2018年01月09日

新種牡馬辞典 - ジャスタウェイ

それではいよいよ新種牡馬辞典シリーズのほうへと移っていきたいと思います。ということで第一弾はジャスタウェイ。日本馬としてはそれまで誰も成し得なかったレーティング単独トップに立つなど、文句なしに世界の頂点に立ったといえる存在で、昨年度と違って全体的にやや小粒感のある2018年世代において生産界の期待を一身に背負っています。初年度はやや受胎率に難がありましたが、産駒もなかなかの高額で落札されていますし、ハーツクライ産駒もここにきて上昇ムードですから、いきなり結果を残しても全く不思議ではないですね。
ジャスタウェイ

白老ファーム産 2009年生 鹿毛 父系:サンデーサイレンス系

<血統構成> 5代内クロス :なし

ハーツクライ

鹿毛 2001
*サンデーサイレンスHalo
Wishing Well
アイリッシュダンス*トニービン
*ビューパーダンス
シビル

鹿毛 1999
Wild AgainIcecapade
Bushel-n-Peck
*シャロンMo Exception
Double Wiggle

ハーツクライは有馬記念で国内で唯一ディープインパクトを破った馬で、ほかにドバイシーマC優勝、キングジョージ3着などの実績がある。種牡馬としてもジャパンCのシュヴァルグラン、ダービー馬ワンアンドオンリーなどを出しており、ディープインパクト、ステイゴールドとともにサンデー系三本柱としてその血を後世に伝えている。なお、産駒が種牡馬デビューするのはこのジャスタウェイが初めてとなる。

シビルは持込馬で、中央でデビューするも5戦して勝ち星をあげることはできなかった。母としてはほかに北九州記念2着のスカイノダンを出している。母父 Wild Again はBCクラシックなど米GI2勝をあげた馬で、日本ではスプリングSなど重賞3勝のナリタキングオー、ダート重賞3勝のワイルドブラスターなどを出しているが、母父としてはほかに目立った産駒は出ていない。

祖母*シャロンは米GI・CCAオークスなど重賞4勝をあげた活躍馬で、母としてオープンでそこそこ走ったシグナリオなどを出している。また、半弟にシリウスSなど重賞2勝の*トーヨーレインボー、クリスタルC2着の*エターナルビートがおり、*エターナルビートの仔にはクイーンCのフォーエバーモアがいるなど牝系としてそこそこ発展している。

<競走成績>

年 (歳)主な実績
2011年 (2歳)311着 2歳新馬戦 T1600
2着 新潟2歳S(GIII) T1600
2012年 (3歳)611着 アーリントンC(GIII) T1600
2着 毎日王冠(GII) T1800
2013年 (4歳)711着 天皇賞(秋)(GI) T2000
2着 毎日王冠(GII) T1800
2着 エプソムC(GIII) T1800
2着 関屋記念(GIII) T1600
3着 中山金杯(GIII) T2000
2014年 (5歳)631着 ドバイデューティーフリー(UAE-I) T1800
1着 安田記念(GI) T1600
1着 中山記念(GII) T1800
2着 ジャパンC(GI) T2400
4着 有馬記念(GI) T2500
2262014 最優秀4歳以上牡馬

2歳時から重賞戦線で活躍するも当初はそこまで目立った存在ではなく、初の古馬混合戦である毎日王冠で2着に入ったときは12番人気に過ぎなかった。ただそこから着実に力をつけ、4歳時の天皇賞(秋)でジェンティルドンナらを下して見事GIウイナーに上り詰めると、そこから中山記念、ドバイデューティーフリー、安田記念と怒涛の4連勝を達成。特にドバイ終了時のレーティングは日本馬としては史上初の世界単独トップとなる130ポンドを叩き出しており、名実ともに世界一の存在となった。

<供用実績>

年度種付料種付数生産数登録数供用場所
2015350万円220138138社台スタリオンステーション
2016350万円151106
2017350万円121
2018300万円

引退後は社台スタリオンステーションにて種牡馬入りし、初年度から200頭を大きく超える牝馬を集めた。初年度産駒もアドマイヤラクティの下が1億4000万円の高値を付けるなど、セールでもなかなかの価格で落札されていたが、初年度の受胎率がやや低めだったこと、さらに父ハーツクライが不調だったこともあってか2年間で100頭近く減らす結果となり、今年度も50万円減額されての供用が決まっている。ただハーツクライ産駒は昨年末盛り返しに成功、2年目の産駒も1億越えで落札されており、巻き返しは十分可能だろう。

<注目の産駒>

母名備考
アドマイヤテレサノーザンファームの生産馬。母は*エリシオ産駒で、中央5勝。阪神牝馬Sで4着がある。半兄に豪GIコーフィールドCのアドマイヤラクティがいる。近藤利一氏が1億4000万円で落札。
*カストリア浜本牧場の生産馬。母は Kingmambo 産駒の米国産馬で、米国未勝利。半兄に北九州記念のツルマルレオン、阪神Cなど重賞2勝のシュウジがいる。
キャッチータイトルノーザンファームの生産馬。母は*オペラハウス産駒で、中央6勝。OPターコイズSで5着がある。半姉にNHKマイルCなどGI2勝のメジャーエンブレムがいる。サンデーレーシングにて5000万円で募集。
サンフラワーガール丸幸小林牧場の生産馬。母は*タイキシャトル産駒で、不出走馬。半兄にアーリントンCのダンツキッスイがいる。
*ピリカ社台ファームの生産馬。母は Monsun 産駒の愛国産馬で、仏国3勝。GIIIエドゥヴィル賞(T2400)を勝っており、GIヴェルメイユ賞(T2400)で2着がある。金子真人HDが9000万円で落札。

いきなりの高額をつけたアドマイヤテレサだが、オーナーにとっては豪州に散ったラクティの敵を討ってもらいたいというところだろう。父が変わって早熟性とスピードがより増しそう。*カストリアはハーツクライですらスプリンターに出たかなり短距離志向の強い母系で、短いところで面白そう。キャッチータイトルはメジャーエンブレムの下。兄がすべて去勢されているのは気になるが、気の強さが良いほうに向けば。母父*タイキシャトルのワンアンドオンリー配合ではサンフラワーガールが最も面白そうだ。*ピリカはドイツ色の強い母系で5代アウトクロス。ジャスタウェイの母系に眠る異系血統とうまく化学反応が起きないか。

ほかにも*アウトオブタイム(仏GIIIカブール賞)、アポロティアラ(フェアリーS)、イクスキューズ(クイーンC)、ウェルシュステラ(姉ステラリード)、*オネストリーダーリン(姉ディアマイダーリン)、*キュー(兄*ブレイクランアウト)、*スイートハビタット(姉スイートサルサ)、シングライクバード(姉シングウィズジョイ)、ジェニーソング(兄サンディエゴシチー)、*セルキス(独GIIディアナトライアル)、ハルサンサン(TCK女王盃)、フェートデュヴァン(兄フェイトフルウォー)、フェアリーワルツ(兄オーロマイスター)、*ブライトアバンダンス(米GIIIノーブルダムゼルH)、ペルヴィアンリリー(兄アドマイヤエイカン)、*ポーレン(愛GIIIパークイクスプレスS)、ヤマカツマリリン(兄ヤマカツエース)、ヤマニンメルベイユ(クイーンSなど重賞2勝)、レイズアンドコール(兄モンドキャンノ)、*ワナダンス(亜GIサトゥルニーノ・J.ウンスエ大賞)など、GI級の牝馬は少ないものの重賞クラスの牝馬が目立つ。

<傾向> 芝: ダ: 距離:マイル〜クラシック 2歳: 3歳: 古馬:

血統的には5代アウトクロスで、特に母系はかなりマイナーな米国血統で占められており、ノーザンダンサーやヘイルトゥリーズン、メジャーなナスルーラ系の血を持たない。したがって基本的には父ハーツクライの影響が強そうで、芝の中距離がベストということになるだろう。クラシックシーズンに強いのもこの血統の特徴。ただ、母父に Wild Again が入る分、ハーツクライよりはダート・短距離志向が強く、場合によってはダート巧者やスプリンターを出す可能性も十分ありそうだ。古馬になってからさらにもう一伸びするところも父譲りか。

ディープインパクトを筆頭に、ステイゴールド、フジキセキ、そしてゴールドアリュールと*サンデーサイレンスの父系を継承できそうなラインも徐々に絞られつつある中で、もし今後この中に割って入る存在があるとすればハーツクライのほかにないだろう。昨年はオルフェーヴルが良くも悪くも強烈な印象を残し、圧倒的な存在感を示したが、今年の新種牡馬の筆頭的存在であるジャスタウェイも何かインパクトのあるパフォーマンスを見せ、父系の存続に一役買ってもらいたいものだ。


     

この記事へのコメント

1. Posted by elfte 2018年01月11日 11:57
ここまで5代血統表でアウトブリードかつ主流血統を含まないと、どんな産駒になるか予想がつかないというか。
早熟傾向はないと思われるけど、後は肌馬次第のような気がしてます。
もし牝馬の能力を引き出すようなことがあれば面白い存在になると思いますが。
産駒の人気自体は大和田氏がジャスタウェイの産駒が手に入れられないくらい人気のようなので、国内だけではなく国外の産駒も含めてどう化けるのかある意味楽しみではあります。
でも、脚質が遺伝するとル&ブロコレも多数出しそうなんですよねぇ。
2. Posted by Unnamed. 2018年01月11日 20:39
2歳戦から走れて古馬になってさらに強くなるという自身の成長曲線が伝われば面白い。ハーツの安い頃の産駒だから、血統的には及第点といったレベルかね。配合相手はこれだけ集まればチャンスは十分もらってると思う。

大和屋はシンジケート株1つ2つ持ってるのかな? ジャスタウェイとオツウを引いた豪運を産駒で発揮できるかも見どころかもね。
3. Posted by Organa 2018年01月11日 21:46
モンドキャンノの下が大和屋氏の持ち馬のようですね。2歳戦から走れそうですし、かなり面白そうな気がします。
4. Posted by DEEPBLUE 2018年01月14日 23:48
ハーツクライ系は良く言えばクラシック血統、悪く言えばやや重めな印象があります。この馬のマイルから動けるスピードというのはアピールポイントと思います

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