2020年06月24日

バザード系 - サイアーラインで辿る日本競馬

続いてはバザード系。当初はヘロド系の主流であるハイフライヤー系の陰に隠れていたような存在でしたが、同系統の衰退とともに台頭し、後にヘロド系復興の祖となったザテトラーク、さらに現代にヘロドの血を伝えることとなったトウルビヨンを出すことに成功しました。そのザテトラークと父が同じ*ロイヂュールがかつての日本に輸入され、1920年代後半ごろから複数の帝室御賞典の勝ち馬を送り出し、中堅級の成功を収めたようです。ただ、同時期に活躍していた*イボアや*ガロンらのように後世に大きな影響を与えることはありませんでした。
<バザード系父系図>

HerodHerod - Buzzard

Croft's Partner 1718
 Tartar 1743
  Herod 1758
   Woodpecker 1773
    Buzzard 1787
    |Castrel 1801
    ||Bustad 1813
    || Heron 1833
    ||  Fisherman 1853
    ||  |Angler 1862
    ||  ||Robinson Crusoe 1873
    ||  |||Trident 1883
    ||  |||| ・1886年 AJCダービー
    ||  |||| ・1886年 ヴィクトリアダービー
    ||  ||||Neptune 1889
    ||  |||Regained 1895
    ||  ||  *ビワコ 1903 サラ系
    ||  ||   ・1911年 オーストラリアンH
    ||  ||Progress 1877
    ||  | |Linwood 1886
    ||  | |Stockman 1891
    ||  |Maribyrnong 1863
    ||   |Richmond 1872
    ||   ||Port Admiral 1888
    ||   || Ganymedes 1901
    ||   ||  ・1904年 サウスオーストラリアンダービー
    ||   ||Duke of Richmond 1892
    ||   |Satirist 1874
    ||   | Cormorant 1891
    ||   |Broken Hill 1889
    ||     Silver King 1900
    ||Pantaloon 1824
    | |The Libel 1842
    | | Traducer 1857
    | | |Sir Modred 1877
    | | | Antaeus 1886
    | | | |Valiant 1892
    | | | |*ミヅホ 1901 サラ系
    | | |   ・1909年 帝室御賞典(横浜)
    | | |Cheviot 1879
    | | ||Little Bernie 1886
    | | || Little Prospect 1898
    | | ||Rey El Santa Anita 1891
    | | |  *デアフォード Dareford 1909
    | | |July 1880
    | |   Lorimer 1893
    | |Windhound 1847
    |   Thormanby 1857
    |    Atlantic 1871
    |     Le Sancy 1884
    |     |Le Sagittaire 1892
    |     | Maintenon 1903
    |     | |Maintenant 1913
    |     | |Phusla 1918
    |     |   ・1921年 グロシェーヌ賞
    |     |   ・1922年 グロシェーヌ賞
    |     |Le Samaritain 1895
    |       Roi Herode 1905
    |       |The Tetrarch 1911  ━━━ The Tetrarch line
    |       |*ロイヂュール Roideur 1915
    |       ||露越 1923
    |       ||アレキサンダー 1924
    |       ||キヨタキ 1924 種牡馬名:第二ゴールマイン サラ系
    |       || ・1928年 横浜記念
    |       || ・1928年 帝室御賞典(東京)
    |       ||ハツライ 1924 サラ系
    |       || ・1929年 帝室御賞典(東京)
    |       ||アヤセ 1925
    |       || ・1929年 横浜記念
    |       ||ナスザン 1925
    |       || ・1930年 帝室御賞典(阪神)
    |       ||純雷 1925
    |       ||呂澤 1929 サラ系
    |       |Royal Canopy 1914
    |         Purple Shade 1921
    |         | ・1923年 ウィンザーキャッスルS
    |         | ・1924年 ファーンヒルS
    |         |ハクコウ 1929
    |          | ・1933年 帝室御賞典(横浜)
    |          | ・1932年 中山四歳馬特別
    |          | ・1933年 農林省賞典競走(東京)
    |          | ・1933年 五歳特別(東京)
    |          | ・1933年 中山秋季五歳馬特別
    |          |ゼーアドラー 1936
    |          | ・1941年 中山大障害(秋)
    |          |銀勝 1940
    |          | ・グランドマーチス、テンジンショウグンの牝祖。牝系残存
    |          |ツガル 1940
    |            ・1944年 (2着)横浜記念
    |Selim 1802
      Sultan 1816
      |Glencoe 1831
      | Vandal 1850
      |  Virgil 1864
      |   Hindoo 1878
      |    Hanover 1884
      |    |The Commoner 1892
      |    | *ハーラング Harangue 1901
      |    |Yankee 1899
      |      Marse Abe 1906
      |       Mars Mouse 1915
      |        *タンバーフ Tom Balfe 1931
      |Bay Middleton 1833
        The Flying Dutchman 1846
         Dollar 1861
          Androcles 1870
           Cambyse 1884
            Gardefeu 1895
             Chouberski 1902
              Bruleur 1910
               Ksar 1918
               |Tourbillon 1928  ━━━ Tourbillon line
               |Wire-Tapper 1938
                 *コロネーション Wire Tap 1950

Buzzard はクレイヴンSなどの勝ち馬で、CastrelSelim という2頭の全兄弟によって父系が継承された。前者は The Tetrarch 、後者は Tourbillon を出して21世紀まで父系を繋ぐことに成功したが、現在ではほぼ Tourbillon によってのみその血が受け継がれている。しかし Tourbillon 以前の Selim の系統はほとんど日本には入ってきておらず、今では名前も忘れ去られた種牡馬が何頭かいるだけのようだ。

The Tetrarch の父 Roi Herode 産駒の*ロイヂュールは1920年に種牡馬として輸入されており、帝室御賞典を制したキヨタキハツライナスザンなどを出すなど一定の結果は残した。後継種牡馬も複数送り出したが、繁殖馬の父としては今一つだったようで、今*ロイヂュールの血を引く現役馬はほとんどいないか、あるいはすでに途絶えてしまっているかもしれない。

Purple Shade 産駒の持込馬ハクコウは帝室御賞典(横浜)や農林省賞典(東京)などを制した活躍馬で、シンボリ牧場の前身である新堀牧場にて種牡馬入りし、中山大障害を勝ったゼーアドラーなどを出した。ハクコウ産駒の銀勝の末裔から中山大障害4連覇の名障害馬グランドマーチス、日経賞のテンジンショウグンなどが出ており、今なお牝系として健在である。




この記事へのコメント

1. Posted by まよ 2020年06月25日 00:17
テンジンショウグン、すごい由緒(歴史)ある血筋だったのですね。ゴーディーが引退したら、この銀勝→ハクコウが、現存から遡れる最も古い日本産サラブレッドになるのでしょうか?
2. Posted by Organa 2020年06月25日 23:50
ハクコウ自身は(日本の歴史からすると)まだまだ新しい種牡馬です。

ただ銀勝の牝祖が1897年生まれのプロポンチスなので、その意味では最も古いサラブレッドに遡ると言えるかも知れません。

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