冠を達成したゼンノロブロイの母父となったことであろう。


<スマコバクリーク> (49位:1999年) ★★★☆☆ (並)

Native Dancer (USA) 1950
 Raise a Native (USA) 1961
  Mr. Prospector (USA) 1970
   *スマコバクリーク Smackover Creek (USA) 1985 17戦4勝
     ・重賞実績なし
    オギティファニー 1991 20戦6勝
     ・ダービー卿チャレンジT(GIII)
    タキノスペシャル 1997 17戦9勝
     ・北海道3歳優駿(GIII)

初年度産駒のオギティファニーが連戦連勝でダービー卿チャレンジTを制し、種付け数が一気に130頭近くまで膨れ上がったところで早世してしまった。その後は北海道3歳優駿のタキノスペシャルなど地方での活躍馬を数頭出すにとどまっている。母父としては川崎記念のエスプリシーズを出すことに成功した。


<テューター> (91位:1997年) ★★☆☆☆ (失敗)

Native Dancer (USA) 1950
 Raise a Native (USA) 1961
  Mr. Prospector (USA) 1970
   *テューター Tutor (USA) 1985 5戦0勝
     ・重賞実績なし
    ブルーファミリー 1990 26戦9勝 Sire
     ・羽田盃(大井) ・東京王冠賞(大井) ・東京シティ盃(大井)
    グランプリクン 1994 26戦6勝
     ・埼玉新聞杯(浦和) (2着) ・スーパーダートダービー(GII)

日本で最も早く供用されたミスプロ系種牡馬の1頭で、20頭に満たない初年度産駒から羽田盃や東京王冠賞を制したブルーファミリーを出すと、一気に80頭を超える牝馬が集まった。ただ、それ以外にはスーパーダートダービー2着のグランプリクンが目立つ程度である。


<マジックマイルズ> (78位:2004年) ★★★☆☆ (並)

Native Dancer (USA) 1950
 Raise a Native (USA) 1961
  Mr. Prospector (USA) 1970
   *マジックマイルズ Magic Miles (USA) 1985 4戦0勝
     ・母は智ダービー、智オークスの勝ち馬 Marimbula
    アドマイヤゴールド 1996 27戦3勝
     ・エーデルワイス賞(GIII)
    スターペスシンタ 1998 34戦7勝
     ・関越S(OP) ・阿蘇S(OP)
    モエレエスポワール 2001 26戦5勝
     ・札幌2歳S(GIII)

未勝利馬ながら母がチリの名馬という血統から種牡馬入り。地方御用達種牡馬という地位を確立し、多数の重賞勝ち馬を送り出したほか、道営所属のモエレエスポワールはヤマニンシュクルやスズカマンボらを相手に札幌2歳Sを逃げ切った。オープンで活躍中のフェスティヴタローの母父でもある。


<エブロス> (17位:1996年) ★★★★☆ (成功)

Native Dancer (USA) 1950
 Raise a Native (USA) 1961
  Mr. Prospector (USA) 1970
   *エブロス Ebros (USA) 1986 16戦5勝
     ・ラウンドテーブルH(USA-II)
    ポレール 1991 49戦9勝
     ・中山大障害(春)(2回) ・同(秋) ・阪神障害S(秋) ・東京障害特別(春)
    ヤングエブロス 1992 35戦4勝
     ・根岸S(GIII)
    ビーマイナカヤマ 1994 53戦13勝 Sire
     ・ガーネットS(GIII)(2回) ・かしわ記念(GIII) ・黒船賞(GIII)

種牡馬としてコンスタントに100頭以上の牝馬を集めており、ダート重賞を8勝した名脇役ビーマイナカヤマ、中山大障害3勝の名ジャンパー・ポレール、オークスで華麗な大逃げを見せたヤングエブロスといった個性派を多く送り出した。母父としてはオープン馬トシザヘネシーなどを出している。


<ビーインボナンザ> (116位:1997年) ★★☆☆☆ (失敗)

Native Dancer (USA) 1950
 Raise a Native (USA) 1961
  Mr. Prospector (USA) 1970
   *ビーインボナンザ Be in Bonanza (USA) 1986 不出走
     ・全兄にベルモントSの勝ち馬 Conquistador Cielo
    ユーコーマイケル 1993 56戦9勝
     (2着) ・ガーネットS(GIII) ・根岸S(GIII) ・さくらんぼ記念(GIII)

不出走馬だったが、全兄にベルモントSを大差で制した名馬 Conquistador Cielo がいる血統もあって種牡馬入り。最大で50頭ほどの牝馬を集めたが、交流重賞でそこそこ活躍したユーコーマイケルだけの一発屋であった。母父として地方重賞14勝のマルヨフェニックスを出したが、すでに牝系からは姿を消したようだ。


<ガダボート> (131位:1999年) ★★☆☆☆ (失敗)

Native Dancer (USA) 1950
 Raise a Native (USA) 1961
  Mr. Prospector (USA) 1970
   *ガダボート Gadabout (USA) 1987 6戦1勝
     ・全兄に名種牡馬 Woodman
    エイキューガッツ 1995 30戦6勝
     ・エニフS(OP) (2着) ・名古屋大賞典(GIII)

こちらも競走馬としては三流だったが、名種牡馬 Woodman の全弟という血統から種牡馬入り。やはり最大で50頭ほどの牝馬に種付けを行ったが、ダートのオープン路線で活躍したエイキューガッツが目立つ程度の成績に終わった。母父としての稼ぎ頭は皐月賞にも出走(14着)したブラックシャンツェである。

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この記事へのコメント

1. Posted by ゼロウィン 2014年11月12日 11:43
オギティファニー・・。

かつてダンツプリンセス事件を起こした荻伏牧場オーナーズ(現ブルーインベスターズ)の馬ですね(;´Д`)
一時期はカリブソングなど強い馬はかなり走っていたクラブですが、オギティファニーを最後に馬が全くと言って良いほど走らなくなってクラブごと崩壊しちゃいました(´・ω・`)
2. Posted by elfte 2014年11月12日 17:47
初期の「ダート御用達馬」の数々ですねぇ。
成績はいいものの、芝で走らないという理由で不遇な馬も少なくありません。
そしてアフリートは成功したからある程度いいものの、アメリカに返しておくべきだったんじゃと思わざる得ない名馬。
3. Posted by Organa 2014年11月13日 21:28
このころの活躍馬を考えると、後にエルコンドルパサーやキングカメハメハがあれほどの活躍をするとは想像もできないですね。
4. Posted by 狂犬芭蕉 2014年11月13日 21:35
アフリートは94年3歳牝馬クラシック戦線で活躍した持ち込みのゴールデンジャックが先鞭を付けましたね。良くある話とは言え全弟のスターリングローズは全く適性が違いましたね。

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