2018年01月11日

新種牡馬辞典 - ベルシャザール

新種牡馬辞典、第二弾はベルシャザール。3歳時はクラシック路線を進み、実際にダービーで3着に入るなどそれなりの活躍を見せましたが、古馬になって出走したダートでさらに真価を発揮し、あれよあれよの間にダート王者にまで上り詰めました。比較的安価なダート種牡馬として多くの牝馬を集めましたが、3歳時の芝実績に加え、ルーラーシップやロードカナロアのスタートダッシュでキングカメハメハの種牡馬の父としての優秀さが実証されつつある中、ベルシャザールもそうした流れに乗っていく可能性も十分ありますね。
ベルシャザール

社台ファーム産 2008年生 青鹿毛 父系:キングマンボ系

<血統構成> 5代内クロス :Northern Dancer 5×5×4

キングカメハメハ

2001 鹿毛
KingmamboMr. Prospector
Miesque
*マンファス*ラストタイクーン
Pilot Bird
マルカキャンディ

青鹿毛 1996
*サンデーサイレンスHalo
Wishing Well
*ジーナロマンティカ*セクレト
Waya

キングカメハメハはダービーなどGIを2勝した馬で、種牡馬としてもダービー馬レイデオロ、二冠馬ドゥラメンテなどを出す一方、7年連続で中央ダートリーディングに輝くなど、その適応能力の高さには定評がある。種牡馬の父としてもロードカナロアルーラーシップが初年度からまずまずの結果を残しており、サンデー系に次ぐ内国産ラインを形成している。

マルカキャンディは府中牝馬Sなど中央7勝をあげた活躍馬で、母として他にクイーンCで2着に入ったライムキャンディ、中央で5勝をあげたオープン馬ナイトフッド、プリンシパルSで2着に入ったキネオペガサスなどを出している。

祖母*ジーナロマンティカは米国産馬で、米国3勝。GIIロングアイランドH(T12F)で3着に入っている。繁殖牝馬としてほかに目立った産駒は残していないが、その母 Waya はマンノウォーSなど米GIを4勝し最優秀古馬牝馬にも選ばれた名牝である。

<競走成績>

年 (歳)主な実績
2010年 (2歳)321着 ホープフルS(OP)
1着 新馬戦 T1800
3着 萩S(OP) T1800
2011年 (3歳)612着 スプリングS(GII) T1800
3着 ダービー(GI) T2400
2012年 (4歳)10
2013年 (5歳)641着 ジャパンCダート(GI) D2100
1着 武蔵野S(GIII) D1600
1着 ブラジルC(OP) D2100
1着 白川郷S(1600) D1800
2着 ラジオ日本賞(OP) D1800
2014年 (6歳)203着 フェブラリーS(GI) D1600
1862014 最優秀ダートホース

4歳までは芝路線を進んでおり、重賞勝ちこそなかったが三冠馬オルフェーヴルに突き放されながらも3着を死守したダービー、オルフェーヴルに3/4馬身まで迫ったスプリングSなど、クラシック路線の中心的存在として活躍した。その後は故障もあって5歳時からはダート路線に進むと、わずか6戦でジャパンCダートを制すまでに成長し、一気にスターダムにのし上がった。年明け初戦のフェブラリーSは1番人気に支持されながら人気薄コパノリッキーに押し切りを許すと、ドバイワールドCも11着と大敗。その後再び故障を発症し、結局GIは1勝だけにとどまった。

<供用実績>

年度種付料種付数生産数登録数供用場所
201550万円163125124社台スタリオンステーション
201650万円14590
201750万円113ブリーダーズスタリオンステーション
201850万円

引退後は社台スタリオンステーションにて種牡馬入り。GIのタイトルはジャパンCダート一つだけだったが、クラシックでも走れる芝適性・早熟性に加え、いざとなればダートでつぶしのきく万能性、さらに期待値の高いキングカメハメハ×*サンデーサイレンス血統の種牡馬が社台で安く種付けできるとあれば人気も出るというもの。モーリスやドゥラメンテらの加入もあって押し出されるようにわずか2年でブリーダーズSSに移ることとなったが、それでも100頭台をキープしている。

<注目の産駒>

母名備考
*ササファイヤーノーザンファームの生産馬。母は Saint Ballado 産駒の米国産馬で、米国不出走。半兄にきさらぎ賞2着のマズルファイヤー、プリンシパルS2着のプラテアードがいる。キャロットで1500万円で募集。
セイングレンドノーザンファームの生産馬。母はバブルガムフェロー産駒で、中央4勝。スイートピーSで5着がある。いとこに天皇賞(秋)などGI2勝のラブリーデイがいる。サンデーレーシングで1200万円で募集。
ハンドレッドスコア白老ファームの生産馬。母は*ホワイトマズル産駒で、中央3勝。半兄にOPラジオ日本賞勝ち馬センチュリオンがいる。社台オーナーズにて1000万円で募集。
ベルクラシック片山牧場の生産馬。母は A.P. Indy 産駒の持込馬で、中央1勝。半兄に兵庫ジュニアGP3着のケイアイカイトがいる。サンエイ開発(株)が820万円で落札。
ワキノドライバー広田牧場の生産馬。母は*スウェプトオーヴァーボード産駒で、中央1勝。おばに新潟2歳Sのエフティマイアがいる。了寺健二氏が2200万円で落札。

*ササファイヤーは地方競馬デビュー予定のようだが、クラシックにも出走したプラテアードやマズルファイヤーの下で、Halo クロスがあるとくればむしろ芝でこその印象。セイングレンドは近親にキングカメハメハ産駒のラブリーデイがいるのが強み。芝ダート両方いけそう。ハンドレッドスコアも半兄センチュリオンがキングカメハメハ産駒なのが心強い。ベルクラシックは母系がバリバリの米国血統で、こちらはいかにもダートが合いそうな印象。ワキノドライバーはテソーロの了徳寺氏が同産駒最高となる価格で落札しており、何となく仕上がり早で2歳戦から走りそう。

他にヤマカツリリー(フィリーズレビュー)、*ヤマニンパラダイス(阪神3歳牝馬S)などがいるが、やはり種付け料が種付け料だけに実績のある牝馬は少なめ。

<傾向> 芝: ダ: 距離:マイル〜クラシック 2歳: 3歳: 古馬:

キングカメハメハ×*サンデーサイレンスという典型的な王道配合で、他にドゥラメンテやローズキングダム、トゥザワールドが出るなど基本的にはクラシックに強い血統であり、自身がダービーで3着に健闘したのもうなづける。戦績が示す通りやはりダートがメインにはなるだろうが、配合次第では十分クラシックも狙える存在だ。距離の融通はかなり利きそうで、特にダートなら距離不問だろう。仕上がりの早さにもある程度期待できるが、やはり完成は3歳以降だと思われる。

キングカメハメハ産駒としてはルーラーシップが初年度からクラシックホースを送り出すことに成功し、ロードカナロアも勝ち馬を量産するなど質の高い産駒を送り出している。さらに今後二冠馬ドゥラメンテにダート王者ホッコータルマエらが控えるなど、守備範囲の広さはディープインパクトを遥かにしのぎ、*サンデーサイレンス自身に匹敵するほどである。芝ダート問わず産駒が活躍するキングカメハメハの血をうまく受け継ぐのは、意外とベルシャザールのようなタイプなのかもしれない。


     

この記事へのコメント

1. Posted by 倫敦納豆 2018年01月11日 23:32
 Organaさんはキングカメハメハの後継候補の1頭としてご覧になっているようですが、父父Kingmambo、母父サンデーサイレンス、クラシックも走ったけどダートに転向してGI馬、という点で、私はヴァーミリアンを連想してしまいます(あちらは3歳時の芝はさっぱりでしたが)。
2. Posted by だらぶち 2018年01月13日 11:55
キンカメ、サンデーはいいとして、母母父のセクレトってどうなんですかね。
母系にセクレトが入った種牡馬をほとんど見ないので、傾向がつかめません。
セクレトというと青森で供用されててタムロチェリーの父、というイメージしかないので。
3. Posted by Unnamed. 2018年01月13日 15:20
結果的にダート転向で開花した感じになってるけど、4歳時をほぼ棒に振った骨折がなければ、そのまま芝で実績を積んでたかもしれない。もしも、「どちらかといえば芝のほうが走る」という適正でダートG1を勝ってたとしたら、大化けする可能性は秘めてるんじゃないかな。

セクレトは大本命に不利を与えて勝った弱いダービー馬だとか、名門カルメットファームの経営を傾けた一因だとか、引退後はいろいろ汚名を背負って不遇だった印象。セクレトの日本での産駒で血をつないでるのはタムロチェリーの娘だけみたいだし、ベルシャザールを介して残る道もあればいいな。
4. Posted by なおきち 2018年01月13日 22:04
キングカメハメハ×母父サンデーはニックスのように思われてるけれど
実は古馬になってからG1勝った馬はこのベルシャザールしかいないんですよね(ローズキングダムのジャパンカップは3歳、しかも繰り上げ。ドゥラメンテは結局古馬でG1勝たずに終わった)
他の非サンデー系種牡馬がうらやむほどの良血サンデー牝馬与えらえていたにしては微妙な感じです。

5. Posted by Organa 2018年01月13日 23:21
>なおきちさん
そもそもキングカメハメハ産駒の古馬GI馬はそれほど多くないですし、ラブリーデイも含めてそのうちの2頭が母父サンデー系ですから、少なくとも現時点でのベストチョイスであったことは間違いないと思います。
6. Posted by Xport 2018年01月14日 18:20
ベストチョイスだったとは思えません
キングカメハメハかける母父サンデーは450以上いるのにG1級の馬が少なすぎです

逆にローエングリンは母父サンデー産駒が100頭以下で古馬G1馬ロゴタイプを輩出し
スウェプトオーヴァーボードも母父サンデー産駒数100以下なのに古馬G1馬レッドファルクスを輩出し
グラスワンダーは通算で120しか母父サンデー産駒がいないのに初年度からスクリーンヒーローを輩出してます

キングカメハメハに与えられていた母父サンデー牝馬が
ローエングリン、スウェプトオーヴァーボード、グラスワンダーに与えていたら母父サンデーの成績や母父サンデーG1馬の数はもっと増えていたと思います
7. Posted by Organa 2018年01月14日 22:31
>Xportさん
そもそも割合でいえば大した差ではないですし、ドゥラメンテという次世代を担うチャンピオンホースを出したのですから、選択肢としてはこれで正解だったと思います。

スクリーンヒーローは今でこそ大種牡馬の扱いですが、現役時代は単なる人気薄でのGI単発勝ちレベルの競走馬です。もしローエングリンやスウェプトオーヴァーボードで単発GIウイナーが増えたとしても、次世代につながらないのであればあまり大きな意味はないでしょう。
8. Posted by DEEPBLUE 2018年01月14日 23:49
最初から50万でなら、結構おいしい馬だと思います。潰しがきくのはやはり大事ですし

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