2017年05月19日

系統別種牡馬辞典 - フォルティノ系

「系統別種牡馬辞典」内国産編第八十一弾はフォルティノ系。*フォルティノ自身は日本輸入前に名種牡馬 Caro を残しており、今でもそれなりの規模で父系を存続させていますが、日本でも「白い稲妻」シービークロスを筆頭に多数の重賞ウイナーを輩出、さらにシービークロスから年度代表馬にして成功種牡馬タマモクロスが出たことで父系として非常に繁栄しました。シービークロス・タマモクロス親子以外にも名脇役ホワイトストーン、小倉三冠馬ミヤジマレンゴ、最優秀障害馬テキサスワイポンなど多彩な産駒が種牡馬入りしましたが、タマモクロスを含め今では完全に父系は途絶えています。
<シルバーネロ> (212位:1983年) ★★☆☆☆

Grey Sovereign (GB) 1948
 *フォルティノ Fortino (FR) 1959
  シルバーネロ 1971 9戦5勝
    ・阪急杯
   ミスシンコウザン 1979 21戦1勝
    (3着) ・小倉3歳S
   イチライキング 1980 23戦4勝
    ・中央で4勝
   ゲキソウ 1981 11戦2勝
    ・フェニックス賞(OP)

デビューは旧5歳と遅く、重賞勝ちは阪急杯だけだったが、その阪急杯で名牝イットーを下した快速馬だった。引退後は九州で供用され、最大で年間30頭の牝馬を集めたが、産駒のデビュー前に死亡。残された産駒からフェニックス賞の勝ち馬ゲキソウ、小倉3歳Sで3着に入ったミスシンコウザンなどを出しており、早世が惜しまれる種牡馬だった。


<スーパキングアケミ> (800位:1991年) ★☆☆☆☆

Grey Sovereign (GB) 1948
 *フォルティノ Fortino (FR) 1959
  シルバーネロ 1971
   スーパキングアケミ 1980 20戦13勝
     ・地方で15勝
    スティングストーン 1990 10戦0勝
     ・地方未勝利

そのシルバーネロが残した後継で、荒尾で20戦15勝・4着以下わずか2回と安定した成績を残したが、重賞実績はなかった。父と同じ九州で供用されたが、さすがに牝馬は集まらなかったようで、5年間の供用で残した産駒はわずか6頭。そこから勝ち馬を出すことはできなかった。


<ロングフアスト> (64位:1990年) ★★★☆☆

Grey Sovereign (GB) 1948
 *フォルティノ Fortino (FR) 1959
  ロングフアスト 1972 34戦8勝
    ・スワンS
   ロングクイック 1982 62戦8勝
    ・愛知杯(GIII)
   ロングムテキ 1984 36戦5勝
    京阪杯(GIII)
   ビッグフォルテ 1988 27戦3勝
    ・京都大障害(春)

ダービー馬ロングエースの半弟で、2歳から3歳にかけて4連勝を達成したが、クラシックは4着、2着、3着と勝ち切れず、重賞もスワンSを1勝するにとどまった。種牡馬としてはロングクイックやロングムテキなど複数の重賞ウイナーを出すことに成功し、最大で年間70頭の牝馬を集める人気種牡馬となった。母父としても京都ジャンプSのクールジョイを出したが、すでに牝系からも姿を消した。


<ミヤジマレンゴ> (280位:1990年) ★☆☆☆☆

Grey Sovereign (GB) 1948
 *フォルティノ Fortino (FR) 1959
  ミヤジマレンゴ 1973 25戦9勝
    ・北九州記念 ・小倉記念 ・小倉大賞典
   ナンプウカイザー 1988 6戦1勝
    (2着) ・ひまわり賞(OP)

北九州記念、小倉記念、そして小倉大賞典といういわゆる「小倉三冠」を達成した馬で、さらに2歳時に中京ダート1000mで残したレコードは数年前まで残っていた。種牡馬としては鹿児島県で供用されたが、何頭かの九州産オープン入着馬を出したものの、全体的には低調な成績に終わった。


<テキサスワイポン> (299位:1986年) ★☆☆☆☆

Grey Sovereign (GB) 1948
 *フォルティノ Fortino (FR) 1959
  テキサスワイポン 1974 48戦14勝
    ・中山大障害(秋) ・京都大障害(春) ・阪神障害S(秋) ・中京障害S
   アサクサステージ 1984 30戦2勝
    (5着) ・東京障害特別(春)

5歳時に障害入りしてから頭角を現し、中山大障害や京都大障害など重賞4勝をを含む11勝をあげ、7歳時には最優秀障害馬にも選ばれた。障害馬としては珍しく種牡馬入りし、初年度は20頭を超える牝馬を集めたが、わずか2年で種付け数はゼロに。20頭ほどの産駒から活躍馬は現れなかったが、稼ぎ頭のアサクサステージは障害で2勝をあげ、中山大障害にも駒を進めた。


<シービークロス> (18位:1988年) ★★★★☆

Grey Sovereign (GB) 1948
 *フォルティノ Fortino (FR) 1959
  シービークロス 1975 26戦7勝
    ・目黒記念(秋) ・毎日王冠 ・金杯(東)
   シノクロス 1985 22戦3勝
    ・京成杯3歳S(GII) ・TV東京賞3歳牝馬S(GIII)
   エーコークロス 1986 44戦8勝
    ・京都大障害(秋)
   イナズマクロス 1988 23戦3勝
    ・クイーンS(GIII)

GI級レースでは天皇賞(春)の3着が最高だったが、「白い稲妻」と呼ばれた末脚を武器に重賞を3勝した。ただし同馬が真価を発揮したのは種牡馬になってからで、天皇賞春秋制覇など8連勝を達成したタマモクロスをはじめ多数の活躍馬を輩出し、歴史に名を残した。母系でもイナズマクロスからイナズマアマリリスが出るなど今でも牝系に顔を出している。


<タマモクロス> (8位:1995年) ★★★★★

Grey Sovereign (GB) 1948
 *フォルティノ Fortino (FR) 1959
  シービークロス 1975
   タマモクロス 1984 18戦9勝
     ・天皇賞(春)(GI) ・天皇賞(秋)(GI) ・宝塚記念(GI)
    カネツクロス 1991 28戦9勝
     ・鳴尾記念(GII) ・アメリカJCC(GII) ・エプソムC(GIII)
    マイソールサウンド 1999 47戦8勝
     ・京都記念(GII) ・マイラーズC(GII) ・阪神大賞典(GII) 重賞計5勝
    タマモサポート 2003 35戦6勝
     ・ラジオNIKKEI賞(GIII) ・京都金杯(GIII)

デビュー当初は平凡だったが、夏を超えて大きく成長し、天皇賞(春)、同(秋)、そして宝塚記念など重賞6勝を含む8連勝を達成。オグリキャップとの芦毛馬対決を通して競馬人気の向上に大きく貢献した。種牡馬としてはGI馬こそ出せなかったものの、カネツクロスやマイソールサウンドなど多数の重賞ウイナーを輩出し、父を上回る成功を収めた。直系は途絶えてしまったが、母父としてヒットザターゲットは種牡馬入りできるだろうか。


<ウインジェネラーレ> (532位:2013年) ★☆☆☆☆

Grey Sovereign (GB) 1948
 *フォルティノ Fortino (FR) 1959
  シービークロス 1975
   タマモクロス 1984
    ウインジェネラーレ 2000 20戦5勝
      ・日経賞(GII)
     ベビークイーン 2009 29戦3勝
      ・地方で3勝

タマモクロス唯一の後継種牡馬で、日経賞で圧倒的支持を受けたゼンノロブロイを下したが、その後隻眼となり、勝ち星をあげることはできなかった。種牡馬としてはほとんど注目されず、初年度に2頭の産駒を残しただけで廃用となってしまった。


<ミリオンキャスパー> (516位:1993年) ★☆☆☆☆

Grey Sovereign (GB) 1948
 *フォルティノ Fortino (FR) 1959
  シービークロス 1975
   ミリオンキャスパー 1984 15戦4勝
     (5着) ・鳴尾記念(GII)
    イブキイチモンジ 1990 4戦1勝
     ・中央で1勝

準オープンの身で臨んだ鳴尾記念で5着に入ったのが目立つ程度の実績で、近親に20年ほど前の重賞ウイナーがいる程度の血統ということもあり、種牡馬として残した産駒は3年間で10頭あまり。この中から目立った産駒は出てこなかった。


<ホワイトストーン> (130位:2000年) ★★☆☆☆

Grey Sovereign (GB) 1948
 *フォルティノ Fortino (FR) 1959
  シービークロス 1975
   ホワイトストーン 1987 32戦4勝
     ・アメリカJCC(GII) ・産経大阪杯(GII) ・セントライト記念(GII)
    アローウィナー 1997 33戦3勝
     ・東京王冠賞(大井) (4着) ・ジャパンダートダービー(GI)

大阪杯やアメリカJCCなどGIIを3勝したが、それ以上に菊花賞2着、有馬記念やダービー3着などGI戦線でも活躍し、名脇役として人気を博した。種牡馬入りしてたった3年で死亡してしまったため、東京王冠賞のアローウィナーを出した程度に終わったが、もう少し長く種牡馬をやっていれば今頃牝系で辛うじて残っているくらいの活躍はできたであろうか。

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この記事へのコメント

1. Posted by 774 2017年05月19日 22:16
タマモクロス産駒で特に印象に残っているのはダンツシリウスですね
シンザン記念で評判馬アグネスワールドを破りチューリップ賞も快勝、メジロマックイーン産駒エイダイクインと共に牝馬クラシック路線を牽引する姿に当時はワクワクしたものです
2. Posted by サンデーサイレンス 2017年05月20日 07:06
ブログは定期的に拝見しておりますがコメント欄ではご無沙汰しております。

ブログの記事に関係なくて申し訳ないのですが管理人様に1つ質問があります。

JBISを見ると供用種牡馬一覧というのがあって日本国内の供用種牡馬・新種牡馬が私でも分かるのですが、
海外のサンデーサイレンス系種牡馬については語学力に乏しいため自力ではよくわからず、wikiは信憑性に疑問があるので父系馬鹿様のサイアーラインなどを参考にさせていただいております。

日本語のブログやネット競馬で情報収集しているとサイレントネーム産駒のSilentio、ディープインパクト産駒のDowsingが種牡馬入りしたようなのですがその他に海外で種牡馬入りした父SS系の馬はいるのでしょうか?

ふらっとたまにコメント欄に現れては記事に関係ない質問をして申し訳ありません。もし可能であればご教授いただきたく思います。
3. Posted by だらぶち 2017年05月20日 15:51
ある本に「タマモクロスはサンデーサイレンスと相性が良い」と書いてありました。
その理由としてカーレッドのクロスができるからだとか書いてありましたが、ウサン臭い本なので信用できません。
実際にタマモクロスとサンデーの組み合わせが何頭生産されたのか分かりませんが、マイソールサウンドが出たのでニックスとして案外信用できるのかもしれません。
4. Posted by Organa 2017年05月20日 22:16
>サンデーサイレンスさん
サイアーラインのほうもぼちぼち更新しなければと思ってはいるのですが、なかなか手につかず。リアルタイムで情報を追いかけているわけではないのでほかにもいるかもしれませんが、知っているところではほかにマーティンボロくらいでしょうか。

>だらぶちさん
ほかにはマイソールサウンドの全弟でオープンまで出世したマイハッピークロスくらいでしょうか。
5. Posted by サンデーサイレンス 2017年05月21日 07:03
管理人様、どうもありがとうございます。

言われてみれば、マーティンボロもフランスあたりに輸出されていましたね。

そういえば昨年海外の血統サイト見てたらサイレントネーム産駒でブラジルG1馬のJaspion Silent、Layman産駒でハンガリー2冠馬Latin Loverは子孫のところをクリックしたら数頭出て来たが種牡馬入りしたのでしょうか?と質問させていただいて、
確たる情報は見つからなかったとのお答えをいただいたのを思い出しました。

英語すら苦手な上に海外の競馬サイトの見方もよくわからないので管理人様のこのブログは大変ありがたい存在です。この度はどうもありがとうございました。
6. Posted by 狂犬芭蕉 2017年05月23日 12:15
ミヤジマレンゴ、種牡馬入りは様似からだった記憶があります。その後鹿児島に移りますが、繋養先の牧場が静内に引っ越したのに伴い一緒に移動、同地で余生を送ったはずですね。
7. Posted by Organa 2017年05月23日 22:57
ミヤジマレンゴ、初供用は様似のエーコープファームですね。

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